そして後書きでは重大発表……
レオーネside
「……ん」
私は目を覚ます。頭がクラクラする。流石に酒樽を1人で飲み干すのはマズかったか…。
ソファから起き上がり、辺りを見回す。ラバやタツミ、コウタロウが寝散らかしている。パーティーで使った食器の片付けを想像すると血の気が引けてくる。深夜を過ぎて、夜明けまですぐといった時間だ。私は顔を洗い、帝都に行くため風呂場へと向かう。
ナイトレイドの風呂場は、男子用も女子用も全部露天風呂だ。広大な自然を楽しみながらの風呂は格別だが、露天風呂ということを利用して覗きに来るバカ達もいる。そのバカ達…まぁ、コウタロウとラバなのだが、それがまた懲りない。犯行現場を捕らえて、お仕置きしてもコウタロウの治癒能力で完治し、また嬉々として覗きに来る。女子はそれに頭を悩ませている。あまりしたくはないが、その時はコウタロウをお仕置きする。あいつの治癒能力はどうやら自分には効かないらしい。戦闘に関しては、コウタロウはこのナイトレイドでトップレベルだ。そんなに心配はしてないが、敵がどう動くかで変わってくるからな……。
風呂場の扉を開く。まだ少し眠いが、どうせ後少ししたら皆も起きてくるだろう。流石に二度寝はできそうもない。
「……ん?」
水を掬い、顔を二、三回流すと薄っすら何かの気配を感じた。誘われるように水面を覗き込むと…誰か分からない男の顔があった。
(侵入者か⁉︎)
それに気づいた頃には遅かった。男の水中から放ったナイフが迫り来る。変身しても間に合わない。私は歯で受け止めようとすると、横から手が伸びてきて、そのナイフを受け止める。
『てめぇ、姐さんに何すんだこの野郎ぉ‼︎』
その声の主は、私の大切な部下で、特別な人。
アギトに変身したコウタロウだった。
レオーネside out
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コウタロウside
間に合った……。姐さんの扉を開け部屋から出て行く音で目を覚ました俺は姐さんの後をついて行った。風呂場に向かう姐さんがスタイリッシュの刺客に襲われる原作を変えるため、俺も歩き出したが、昨日飲んだアルコールが抜けておらず、フラフラの足取りでやっとの思いで風呂場まで辿り着いた。
水中からスタイリッシュの刺客こと、トローマを引きずり出し蹴り飛ばす。
「助かったぞコウタロウ‼︎」
『なんの!』
既に獣化している姐さんと共に、トローマにとどめを刺す。やはりスタイリッシュに強化されているため、普通の賊よりかなり頑丈だ。早く彼奴らを起こさないとな……。
『姐さんは皆を起こしに行って‼︎俺はアジト周辺の敵を始末するから‼︎』
「分かった‼︎」
ここからは別行動だ。走って行く姐さんを見送り、俺も駆け出す。
開けた場所まで出ると、既に強化兵達は集まっている。しかもかなりの数だ。
俺に目をつけた1人の強化兵が飛びついて来る。それを難なく躱し、すれ違いざまに回し蹴りを叩き込む。
『うわ…こりゃ厄介だな』
思わず口からそんな一言が漏れる。俺達の闘いに気づいたのかゾロゾロと俺の方へ集まって来る強化兵達。ざっと数えただけで、その数は100を優に超えている。
飛びついて来る強化兵達を捌きながら、俺はストームフォームへと変身する。本来ならフレイムの方が集団戦にはもってこいなのだが、数が多すぎるため、剣だけでは捌ききれない。
ストームハルバードを振り回しながら周囲の敵を薙ぎはらう。一掃されたが、それでもまた集まって来る強化兵。戦国無双のキャラにでもなった気分だ。
とにかく今はこのストームハルバードを振り回すしかない。風を纏う両刃が敵を薙ぎはらい、斬り刻んでいく。
早くスーさん来ないかな……。
さて、前書きにも書いたとおり重大発表ですが……
なんと、この『アギトが蹴る!』の三次創作作品の制作が決定しました‼︎
穂波奈緒様による、アナザーアギトを主人公とした作品。タイトルはまだ自分も分かっていないです。
一話目を拝見させていただきましたが、かなりしっかり作られていて、文章力もあちらのほうがかなり上です……。ぶっちゃけあちらの方が面白いかも……。というかめっちゃ恥ずかしいです……。
とにかく、アギト同士の闘いを見たい方にも、アギトを見たことのない方にもオススメ‼︎
是非、これからも「アギトが蹴る!」の作品達をよろしくお願いします‼︎