アギトが蹴る!   作:AGITΩ(仮)

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なんだよちくしょぉ……。


ライダバウトでアギトが全然当たんねぇよぉ……。


第34話 課題

 

俺達がマーグ高地に来てはや一ヶ月。

スーさんやチェルシーもナイトレイドに馴染み始め、今ではかけがえのない仲間となっている。

 

「スーさんの作る飯は美味いな!修行の疲れが吹っ飛ぶ!」

 

「ありがとうスーさん!」

 

特にスーさんの人気はヤバイ。嫉妬で夜も眠れないレベル。女子には家事で重宝され、タツミには親のように懐かれる。タツミは羨ましくないが、女子は羨ましい。だってあれだぜ?俺の家事スキルの数倍のレパートリー持ってるんだぜ?勝ち目ないッスよ。スーさんは好きだが、女子の人気は許せない。

 

「どうする兄弟?」

 

「まったく、考えモンだぜ……」

 

俺とラバックは『スーさん反逆同盟』なるものを結成し、どうやって女子の人気を取り戻せるか試行錯誤していた。

 

俺達が頭を捻らせてる間、マーグパンサーの子供に化けたチェルシーがマインのケーキを奪って食べている。俺はそれを横目に見ながらふと思う。

 

(ガイアファンデーションで女子メンバーに化けたら、女風呂覗き放題じゃね?)

 

可能だが不可能だ。

確かに女子メンバーに化けたら覗き放題だ。しかし、チェルシーがそんなことのために帝具を使わせてくれるわけがない。軽く絶望しながら、俺達は修行へと向かって行った。

 

 

♢ ♢ ♢ ♢

 

 

俺の修行相手はマインだ。他の皆は危険種を相手に修行しているのだが、俺に必要な力は、飛び道具を持つ相手と戦う力だ。反対にマインは、懐に入られた時の対処法。たまに危険種とも戦うのだが、このマーグ高地に来てからは、姐さんに代わりマインとよく行動を共にするようになった。そのせいか、最近姐さんのスキンシップが妙に激しい。

 

「余所見してんじゃないわよ!」

 

「うわあああっ‼︎」

 

マインが放った擬似弾が腕に被弾する。パンプキンを模した擬似パンプキン(弾も擬似弾)を構えたマインは立ち上がり、狙撃ポイントから走って移動する。

 

俺達の修行内容は、500メートル程離れた場所からマインが隠れながら狙撃し、俺はそれを捌きながらマインの居場所を突き止め倒すといったものだ。帝具持ち同士が戦えば必ずどちらが死ぬ。そう言われているからマインは帝具を使用しない。俺も変身はせず、生身での修行だ。

 

「くそっ!次はどこに行った⁉︎」

 

俺は焦る素振りを見せ、耳を研ぎ澄ます。

これも心理戦だ。俺が本当にパニックになったりしたら、俺をナメているのか、マインの狙撃は少し大雑把になる。俺の課題も多々あるが、マインもそれなりにある。

 

「くらいなさい!」

 

「そこだっ‼︎」

 

俺の後方300メートルまで迫っていたマインの殺気を感じ、大きく仰け反り、狙撃ポイントへとダッシュする。俺の居た場所には弾が通過し、着弾した場所には弾がめり込んでいる。

 

「なっ!バレた⁉︎」

 

慌てて銃を担ぎ逃げ出そうとするマインの前に立ちはだかり、拳を振り上げ眼前で寸止めする。

 

「今度は俺の勝ちだね!」

 

マインは息を吐き座り込む。実際の戦闘でマインがパンプキンを使用していたら、間違いなく俺の負けだ。しかし、フルボッコとまではいかなくなっただろう。俺に飛び道具なんて使えないし、使ったとしてもそれを極めている奴には到底勝てそうにない。だがらあえての近距離。やっぱり仮面ライダーは素手じゃないとね。

 

 

 

♢ ♢ ♢ ♢

 

 

 

「どうやら皆それぞれレベルアップしたんじゃないか?タツミに至っては以前と見間違えるようだ」

 

午後の修行も終わり、俺達は仮のアジトに集められていた。

 

「チェルシーどうだ?ナイトレイドの皆を一ヶ月見て」

 

「うん…強いね…。私がまえにいたチームより強いよ」

 

でも…と、彼女は続ける。

 

「強いからって生き残れる訳じゃない。皆甘すぎるんだよ。このままだと、命がいくつあっても足りないんじゃない?」

 

そう言い、チェルシーはアジトへと入っていった。残された俺達の空気は重くなる。マインは拳を握り締めている。

チェルシーは仕事から帰ってきたら、チームの皆が全滅していた過去がある。チェルシーなりの思いやりだが、まだ皆は分かっていない。

ならせめて、俺くらいはチェルシーの味方でいようじゃないか。

 




さあ!次回は覗きです!

いっやほう‼︎(^∇^)

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