こ、これはアレですね!
また記念に番外編を書くフラグですね!
閑話休題。
皆様、本当にありがとうございます‼︎感謝してもしきれぬ思いであります。
これからも『アギトが蹴る!』、そして『アギトが蹴る!アナザー』をよろしくお願いします‼︎
『喰らえっ猿野郎っ‼︎』
タツミはノインテーターを振りかぶるが、ヘンターの攻撃により体勢を崩す。その隙に、槍を下ろそうとした相手・エイプマンの左フックをもらってしまう。
『大丈夫タツミ⁉︎』
『ってえぇえ…』
エイプマンの攻撃により吹き飛んだタツミを俺が受け止める。脇腹を抱えながらタツミは立ち上がる。
助かる、と一言応え俺達は前方の骸人形達と向き合う。見ればエイプマンの片腕はロクゴウと同じような不自然な千切れ方をしており、コイツがもう一人の隻腕ということが分かった。
しかし、いくらエイプマンが片腕だろうと、ヘンターが加わることによる二対一の戦況は変わらない。
俺達の間合いに風が吹き起こる。
『俺があの猿野郎を相手する。コウタロウはあの変なヤツを頼む‼︎』
『了解‼︎』
タツミはエイプマン目掛けて駆け出していく。
「コ……ッチ……コッチ」
そんな壊れた機械人形が出しそうな錆びれた声で、もう一人の人形が歩いてくる。その歩きた方は、左右を縫うように、歪な足取りで向かってくる。
かと思えば、急に走り出し、小型のナイフのような物を投擲してくる。
このヘンター、クロメの骸人形の中でもトリッキーな動きを駆使して敵を殺す相当の実力者だ。灰色のボロいフードを被っており、その顔は仮面か、はたまた自分の顔なのか分からない。
腰を低く落とし、フレイムセイバーを構える。
相手がトリッキーな動きが得意なら……それを受け流して隙を突くのみ!
こちらに飛んでくるナイフを弾き落とすと、刃をふるった瞬間にヘンターの蹴りが迫る。それを鍔で受け止め、鍔を足場にして跳び上がったヘンターに右拳を喰らわせる。
俺の攻撃を寸前でガードし、その衝撃を得意のトリッキーな動きで流される。
『チッ……そう簡単にいなかいか…』
タツミの方を見やると、なかなか優勢に持ち込んでいた。早く加勢に来てもらいたい……。
『……っ‼︎』
タツミの方を一瞬見ていただけの隙、いや、それほどの隙を突かれて間合いを詰められる。暗殺者がよく好むナイフで俺を襲うが、それをフレイムセイバーで受け止める。火花を散らすほどの鍔迫り合い。トリッキーな動きは厄介だが、そこまでパワーは感じられない。
『……フンッ‼︎』
ゼロ距離のヘンター。鍔迫り合いの真っ最中に、俺はフレイムセイバーの刀身に火を纏わせる。
「…グ、グギャァァアァッ‼︎」
フレイムセイバーの火がコートに燃え移ったヘンターは、火だるまになりながら悶え叫ぶ。
秘技・火葬の刑
骸人形には相性抜群の必殺技だ(今さっき命名)
屍体には火葬。昔からの葬り方である。
ヘンターを覆う灼熱は、鎮火ということを知らないようで、その身が骨になっても燃え続けている。
「あらら、もう倒しちゃったの?せっかく助けてあげようと思ったんだけど」
『チェルシーさん‼︎』
岩陰から出てきたのは、いつもの飴を口に咥えたチェルシーだった。
その手には彼女の帝具・ガイアファンデーションが握られている。
「なかなかやるじゃない」
『ええ、鍛えてますから!』
チェルシーは小さくふふっ、と笑うと、また仕事に戻るため森の中へ入って行こうとする。
『ちょっと待ってください‼︎』
「えっ⁉︎な、何よ⁉︎」
俺の呼び止めにチェルシーは大袈裟に驚いた。
『チェルシーさん、これから標的を始末するんですよね?』
「ええ、まあ、仕事だし」
『……いいですか?クロメだけはダメです』
「…は?」
『クロメはマインの長距離射撃を発射されてから気づき、躱しました。……分かりますか?クロメは普通じゃないんです』
原作では、チェルシーは始末したボルスに化けクロメの急所を突いた。常人ならば即死なのを、クロメはドーピング強化により免れ、逆にチェルシーを殺している。
「………」
『ボルスは倒したとしても、クロメは退いてください』
「……そこまで言うのなら……分かったわ。それじゃ」
チェルシーは深く考えたような表情をとると、立ち上がり森の中へと入って行く。
俺の忠告はちゃんと役に立つのだろうか。いや、立ってもらわなければならない。
チェルシーという大切な仲間を……絶対に死なせないために。
今まで読んできて、「原作なぞってるだけじゃん」と思われる方も多いと思います。
本当に申し訳ありません!
もう少しの辛抱です。9、10巻辺りから原作に沿いつつ、オリジナル路線に移りますので!
どうかそれまで温かい目で応援してくださるとありがたいです!