ローゼンメイデン プロジェクト・アリス   作:Ciels

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感想ありがとナス!
そのままどうか読者で居続けてくれよな~頼むよ~(媚を売る)



Sequence 14 I always see you

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ありがとうございましたー。・・・・・・ふぅ」

 

 

 

田舎の喫茶店バイトとというものは案外大変である。

いや楽っちゃ楽だが、時間帯によっては休憩中のサラリーマンやお話し好きな奥様方であふれるから気は抜けない。

人によっては割と多くの品物を注文して来たりする。

俺はウェイターだからまだいいものの、昼時の厨房は割と大変そうだ。

 

現在16時。

ようやく店にいた最後の一人が出て行った事により、店内は俺とその他のスタッフだけになる。

まぁ勤務時間もあと一時間だし、適度に力を抜いて乗り切ろうじゃないか。

 

 

 

カランコロン。

と、そんなことを考えていると二組の男性サラリーマンが店に入ってきた。

 

一人はなんだか特徴的な髪型をしていて、もう一人は普通の若い社会人だ。

 

 

「いらっしゃいませー」

 

 

とりあえず一番近くにいた俺が営業スマイルで対応する。

なんだかどこかで見覚えがあるな。

 

 

「友人から聞いてきたんですが」

 

 

「え、あぁ、左様でございますか」

 

 

唐突な言いだしに戸惑いつつも合わせてみる。

しまった、こういう時って席に誘導するのが遅くなっちまう。

 

 

「とりあえずこちらへどうぞ。二名様ご来店でーす」

 

 

俺はとりあえず窓際の席へと誘導する。

振る舞いを見る限り、特徴的な髪型の男性は若い男性の上司なのだろう。

と、席に座るや否や、特徴的な髪型の男性はなんだかわくわくした笑みを浮かべながら、

 

 

「私たちは食通を自称しているんだが」

 

 

と、唐突に語りだした。

あれ、どこかで聞いた上になんだか嫌な予感がするぞ。

しかもこの上なく汚い展開が彼らに待ち受けている気がする。

 

 

「もうこの世の中にある美味と美味と呼ばれるものはすべて食べつくしちゃ・・・・・・しまったんだよ。なぁ?」

 

 

噛みながらも自称食通は突然自らの境遇を話し出し、隣の若い男性に向けて返事を求める。

若い男性は適当な頷きを見せた。

 

 

「はぁ、そうですか・・・・・・(無関心)」

 

 

そんな話に俺はそれしか言えない。

いや、そりゃそうだろう。客が急に自分は食通だって言いだしたらなんて言えばいいんだ?しかもこっちには興味が無いときたもんだ。

 

俺は奥でこちらを見ている店長をチラ見してアイコンタクトする。

どうすればいいですかね、という合図に対し店長は首を傾げる。

いやそんな首傾げられても・・・・・・

 

男は続ける。

 

 

「ここでは、そんな僕らでも今まで食べた事のないという極上の料理を提供していると聞いたんだが」

 

 

え、いやそんな話俺聞いたことないんですがそれは・・・・・・

ていうかここ喫茶店なんだよなぁ。

料理もあるが、軽食がほとんどだし、味も普通より上ってぐらいなもんだ。

 

俺マジでどうすればいいんだろう。

 

 

と、そんな時ふと窓から向かいの店の看板が見えた。

レストランだ。しかし肝心の店名が見えない。

確か、あそこは一部の物好きの間で有名だってのを店長が言ってたな・・・・・・もしかしてそこと間違えたのか?

 

 

「あの・・・・・・お客様」

 

 

俺が意を決しておしゃべりな男に尋ねる。

 

 

「もう待ちきれないよ!早く出してくれ!」

 

 

なぜか一人で興奮する男だが、そう言われても極上の料理なんてここには無い。

せいぜいサンドイッチの具が割と多いぐらいだ。

 

 

「いえ、お客様は何か勘違いなさっているようですが・・・・・・ここはTDN、ンン゛!!!ただの喫茶店です。たぶん、お客様が仰っているのは向こうのレストランの事では・・・・・・」

 

 

俺まで噛んじまった。

と、男たちはようやく状況を理解したのか、ちょっとマヌケな顔をしてお互いに顔を見合わせた後、向かいのレストランを凝視する。

 

 

「あ、これかぁ!(納得)すまなかったね、間違えたようだ。行くぞ徳川君」

 

 

そう言って男たちはそそくさと店を後にし、道路を渡って人っ気の少ないレストランへと入っていく。

後日聞いた話によると、なんでも食中毒かなにかであの二人は病院へ運ばれたらしい。

しかも精神病院だそうだ・・・・・・なんだったんだろう。

変なハンバーグやスパゲッティでも喰わされたのかな?(すっとぼけ)

 

 

 

 

と、こんなものすごくどうでもいいような事がありつつ、本日の勤務は無事終了した。

 

 

「じゃ、お先失礼します」

 

 

「お疲れ~」

 

 

店長に挨拶してロッカールームで着替える。

着替えといっても、ジーパンは私服だし、上着を変えるだけだ。

しかし今日も疲れたな。

最後の客はマジでいったいなんだったんだろうか、などと考え事をしつつ、いつもの白いパーカーに着替える。

そろそろ新しいパーカーに変えようかな。

 

パーカーを着て、鏡で軽く身嗜みを整える。

 

 

「今月はいくらぐらいになるかな~」

 

 

なんて独り言を言っていると、

 

 

「ウェイター姿のマスターも素敵でしたわ」

 

 

急に目の前の鏡からにゅうっと雪華綺晶が顔を覗かせた。

彼女はなぜか両手を頬にあててニコニコしており、その顔がまた可愛くて思わず俺も顔が綻ぶ。

 

・・・・・・おっ?なんで雪華綺晶いるんだ?

 

 

「なんだこの人形!?(驚愕)」

 

 

「まぁ、そんなに大声を出すと外の人間に気付かれますわ」

 

 

「俺が一人で何か言ってるのはいつも通りだから大丈夫だ。それより、なんでここにいるんだ!おとなしく留守番シテロッテ!」

 

 

「そんな事言わないで。一人じゃ寂しいんですもの」

 

 

そんな事を言って急に顔をゆがめる雪華綺晶。

やれやれ、と口には出さないがため息で表現する。

この子は本当にマイペースだな。

 

俺はとりあえずバッグを背負い、いつの間にか鏡から出てきた雪華綺晶に向けて言う。

 

 

「ほら、今から帰るから先に帰ってろよ。ていうか、nのフィールドってマジで便利だな・・・・・・犯罪一歩手前だぞ、それ」

 

 

俺もnのフィールド経由でいろんな所に行けたら便利なんだがな。

大学もわざわざ早起きしなくても遅刻しない。

 

と、雪華綺晶はまたニコニコして、

 

 

「私は人形ですもの。人間の法律には縛られませんわ」

 

 

「そういう問題じゃないだろうに・・・・・・」

 

 

こりゃこの先苦労しそうだなぁ・・・・・・

不安しかないぞ。

 

 

 




クッソ汚いモブキャラなんて出さなくていいから(良心)
わざわざほんへまで見て書き込むのはいや~キツイっす

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