俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

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随分と長くお待たせして申し訳ありません。大学の課題が多いのともうすぐ期末試験があるので、そっちの方に専念しなければいけなくなってしまったので、時間が取れなくって(汗)今回はテレビの話で第4話と第5話の間で起きた話です。登場する怪獣はたくさんいて、次回からは原作に沿って話を進めていきます。
感想と評価もお待ちしております。


最強合体獣キングオブモンス、宇宙超怪獣キングギドラ、超合体怪獣グランドキング
古代怪獣ゴモラ、超古代狛犬怪獣ガーディー、超古代怪獣ゴルザ、超古代竜メルバ
怪獣王Godzilla、宇宙戦闘獣超コッヴ、雪女怪獣スノーゴン
円盤生物ロベルガー、凶険怪獣カネドラス、宇宙大怪獣ベムスター
古代昆虫メガニューラ、超翔竜メガギラス   登場



第5話 暴食!貪欲!凶悪怪獣参上

ふぁ~~よく寝たよく寝た。頭を掻きながら俺はベッドからゆっくり起き上がって体を動かす。そう言えば船内はやけに静かだな。今どこら辺なのかな?と思いながらギガライブナイザーを持って部屋から出てコックピットに向かうと途中でリーシャに会った。

 

 

「おはようございますクロウさん。随分長い時間寝ていましたよ」

 

「おはようリーシャ。随分ってどれくらい?」

 

「そうですね・・・約半日くらいでしょうか」

 

「は、半日!?」

 

 

半日と言う言葉を聞いて少し驚く。我ながらよく寝たもんだ。前にライブした後は普段と同じ時間くらいしか寝なかったのに。これは体を少し鍛える必要があるな。

そして俺が寝ている間にも怪獣に襲われたが、レイとリーシャが協力して撃退したそうだ。

 

 

「ところで今何処に向かっているんだ?」

 

「この惑星の首都ベラルゴシティに向かっているのです」

 

 

成程ベラルゴシティと言うことはそろそろあの女が出てくるな。俺やリーシャがいるからテレビ通りに話が進む展開になるとは思わないが・・・

真剣な顔になって考え込んでいるクロウを見たリーシャは心配になって尋ねようとしたが、その前にいつもと変わらない笑顔でクロウが言う。

 

 

「それよりも腹減ったぜ~~リーシャ何かない?」

 

「・・・何を考えていると思ったらそれですか!?まったく子供じゃあるまいし・・・すぐに何か用意しますからコックピットで待っていてください」

 

 

そう言ってリーシャは自分の部屋に行く。何故自分の部屋に向かうのかと言うと前に俺が集めておいた食料はリーシャが管理しているのだ。ZAPの連中と行動を共にすると決めた後、リーシャが責任もって預かると言うので渡したのだ。まさかと思うけどつまみ食いしていないだろうな。そう思いながらコックピットに向かうとボス達がいた。

 

 

「お、起きたかクロウ」

 

「随分とお寝坊さんなのね」

 

「ちゃんと早寝早起きしないといけないぜ」

 

 

いろんな事を言われる中、レイだけは何も言わずに静かにイスに座っていた。確か記憶が正しければウルトラマンの事について考えているんだっけ?時々ウルトラマンのイメージが頭の中に浮かんで悩み苦しんでいたのは覚えている。

 

 

「クロウ」

 

「ん?どうした?」

 

「お前は・・・ウルトラマンについて知っているか?」

 

 

 

グオオオオッ!!

 

ギャオオオッ!!

 

ゴバアアァァァ!!

 

 

 

突然ギガライブナイザーの中にいる怪獣達が騒ぎ出した。激しく光を放って怒りさえ感じる鳴き声を上げる。騒ぐ怪獣達にこの場にいる者は勿論、食事を持ってやってきたリーシャも突然の事に驚く。

 

 

「ど、どうしたの急に!?」

 

「悪ぃ、ウルトラマンという言葉を聞いて怪獣達が騒ぎ出した。こいつらの大半は恨みを持っているから・・・ああ、もう!少しは落ち着け!!」

 

 

必死に思念を送り続けてようやく静かになり、溜息をつこうとした時に今度はギガライブナイザーが音を出す。

 

 

『後方より宇宙大怪獣接近!宇宙大怪獣接近!』

 

 

後ろにある監視カメラで調べてみるとペンドラゴン目掛けて飛んでいる宇宙大怪獣ベムスターがいた。このベムスターは、前日レイとリーシャが協力して倒した奴と同じようにペンドラゴンのエネルギーを狙ってやって来たのだ。そしてペンドラゴンを撃ち落とそうと頭部の角から強力な光弾『ベムスタービーム』を何発も放つ。それを回避しようとハルナはペンドラゴンを左右に動かしたり回転したりする。

それ故に・・・・・

 

 

「き、気持ち悪ぃ・・・」

 

「い、いくら・・・なんでも・・・」

 

「ハァハァ・・・うっぷ!」

 

 

上から順にレイ、リーシャ、クロウの3人は酔ってしまう。乗り物に弱くない彼らでもこの激しい動きには耐えられなかった。ボス達は慣れているためか平気である。しかしベムスターは諦めずに攻撃してくるので今だこの状態が続く。

 

 

「ふ、副長・・・頼むから着陸し、してくれ。このままじゃ俺達が・・・死ぬ・・・」

 

 

そろそろ我慢の限界で、口を押えながらハルナに頼む。後ろにいる2人も必死に頷いている。それを見たハルナは若干唖然しながら不時着させようと高度を下げていく。それにつられてベムスターも降下していく。あと少ししたら不時着できると思った時、突然前方に巨大な角が飛んできた。それを見たハルナは操縦桿を思いっきり回し、ペンドラゴンは大きく回転した。

おおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!これマジで死ぬ!!頼むから早く止まってくれーーー!!

思わずに口から胃の物が出てしまいそうだったが、みっともないところを見せたくないという思いで必死に我慢する。

 

 

「あれはカネドラス!さっきの角はカネドラスのだったんだ」

 

 

オキが目の前にいる怪獣の名を言う。両手がフックに似た鋏の形をして先程投げ飛ばしたとても大きな一本角が特徴の凶険怪獣カネドラスである。

くっそ~~カネドラスの奴・・・よりによってこんな時に襲ってきやがって!!

この時ばかり俺はカネドラスに心の中で恨みの声を上げる。しかしカネドラスはそんなことはお構いなしに再び一本角を投げ飛ばした。しかし2度も同じ手に引っかからないと言わんばかりにハルナは角が当たる寸前に回避した。標的を外した角はそのままベムスターに命中し、それによりベムスターは地上に落下する。その隙にペンドラゴンは不時着して、俺達はフラフラしながらも急いで外に出て空気を吸う。

 

 

「た、助かった・・・」

 

「まだ・・・世界が回って・・・います」

 

「ハァハァ・・・」

 

 

ようやく気持ち悪さが収まってきて状況を確認する。ペンドラゴンから少し離れた所でベムスターとカネドラスが戦っていた。ベムスターはさっき自分に攻撃された事で怒り、カネドラスは自分の邪魔をした事に怒り、互いに争う。まぁ、そんなことは置いといて・・・

 

 

「さっきの事で怒っているのはお前達だけじゃないんだよ・・・!!」

 

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

 

怒りを込めながら俺はキングオブモンスを召喚する。それに続いてレイとリーシャもゴモラとガーディーを召喚する。そして3人同時に目の前の敵を倒せと命じた。

主の命を受けて咆哮を上げながら彼らは向かって行く。先にそれに気が付いたのはカネドラスで組み合っていたベムスターを押し倒した後、口から3万度の火炎を吐き出す。

しかしその炎はキングオブモンスの『ボーンシールド』によって防がれた。だがカネドラスはシールドを破ろうと火炎を吐き続ける。だがその隙をついてキングオブモンスの背後からゴモラが素早く出てきてカネドラスの腹に尻尾を叩き付ける。

 

 

「ギャア!」

 

 

強烈な尻尾の一撃を喰らってカネドラスの火炎放射が止まる。さらにゴモラはカネドラスに掴みかかって何度もパンチを放つ。カネドラスも両手や角を振り回して応戦する。

一方キングオブモンスとガーディーはベムスターの方に向かい戦いを繰り広げていた。前に同じ相手と戦った事のあることでガーディーがメイン、キングオブモンスがサポートという形で戦況は一方的にベムスターが苦戦している状態だ。

このまま押し切ろうとした時、不意にキングオブモンスは空を見た。こちらに向かって何かが近づいている気配を感じたのだ。

 

 

「キシャアアアア!!」

 

「グルルルッ」

 

 

それを見たゴモラがキングオブモンスに真面目に戦えと言うように鳴く。だがそんな事を気にせずにキングオブモンスはずっと気配を感じる方を見つめる。無論その光景はクロウ達にも見えていた。

 

 

「どうしたのでしょう?」

 

「何か・・・こっちに向かっている」

 

 

俺は眼を鋭くさせて遠くの方を観察する。暫くするとその方向から黒い物体が現れた。しかもかなりの数だ。そいつらとの距離が半分を超えてようやく正体が分かったが、その正体を見て思わずゾッとした。

 

 

「ヤバッ!メガニューラの大群だ!!」

 

「メガニューラ?」

 

「古代に生息していた昆虫だ。気を付けろよアイツらは尻尾の針を突き刺して獲物のエネルギーを吸い取ることができる」

 

 

そう説明し終えたのと同時に、メガニューラの大群は一斉に怪獣達に襲い掛かった。

周りを旋回しながら隙をついて身体にまとわりつき、先程言った通りに尻尾の針を突き刺してエネルギーを吸い取り出した。

先程までしのぎを削る戦いを行っていた怪獣達はこの小さな怪獣の大群によってそれどころではなくなった。必死に腕や身体を振るったり、光線を吐くなどをしてメガニューラを倒す。だが、次から次へとメガニューラは襲い掛かってきてキリがない。

 

 

「キュキュイ―――ン・・・」

 

 

エネルギーを全て取られてベムスターが断末魔の悲鳴を上げながら倒れる。その背中には大量のメガニューラが取り付いていた。ベムスターは正面からの攻撃には強いが、背中ががら空きという弱点があったのだ。無残なベムスターの死体を見て俺は青ざめる。1匹1匹は弱くても数が多ければ暴力になりうる事を今目の前で見せられているのだから。

 

 

「だったらこちらも数を増やすとするか!」

 

 

ギガライブナイザーを構えて新たに怪獣を召喚する。出てきたのはキングギドラ、グランドキング、ゴルザ、メルバ、Godzilla、超コッヴ、スノーゴン、ロベルガーの8体である。

 

 

「さぁ、お前ら!仲間を助けて思う存分に暴れまくれーーー!!」

 

 

命令を受けた8体が一斉に動く。メルバとロベルガーは空高く飛んで素早い動きでメガニューラを地上に追い詰め、合流したキングオブモンスらも含めた10体が各々の得意とする光線を放つ。それによってどんどん撃退されていくメガニューラだが、それでも懲りずに尻尾の針で新しく出てきた獲物のエネルギーを吸い取ろうと襲い掛かる。だが完全に息を吹き返した怪獣軍団相手にもはや全滅は時間の問題である。

 

 

「キシュウウウウウ」

 

 

数が半数くらいになった時に1匹のメガニューラが高く鳴き声を上げて逃亡する。それにつられて他の生き残り達も後に続く。

逃がしてたまるか!そう思って怪獣達は光線を放って撃ち落としていくが、メガニューラの大群は遠くの彼方へと消えていった。

 

 

「逃げられたな・・・」

 

「あぁ、すぐ船に戻ってボス達にここから引き揚げる様に伝えに行くぞ」

 

「またメガニューラがやってくるからですか?」

 

「いや、メガニューラよりももっと恐ろしい奴が来るからさ」

 

 

アイツらの究極の戦闘体であるあの怪獣に。映画で観ていたけどとても素早い動きに凶暴な奴だったからな。どうやって戦うかと考えながら怪獣達を回収する。すると同時にカネドラスも一緒にギガライブナイザーの中に入ってきた。何故入ったのか理由を聞くと先程の恩返しをしたいからと答える。随分と律儀な奴だと思うと今まであった怒りもどこかへ消え失せて俺達は船に戻って目的地に向けて出発した。

 

 

 

 

 

一方、生き残ったメガニューラ達は巣がある湖の中に入って今日収穫したエネルギーを湖の底にいる巨大生物に与える。本来なら自分達の命も与えるはずだが、その生物が活動するためのエネルギーがまだ足りないと知ってすぐに獲物を探しに湖から出て行く。

彼らが去った後、その生物いや、超翔竜メガギラスは僅かばかり動く。こいつがクロウ達と対峙するのも・・・そう長くはない。

 




【大怪獣バトルファイル】
凶険怪獣カネドラス

頭の大きな一本角と両手のフックのような鋏が特徴の宇宙怪獣。
主な武器は口から吐く3万度の火炎放射と角を相手に飛ばす技ドラスカッターである。ベムスターに追われていたペンドラゴンに襲い掛かってきて、そのままベムスターやクロウ達のパートナー怪獣と死闘を繰り広げた。
だが途中でメガニューラの大群に襲われて身を守るために共同戦線をする。彼らが引き揚げた後は助け合ったクロウに恩を感じて仲間となった。キングオブモンスの配下になる。

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