変体企業の異世界進出【IS】   作:獅狼

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やっぱりスマートフォンだと見直しが大変難しい。

まあ、繋ぎと言いつつたいした内容ではないです。



繋ぎの小話

1.トーナメント(中止)が終わって

 

 

 

シャルル・デュノアが、シャルロット・デュノアとしてちゃんと女になって転入してきて、

 

いつもどおり、織斑一夏が騒ぎを起こしたかと思えば、ボーデヴィッヒがそこに参戦した。

 

険悪だった雰囲気は鳴りを潜め、むしろ誰お前ってくらいに方向転換だ。

 

なぜなら、

 

「お、お前は私の嫁にする。決定事項だ。異論は認めん!」

 

織斑一夏を守ったかと思えば、流れるような動作でその唇を奪ってこの一言だ。

びっくりだよ。

 

しかも、織斑一夏は返事を返す暇もなく襲撃にあってうやむやになった。

 

 

 

その後、授業が終わって

 

「そういえばラウラ、ISどうしたんだ、前のと違うみたいだけど?」

「…ぅむ……実はな、月からきた兎さんに没収されてしまった」

「は?」

「空から巨大な人参が落ちてきたと思ったら、その中から出てきた者に没収されてしまった。代わりにこれあげるって言って渡してきたのがこれなのだ」

 

大変不服そうな顔でラウラはそういう。

 

「このISの名前、なんていうか知っているか!?シュヴァルツ カニ―ンヒェンだ!!どう考えても狙ったとしか思えん!!」

「うん?どういう意味だ?」

「カニーンヒェンも兎って意味じゃなかったっけ」

「違う!!ハーゼは野良のウサギだが、カニーンヒェンだとペットのウサギなんだ!!」

 

「で、結局日本語にするとどういう意味なんだ?」

「黒ウサギだ」

「ただしペットのね」

「デュノア、きさまぁ!!」

「はいはい、喧嘩しない、それに可愛いじゃないかカニーンヒェンってなんだか響きがさ」

「む、嫁がそういうのならば…」

 

 

 

 

 

 

 

2.VTシステム研究所の職員及び関係者は………

 

一瞬で光にされた研究所、実は死者はいない。

 

「あ………あ"ぁぁぁぁ…………」

 

しかし、そこには明らかに正気じゃないものがいた。

 

「ふむ、やはり記憶消去は難しいね」

「ま、二月もすればある程度記憶の整理も出来るでしょう」

 

研究員達が物騒な内容の会話をしている。

そこに主任が来て尋ねる。

 

「脳洗浄の実験結果はどうかね?」

「二月程経たないことには判断出来そうに無いですね………」

「やはり記憶・記録等が混濁してしまいます」

「むう、どこぞで精神の解体清掃と言うものを聞いたからできると思ったのだが………」

「それって自己暗示と言うか、魔術の一種じゃ」

「自分にするから大丈夫なんじゃないんですか?」

「まあいい、徐々になれていけばいいさ、まだ被検体は二桁いる」

「あと20も居ないですけどね」

 

 

 

 

数ヵ月間行方不明と言うことでなんとかなると思います。

 

 

 

 

 

 

3.二代、ある日の朝

 

「………ふわぁぁ………むう、6時半……あ、そう言えば今日は休日で御座ったな、ACでの仕事も御座らんし………久し振りに朝食でも作るとしよう」

実は以外と料理ができる元千侍君。

 

「何を作るでござるかな」

そう言って開けた冷蔵庫、

 

「な、何で御座るかこれは!!」

 

お菓子で埋め尽くされていた。

辛うじて食材がちらっと見えるが、チョコ菓子等の要冷蔵のお菓子に埋もれていた。

 

二代は自分の隣のベッドで眠る黄色いけものに視線を向ける。

 

 

うん、こいつが犯人だ。

 

 

昨日食材を買って冷蔵庫に入れたはずだが、驚く量の菓子で奥に追いやられている。

 

このお菓子率に呆れつつも、同居人の朝食も一緒に作り始める。

 

 

 

なんでだろう

なんでかな

確かに久しぶりだけど

絶対に違う気がする

配点(味覚の違い)

 

 

 

 

 

 

 

4.束ちゃんと束さん

 

「おっはよ~抜き打ち視察に来たよ!!」

「なん……だと!?」

「やばい、やばいぞ!!まだ八割がスリープモード(すいみんちゅう)だ」

「か、隠すんだ、あれを「甘いよ、もうすでにこの基地は掌握済みなのだ!!」ファ!?」

 

正面玄関兼休憩所から奥へ走り出した一人の研究員の目の前で隔壁が降りた。

 

「フッフッフー知らなかったのかな?

 

大魔王からは逃げられないのさ!!」

 

テンションがかなり高い。ちなみに時間は午前3時

 

「まあまあ、基本はちゃんと成果が出せてるかの確認だから安心してよ、遊ぶために異世界に滞在させている訳じゃないんだってことさ」

「アッハイ。ひとまず最新の成果はこれです」

ISの慣性制御を応用した光粒子収集の件だ。

それの利用方法も小規模な物ながら実験結果を添えて提出した。

束さんはそれをじっくり読んでから頷いて一言。

「うん、おけおけ。今回はこれで仕事の確認はいいよ。あとは………問題行為が無いかだね」

 

その一言で緩んだ空気が先程より張りつめた。

 

「えーっと具体的に何処からが問題に………」

「それは私に一任されているから私次第かな?」

 

つまり、束さんにとって許せない事がアウトだ。

これもいつも通りなので職員は身構える。

こっちの束ちゃんとは当たり前だが性格が違う。

それでもそっくりなせいでうっかりこっちので解析をしてしまいそうだ。

さあ、何処までが良くて何処からが駄目なのか、場合によっては隠さなくてはいけない。

無理?それを何とかしてこそだ!!

ここにいるメンバーでアイコンタクト、死角にいる一人が基地内の職員に一斉連絡を送る。

が、端末の返答は送信できませんでした、だ。

 

「おやおや?さっき言わなかったかなぁ

この基地は既に掌握済みだってさ」

 

その意味が今完全に理解できた。

ソフト面で複数のネットワークを作っているが、それを全てを掌握されているだけでなく。

いざというときのための独立中継局や物理的にも独立した脱出ポット、そして緊急時に戦うための変形機構。

それらの完全独立のものまで、この世界に来た瞬間、我々に気が付かせることなく一瞬で掌握したのだ!!

 

「ふむふむ、人体実験が三桁、衛星砲の発射記録が五件、廃人は一桁と………まあ、良いんじゃないかな?

状況記録もバッチリだし、一般の怪我人に対するアフターケアに今後の対策も取ってるみたいだし」

冷凍保存の廃人はたっくんに頼んで直してもらうからそのあとの処理はちゃんとするんだゾ☆と怒っている笑顔で言われ、ノートに何かが書き込まれるのを見届けて、

 

切り抜けた、そう思った

 

だが、

 

「でも、これは頂けないなぁ」

投影されたウィンドウにはAMS実験企画書の文字

 

「技術力足りなくてこれの実験は駄目だって成ってたよね?

此処で得られた技術にそっち系の、生体の機械化みたいな物は有ったのかな?かなぁ?」

 

急に辺りが薄暗くなった気がした。

 

「ちょっと、お話、しよっか?」

 

束さんの後ろに白い悪魔が見えたと後にこの者達は語った。

 

 

 

 

 

 

「あ、束さんだ!!」

「およ、束ちゃんじゃないか」

「どうしたの?」

「うん、ちょっと抜き打ち視察」

「そのいかした杖はなに?」

「魔法の杖だよ、これを使ってちょっとオシオキしたから昼ぐらいまで誰も起きてこないんじゃないかな?」

「じゃあ、じゃあさ新しい料理とか教えてよ」

「うん、いいよ~何処まで教えたっけ」

「日本から始まってアジア圏は終わったかな?」

「じゃあ、次はアフリカの方にしようか」

「え~異世界のは?」

「材料が無いからまた今度だよそれに、地球の食材を万全に扱えるようになってからね」

 

同じ顔、同じ背丈、同じ声の二人は仲良く手を繋いでキッチンへ向かった。

 

背後で死屍累々の部屋の扉が開き、束さんをして昼まで起きないと言った者達が這い出てくるのに気が付かずに。

 

 

 

キッチンから出てきた束's、そこにいたのは昼まで起きない筈だった職員たちであった。

 

「俺たちは美人美少女の手料理の為なら限界を超える!!」

 

なんで!?の声に対する答え、この時はどんな口下手であろうとはっきり、響き渡るように声を揃えた。

 

「言っておくけど、私……人妻だからね?」

「そこなの!?束さん!!」

「しかも会社のナンバー2のね!!」

「知らなかったよ、束さんのお婿さんってそんな偉い人だったんだね」

「昨日も激しかったデス」

「別に夜の共同作業については言わなくても良かったんだよ」

「えーもっとのろけたい」

「くそぅ、ここに来てコミュ力の違いを見せ付けられるとはッ!!」

「こら、束ちゃん、女の子がそんな汚いこと言わないの」

「わ、私だって順調に女子力つけてるもん!!まだまだ若いもん」

「でも~?この世界じゃ色々やり過ぎてお尋ね者だもんね~」

「うぐぅ……」

「アフターケアは重要だよ?投げてはい終わり、じゃ済まない事がほとんどなんだから。

最後まで自分で面倒を見れるかも大事だよ」

 

「恋人選びもね?」

 

「やっぱり最後はそう来るの!?」

「だってもっとのろけたいもん」

 

いや~んと体をくねらせてそう宣う束さん

 

「砂糖吐く、絶対に砂糖吐くから止めてぇ~」

 

慣れない恋愛関係の話に束ちゃんギブアップ。

 

 

5.水着

 

「臨海学校で御座るか………」

「ほむほむ~水着買いに行こうよ~」

「ぬ、ほむほむとは拙者のことで御座るか?」

「うん、だってホンダムはダメなんだよね?オリムー見たいにしようとしたら三文字だし~ほんーってのもあれだからほむーになって………」

「しかし、ほむほむは別人に御座る」

「む~だったらどう呼べば良いんだよ~」

「二代でよかろう」

「ふたふたは変だし………そうだ、ふよふよは?」

「それは認めたらいけない気がするで御座るよ」

「む~~~」

 

結局、ほむほむに成ってしまった。

 

水着はACが支給してくれた例のあれ、本多二代の水着だった。

ハードポイントに蜻蛉切りと鹿角がしまえるとか。

浅間やミトツダイラのじゃなくてよかったと言うべきだろうか?


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