とある幻想郷の幻想殺し   作:愛鈴@けねもこ推し

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サブタイトルは安定のパクリのけねもこ推しでございます。さて、これは一週間ぶりの投稿になる訳ですが皆さんはこの小説を覚えていらっしゃいましたか?改めてこの小説のモットーを確認すると
1、けねもこは神の国
2、上条さんは基本的に不幸
3、ていとくんも不幸

え?原作のていとくんは不幸体質じゃない?やだなぁ

「俺の二次創作にその常識は通用しねぇ」

と、まぁこんな感じで書くと私のフリーダム感を理解していただけたと思います。それでも構わないと言う方は本編をどうぞ!






叫べ、今持つこの金しかないと

 

 

 

 

垣根帝督SIDE

 

 

 

俺は今世にも奇妙な状況に陥っている。ざっくりと言ってしまえば生きるか死ぬかの瀬戸際だ。

理由は単純、目の前にいらっしゃるDr永琳を本気で怒らせてしまったからだ。現在の状況は右から当麻、妹紅、俺、うどんげ、輝夜の順で永琳の前で地面に正座して膠着状態が続いているが……このままでは劇薬を投与されかねない。いや、永琳ならマジでやるぞ。何でこうなった……何で俺がいた病室が跡形もなく消え去ってる………何で…

 

俺はただひたすらに何でを心の中で連呼しつつ、こうなった原因を探るため今までの事を回想する事にした

 

 

 

 

………落ち着け、まずは状況を整理しろ。俺は確か当麻に一方通行という能力名を聞いた途端に目の前が真っ暗になった。そこで謎の黒翼を生やした野郎に襲われたが無事撃退、そして目を覚ますと目の前には当麻と輝夜、それにうどんげと藤原妹紅とか言うやつの顔があった。それまでは別に良い、ただここで1つ問題が発生した。

 

「か、顔が痛ぇ……!!」

 

特に鼻の辺りが酷い、これ骨が折れてるんじゃねぇか!?

 

「あ〜………えっとそれはな…。ふかーいふかーい事情があったせいで上条さんが右ストレートを放ったせいのような違うような…」

 

「ま、まぁ仕方ないんじゃない?垣根が暴れた以上誰かが止めなきゃ行けなかった訳だし…!骨は折れてないから大丈夫よ!」

 

何で当麻とうどんげは2人で勝手に納得してやがる!?要はあれか!?俺がパニックになったからとりあえず殴って収めましょうってか!?

 

「あ〜……話の内容がハッキリとしない以上何とも言えねぇが……よくも殴ってくれやがったなこの野郎!!」

 

俺はとりあえず当麻に突っかかった。

 

「だから仕方なかったんだ!と言うか垣根だってよくも勝手に暴れてくれたな!!」

 

「何だと!?俺の責任かよ!?」

 

話を聞く限りこれは俺がやらかしたらしい、クソったれ!!意識が無い間に建物破壊とかどんだけ俺はクレイジーなんだよ!

 

「落ち着きなさいよ、垣根!何もアンタ一人に責任を負わせようって訳じゃ無いの!姫様も弾幕で壁を数ヶ所破壊してるし、当麻にも垣根が暴走するような話をした責任もある!何より何も出来無かった私にも責任が…!」

 

「待ちなさいよ、イナバ!それって私にも永琳に怒られろって言いたいの!?嫌よ!絶対に殺されるわ!」

 

「ま、待て待て鈴仙!いくら何でも上条さんに責任を押し付けるのは卑怯だぞ!あんな話で垣根が暴走するなんて誰が予想出来るんだよ!?」

 

「ゴチャゴチャ言わないの、当麻!!姫様だって今更1抜けたが許されるとも思わないでしょう!?」

 

こいつらはどこまで俺を抜きにして争う気だ……つか自分は助かりたいっていう本心が丸見えだぞ…。とりあえずここにいる全員は巻き込んでおくか、さすがの永琳もこの人数全員に人体実験を行うのは不可能だろ

俺がそんな甘い事を考えていたその時だった、青と赤の服を着た最強にして最恐の医師が現れたのは……………

 

「言いたい事は…………皆それだけかしら?」

 

何と俺達が一番恐れていた事が現実になってしまった、永琳は俺達がいる場所から少し離れた位置に立っている。その表情は無表情で怒気を隠そうとしているが、目からは人を殺すのには十分過ぎる程の怒気が漏れている

 

「えっ…あ…いや…私は当麻を庇っただけで何も知らないというかだな…」

 

永琳から目を反らす妹紅

 

「そ、そうなんですよ!!俺と妹紅はむしろ巻き込まれた被害者って言うか…!!」

 

汗を大量に流しながら苦し紛れの言い訳をする当麻

 

「何でウニ条と妹紅が被害者なのよ!?それなら私は垣根を救ったヒーローでしょ!悪いのは暴れた垣根とそれを誘発したイナバとウニ条よ!!」

 

露骨なまでの責任の押し付けをする輝夜

 

「そ、そんな…!酷いですよ!!実際に診療所の一部は姫様に破壊されたじゃないですか!!」

 

涙目になりながら輝夜に反論するうどんげ

 

(おいおい……普通に考えて今言い訳をするのはマズイだろ…!永琳の表情見ろよ!!怒りを通り越して哀れみすら感じるぞ!?)

肝心の永琳は4人の口論に呆れたらしく額に手を当てている

 

「とりあえず………話だけでも一応は聞いてあげるから全員その場で正座しなさい」

 

「え、永琳?私は構わないわよね?」

 

「わ、私だって無罪だからな?本当に当麻を庇っただけだからな?」

 

2人の祈りは永琳に通じる訳もなく

「姫も関係ありません、お座りください。それに妹紅、貴方がいながらこのような事態になる事が私には意外だったのよ

 

分かったら今すぐ謝罪内容でも考えなさい」

 

はい、これで全員がチェックメイト………俺達に残された選択肢はただ1つ

 

「「「「「はい……………」」」」」

 

結局、全員が観念して永琳の前に正座をする羽目になり俺は顔面の痛みに耐えながらこの危機的状況を打破する為の謝罪内容を考える事になった

 

 

 

 

俺は長々とした回想を終え、意識を今に戻す

(クッソ………我ながら間抜け過ぎるだろ…!よりにもよって永琳をキレさせる羽目になるとはな…。…まぁ1番悪いのは俺だからもしうどんげ達にまで迷惑がかかるようならその罪は俺が背負う……だとしても人体実験だけは避けないといけねぇんだ…!)

 

心では何か策を講じる必要性があった事は分かっていたが今のこの状況は意識が戻ったばかりの俺が行動するには余りに過酷だった………

 

 

 

 

 

 

 

藤原妹紅SIDE

 

 

 

 

 

 

……………私の今の状況はこの一言に限る

 

(不幸だ…………)

私は輝夜を見つけた後に急いで当麻達の元に向かった、だがその時には既に垣根から生えた天使が持つような翼が当麻に襲いかかっていて私は紫との約束も冷静な判断も忘れて当麻を突き飛ばして庇うという方法を取るしか無かった。当然ながら私は垣根の翼に心臓を貫かれて絶命、心臓を貫かれて死んだのは数カ月ぶりだったがやはり痛かったな……前は輝夜と殺りあった時に貫かれたが慣れるものじゃないし慣れたくもない

 

(えっと………その後は鈴仙に安全な場所まで運ばれてリザレクションが完了するのを待ったんだよな…。死んだのも久しぶりだから少し復帰までの時間がかかったんだ、やはり不死といえども死ぬのは辛いな……)

 

だが別に垣根を恨む気はない、勿論いきなり殺された事について何も思わない訳じゃないがあれは完全に想定外の事態としか言いようがないし、何より私からあの翼の前に立ったんだ。少し見方を変えれば自業自得と言われても仕方無い

 

(第一、殺される度に怒っていたら私は輝夜に毎日怒鳴る事になってるんだよな………まぁこの辺りは蓬莱の薬故に、という事か。だから1度死んだ事までは水に流そう。だがしかし!これは私は無関係だろう!?何で私が永琳の恨みを買う羽目になったんだ!?不条理過ぎる!)

 

目の前にいる八意永琳という人物は天才と言う言葉で表すには足りない程の天才だ、輝夜の能力を使ったとは言え蓬莱の薬を生み出した位だから間違いなく慧音以上に天才だろう。問題はこの天才を敵に回してしまう可能性がある、という事だ。永琳にかかれば例え不老不死の私であろうとも苦痛を与える方法なんて山程知っているはず…。なまじ不死なだけに苦痛が続く分辛いだろうな……

 

「………とにかく診療所の一部が破壊された経緯を聞かせて欲しいのよ、あなた達への対応はそれを聞いてからにするわ」

 

どうやら今すぐここで全員の脳天を弓矢で射抜く気は無いらしい。とは言っても永琳が輝夜に手を上げるなんて有り得ないし、私は不老不死だから脳を射抜かれても死なない。次に当麻だが……紫の事だ、今もどこかで見ていて最悪の場合は当麻をスキマに引きずり込むだろうな。後は鈴仙と垣根か……鈴仙はともかく垣根は射抜かれても可笑しくはない、だが今もまだ無事なら心配は無いだろう

 

「お、俺が垣根に余計な事を話したせいで垣根を混乱させてしまったのが悪いんです!ついうっかりってやつだったんですけど…………すみませんでした!!!!」

 

何と当麻がいきなりの土下座、妙に慣れているのは気のせいか……?

 

「いきなり土下座されても困るわ、でもそれなら責任は上条君と垣根君に取ってもらうべきかしらね」

 

これは………どうするべきだ?助けるか否か……これは私が介入してどうなる事でもないが今ここで当麻が足止めを食らうのは不味い

結局、私がせめて当麻だけでも擁護しようとしたその時

 

「止めろ、当麻。原因は何であれ診療所の一部をぶっ壊したのは俺だ、俺がやらかした事の後始末は俺自身がつける

だから永琳、俺を煮るなり焼くなりお前の気が済むまで好きにして構わねぇよ。ただ当麻やうどんげ、輝夜もそうだが藤原妹紅に至っては俺が傷付けてしまった被害者だ。これ以上虐めてやるなよ」

 

私が口を開く前に垣根が1人で全責任を被るような発言をした、それに対して永琳は

 

「一応聞くけれど、あなたの暴走は無意識だったかもしれないんでしょう?その程度は考慮するつもりだったのだけど」

 

「言っただろうが、原因が何であろうと無意識だろうと俺がここをぶっ壊した事に変わりはねぇ。別に今更言い逃れをする程三下じゃないんでな」

 

実際問題、垣根の言う事は正論だった。当麻や鈴仙が何をしようが、輝夜が弾幕で壁を破壊しようが詰まるところは垣根の責任だ。私や当麻、輝夜に鈴仙だって永琳の怒りを無駄に買うような真似はしたくない

だが…………垣根1人に全責任を押し付けて、自分だけ逃げる事なんてもっと願い下げだ

 

「1人で何カッコつけてんだよ、垣根。言い逃れをするのが三下だって言うんならここで黙って垣根に責任を押し付けるのは格下のすることだぜ。上条さんはそんな格下じゃありません」

 

最初に立ち上がったのは当麻だった

 

「そうよ、垣根。入院中の垣根のだらしない寝顔を見てきた私からすれば今のカッコつけてる垣根は見るに耐えないのよ

だから師匠、もし垣根に罰を与えるなら私もその罰を受けます」

 

続いて鈴仙

 

「はぁ………何だかウニ条の言い分を聞くと私が格下だって言われているみたいで腹が立つわ。それに垣根、アンタは下手にカッコつけると見苦しいから止めなさい

そういう事だから永琳、これは主としての命令よ。垣根1人だけに罰を与える事は許さないわ」

驚く事に輝夜まで……

 

(まったく…………よりにもよって私が最後とはな……。良いよ、分かった………たまには人間らしい事もやってやるさ!)

 

「最後になったが私も皆と同じ意見だ、垣根の格好はともかく私は当麻が言うような格下じゃないし、そんな格下にもなりたくはない。

だから人間1人の罪の一部位は肩代わりするさ」

 

「お前らなぁ…………俺を馬鹿にするのか助けるのかどちらかにしろよ……。割とマジで傷ついたんだからな…」

 

垣根の表情は言葉とは裏腹にどこか嬉しそうだった、やっぱりどんな能力を持っていても子供らしさはあるものだな

 

「はぁ…………これじゃあ私が悪役のようね……。上条君はともかくうどんげや姫から反抗されるとは思わなかったわ。これは本当に困ったわね、どうしたものかしら……」

 

どうやら永琳は本当に驚いたらしい、その証拠に驚きが混じったような表情を永琳は見せた

 

「さて、どうする?2人の不老不死と1人の自分の従者、そしてもう1人は無実の外来人…………これでもまだキツいお仕置きが必要なのか?」

 

私はあえて永琳を追い込む発言をした、何故ならこの永琳は迷っただけで未だに垣根や当麻に何もしないとは言っていない。少し心配し過ぎな気もするが……念の為永琳を精神的に攻めておくべきだ

 

「…………分かりました、妹紅やうどんげだけならともかく姫にまで命令されたのでは私に逆らう権利などはありません。ただ垣根君を無罪放免にするという訳にもいかないのは分かって頂けますね?」

 

「…それは分かっているわ、だからその為に私やウニ条、イナバに妹紅も垣根と痛み分けをするって言っているのよ。覚悟はとうに決めたわ」

 

「俺も…………どんな事でも構いませんよ。俺自身が決めたんだ、上条さんの覚悟は重労働程度では揺らぎません」

 

「………それではこの永遠亭の管理を行っている者として垣根帝督及びその他の4人に………

 

 

診療所を修繕出来るだけの賠償金を要求するわ」

 

「は…………?」

 

それは私達の誰1人も予想していない答えだった。と言うか……え…………?賠償金…?要はお金……?

 

私は即座に今現在の所持金を考えた

 

(無理だ、絶対に無理だ!!どう足掻いたって診療所を修繕出来る程の金なんて出てくる訳がない!!)

 

かくして垣根以下、私達4名は生まれて初めての賠償金なるものを払う事になったのだった

 

 

 

 




はい、先週にお伝えした土曜日に投稿という約束を盛大に破ってしまいました
本当に申し訳無いと思っています。
実は昨日の深夜に今回とはまったく違う展開の話を完全させていたのですが何ともグダグダで無駄にシリアス展開だから読み返してもお世辞にも面白くなかったんですよ。その為1度削除して朝からまた書き始めた訳です。個人的には書き直す前よりは良くなったと思っています、来週は書き直し無しで投稿出来るかな……正直不安ですが善処はしますので応援よろしくお願いいたします

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