俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

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一昨日まで車の免許を取るのに時間がかかって、書く暇がありませんでした。今回からいよいよ原作に入って行くのですが、いや~中々難しいものです。
感想と評価、リクエスト怪獣をお待ちしております。



最強合体獣キングオブモンス、超合体怪獣グランドキング、古代怪獣ゴモラ
超古代怪獣ファイヤーゴルザ、地殻怪地底獣ティグリス、岩石怪獣サドラ
奇獣ガンQ、フィンディッシュタイプビースト・ノスフェル   登場


第6話 ベラルゴシティの恐怖の罠

惑星ボリスの首都・ベラルゴシティ。ここも今までの基地と同じように壊滅状態であった。さらに周りには多数のサドラがいて、エサとなる獲物を探しているのかそこらを歩き回っていた。

その時、空から青色の火の玉が落ちてきた。そして火の中から人影が現れて超古代怪獣ファイヤーゴルザを召喚する。

 

 

「グルルッ・・・グゴォアアァァァ!!」

 

「キェエエエーーー!!」

 

 

唸り声を上げながら現れたファイヤーゴルザを見てサドラ達は両手の鋏を構えて攻撃を加える。だがファイヤーゴルザはパンチやキック、ヘッドロックなどで最初に攻撃してきた3体を倒し、残りもゴルザの時より強力な『強化超音波光線』で全滅させた。サドラを倒した後、人影は近くに落ちていたIDカードを拾ってその持ち主の姿形をコピーしたのであった。

 

 

 

 

 

一方、クロウ達は夜が明けた時刻にベラルゴシティに辿り着き、生存者を探すために三手に別れて捜索を開始した。この時に少し揉め合いが起こったけどな。何故だって?原因はドラゴンスピーダーが2機しかないことさ。ハルナ達3人は乗ることは確定していることであと1人を誰にするかと俺とレイとリーシャの3人が激しく話し合った。俺だって1度くらい乗りたいもん!そしてクジ引きの結果でレイが乗ることになった。

乗れなかった事に残念と思いながら外に出てティグリスを召喚してリーシャと共に頭に乗って辺りを探索する。

 

 

「やっぱり誰もいませんねクロウさん」

 

「そうだな・・・・・ところでリーシャ、前から思っていたが何で俺のことを“さん”付けするんだ?」

 

「何でって・・・いろいろありますけど一番思う事は、クロウさんは私の命の恩人ということからです。・・・・・あと、優しくカッコイイですし・・・」

 

「はい?」

 

 

顔が少し赤くなりながら言うリーシャを見て不思議に思う。最後のところは小声だったので聞き取れなかったし・・・む?どこからか視線を感じるな。おそらくケイトだろう。リーシャも気配を感じ取ったのか話を止め、ティグリスに止まるよう指示して警戒する。

 

 

「クロウさん・・・近くに誰かいますね」

 

「あぁ、そのようだな」

 

 

気配が感じる方向を捉えようとした時、突然目の前に怪獣が出現した。ネズミに似た姿で、5本の鋭い爪と長い前歯を持つ怪獣・・・いや、スペースビースト・ノスフェルであった。

 

 

「ピギャアアアォォォーーー!!」

 

 

唸り声を上げた後ノスフェルは俺達に向かって来る。アイツはスペースビーストの中でも上級クラスで、口の中に再生器官があるから何度でも復活してしまう面倒な奴だ。それに見た目がグロテスクだから女のリーシャにとっては最悪で、ノスフェルを見て青ざめながら口を押えている。

 

 

「ここはお前に任せた。行け!グランドキング!!」

 

『バトルナイザー!!モンスロード!!』

 

「グゥエエエエエゥゥゥーーー!!」

 

 

召喚したグランドキングにノスフェルを倒すよう命令する。ノスフェルも爪を構えながら攻撃を仕掛ける。グランドキングが右腕の鉤爪を突き出すが、ノスフェルは大きくジャンプして避けて背後に回る。そして背中を切り裂こうと爪を大きく振り下ろした。

 

 

 

ガキッ!!

 

 

 

「グウウゥゥ!?」

 

 

大きな音がしただけで、振り下ろした自慢の爪が背中を切り裂けず止まっている事にノスフェルは驚愕する。どんなに力を込めても爪は止まったままだった。その隙にグランドキングは気づかないように尻尾を立てて先端からグランレーザーを放つ。突然の攻撃に驚いたノスフェルは悲鳴を上げながら後ろに下がる。

 

 

「グランドキング!ノスフェルの口を攻撃しろ。そこが奴の弱点だ」

 

「グゥエエ!!」

 

 

弱点を知って、グランドキングは鉤爪の先端をノスフェルの口に押し込めてそこからガスを放出する。そのガスは爆発性を持っており、口の中で激しく火花を散らした。再生器官のある部分を破壊されたノスフェルは口元を押えていたが、それでも怯まずにグランドキングを爪で切り裂こうと向かって来る。中々意地のある奴だ。

 

 

「グランドキング!止めをさせ」

 

「グゥエエエエエゥゥゥーーー!!」

 

 

ただ無謀に突っ込んでくるノスフェルの腹目掛けて『グランレーザー』を撃つ。それを受けたノスフェルは爆発しながら倒れる。終わったと思ってグランドキングを戻そうとした時、倒れたノスフェルの体が少し動いたことに気が付いた。どうやらまだくたばっていないようだ。

 

 

「どうせだ。お前も俺の仲間になろうぜ」

 

「えっ!?仲間にするのですか!!」

 

 

リーシャが慌てふためいているのを無視してノスフェルをギガライブナイザーの中に回収する。それと同時にボスから戻るよう通信が入る。生存者を救出したとのことだ。ティグリスに来た道を戻るよう命じながら少し溜息をつく。

 

 

「厄介なことにならなければいいな・・・」

 

「何がですか?」

 

「恩を仇で返されることになるかもしれないと言う事さ」

 

 

俺の言葉の意味が分からず、リーシャは難しい顔になる。ペンドラゴンに辿り着いて船内に入った瞬間、また視線を感じた。これをずっと感じていたら苛立つはずさ。視線を送る奴の元に行こうとリーシャと共に歩いていたら途中でクマノにあった。

 

 

「お、二人とも。何処へ行くんだ?」

 

「救出した奴がどんな者なのかを確かめに・・・って何だそれ?」

 

 

クマノが持っていた大量の紙に目を向ける。そして1枚を奪い取って(?)見るとペンドラゴンの機首部分に大きな砲台の図面があった。

 

 

「こいつは『ハイパーオメガ砲』と言ってこの船の主砲だ。昔ペンドラゴンは戦艦だったんだが、地球から怪獣がいなくなったことでこの武器は封印され、ペンドラゴンは輸送船となったのさ」

 

 

ふーん、テレビの時は少ししか見られなかったから分かりにくかったけど、かなり複雑な図面だな。リーシャも興味があるのかじっくり見ている。

 

 

「地球の技術も中々やりますね。見直しましたよ」

 

「そいつは嬉しいな。俺もいつかピット星の科学技術を見てみたいもんだぜ」

 

 

こういう事だとクマノはオキと変わらない感じだなと少し呆れつつ思う。そして資料を全て見終った後、目的だった所に行く。中に入ると綺麗な女性が怯えた表情でオキに抱きついていた。

その光景を見て俺は呆然とし、リーシャは赤くなった顔を手で隠しながら興味深く観察している。

 

 

「・・・・・何やってんだお前・・・」

 

「えっ!?ク、クロウ!リーシャ!いつの間に!!?」

 

「お前がその女の人に抱きつかれて嬉しそうにしているところからな」

 

「顔がとてもにやけていましたよ」

 

「!!?」

 

 

俺達の言葉でオキは驚きと恥ずかしさが混ざったような顔になる。そして焦りながら鎮静剤の薬を取りに行くと言って部屋から逃げて行った。遠くに行ったのを確認した後、改めて目の前の女性・ケイトに話しかけた。先程とは打って変わってケイトの表情は冷たい眼になっていた。

 

 

「さて、先程感じた視線の主はお前だな?」

 

「・・・・・お前は何者だ?そこの女はピット星人であることは分かる。だがお前は地球人でありながら地球人ではない。どこの宇宙人だ」

 

「先に質問したのは俺だけどな・・・まぁ、いい。俺の名はクロウ。怪獣の王を目指している者だ」

 

「私はリーシャと言います。クロウさんの仲間です」

 

「怪獣の王、だと・・・!?」

 

「そう、全ての怪獣達の上に立ち、そして護り抜く王に!」

 

 

俺の最終目標を聞き終わった途端、ケイトは俯きながら薄く笑う。どう見ても馬鹿にしている感じだ。けど笑われても構わない。俺は本気だからな。

 

 

「ふん。お前が誰であろうと私の邪魔をしなければどうでもいい」

 

「邪魔と言うと・・・お前の目的はレイについてかな?」

 

「!?」

 

 

知っている事とはいえ、やっぱり他人の動揺する顔は面白いな。すると先に話をかけてきたのはケイトではなく、リーシャの方であった。

 

 

「レイが目的とは・・・どういう事ですかクロウさん?」

 

「詳しい事は知らんが、俺達がここまで来る間こいつはずっとレイを見つめていたようなんだ。だが安心しろ。俺はお前の邪魔をする気はない」

 

「何・・・!?」

 

 

むしろ協力してもいい。なにしろレイが強くなるのだからな!そう思いながら言うけど、ケイトの眼は相変わらず冷たいものだった。それを見たリーシャがつい銃を抜きそうになったけど、必死に押さえる。

 

 

「信用できないと言うなら、今ここで目的を果たしてみるがいい。さっき言った通り邪魔はしない」

 

 

そう言って俺はリーシャと一緒に部屋から出る。すると部屋から紫色の光が現れて外へと出て行く。

 

 

「クロウさん!今のはもしかして・・・」

 

「あぁ、アイツも俺達と同じレイオニクスだったようだ」

 

 

そして大きく船が揺れて外に出てみるとファイヤーゴルザが出現して船を攻撃し始めた。このままここにいたら巻き添えを喰らっちまう。

 

 

「リーシャ、ちょっと失礼!」

 

「えっ?キャア!!」

 

 

俺はリーシャを抱えながら高くジャンプをして船から離れる。そして戦場からそんなに遠くなく、見通しの良い場所に着地する。

 

 

「ク、クロウさん!!」

 

「ん?あぁ、スマンスマン。迷惑だったか?」

 

「い、いいえ・・・寧ろずっとやってほしかったです・・・・・」

 

 

うん?また最後のところが聞こえなかったな。おっとこうしている内にレイがゴモラを召喚して戦いが始まったようだ。けれどゴモラ1体だけでペンドラゴンを庇いながら戦うのは大変だろうに。

尻尾を掴まれて投げ飛ばされたゴモラをファイヤーゴルザは何度も蹴って体力を削る。転がり続けてようやく態勢を立て直したゴモラは『超振動波』を放つ。しかしファイヤーゴルザの硬い皮膚によって弾かれる。それなら直接角を突き立てようと突進するが、ファイヤーゴルザの『強化超音波光線』で吹き飛ばされる。

 

 

「ゴモラはもう限界みたいですね。この勝負はレイの負けということで」

 

「いや、まだ勝負は分からないぞ」

 

 

そう言ってある方向を指差す。そこからドラゴンスピーダーが2機やって来た。乗っているのは勿論ヒュウガとハルナである。2人はファイヤーゴルザの眼を攻撃して注意を逸らす。その隙にゴモラは地面に潜って行った。そしてそのまま地中の中を移動してゴルザを担ぎ上げて、投げ飛ばした。

 

 

「ゴギャアアアアーーー!!」

 

 

追い討ちをかけるようにドラゴンスピーダーが攻撃した後、ゴモラが突進して角をファイヤーゴルザの腹に突き立てた。

 

 

「ゴモラ!超振動波だ!!」

 

 

レイが大声で言う。これで必殺技が決まると俺を除いた全員が思っただろう。だがファイヤーゴルザはゴモラの角を掴んで、強引に引き剥がしてキックで投げ飛ばした。

互いに肩で息をつきながら間合いを取って睨み合う。やがて先に倒れたのはファイヤーゴルザの方であった。それを見てリーシャはゆっくり言う。

 

 

「戦いは・・・最後の瞬間まで何が起こるか分からないと言うことですね」

 

「そう言う事だ。さてそろそろ準備をするかな」

 

 

ケイトもレイに自分の正体を教えている頃だろうし。そう思ってギガライブナイザーをファイヤーゴルザの方に構える。するとゴモラの後ろに奇獣ガンQが出現する。相変わらず不気味で不思議な動きをする奴だ。

 

 

「キョ~キョキョキョ~イィ~」

 

 

ガンQはゴモラに向けて巨大な目玉から怪光線を放つ。ゴモラは辛うじて避けるが、光線はそのままファイヤーゴルザへと向かい直撃しようとした瞬間、真上から現れたキングオブモンスの『ボーンシールド』によって防がれた。

それを見て驚いているケイトの所まで俺はジャンプして行き、レイに軽く挨拶した後テレパシーで話す。

 

 

「(悪いけど、ファイヤーゴルザは死なせないぜ。これ程強い怪獣は仲間に欲しいし、それに俺は怪獣が死ぬところをあまり見たくないんでね)」

 

「(貴様!!)」

 

 

殺気を込めながら俺を睨み付けるケイト。その時リーシャとクルー達が駆け付けて来た。するとケイトの様子が急に変わって「街を破壊したのはあの男だ」と俺を指差しながら言う。レイじゃなくて俺かよ!?やっぱり話が変わってしまったと思うのであった。

 




【大怪獣バトルファイル】
フィンディッシュタイプビースト・ノスフェル

ネズミに似たスペースビースト。見た目のグロさからリーシャは嫌っている。
主な武器は両手の長い爪で、凄まじい切れ味を持っている。またジャンプ力と再生能力も優れている。グランドキングとの戦いの後、仲間にして何度かライブしようと思ったが見た目の事でリーシャに止められている。多分永久にライブする事はないかも。

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