わかった人は挙手!!
来てしまった決闘の日
なんでかしら無いけど織斑の一夏とも戦う事になっていた。
「そして何ゆえこの状況か……」
個室待機を命じられました。
フェアにするためだか知らないけど情報自体は公開されているのだから未だ専用機の届いていなかった織斑は例外として意味は……あるか、文字だけの情報や映像と違い、実際に見ると三次元で見ることが出来るから映像でわからなかったことでも何か気がつけるかも知れないな。
「それにしてもここぞといわんばかりにいろいろな物を送りつけてきたで御座るな……」
俺はISから兵装情報を開いて確認している。
箇条書きに上げると
・蜻蛉切り
・重力制御式加速砲塔
・片梅
・片椿
・KATANA-01
・Lancer Assault Rifle
・Hammer of Dawn
・対警備組織規格外六連超振動突撃剣
え?なに、最後のが分からない?
だよ。
一応全部が試作ではあるけど……後半の致死性高すぎじゃね?
あと、弓なんて使った事ありませんから。
「本多、織斑とオルコットの試合が終わった準備しろ」
「先生、拙者の対戦相手は?」
「オルコットは装備の破損があり、それの用意があるからな……織斑だ」
「Jud.了解で御座るよ、何処へ向かえば?」
「付いて来い、すぐそこだ」
すっと踵を返し歩き出す織斑先生。
相手は織斑か……まあ、素人ですし、兵装を試しながら遊んであげるかな。
あ、流石にドーンハンマーは使えねえや。
なぜに衛星兵器作ったし……
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「で、織斑殿?貴公は拙者をなめているので御座るか?」
あろう事か織斑は真っ白なISを身に纏い、近接ブレードを構えた。
「拙者自己紹介で言ったはずで御座るが……剣術は得意だと」
KATANA-01……正直ただの刀だ青メインカラーとした機械的な柄を持ったISサイズ(通常の2~3倍)の刀である。
「拙者が見るに過去、剣を扱っていた事はあっても……錆付いているで御座るな。少しは落としてきたものの錆落としは追いついていないと見た」
正眼に刀を構え術式を待機させる。
「故に、言わせて貰うで御座る。
戦闘力……せいぜい14……相手に成らん御座る」
軽く圧力を掛けてみると、スッ……と片足を下げてかすかに後退した。
「そ、そんなもん。やってみねえとわからねえだろ!!」
真っ直ぐ突っ込んできた、動きが分かり易すぎる。
俺は術式【飛翔】を発動させ流す。
シャッ……という軽い金属のこすれる音が鳴り、織斑は飛びかかった勢いで俺の後ろに流れていく。
「むう、少々ズレが……早急に修正する必要があるで御座るな」
呟きながらも滑らかに、しかし止まらぬように体を動かし、姿勢を崩した織斑に切りかかる。
「ッ……!!」
しかし俺の振った刀は先端を少しかすらせるだけに止まった。
「驚いた、バランスを大きく崩しながらもまさか、逃げるとは思わなかったで御座るよ。負けん気は相当な物と見た」
ゆらりと、風に揺れる葉を意識した動きで間合いを詰める。
後二歩半で間合いといったところで、距離を開けたと安心して大きな動きで振り向いた織斑と視線が合った。
「なッ……」
「戦闘中に動きを止めるのは自殺行為で御座るよ?」
袈裟切り。
「がっ…~くそっ!!」
至極分かりやすく、間合いを軽い円を描くように詰め切りそのままの動きで刀に移動軌道からの円運動で遠心力を掛けて振り抜いた。
だが俺は此処で一つの見落としをしていた。
「くらえ!!」
刀が織斑の肩の装甲で止まってしまったのだ。
大きな衝撃は入ったものの刀本来の切り裂くという力は発揮できなかった。
予想外のところであたってしまい、インパクトポイントがずれて、大刀筋も乱れた。
さらにIS故というべきか、機体の腕力と遠心力で振ったにもかかわらず
そして織斑はカウンターのようにその手に持った《光の剣で》なぎ払いを行って来た。
「グゥ……しまった、踏み込みすぎてしまったで御座るか……」
吹き飛ばされた事により、刀は抜け、手元にあるが、衝撃のせいで酷い刃こぼれをしてしまっている。
「おおう、これではもう使えんで御座るよ……」
「おい!!、なんでお前、零落白夜を受けて平然としているんだ!!」
ほう、あの光、零落白夜と……
「防いだからに決まっていよう、しかし逆に聞くが、なぜそれで切られたら如何にか成ると?」
俺は手に持った超ゴツイ・アサルトライフルを見せながら返事を返す。
「なっ……これを知らないのか!?」
「知らないし、知る必要も無いで御座るよ。エネルギー刀、そんなところで御座ろう……どんなに強力で有ろうと当たらなければ意味が無いで御座るし、」
話しながら手に持ったライフルを確認すると軽く変形して銃口がつぶれてしまっている。
「それに、嘗めてかかるとビギナーズラックというか、よく分からない幸運で最悪負けかねないと分かったで御座るよ」
刀とあさるとライフルをしまい、両手に超ゴツイ・アサルトライフルを取り出す。
正式名称はLancer Assault Rifle試作ではあるが、気前よく4丁渡されていたのでジャンジャン使う事にする。
しかし、よく見ると先ほどと違い、片方にはチェーンソーの刃が付いていて、もう片方には付いていない。
まだ使うつもりは無いので気にせずに両の銃口を織斑に向け引き金を引く。
ダダダダダ………と、勢い良く弾が発射され、弾幕が形成されるが問題が発生した。
だがしかし……
「うお!?こ、これ結構反動が大きいで御座るな……」
ISの力をもってしても、軽くではあるが照準がぶれてしまっている。
流石にこれの二丁装備は問題があった。
「弾幕が薄くなった……これなら!!」
大きくぶれて弾幕が薄くなったところで織斑が勢い良く突っ込んでくる。
「しまった……こうなったらッ!!」
俺はランサーの引き金から指をはずし、
片方からはブロロロロと何かの動力が動きだし、銃口の下に付いていた刃が動き出した。
もう片方はシャキンッ!!といった効果音が出そうな勢いでエネルギー刃が発生し、動き始めた。
こっちはなんでかギュイィィィンと分かりやすい機械音を立てている。
それを内側に向けた状態で手をクロスして上段から振り下ろしてきた零落白夜を受け止める。
ギィィィィィィン!!
と言う、ものすごい悲鳴を上げながら両者はぶつかり合った。
物凄い火花を散している。
これは酷いと当事者ながら他人事のように思ってしまった。
なんと言うべきか……拮抗しているようでしていない。
俺には解ってしまった。
これは演出だ。
音も、火花も演出。
エネルギー刃のチェーンソーは確かに零落白夜のエネルギー等を引き裂いており、実態等のほうは順調に織斑のブレードの実態部分を削り、切断している。
織斑は必至に押し込んできているが、それはあまりにも悪手だ、最悪の選択でしかない。
押し合わせれば押し合わせただけその剣は死へと突き進んでいる。
せめてはと、俺は引導を渡してやる事にした。
クロスした手を開くように勢い良く動かし、織斑の剣を断ち切る。
一瞬の出来事だったが、その一瞬で織斑の顔に怒り、驚愕等の感情が浮かんだ。
が、次の瞬間には恐怖と絶望で染まった。
俺が、両のチェーンソーを、織斑に、振り下ろしたのだ。
接触後、半秒と経たず、織斑のISのシールドエネルギーは零を指し、その機能を停止した。