書き始めると楽しいのですが椅子に座って書いているので背骨が痛いです…。前書きで愚痴るのもどうかとは思いますがそこは皆さんの温情で見逃して頂いて本編を読んで頂けると嬉しいです!
上条当麻SIDE
「………?」
当麻は自分の身に何が起きたのかが理解できなかった。ちなみに彼は今落とし穴に落ちた状態となっている。
(何でこんな所に落とし穴が!?ていうか作りが精巧過ぎるだろ!何も見えなかったぞ…!)
俺は今非常に焦っている。理由の1つは勿論いきなり落とし穴に引っかかったからだ、こんなのに引っ掛かれば誰だって驚くに決まってる。ただ………彼が今1番焦っていることはそれではない。
「………当麻、今すぐそこを退いてくれないか?」
俺はあろうことか……妹紅に馬乗りになるような形で膝立ちになっているのだ。言うまでもないが悪意は無いからな!?本当に偶然なんだ!しかし被害者である妹紅からすればそんなことは関係ない。
「はぁ……大方永遠亭のイタズラウサギの仕業だろう…。しつけも満足に出来ないのかあの蓬莱ニートは…」
「妹紅、蓬莱ニートって何だ?」
俺は人を殺せそうな目線で見つめてくる妹紅の視線に耐えきれず何とか立ちあがり妹紅に手を貸す
「ん、ありがと……まぁそのままだ。噛み砕いて言うと数100年に渡ってニートを維持し続けている姫だな」そう言いつつ妹紅は俺の手を掴んで立ちあがった。
「上条さんにはまったく意味が分からん…」
「気にするな、今の説明で完璧に理解されると逆に困るよ」
「しかしどうする?この穴は余裕で2mはあるぞ、どう上るんだ?」
まぁ普通ならば俺が妹紅を肩車して上から引き上げて貰うべきだ。
「簡単だ、飛べばいいじゃないか」
妹紅の返答があまりに唐突だったため俺は思わず
「なるほどな」
と答えてしまった。いやいや妹紅さん…それは無理難題すぎだろ。確かに学園都市には空を飛んだりそれに近い事をやってのけるやつはいる、だがここは学園都市ではない。てっきりからかわれたのかと思った俺は妹紅に「冗談はやめようぜ」と言おうとしたその時……
俺は妹紅に腕を掴まれ落とし穴から飛び出していた
藤原妹紅SIDE
私はこれでも温厚な方だとは思う、落とし穴に落ちた際に当麻に押し倒されるような状態になってもそれは故意では無い事は当麻の反応を見れば一目瞭然だったので軽く睨むくらいにしておいた。
(しかしあれで顔を赤くするくらいだからな……それなりの修羅場をくぐってはいるようだがまだまだ子供だよ、お前は)
もう少しいじめてみたい気もしたが会って間も無い外来人をいきなりいじめるというのはさすがによろしくない。この鬱憤は今度輝夜と弾幕ごっこでもしておおいに晴らすとしよう。
とにかくまずはこの落とし穴から脱出だ、落とし穴に落ちる直前何かが近づいてくる気配がしたから十中八九あの兎詐欺が近くで見ていたはず、お灸を据えてやらねば…
そんなことを考えつつ私は上に登るため当麻の右腕を掴んだ。
「あ、あれ?」
(おかしい……いつもなら妖力を使って飛べるはずなのに何故か今は力が上手く使えない…)
今度は当麻の左手を掴んでみる、すると
「飛べたか……」
私は難なく当麻を引っ張って穴から脱出し、地面に着地する。
「なっ!?妹紅!今のはどうやったんだ!?」
「どうって…説明すると長くなるから端折るけど要は力を使ったんだ」
「端折り過ぎだろ……。まぁ上条さんには慣れっこですけど…」
「そう拗ねるな、時間があればちゃんと説明するからさ」
しかし気になるのは先程の妖力が使えなかった件だ、こればかりは端折る訳にもいかない。
「当麻、お前の右腕を触らせてくれないか?」
「ど、どうしたんだいきなり?もしかしてさっき右手を握っていたのに左腕に変えたことと関係があるのか?」
どうやら当麻には心当たりがあるらしいな。これはゆっくりと聞いてみる価値があるんじゃないか?
「それも気になるがまずは落とし穴を掘ってくれたやつにお灸をすえないとな」
辺りには既に私たち2人以外の気配はない、となると居場所はあそこしかないだろう
「妹紅は犯人に心当たりがあるのか?さすがの上条さんもこれには怒りをおさえきれないんだ」
それもそうだ、いきなり落とし穴におとされ私から睨まれるんだからな。私が言えた義理でもないがこれは当麻にも怒る権利はある。
「あぁ、あるよ。嫌というほどな…とにかくこれからのこともあるから休める場所に案内するからついてきなよ」
また輝夜と顔を合わせるハメになるがいくらあのニートでも外来人がいるにも関わらずいきなり勝負はしかけてこないはずだ
多分………
上条当麻SIDE
とりあえず分かったことがいくつかある。
まず一つ目、妹紅は怒らせると怖い。多分御坂なんて比にならないレベルだ。さすがの上条さんでも女の子を押し倒すというのがタブーというくらいは分かるんだ。これからはちゃんと気をつけるんだ俺!無事に学園都市に帰りたいのなら……
そして二つ目、妹紅は間違いなく何らかの異能の力を所持している。これはさっきの脱出劇からでも分かるが何より俺の右手に妹紅が反応したのが一番の証拠だ。だからといって何が変わる訳でもないが…
ともかく後で妹紅に謝ろう。そんな事を決意している内に俺は和風の建物の前に辿り着いていた。
「着いたぞ、ここが永遠亭という場所だ。診療所と言えば伝わるか?」
妹紅の話だとどうやらここは病院で八意永琳という人物とその弟子、鈴仙・優曇華院・イナバ(れいせん・うどんげいん・いなば)達が住んでいるらしい。ちなみに俺達を落とし穴にはめたやつは因幡てゐというらしいな。
「そうだ、無いとは思うがもし明らかに姫!って格好の女と出会ったら適当に話をしてやってくれないか?多分会話がはずめば大丈夫だよ」
俺は妹紅の言いたい事が理解できなかった。むしろ会話がはずまないと何かあるのか?お願いします妹紅さん。俺は半ばこの手のアクシデントがアレルギーなんです。いや、本当に冗談抜きで。学園都市じゃ顔面に噛みつかれたり放電されたりですよ?後は御坂の後輩の着替え中に部屋に入ってしまって平手打ちを受けたような気もする……
「も、妹紅さん?そのお姫様はもしかしてすご~くお力が強かったりされるんでしょうか……?」
「何故敬語になるんだ?まぁ当麻がどの力のことを言っているのかは分からないが弱くはないな」
(や、やっぱり~…そーなのかー…。これは本気で警戒しないとここで上条さんは死んでしまうかもしれませんのことよ!?)
「そうだ、私は少し用事を思い出した。玄関から入ってすぐの所に待合室があるから先に行っててくれないか?」
「えぇ!?妹紅は来ないのか!?このままだと上条さんの命が…!」
「と、当麻…いくら何でも心配し過ぎだ。すぐに行くから、大丈夫大丈夫!」
そうして俺は背中を押されるように永遠亭に飛び込んだ。
「また後でな、当麻!」
こうして俺は置いてけぼりを食らったのだが……
(はぁ……不幸だ……)
藤原妹紅SIDE
当麻は永遠亭に入ったようだな、何を恐れているのかは知らないがよほどの不運でも無い限りあそこで命を失うことはない。だってあそこは診療所なのだから
「さて………いるんだろう、紫?」
私は誰もいない空間に向かって話しかけた。
「ふふっ、いつから気付いていたのかしら?」
にこやかな微笑を浮かべつつ空間からスキマを開き紫は現れた。
「いつからだと言えば満足するんだ?」
「そうね、驚愕の表情を浮かべつつ、今気付いたと言って貰えると嬉しいわ」
「からかいに来たのなら私はお断りだ、博霊の巫女の所に行けば良い」
「そうカリカリしなくて良いじゃない、彼に押し倒された所を見られたのがそんなに恥ずかしい?」
どうやら話し合う気はないらしいな、それならば焼くまでだ。私は手のひらに炎を出現させ紫を睨む
「冗談よ冗談、ちなみに外界ではこれをジョークと言うらしいわ」
「そんな豆知識を披露しに来たのか?違うだろう、上条当麻について説明してもらおうか」
「そうね…私も悠長にしている暇もないから手短にいきましょう。彼は普通の学生よ、あの右手に宿る能力以外は…ね」
やはり当麻のあの右手は何かしらの力があったのか…
「それで…詰まる所はあれはどんな能力(ちから)なんだ?」
「幻想郷らしく言えば………右手に触れたありとあらゆる異能の力を全て打ち消す程度の能力、よ。能力名は幻想殺し(イマジンブレイカ―)…まさに幻想郷の敵と言ったところかしらね」
私はその能力の意味が一瞬理解できずに硬直した
さて、前回と比べれば少し文字数が増えたような……まぁ、文字数よりも表現力があがらないと意味は無いですが……汗
やっと上条さんの能力を明らかにすることが出来ました。正直もこたんの反応は迷いましたがあえて驚くという方向性にしてみました。実はニコ動の幻想入り動画やネット上のスレを拝見していると圧倒的に東方キャラの方が強さが上なんですよね。ぶっちゃけてしまえばその通りです。だって幽々子様の能力を使えば一方通行でもワンパンですよ?そんなの見たくもないですが…。とは言えそんな個人的な私情でキャラの優劣を決めるつもりはないんです。でもせめてちょっとくらい東方キャラに「……!?」みたいな反応をさせてみたくて…身勝手で申し訳ない!
そしていよいよ次回からはバトルパートが入るかもです。とは言ってもガチガチのバトルではなく上条さんと美琴の喧嘩を想像していただけると幸いです。それでは次回もよろしくおねがいします