まぁ、いつもが短すぎるから普通なんですけど。
そんな事より、アギトの帝具としての名前を考えてて、古傷をえぐってしまいました。
まずはタツミとイエヤスに帝具の説明をすることから会議は始まった。
ボスの帝具の紹介で、一人一人己の帝具を披露する。
タツミとイエヤスはインクルシオにベタ惚れだ。
俺だってめっちゃ格好いいと思う。
やっぱり男ってのは、変身するヒーローとかに憧れるモンだよな。
「ところでコウタロウ。レオーネとアカメの報告によるとお前も帝具を所持しているらしいな。それに、イエヤスのルボラ病も触れるだけで完治したらしいじゃないか。詳しい説明をして欲しのだが」
ボスことナジェンダさんは、ふと思い出したように俺に質問する。
「あ、それ俺も気になってた!アニキみたいな鎧は帝具って分かったけど、病気を治す帝具なんてあるのか?」
タツミはボスに質問する。アニメしか観てないんだがそんな帝具あったか?
「いや、そんな帝具は存在しない。文献に載ってない奴かもしれんが、帝具は1人一つまでなんだ。だからこそ、コウタロウの治癒能力がなんなのか解明する必要がある」
まぁ、そりゃ無いよな。そんなのあったとしてもそんな都合のいい帝具はきっと帝国が牛耳るだろうし。
「確かにあの鎧は俺の帝具です。治癒能力に関しては………生まれつき宿っていたとしか言いようがないですね。俺もよく分かりませんし、神様の贈りものなんじゃないんですかね…」
ひとまずはこれでいい。
案の定、アギトを帝具と勘違いしてくれた。
治癒能力の嘘も、納得とはいかないものの信じるしかあるまい。
誰かが言っていた。
嘘は、本当の事を混ぜるとよりリアルになるって。
…………誰か忘れたけど。
「それではコウタロウ。治癒能力はともかく、その鎧の帝具を見せてくれないか?」
まぁ、百聞は一見にしかず。
実際に変身してみせた方が早いよな。
「分かりました。」
俺は席を立ち少しテーブルから離れる。
みんなこっちを凝視しているため、額に脂汗が浮かぶ。
……よし、切り替えだ。
一同の変身プロセスを行い、オルタリングを発現させる。
おおっ、と数人が声をあげる。
「……ハァ〜〜。……変身ッ‼︎‼︎」
静かに息を吐き終えて、俺は叫び両腰のボタンを叩くように同時に押し込める。今度は噛まずに言えたな……。
ベルトの中央から金色の光が目を眩ませる。
轟音と共に俺の身体は変化し、一瞬の光の後、俺の身体は完全にアギトとなった。
「…光炎神人《こうえんしんじん》アギト。それがこの帝具の名前です。」
うん。自分でも厨二な名前だと思う。それは自分が一番痛感しているさ。
「…カッケェェェェッ‼︎」
「…変身って……やべぇ…」
「ヒーローみたいだな……」
「アギトか‼︎‼︎お前からもだが、アギトからも熱い漢のオーラが滾って見えるぜっ!!」
やはり男子達はこういう特撮が好きみたいだな。
それはいつの時代や異世界であろうとも共通のようだ。
「…こうも神々しいとはな。やはり帝具を造った始皇帝は偉大だったということを痛感させられる。それに比べ、今の帝国は腐りきっている。」
ボスは顔を強張らせ呟く。
俺は変身を解き頷く。
一連のやりとりの後でタツミとイエヤスはこのナイトレイドを、『正義の殺し屋』と称賛した。
原作通りにタツミとイエヤスは説教を受ける。
……確かに俺達のすることは殺しだ。だが、津上翔一ならこう言うだろう。
「俺はそうは思いませんけど。」
アニキの熱い説教を受けた2人が俺の方を向き、レオーネは問いかける。
「ふーん。どういうこと?」
「確かに俺達のすることは、正しいなんて…胸を張って陽の道を歩けるようなことじゃありません。けど、結果的に困っている誰かを助けられたら……そこに正義くらいあってもいいんじゃないんですかね」
ま、俺の持論ですけど。
にこやかに付け加える。翔一ならこんな時にでもマイペースな笑顔を浮かべるのだろう。
「…フッ。面白い。気に入ったよ!」
レオーネは笑いながら、俺と肩を組んでくる。
……その際にわがままパイオツと俺の顔がごっつんこしそうになったのは言うまでもない。
みんなもさっきまでの空気とは一変、笑いあう。
そんななかラバックの顔色が変わる。
「ナジェンダさん‼︎侵入者だっ!それも複数の‼︎」
「大方、隣の異民族かスパイだろう。みんな、侵入者を生かして帰すなッ‼︎ナイトレイド、出動ッ‼︎」
その声と共に俺達は一斉に窓や扉から出て行く。
早くしないとボスにどやされるからな……。
俺はレオーネこと姐さんと同じ方向にいる敵を目標に出撃する。
姐さんはライオネルを発動し、敵と闘えると聞いたのか、尻尾を左右に乱舞させている。
俺はそんな姐さんを追いながら地を駆けるのだった。
それでは次回もよろしくお願いします。