アギトが蹴る!   作:AGITΩ(仮)

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か、課題が終わらないッ‼︎(泣)


第14話 遭遇

「スラムは活き活きしてんだなー」

 

タツミが辺りを見回し呟く。

現在、俺は姐さんとタツミと一緒にスラム街を歩いていた。

確かに帝都の街に比べ街の人の顔は活き活きしている。

 

「雑草魂だね。生まれた時から貧乏じゃ逞しくもなるよね」

 

姐さんはスラム街の真ん中を堂々と歩いている。

周りの人々は姐さんを見つけると年齢に差別せず声をかけて来る。

本当に人気ものなんだな……。

俺が姐さんを飲みに誘うおっさんに、獣のようにガルルルと威嚇していたのは言うまでもない。

 

「でも、本当に人気ものなんだね」

 

「まぁね。なんてたって私の生まれ育った場所だからな。これでもマッサージ屋としては腕がいいと評判だったんだ。今度、コウタロウとタツミも揉んでやろうか?」

 

実に魅力的なお誘いだが、俺が姐さんを揉みたい。おっと、失礼。

 

「いたぞッ‼︎レオーネだッ‼︎貯まったツケ払ってもらおうかぁ‼︎」

 

いきなり大声で姐さんの名前が叫ばれる。

前方から走って来られたのは姐さんの被害者の方々である。

姐さんは後ろを振り返って走り出す。俺とタツミは出遅れ姐さんを追いかける。

 

「どうだ‼︎面白い所だろ⁉︎」

 

「姐さんが殺しの標的にならないか心配だよ〜」

 

タツミが姐さんを本気で心配しながら、俺達はスラム街を颯爽と駆け出すのだった。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「……ハァハァッ‼︎ここまで来れば大丈夫だろ……」

 

タツミが後ろを振り返り、タツミの背中を追ってきた俺と目が合う。

 

 

「……あれ?姐さんは?」

 

しまった。

タツミの後を着いて行ったら姐さんと離れ、迷子になってしまった。

 

「……え?知らないよ?」

 

「……つーことは…迷子か」

 

タツミの眼から生気が失われていく。

それもそのはず。この無駄に広いスラムで迷ったのだから。

姐さんと一緒なら心配ないのだが、ペアはスラム初心者の俺とタツミだ。

 

俺は途方に暮れ、タツミはオロオロしている。

 

「そこの君達っ!」

 

後ろからいきなり大声が聞こえてきた。

君達って……俺達だよね?

 

「なにかお困りですかなー⁉︎」

 

俺達は声の方を振り向く。

声の主は、セリュー・ユビキタスだった。

Oh……クレイジーガール…。まさかこんな所でセリューと出会うとは最っ高に帰りたい気分である。

 

タツミはセリューの着ている服、警備隊の制服を目にし顔を強張らせる。

 

「帝都警備隊セリュー‼︎正義の味方です‼︎」

 

セリューは帝具のコロをリードで持ち、敬礼する。

タツミは警備隊と聞いてオーガでも思い出しているのだろう。俺が代わりに質問する。

 

「…あのー、それは……?」

 

俺はあからさまにこの場で異様な雰囲気を放つコロのことを尋ねる。

いや、マジでさっきからキュルキュル言ってるんだけど……。

 

「帝具『ヘカトンケイル』ご心配なく、悪以外には無害ですから‼︎」

 

とてもそうは思えません。

セリューもコロも普段は愛くるしいのだが、本性を知っている俺にはこの時間は苦痛以外の何ものでもない。

 

「ところでお困りなのでは?」

 

「あ、いやー、道に迷ってしまって。元いた場所の名前は分かるんですが……」

 

その言葉を聞いた途端腕で抱いていたコロを放り出し、俺達の手を取り走り出す。…ホントにコロは可愛がられてんの?虐待とかされてないよね?

 

タツミはセリューに手を取られたのか顔を赤くしている。それに気づきコロは暴れだす。

ごめん、マジでキュルキュルうるさいのだが……。

 

 

 

「えっーと、ここが元いた場所だと思います」

 

「「ありがとうございます」」

 

俺達は頭を下げる。

 

「なんの!これも正義の味方の仕事ですから!」

 

「アハハハ、それは心強いです〜」

 

俺は苦笑いをしながら適当に返す。

本当にあの娘だけは歪んじゃってて、今の帝都の政治より悪を裁く自分にしか興味がないのだろう。

しかも、セリューの悪を裁くときの顔はアリアのゲス顔とまったく同じだし………。

 

「行くよコロ!晩御飯は死刑囚5人です‼︎」

 

彼女は最後にトンデモないことを言葉を発しながらコロを引きずって去って行った。俺とタツミは溜めていた溜め息を吐き出す。

 

 

 

 

………胃が痛い。

 

 

 




そろそろですか……。


あと、いつもこのような駄文を読んで下さっている皆様。
是非、感想やアドバイスなどなんでもいいので送って下さい。
作者の養分になり書く意欲が増します。


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