俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

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皆様、新年あけましておめでとうございます!今年も宜しくお願い致します!
今回は文字通りクロウの怪獣軍団とキングジョー軍団が激しくぶつかります。それにより登場怪獣が多く出てきます。皆様、覚悟して読んで下さい。
感想と評価をお待ちしております。

古代怪獣ゴモラ、原子怪鳥リトラ(S)、宇宙怪獣エレキング、プラズマ怪獣アースゴモラ
超古代狛犬怪獣ガーディー、剛力怪獣シルバゴン、巨蛾モスラ(モスラ・レオ)
放電竜エレキング(エレちゃん)、冷凍怪獣ラゴラス、進化怪獣ラゴラスエヴォ
雪超獣スノーギラン、冷凍怪獣ペギラ、宇宙鉱石怪獣ドレンゲラン
復讐ロボット・ザムリベンジャー、火炎骨獣グルジオボーン
宇宙怪人ブラコ星人(RB)、高速宇宙人スラン星人(RB)、光波宇宙人リフレクト星人(RB)
透明宇宙人バイブ星人(RB)、きのこ怪獣マシュラ、菌糸怪獣サタンフォーガス
高速怪獣デキサドル、超音速怪獣ヘイレン、火山怪鳥バードン、透明怪獣ネロンガ
宇宙ロボット・キングジョーブラック&キングジョースカーレット
虚空怪獣グリーザ(第二形態)、クロウ怪獣軍団(100体)   登場



第37話 クロウ怪獣軍団VSキングジョー軍団

前回レイやクロウ達を抹殺しに来たダイルであったが、レイが戦っている理由を聞き、その強さを目の当たりにして彼の心にある変化が起きていた。

そしてその変化した心の思うがまま司令官であるハーランに進言していた。

 

 

「ハーラン司令官閣下。彼らは・・・特に地球のレイオニクスであるレイと言う男には、ペダンの科学力を超える力が秘められています!」

 

「・・・何を言うかと思えば、あり得ない事を言いますね。この宇宙にそのようなものなど存在しません。例えレイブラッド星人であろうといずれ我らが力の前に滅び去るでしょう」

 

「私もそう信じていました。レイ達に出会うまでは・・・」

 

「ダイル・・・お前はその者から何を聞き、何を知ったと言うのですか?」

 

「レイは・・・レイオニクスバトルを仕組んだ張本人・レイブラッド星人を倒す為、この惑星ハマーで戦い続けているのです。その大きな目標が、レイをさらに強くさせるのです。さらに彼には、あのモンスターキング・クロウが付いています。クロウだけではなく、他のレイオニクスや数多くの仲間がいます。それらも含めて私はレイと言う男から無限な可能性を感じたのです!」

 

「無限な可能性か・・・」

 

 

ダイルの言葉を聞いた後、ハーランは少ししてからダイルにレイ達を此処に連れてくるよう指示を出した。

それを受けてダイルはハーランに一礼し、司令室を後にして急ぎレイの元へ行こうとした時、突如1人の女性が目の前に現れた。

 

 

「どういうつもりだ?ダイル」

 

「リアン隊長・・・」

 

 

その女性はリアンと言い、レイオニクスハンターの中でもエリートの者が集まった部隊を率いる隊長である。それにより彼女はハーランの次に発言力を持つ者でもある。そしてダイルが所属しているのもその部隊であって、過去に彼女から多くの事を学ばせてもらった。その為他の隊の者からは『彼女の右腕』や『恋人』とすら呼ばれていて、実質彼女も彼の強さ等を含めて信頼していた。

 

 

「あれ程憎んでいたレイオニクスに期待するとは・・・焼きでも回ったか?」

 

「違います隊長!レイと言う男は本当に先程俺が言った通り無限な可能生を持った奴なんです!」

 

 

必死にレイの可能生について話すダイルを見つめながらリアンは考える。

50年後の未来でペダン星の艦隊を率いていた姉が亡くなる切っ掛けになったのはレイオニクスだ。だからこそ彼女もダイル同様にレイオニクスを憎み、奴らを全て抹殺するレイオニクスハンター部隊に入った。その後過去の実績から隊長に指名され、そして自分と同じ思いを持つダイルが配属されると昔と同じように彼を鍛えつつ目的を果たそうとした。そんな彼がレイオニクスに希望を持ち出した事が信じられなかった。

そのレイオニクスは姉が内心友好を感じていた者と同じ奴なんであろうか?

 

 

「・・・分かった。なら私もそいつに会ってみよう。もしお前の言う通りの奴ならば協力する。だが違ったなら即抹殺する。いいな?」

 

「はっ!ありがとうございます!」

 

 

少し嬉しそうな表情になってお礼を言った後、ダイルは立ち去って行った。滅多にあんな表情をしないアイツをここまで変えさせるとは・・・何があろうとその者を見極めなければならない。そう思いながらリアンはハーランに同席のお願いをしに向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、クロウ達は今日もレイオニクスバトルを行っていた。

 

 

「ピュシィィィィッ!!」

 

「ファブスウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!」

 

「ピフィフォォォォォォォォォォォォ!!」

 

「キファルグウウウウウッ!!」

 

「キイィエエエエエエェェェッ!!」

 

「グガギャアアアアアァァァン!!」

 

 

クロウ達の目の前にいる怪獣は6体で上の鳴き声から順に1体目は巨大な茸の頭を持ち両手も茸の形をして、体の様々な部分にも茸が生えているのが特徴のきのこ怪獣マシュラ。

2体目はマシュラ同様に体中から茸が生えて、さらに菌糸と結合しているという不気味な姿をしているのが特徴の菌糸怪獣サタンフォーガス。

3体目は巨大な翼と鋭い鉤爪や嘴、強靱な脚などが特徴の高速怪獣デキサドル。

4体目はF-14戦闘機の可変翼のように動かす事ができる翼と体が特徴の超音速怪獣ヘイレン。

5体目は鋭い嘴と両頬にある毒袋が特徴で『地球最強の怪獣』とも言われている火山怪鳥バードン。

最後が四足歩行で鼻先の巨大な角、後頭部の2本の可動式の触角が特徴の透明怪獣ネロンガだ。

そして6体の近くにいるレイオニクスは4人で、マシュラとサタンフォーガスの方にいるのは腰の位置に顔があって巨大なトウモロコシのような奇怪な頭部をした不気味な姿が特徴の宇宙怪人ブラコ星人(RB)。

デキサドルとヘイレンの方にいるのは昆虫のような頭部に鋏のような形状の短剣が付いた両腕が特徴の高速宇宙人スラン星人(RB)。

バードンの方にいるのは鋭い棘が生えた金属製の球体に手足をつけたような形状と両腕の円盤状の盾が特徴の光波宇宙人リフレクト星人(RB)。

ネロンガの方にいるのは頭や背中など様々な部分に透明なヒレがある透明宇宙人バイブ星人(RB)だ。

ちなみにバイブ星人の人間サイズの時は、本来今の怪獣のような姿とは違う姿なんだが、この者はレイオニクスの力によって人間大でも巨大化の姿になれるようだ。

 

 

「グオォ~~!選バレシ我ラノ楽シイ戦イノ時間ダ!」

 

「そうですね。ですが、貴方達下等種族が私達の戦う相手とは・・・品がありませんね~」

 

「ですが仕方ありませんよ。このレイオニクスバトルを制した者こそが大宇宙の支配者になれるんですから。彼らはその踏み台と思えば良いのです」

 

「ブルルル!その通りだ。さぁ、さっさと僕らの礎になるといい!」

 

 

この4人の自信たっぷりで嫌みが籠った言葉を聞けば誰もが怒るであろう。

だが彼らと対峙しているクロウ、レイ、タクト、グロラスの4人はただ不敵な笑みを浮かべながらバトルナイザーを掲げる。

 

 

「ラドン!メガギラス!」

 

「ゴモラ!」

 

「グルジオボーン!」

 

「スノーギラン!ペギラ!」

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

「ピエエエエェェェゥゥゥーー!!」

 

「ピイイイィィィヴヴヴヴゥゥゥッ!!」

 

「ギシャアアアアアアァァァーーー!!」

 

「グオォォォォォォォォ!!」

 

「ヴオオオォォォッ!!」

 

「ギャオオオオオォォォォーー!!」

 

 

今回クロウ達が召喚したのは、ゴモラ、グルジオボーン、スノーギラン、ペギラである。

召喚された怪獣達で、ゴモラを除く5体は久々に戦える事や初陣により気合いが籠った鳴き声を上げる。そしてそれは主人も同様であった。

 

 

「へへ、スノーギランとペギラの奴、だいぶ気合いが入っているな」

 

「僕のグルジオボーンも同じだよ。彼らにとって初陣だからね」

 

「そうだな。けど俺のゴモラも負けていないぞ」

 

「それはこちらも同じだ。さて、話はここまでにしてそろそろやるぞ。そして戦う相手はさっき事前に伝えた通りにするんだ。お前達の活躍・・・存分に発揮しろ!」

 

「「「ははっ/はい/ああ!!!」」」

 

 

自分の怪獣について一通り褒め合った後、クロウの言葉を合図にラドンとメガギラスが空へ飛び上がり、ゴモラ、グルジオボーン、スノーギラン、ペギラの4体は大きく咆哮を上げながら勢いよく走り出した。

それを見て素早く動いたのはバードンで、他の怪獣達を押し退けて前に出ると両翼による羽ばたきで激しい強風を起こす。それを受けたゴモラ達は足を止めてその場から動けなくなってしまう。その間にデキサドルとヘイレンが空に飛び上がり、空から攻撃しようと迫っていたラドンとメガギラスを防ぐ。

これにより4体の空飛ぶ怪獣達による空中戦が開始された。

 

 

「キイィエエエエエエェェェッ!!」

 

 

一方地上ではバードンが尚も強風を起こし続ける。あまりダメージがないとはいえ、このままでは攻撃できない。

また他の怪獣達が攻撃しようとしているのを見て、グロラスはペギラに指示を出した。

 

 

「ペギラ、お前も突風を起こすんだ!」

 

「ギャオオオオオォォォォーー!!」

 

 

指示を受けたペギラは仲間達を守るかのように前に出て、両翼を大きく広げて羽搏かせて突風を起こした。それはバードンの強風よりも強かったので、押し返された風はそのままバードン達を襲った。

 

 

「キイィエエエエエエェェェッ!!」

 

 

自分の真似をされた上に押し返された事にバードンは怒り、もっと風を起こそうと翼を強く羽搏かせる。だがどんなに羽搏かせても風は強くならない。寧ろ弱くなっていた。一体どうした事かと思ってよーく見てみると、なんとペギラが突風を起こすと同時に『冷凍光線』を吐いていたのだ。砂煙と一緒だった為に見分けられなかったのだ。兎に角冷気の風によりバードンの体は徐々に凍り始めていた。さらに後ろにいるマシュラ達も同様であった。

 

 

「キイィエエエエエエェェェッ!!」

 

「ギシャアアアアアアァァァーーー!!」

 

 

その為バードンは急いで空に飛び上がり、マシュラ達は左右に移動して突風から抜け出す。そしてバードンはペギラ目掛けて猛毒を含んだ嘴による体当たりを仕掛ける。しかしそれを素早く前に出たゴモラが受け止め、そのまま勢いよく地面に叩き付ける。さらに叩きつけられて痛みでもがいているバードンを尻尾で何度も痛めつけた上に蹴り飛ばした。

これはかつてクロウのゴジラと特訓相手をした時に学んだ戦法である。

 

 

「そんな!?バードンが!!?」

 

 

リフレクト星人(RB)はバードンがやられているのを見て驚きの声を上げる。そんな彼を見てレイは薄く笑う。それを見てリフレクト星人(RB)は苛立つ。

 

 

「うぬぬ~!今のはまぐれです。もう一度行けバードン!!」

 

「キイィエエエエエエェェェッ!!」

 

 

痛みに耐えながらバードンは立ち上がって再び空に飛び上がり、ゴモラ目掛けて体当たりを仕掛ける。しかしゴモラは素早く躱し、バードンがまた突っ込んできた時に再度受け止める。

 

 

「ゴモラ!超振動波だ!!」

 

「ギシャアアアアアアァァァーー!!」

 

「ギイィエエエエエエェェェッ~~~!?」

 

 

バードンの攻撃を止めたと同時にレイはゴモラに必殺技を出すよう命じる。ゴモラは『超振動波』を勢いよく放ち、それを食らったバードンは悲鳴を上げた後倒れて大爆発を起こした。

 

 

「な、なんと!?バ、バードンが・・・」

 

「よし!良いぞゴモラ!!」

 

「ギシャアアアアアアァァァーー!!」

 

 

自分の怪獣がアッサリ倒されたのを見てリフレクト星人(RB)はガックシと肩を落とす。逆にレイはゴモラを褒める。褒められたゴモラは嬉しさも合わせて勝利の咆哮を上げるのであった。

 

 

 

 

 

レイが勝利している間、クロウ達の方も優勢に戦況を進めていた。

まず最初はマシュラ&サタンフォーガス&ネロンガVSグルジオボーン&ペギラ&スノーギランで、グルジオボーン達は事前に言われていた相手側の3体にそれぞれ組み合って激突した。

 

 

「グオォ~!マシュラヨ、ソイツヲオ前ノ下僕ニシテシマエ!」

 

「ピュシィィィィッ!!」

 

 

主の指示に従ってマシュラは口から毒水『シャンピーヌプワゾン』を吐く。これは相手を自分と同じ茸に変えてしまう恐ろしい毒なのだ。以前地球に手現れた個体もこの毒水で人間を茸人間に変えて操った事がある。例え怪獣であっても当てれば忽ち茸人間ならぬ茸怪獣になってしまうだろう。

しかしグルジオボーンは眼を赤く光らせて高速移動で躱し、そのまま突進攻撃で押し倒した。

 

 

「よし!いいぞグルジオ・・・ってアレ!?」

 

「グオォォォォッ!?」

 

 

攻撃が命中して相手が倒れたのを見てタクトは喜び、そのまま追撃しようとしたがマシュラがすぐに立ち上がったのを見て驚く。グルジオボーンも最初驚いていたが、すぐに正気に戻ってパンチや張り手を何度も食らわせる。だがマシュラは平気な顔で何度も立ち上がった。何故ならマシュラは見た目通り茸である為体が柔らかく、肉弾戦では殆どダメージを与える事はできないのだ。

 

 

「ドウダ!我ガマシュラノ強サ、思イ知ッタカ!」

 

「フン!だったらこの技だ。グルジオボーン、ボーンブレスターだ!」

 

「グオォォォォォォォォ!!」

 

「ピュシィィィィッ!?」

 

 

見下しながら言うブラコ星人(RB)にタクトは苛立ちつつも指示を出し、グルジオボーンは口から『ボーンブレスター』を勢いよく放つ。

それを受けたマシュラの体は燃え、辺りにマシュラの悲鳴が響く。茸だけに熱に弱いから効果抜群だ。

 

 

「マ、マシュラ!?フォーガス、加勢シニ来イ!!」

 

 

マシュラの危機を見てブラコ星人(RB)はもう1体の手持ちであるサタンフォーガスに加勢しに行かせようとするが・・・。

 

 

「やれやれペギラ!そんな奴、カチンコチンにしてしまえ!!」

 

「ギャオオオオオォォォォーー!!」

 

「ファブスウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!?」

 

 

グルジオボーン達が戦っている間、サタンフォーガスは両腕の鞭の様な触手と全身にこびり付いている菌糸を放ってペギラを攻撃する。しかしペギラは翼を羽搏かせて菌糸が付かないようにしつつ触手を躱し、素早く背後に回って『冷凍光線』を放つ。

他にこれと言った武器を持っていない上に動きも遅い為、サタンフォーガスは徐々に氷漬け状態になっていった。

 

 

「ソ、ソンナ!フォーガスマデ!?ダ、ダッタラバイブ星人ヨ、我ノ加勢ヲ!!」

 

「ブルルル!冗談ではない!僕の方が加勢しに来てほしい状況だ。ええい、名誉ある僕に選ばれた怪獣なんだぞネロンガ。そんな奴、さっさと倒せ!!」

 

「グガギャアアアアアァァァン!!」

 

 

ブラコ星人(RB)の隣にいたバイブ星人(RB)は彼から加勢依頼を受けるが、自分も同じ旗色の悪い状況なので少し怒鳴りながら断る。そして手持ちであるネロンガに彼なりの応援の言葉を送りながら攻撃命令を下す。ネロンガは何とか主人の期待に応えようと目の前にいるスノーギラン目掛けて走り出すが、今回の相手がスノーギランであるので・・・。

 

 

「ヴオオオォォォッ!!」

 

「グガギャアアアアアァァァン!?」

 

 

スノーギラン自慢の『フラッシュ光線』を食らい眼を失明させられて倒れる。そしてその場で激しく悶えているところに太い腕での強力なパンチを何度も食らってダメージが積み重なっていく。

ネロンガはその攻撃から逃れようと必死に体を透明化せてその場から離れようとする。しかしスノーギランが口から吐く吹雪によって口から白い息が漏れてしまい、それによって居場所も知られた上にサタンフォーガス同様に氷漬け状態になってしまった。

 

 

「よーしペギラ!スノーギラン!止めの一撃だ!!」

 

 

完全に氷漬け状態になった2体目掛けてペギラとスノーギランは勢いよく体当たりを食らわせる。

 

 

 

パッリイイイイィィィン!!

 

 

 

大きな音を響かせながら2体は粉々に砕け散った。

 

 

「よっしゃ!最高だったぜペギラ!スノーギラン!」

 

「ギャオオオオオォォォォ~~!!」

 

「ヴオオオオオォォォォッ!!」

 

 

グロラスは2体の勝利に喜びながら褒め称える。ペギラとスノーギランも主人に褒められて喜びの鳴き声を上げる。

 

 

「ピュシィィ・・・ィィッ・・・・・」

 

 

それと同時にマシュラも燃え尽き、黒炭となって散り散りになった。その後グルジオボーンも主人に褒められながら勝利の咆哮を上げるのであった。

 

 

「マ、マシュラ・・・フォーガス・・・我ノ怪獣達ガ・・・」

 

「僕の・・・ネロンガも・・・負けるなんて・・・」

 

 

一方自分達の手持ち怪獣が倒されたのを見たブラコ星人(RB)とバイブ星人(RB)は声と体を震わせた。もう勝敗は決したと誰もが思ったが、ブラコ星人(RB)の方がまだ諦めていなかった。

 

 

「(マ、マダバトルナイザーノ中ニハ怪獣ガイル。コイツナラアイツラナンカ一瞬デ倒セル筈ダ。シカシコイツハ余リニモ強過ギテ制御デキナイ。ダガコノママ負ケルノハ・・・!)」

 

「何ブツブツと言っているんだアイツ?」

 

「きっと今まで負けた事がなかっただけにショックで可笑しくなったと思うよ」

 

「ふ~ん、そう言う事か。でも見ていて気持ち悪いからやっちまう?」

 

「そうだね。それじゃ、ザムビーム!」

 

「フローズンホワイト!」

 

「うん?グ、グオォォォォォォ~~~!!?」

 

 

独り言を呟いているブラコ星人(RB)にタクトとグロラスはそれぞれ怪光線『ザムビーム』と冷凍光線『フローズンホワイト』を放つ。ブラコ星人(RB)が気付いた時にはもう遅く、体が凍って木端微塵に吹き飛んでしまった。そして彼が持っていたバトルナイザーがガタンッと落ちる。

隣でそれを見たバイブ星人(RB)は死の恐怖を感じて、若干変な動きになりながら慌ててその場から立ち去った。

その様子を見てタクトとグロラスはさらに気分良くなりながら彼のバトルナイザーを拾い、中にまだ怪獣がいると分かる。

2人はそれをクロウへの手土産にしようと考えて彼の元へ急いで行くのであった。

 

 

 

 

 

そして他とは違って尚も白熱のバトルを続けて繰り広げている4体の怪獣達。

デキサドル&ヘイレンVSラドン&メガギラスだ。

 

 

「ピフィフォォォォォォォォォォォォ!!」

 

「キファルグウウウウウッ!!」

 

「ピエエエエェェェゥゥゥーー!!」

 

「ピイイイィィィヴヴヴヴゥゥゥッ!!」

 

 

4体は空の上を猛スピードで飛行しながらそれぞれ自慢の翼や爪、嘴、鋏などを使って攻撃し合う。その時デキサドルとヘイレンが一気に決着を付けようと2体同時に口から『青色破壊光線』と『高熱火球』を放つ。

それを見たラドンがメガギラスの前に飛び出して彼らの必殺光線を真正面から受けた。

 

 

「ハッハハハハ!なんと無様な。自ら攻撃を受けに来るとは・・・愚かな事だ」

 

「・・・本当にそう思うか?」

 

「何?」

 

「今から良いモノを見せてやるよ。ラドン!お前の覚醒して得た新たな力と姿を見せつけろ!!」

 

「ピエエエエェェェゥゥゥーー!!」

 

 

クロウの言葉と同時に炎に包まれていたラドンが大きく咆哮を上げ、炎を吹き飛ばした。するとラドンの姿が先程とは打って変わって赤色になっていた。

これぞラドンの最強形態とも言えるファイヤーラドンだ!

 

 

「行けファイヤーラドン!ウラニウム光線だ!!」

 

「ピエエエエェェェゥゥゥーー!!」

 

「ピフィフォォォォォォォォォッ!?」

 

 

クロウの指示を聞いてファイヤーラドンは口から勢いよく『ウラニウム光線』を放つ。

一方倒したと思っていた相手が姿を変えて蘇ったのを見て驚いていたデキサドルは、反応するのが遅れて光線を受けて落下してしまう。隣にいたヘイレンはすぐさま上昇して距離を取ろうとする。それを見てファイヤーラドンはすぐさま追い掛ける。

 

 

「無駄ですよ。ヘイレンの速さに追い付いて来れる訳がない」

 

 

スラン星人(RB)は余裕そうに言い、ヘイレンも同様に余裕な表情だ。

どちらもいくらパワーアップしたって絶対に追い付けるものか、と内心呟く。しかしファイヤーラドンは徐々にヘイレンに近づいて行った。

 

 

「ば、馬鹿な!?」

 

「ピイイィィヴヴヴゥゥゥッ!?」

 

 

まさかあんな野郎が追い付いて来れるとは!?あまりの衝撃の事にスラン星人(RB)は動揺して、それによりヘイレンもスピードを落としてしまう。その隙をついてファイヤーラドンは一気に距離を縮め、嘴攻撃や『ウラニウム光線』でヘイレンにダメージを与えるのであった。

 

 

 

 

 

一方落下したデキサドルは、地面に激突した衝撃とダメージで暫く動けなくなっていたが、ようやく起き上がって辺りを見渡す。そして未だ上空で戦っているヘイレンに気付く。形勢は彼が不利のようだ。なら今から加勢しに行って自分をこんな目に遭わせたファイヤーラドンに仕返しをしてやる!そう思って飛び上がろうとした時・・・。

 

 

 

ドスッ!!!

 

 

 

「ピフィフォォォォォォォォォォッ!?」

 

 

突如デキサドルの背中に何かが突き刺さった。その痛みは強烈でデキサドルは悲鳴を上げる。必死に痛みに耐えながら後ろを振り向くと、そこにはニヤリと笑いながらエネルギーを吸収しているメガギラスがいた。

 

 

「ピイイイィィィヴヴヴヴゥゥゥッ!!」

 

 

メガギラスは大きく鳴き声を上げながらさらにエネルギーを吸収する。当然デキサドルは黙っていなく、激しく翼を動かしたり、体を揺すって針を抜こうとする。

だがメガギラスは両手の鋏で翼を挟み、口を大きく開けて首に噛みついてダメージを与える。そうして少し経つとデキサドルの動きが鈍くなり、徐々に前屈みになり始めた。それを見たメガギラスは一気に勝負を付けようとさらに強く挟んだり、噛みついたりする。

 

 

 

ザシュッ!!ザシュッ!!ブシュウゥゥゥッ!!!

 

 

 

そしてとうとうデキサドルの両翼は切り落とされ、首から大量の血が噴き出した。

 

 

「ピ、フィフォォォ・・・ォォォォォ・・・・」

 

 

デキサドルは弱々しく鳴き声を上げながら倒れ、ゆっくりと眼を瞑って眠りについた。それを見たスラン星人(RB)はさらに動揺する。

 

 

「そ、そんな!あ・・・あり得ない。デキサドルがあんな虫如きに負けるなんて!?」

 

「悪いが俺のメガギラスをただの虫ではないんだよ。さて、そろそろ決着を付けさせてもらうぞ!ファイヤーラドン!メガギラス!同時攻撃だ!!」

 

「ピエエエエェェェゥゥゥーー!!」

 

「ピイイイィィィヴヴヴヴゥゥゥッ!!」

 

 

クロウの指示に従って、メガギラスはデキサドルから奪ったエネルギーを集めながら再び空高く飛ぶ。それに合わせてファイヤーラドンが翼を振り上げてヘイレンを強く叩きつける。

先程まで嘴攻撃と『ウラニウム光線』を受け続けていたヘイレンはほぼグロッキー状態になっていて、避ける事ができずに落下していく。そんなヘイレン目掛けてメガギラスとファイヤーラドンが同時に『エネルギー光球』と『ウラニウム光線』を放つ。

 

 

「ピイイイィィィヴヴヴヴゥゥゥッ!!?」

 

 

2体の必殺光線を食らったヘイレンは、大きく悲鳴を上げながら大爆発を起こして砕け散った。

 

 

「こ、この私が・・・負けるなんて・・・・・くぅ~、お、覚えておきなさい!!」

 

 

自分の怪獣達が負けた事にスラン星人(RB)は悔しがる。だがこれ以上戦う事はできないと分かっていた為、捨て台詞を言いながらその名の通り高速移動でその場から姿を消した。

 

 

「ほぉ・・・流石高速宇宙人だ。ケムール人などに負けないくらい早い逃げ足だ(笑)」

 

 

スラン星人(RB)の逃げ足の速さを褒めているとレイ達がこちらに向かって走って来るのに気がついて合流する。それぞれから勝利の感想を聞いた後、タクトとグロラスから回収したバトルナイザーの中に怪獣がいると言いながら渡してきた。一体何の怪獣なのかと思いながら見てみるとそいつは巨大な昆虫怪獣であった。しかもかなり強い怪獣の様だ。その為その怪獣に仲間にならないかと話しかけ、許可を得た事でバトルナイザーからギガライブナイザーに移した。

それが終わった後全員を連れて宇宙船に戻った。

その後自室で食事を済ませてベッドに転がってのんびりしていた時、突如アンドロイドが部屋に入って来た。

 

 

「どうした?」

 

「ピピッ!ピピピピッ!」

 

「何レイから連絡が来ているだと?」

 

 

アンドロイドからレイより連絡が入っている事を聞くとすぐさま全員をメインルームに集めて、聞こえやすいように音量を上げてから通信機を起動した。

 

 

「どうしたレイ?何かあったか?」

 

『あぁ・・・実は先程ダイルがやって来たんだ』

 

「ダイルですって!?」

 

 

ダイルと聞いてまた飛び出そうとするリーシャを押さえながら話を聞く。今回ダイルがやって来たのは、彼らの司令官であるハーランに会って欲しいとの事だった。彼女に会って力を認められればダイル達はすぐに未来に帰るとの内容だ。

レイはダイルの事を信じてハーランに会いに行くと言うが、万が一の事や1人では心細い事もあってクロウ達にも来てほしいと思って連絡したのだ。

 

 

『頼むクロウ!ダイルが今までやって来た事は許せないと思うが・・・この戦いを終わらせる為にも必要な事なんだ。アイツを信じて欲しい!』

 

「・・・話は理解した。なら俺も一緒に行って会いに行こう」

 

『ッ!本当かクロウ!?』

 

「あぁ、今お前とダイルは何処にいる?」

 

『ギガ・ロボフォーの真下だ』

 

 

何真下だと!?急いで調べてみると確かにギガ・ロボフォーの真下に2人がいた。こいつ最初から俺達を誘うつもりだったのか。まぁ、それについては特に怒る必要はないか。

 

 

「分かったレイ。すぐ支度を済ませて向かうよ」

 

『ありがとうクロウ。ダイルにも言って待っているからな』

 

 

そう言ってレイが通信機を切った後、案の定リーシャ達から非難の声が上がった。

 

 

「どういうつもりですかクロウさん!?」

 

「本気でペダン星人達と和解するのですか!?」

 

「いくらなんでも無理では・・・」

 

「罠、デハアリマセンカ?」

 

「その可能性は十分あるわ。寧ろリーシャ達からの話を聞くばかりじゃ、連中を信じる方が無理と言うものよ」

 

「ならもう行かない方がいいじゃん。レイにもやめるよう伝えましょうぜ!」

 

「私も同意見です。危険過ぎますよ!」

 

「・・・お前達の言い分はもっともだ。だがせっかく向こうから接触してきた上に、ボスに会う事ができるんだ。もし本当に奴らが和解できれば無駄な戦いをする必要がなくなる。そして罠であれば一気に倒してしまえばいい。どっちに転んでも俺達に利があるこの好機を逃す手はないだろ?それにレイがあれ程必死に頼んできたのを断るなんてできるか?」

 

 

クロウの言い分を聞いてリーシャ達は考える。確かに彼の考えにも一理ある。それに滅多に頼ってこないレイが頼んできたと言う事もあって殆どの者が賛成する。しかしリーシャだけはどうしても賛成する事ができずに俯いてしまう。そんな彼女の頭をクロウは優しく撫でる。

 

 

「安心しろリーシャ。どんな事になろうとお前にとって悔いが残らないようにする。いや、俺がそうしてみせる!だから俺の事も信じてくれるか?」

 

「・・・ズルいですよ。クロウさんにそこまで言われたら賛成するしかないじゃありませんか///」

 

 

愛する人に頭を撫でられている事と先程の言葉を聞いて、リーシャは顔を真っ赤にしつつ賛成した。だがそれをルーネとカミーラがもの凄く怖い表情となって2人を睨みつける。ジェロニモン達は恐怖を感じながらよくあるな~、と内心呆れるのであった。

 

 

「それじゃあ、意見も纏まった事だし。レイの元へ行くか・・・っと、その前にトンチキ」

 

「はいクロウ様。何でしょうか?」

 

「お前には悪いが、俺達とは別行動をしてもらいたい。ちょっと耳を貸せ」

 

 

そう言ってトンチキに密命を与えた後、クロウ達はギガ・ロボフォーから降りてレイとダイルと合流する。この時リーシャがダイルの事を睨みつけて一悶着起きそうになるが、なんとか抑えてダイルの案内の元にペダン星人の母艦に向かって歩き出した。

暫くして母艦に辿り着き、宇宙船に入ろうとしたところで銃を構えた多くのペダン星人達が現れて囲む。全員が警戒する中でハーランがやって来た。

う~ん、今見ても思うが・・・やっぱり彼女は綺麗だな。けど性格がキツイから好きにはなれない。それともう1人顔出しの美人な女性がいる。彼女は見た事がないな。彼女も同じ性格だろうか?だとしたらリーシャ、ルーネ、カミーラの方が何倍も良いぜ。

そんな事を思っている間にも話は進み、ハーランは俺達レイオニクス達を洗脳して兵器しようと言う。

 

 

「交渉決裂だな。皆、帰るぞ」

 

 

クロウがそう言って来た道に向かって歩き出す。それを見てリーシャ達もレイを引っ張りながら後を追い掛けようとする。

だがその前を兵士達が銃を構えながら塞ぐ。さらにいつの間にか捕らえていたヒュウガ達を連れて来て、特殊な電磁フィールドの檻に入れて人質にした。

 

 

「すぐに仲間を解放しろ!」

 

「いいでしょう。でもその前にお前達全員を洗脳させてもらいます。これだけ多くのレイオニクス達、並びに怪獣達を我らの戦力として改造すれば、レイブラッド星人も倒せるに違いありません。されば必然的に未来も変わる。50年後の破滅も回避できる筈です。ダイル、お前の望みが叶うのですよ。そして全宇宙の覇権は我らペダンが手にし、全ての生命体が我らの前にひれ伏すのです」

 

「・・・フン、本当にそんな事ができると思っているのか?」

 

「当然です。我らペダンの科学力に不可能な事はないのです」

 

「どうだかな。俺にはとても信じられないな~~」

 

 

ワザとらしく両手を上げて首を振るクロウの態度にハーランはイラつき出す。

 

 

「ならば最初にお前から洗脳させてもらいます。この者を連れて行きなさい!」

 

「「ハッ!」」

 

 

命令を受けたペダン星人達がクロウを連れて行こうとするが、それをダイルが止めながら必死にハーランを説得する。

 

 

「お待ち下さいハーラン司令!司令は私と約束してくれたではありませんか!?もう過去に干渉するのは止めて未来に戻り、荒廃してしまったペダンの復興に力を尽くすと!レイオニクスを兵器に利用する等・・・間違っています!」

 

「ハーラン司令、ダイルの言う通りです。これ以上戦うのを止めて未来に戻りましょう」

 

「リアン隊長!?」

 

 

もう1人いた女性ペダン星人はリアンというのか。そして見た感じ的にダイルの上司のようだな。フム、なかなか優しい上司みたいだ。それに勘が鋭いようだ。

 

 

「それに・・・その男は洗脳するのは無理ではないかと思います」

 

「何故です?」

 

「司令は気付かないのですか?あの男から感じる凄まじい気を!あの男は危険です。これまで私が見て来たレイオニクス達の中でも特に危険です!」

 

 

リアンの話を聞いてハーランは再度クロウを見定めるように見る。確かにこの男から感じる気は此処にいるレイオニクス達の中でも1番強い。兵器にすればまさに最強であるが・・・もし洗脳に失敗して暴走されでもしたら面倒な事になる。

 

 

「(放っておくといつかこの者達を助けにやって来る可能性もある)・・・分かりました。2人の言う通り未来には戻りましょう。しかしこの者以外のレイオニクス達と怪獣達は連れて行きます。そしてこの者は此処で処刑にします!」

 

 

そう言ってハーランが射殺命令を出そうとした時、突如悲鳴が響いた。何事かと誰もが周りを見渡すとヒュウガ達の檻の傍で立っていた兵士達が地面から現れたドロダーズに襲われていた。しかもその数が10体である。

実はクロウの仲間になった後、ドロダーズは彼の力によってどんどん仲間を増やしていたのだ。その為ギガ・ロボフォーの中にも多くのドロダーズがいて、家事全般を担っているの。

ともあれ兵士達が全員倒された後、トンチキがテレポートで姿を現した。

 

 

「トンチキ!」

 

「待ってて下さい。今お助けします。チチンプイプイのパ!」

 

 

トンチキが呪文を唱えると檻の近くにあった機械が光って、特殊な電磁フィールドが消滅した。

 

 

「クロウ様~!ご命令通りヒュウガさん達を助け出しました!!」

 

「ご苦労だったトンチキ!ドロダーズ!そのままボス達を連れて宇宙船まで走れ!!」

 

「分かりました。それでは皆さん、行きましょう!」

 

「あぁ!急ぐぞ!!」

 

「「「了解!!」」」

 

「「「「キュルキュル~~!!」」」」

 

 

トンチキ達がヒュウガ達を救出して逃げ出したのを見たハーランは怒りながら命令を下そうとする。

 

 

「己・・・奴らを逃すな!1人残らず撃ち殺「させねぇよ!!」ッ!?」

 

 

だがその前にクロウがギガライブナイザーを振って攻撃する。しかしハーランは素早く後退して間一髪躱す。クロウは追撃しようとするが、兵士達がハーランを守ろうと前に出る。

 

 

「チッ!全員こいつらを蹴散らして脱出するぞ!!」

 

「「「「「はっ!!」」」」」

 

 

レイ達はクロウの指示に従って格闘・銃・刀で次々と兵士達を打ち倒していく。そしてある程度倒した後に走り出す。それを見たハーランが再び棒を振るうと母艦から無数のキングジョーブラックが飛び出してきた。そして近くに立っていたリアンに命令を出す。

 

 

「リアン!お前もスカーレットで出撃しなさい!隊長としての責務を果たしなさい!!」

 

「・・・分かりました」

 

「リアン隊長!?」

 

「ダイル・・・お前は母艦で待機していろ。いいな」

 

 

ハーランの命令に素直に従うリアンを見てダイルは驚愕の声を上げる。そんな彼に彼女は優しい目で見つめながら待機命令を出し、腕に装着していたリングのスイッチを押してスカーレットのコックピットにテレポートして出撃した。

ダイルはスカーレットが出撃するのを少しの間眺めた後、命令通り母艦に向かうのであった。

 

 

 

 

 

一方キングジョーブラックの軍団に囲まれたクロウ達だったが、彼らは特に恐れていなかった。

 

 

「奴らも本気のようだな。なら俺達も本気でやるぞ!」

 

 

意気揚々とギガライブナイザーを構えながら言うクロウに賛同するようにレイ達もネオバトルナイザーを掲げる。

 

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

 

そして各自の手持ち怪獣であるゴモラ、リトラ(S)、エレキング、アースゴモラ、ガーディー、シルバゴン、モスラ・レオ、エレちゃん、ラゴラス、スノーギラン、ペギラ、ドレンゲラン、ザムリベンジャー、グルジオボーンを召喚する。

また、カミーラ達もそれぞれスパークレンスで変身し、ルーネも鎧兜纏った本来の大きさに戻り、ジェロニモンも両腕を上げて大きくなった。

19体の怪獣・宇宙人・闇の巨人達が並び立つという豪華なシーンができた。うん?ミクラスはどうしたかって?あぁ~・・・レイのバトルナイザーからは4体しか召喚できない事と、前回の戦いのやっちまった実績がまだ尾を引いている為に外されてしまったのだ(笑)

それとクロウの怪獣達も未だ召喚されていなかった。

 

 

「クロウさん、どうしてまだ召喚しないのですか?」

 

「いや・・・今回相手があんなにいるんだ。どうせなら普通ではなく、盛大にやろうと思ってな」

 

 

盛大にやる?一体どういう意味かと全員が疑問に思う中、クロウはギガライブナイザーを強く握りしめながら言った。

 

 

「行け!100体モンスロード!!」

 

 

ギガライブナイザーから怪獣が召喚されたが、今回その数がいつもとは違って文字通り100体であった。

召喚された怪獣は下記の通りだ。

 

最強合体獣キングオブモンス

宇宙超怪獣キングギドラ

超合体怪獣グランドキング

骨翼超獣バジリス

巨大顎海獣スキューラ

邪神ガタノゾーア

超古代怪獣ゴルザ

超古代怪獣ガルラ

超古代竜メルバ

超古代尖兵怪獣ゾイガー

閻魔獣ザイゴーグ

えんま怪獣エンマーゴ

奇機械怪獣デアボリック

宇宙恐竜ハイパーゼットンデスサイス

暴君怪獣タイラント

ベリアル融合獣スカルゴモラ

吸血怪獣ギマイラ

タコ怪獣ダロン

フィンディッシュタイプビースト・イズマエル

フィンディッシュタイプビースト・ノスフェル

フィンディッシュタイプビースト・ダークガルベロス

シビルジャッジメンター・ギャラクトロン

大魔王獣マガオロチ

猛禽怪獣グエバッサー

水異怪獣マジャッパ

地殻怪地底獣ティグリス

宇宙戦闘獣超コッヴ

雪女怪獣スノーゴン

円盤生物ロベルガー

円盤生物ブラックエンド

円盤生物ノーバ

凶険怪獣カネドラス

木枯らし怪獣グロン

究極超獣Uキラーザウルス

最強超獣ジャンボキング

一角紅蓮超獣バキシマム

ミサイル超獣ベロクロン

蛾超獣ドラゴリー

変身超獣ブロッケン

殺し屋超獣バラバ

異次元超人カブト・ザ・キラー

大蟹超獣キングクラブ

サボテン超獣サボテンダー

液汁超獣ハンザギラン

バリヤー怪獣ガギ

巨大魚怪獣ゾアムルチ

群体怪獣シーゴリアン

宇宙超獣トロンガー

凶暴竜ロックイーター

古代怪獣ゴモラⅡ

人魂怪獣フェミゴンフレイム

二面鬼宿那鬼

凶獣姑獲鳥

奇獣ガンQ

宇宙悪魔ベゼルブ

時空破壊神ゼガン

豪烈暴獣ホロボロス

最凶獣ヘルベロス

次元凶獣カミソリデマーガ

超力怪獣ゴルドラス

毒炎怪獣セグメゲル

海獣キングゲスラ

溶鉄怪獣デマーガ

石化魔獣ガーゴルゴン

宇宙怪獣ベムラー

凶暴怪獣アーストロン

凶猛怪獣ギーストロン

宇宙大怪獣アストロモンス

岩石怪獣サドラ

戦車怪獣恐竜戦車

オイル怪獣タッコング

スーパー必殺怪獣デマゴーグ

凶獣ルガノーガー

毒ガス怪獣エリガル

怪獣王ゴジラ

地底怪獣バラゴン

昆虫怪獣メガロ

未来怪獣ガイガン

サイボーグ怪獣ガイガン(FW)

究極対G兵器・3式機龍〈改〉

電子ロボット・ジェットジャガー

雷怪獣バルグザーダン

一角大魔獣ジャルム

宇宙凶悪戦闘獣スペースゴジラ

巨蛾モスラ姉弟

戦闘破壊獣バトラ

暴竜アンギラス

空の大怪獣ラドン

超翔竜メガギラス

完全生命体デストロイア

バイオ怪獣ビオランテ

かまきり怪獣カマキラス(FW)

巨大グモ・クモンガ

怪獣王Godzilla

妖怪怪獣ダストパン

魔王ヤマタノオロチ

大悪獣ギロン

宇宙昆虫レギオン(マザーレギオン)

超遺伝子獣ギャオス・ハイパー

 

これまで戦って回収した怪獣の他に惑星ボリスで仲間にした怪獣達だ。

さらにザイゴーグが背中の棘を飛ばして閻魔分身獣を生み出し、マガオロチがキングオブモンスに熱い視線を送りながら赤い結晶体の角を光らせて、我が子である魔王獣達を呼び出した。

またギャオスであるが、なんと1体ではなく100体以上いて、空一面を覆っていた。

何故ギャオスがこんなにもいて、召喚する事ができたのか?実はこのギャオス達は皆同じDNAを持つ・・・所謂クローンなのだ。

ギャオスと言う怪獣には雄雌の区別がなく、1匹であろうと大人であれば卵を無限に産む事ができて繁殖する事ができる特徴があるのだ。

その為ギャオスは何百と言う大群であろうと1体の怪獣として扱われるのだ。

 

 

「どうだ?可愛いくてカッコイイ怪獣達がこんなにも勢揃いしているのはなかなか見られないと思うぜ」

 

 

自慢げに言うクロウを他所にハーラン達は勿論、レイ達もこの怪獣軍団を見て驚きを隠せなかった。無理もない事だ。誰もが数百体の怪獣達を一度に見る事なんてないのだから。だが次第にレイ達(ヒュウガ達は除く)は落ち着き始め、変わりにクロウに対する凄さと魅力が心の中を染めて、彼にずっと付いて行きたいと言う思いが一層高くなった。

またペンドラゴンの中でオキが今までにないくらい激しく興奮していたのは余談だ。

 

 

「さぁて、派手にやろうとするか!全軍、行けーーー!!!」

 

「グオオオオオォォォォーーー!!」

 

 

クロウの指示とリーダーのキングオブモンスの咆哮を合図に全怪獣軍団は一斉に走り出した。

 

 

「我がペダンが誇る科学力で作ったキングジョーブラック軍団が負けるものか。全軍、敵を殲滅しなさい!!」

 

グワアッシ!グワアッシ!

 

 

わざわざ母艦から自分専用の椅子を持って来て、そこに座りながらハーランは指示を出して、キングジョーブラック軍団はロボットらしく足踏みを揃えて一斉に進撃した。

 

 

「ピッギシャアァァァォォォ!!」

 

「グゥエエエエエゥゥゥーーー!!」

 

「キシャアアアアアァァァ!!」

 

「ピュアアアアアァァァァ!!」

 

「キィイイイィィィ!!」

 

「ガウウウゥゥゥッ!!」

 

「ゴシュィィィィィン!!」

 

「キエエエエンッ!」

 

「ピュヴオオオオォォォッ!!」

 

「ゴバアァァァァァ!!」

 

「ピュアアアアアア!!」

 

「ディガアアアオオオォォォォォンーーー!!」

 

「グゥゥヴヴヴヴヴオオオオオオオオオオォォォォォッーー!!」

 

グワアッシ!グワアッシ!

 

 

各地で激しく戦う両軍。大きく唸り声や鳴き声、機械音を上げながらパンチやキック、翼、自慢の武器、必殺光線等で攻撃し、主人や指揮官の指示に従って戦況を進める等をして一進一退の攻防が続く。

 

 

 

ドッゴオオオオオオオオォォォォォン!!!

 

 

 

「「「「「「「!!?」」」」」」」

 

 

すると突然空に黒い四次元の穴が開き、そこから何かが飛び出してきた。それに気がついて誰もが戦うのを止めて、飛び出してきたモノが何かを見つめる。

 

 

「フェッフェッフェッフェッフェッ・・・!!」

 

「グリーザだと!?」

 

「どうしてグリーザが?」

 

「もしかしたらクロウ様、カイザーが近くにいるのでは・・・」

 

 

その正体がグリーザ(第二形態)であったのを見てつい驚きの声を上げてしまう。近くでグロラスがカイザーがいるのではないかと言うが、近くからアイツの気配が感じられない。ひょっとして・・・野生のグリーザか?

そう思うクロウの推測は正しかった。このグリーザは、ここから遥か未来の世界でクロウとも因縁を持つ事になる若きウルトラ戦士の弟子と、後にクロウとは驚きの関係になる悪のウルトラマンの息子のウルトラ戦士と戦いを繰り広げていた。

最初はグリーザが完全優勢であったが、自分の体内から強力な武器・・・『ベリアロク』と呼ばれる物を手に入れた事で戦況は変わり、互角の戦いを繰り広げていたところでレイブラッド星人の操るブルトンの能力によって四次元に吸い込まれ、長い間彷徨っていたところで今回の戦いのエネルギーにより出口ができて飛び出して来たのだ。

 

 

「フェッフェッフェッフェッフェッ・・・」

 

 

グリーザはようやく脱出できたのに此処が先程まで自分がいた場所とは違う場所にいる事に戸惑い、体を揺らいで歪ませながら周りを見渡す。

誰もがその様子を見つめている中、ハーランがいち早く動いてリアンに命令する。

 

 

「リアン!その怪獣も奴らレイオニクス達の怪獣に違いありません。直ちに攻撃しなさい!」

 

『し、しかしハーラン司令!相手がどんな奴なのか分からないのに攻撃するのは危険なのでは・・・』

 

「構わん!あんな得体の知れない化け物を放っておけん。早く攻撃しなさい!!」

 

『・・・了解。各部隊に告げる!今現れた怪獣を攻撃せよ!!』

 

 

ハーランの指示に内心納得できないと思いつつリアンはキングジョーブラック軍団にグリーザを攻撃するよう命令を出す。

キングジョーブラック軍団は一斉にペダニウムランチャーを向けて撃つ。本来ならば実体がないグリーザであるが、自分がいた世界で悪のウルトラマンの遺伝子を持つウルトラ戦士と戦いの末に融合してしまった事で実体化していた為、キングジョーブラック軍団の総攻撃をもろに受けてしまった。

 

 

「フェッフェッフェッフェッフェッ・・・!!」

 

 

攻撃を受けたグリーザはキングジョーブラック軍団を敵と認識し、酔拳の様な不規則的な動きで彼らに近づく。

そして目らしき部位から放つ『グリーザビーム』と頭部から放つ渦巻き状光線『グリーザボルテックス』で前方にいた数体のキングジョーブラックを破壊し、左右にいた数十体には二重螺旋光線『グリーザダブルヘリックス』と胸部から放つ『グリーザダークライトニング』で破壊する。

 

 

「おのれ化け物め!」

 

 

次々とキングジョーブラックが破壊されていくのを見て、リアンが操るキングジョースカーレットが片腕にある槍・ペダニウムランサーから電撃を放つ。

だがグリーザは空間を歪曲させる能力で電撃を防ぐ。それならばとスカーレットはランサーを構えて突き刺そうとするが、グリーザは瞬間移動で回避して、再び『グリーザダークライトニング』で攻撃した。

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 

至近距離の上に直撃を食らったキングジョースカーレットは、頭部以外を破壊されてしまう。そして残った頭部も大きく吹っ飛んで地面に落ちた。その衝撃によりリアンは負傷し気絶してしまう。

一方スカーレットを倒した後もグリーザは止まらず、まだ周りに残っていた数十体のキングジョーブラックに鐘の音色に似た怪音波『グリーザアクオン』を最大音で浴びせて破壊してしまった。

これによりキングジョーブラック軍団の半数が壊滅されてしまった。

 

 

「な、なんだと・・・!?」

 

 

僅か数分足らずで軍団を半壊滅してしまったグリーザの圧倒的な強さにハーランを始めとするペダン星人達は恐怖する。

そんな事は全く気にしていないグリーザは、まだ周りに残っている者達・・・クロウの怪獣軍団をじっと見つめた後、ゆっくりと歩き出す。どうやら彼らも敵と認識した様だ。

 

 

「あのグリーザかなり強いな・・・うん、決めた。アイツを俺の仲間にする!キングオブモンス、キングギドラ、グランドキング・・・お前達の力と俺の力、今こそ1つになるぞ!!」

 

『ギガライブ!キングオブモンス!キングギドラ!グランドキング!超合体!ドライレクス!!』

 

 

キングジョーブラック軍団を半壊滅させたグリーザの強さを見たクロウは、彼の事を気に入って仲間にしようとキングオブモンス達3体をスパークドールズに戻してギガライブナイザーに連続ライブする。そして究極超合体王怪獣ドライレクスになった。

 

 

(BGM:Ultra Spiral)

 

 

「グオオオゥゥゥギャアアアァァァッーー!!」

 

「フェッフェッフェッフェッフェッ・・・!?」

 

 

ドライレクスは戦場中に響く程の大きな声で咆哮を上げた後、翼を大きく広げて空高く飛び、グリーザ目掛けて突撃した。咄嗟の事だったのでグリーザは躱す事ができず、大きくブッ飛ばされて倒れる。だがすぐに立ち上がって反撃とばかりに再び光線を放つが、ドライレクスの頑丈な体にはそれ程ダメージを与える事ができなかった。

その光景を見たペダン星人達は自分達よりも遥かに強いドライレクスに恐怖し、内心絶望し始める。それとは逆にレイ達や怪獣軍団は歓声を上げ、彼に続くようにキングジョーブラック達に戦いを挑んだ。

 

 

 

 

 

その頃ペダン星人の母艦では、リアンに命令されて待機していたダイルが彼女を救出する為に行動を開始していた。

 

 

「おい!まだキングジョーブラックは残っているか!?」

 

「えっ・・・い、いや・・・もう出撃可能なキングジョーブラックは残っていない。あるのはチャージ中の機体が数体のみだ」

 

「ならそいつでいい。今すぐ1体発進準備をしろ!隊長を助けに行く!!」

 

「む、無茶言うな!まだ完全にチャージできていないキングジョーブラックで出撃してもあの化け物かレイオニクス共の怪獣にやられるだけだぞ!?」

 

「だったら何だ!隊長を見捨てろって言うのか!?」

 

 

司令室に入ってコンピューターを操作していたペダン星人の1人にダイルは残ったキングジョーブラックの発進準備をしろと言う。しかし残っているキングジョーブラックはチャージ中の為に発進できないとペダン星人は言うが、ダイルに首元を乱暴に掴まれて何も言えなくなってしまう。

 

 

「もう一度言うぞ。今すぐ発進準備をしろ!」

 

「・・・わ、分かった」

 

 

伝える事を全て言い終わった後、ダイルは司令室から出ようとする。そんな彼に背後から別のペダン星人が話し掛けた。

 

 

「ダイル!お、俺はお前の事を信じる。だから・・・隊長を頼む!」

 

「・・・あぁ!」

 

 

仲間からの頼みも聞いて、ダイルは急いでキングジョーブラックに乗って発進した。そして激しい光線と銃弾が飛び散り、ギャオスの追撃から何とか逃れてスカーレットの頭部がある所に着陸する。そしてコックピットから出てスカーレットに向かった。

 

 

「あれは・・・ダイル!?」

 

 

その様子を遠くから偶然にも見つけたリーシャは、傍にいたタクト達にその場を任せて彼の元へ向かった。そしてハッチを開けて、中で気絶しているリアンを運ぼうとしているダイルに向けて銃を突きつけた。

 

 

「ダイル!」

 

「ッ!?ピット星人・・・」

 

「姉さんの仇・・・覚悟しなさい!」

 

「待ってくれ!俺はどうなっても構わない。だが隊長だけは助けてくれ!隊長は俺の・・・」

 

「大切な人だと言うの?そんな存在をお前は私から奪ったのよ!」

 

「・・・あぁ、その通りだ。お前にとって俺は憎い仇だ。殺す権利がお前にはある。しかし今少しだけ待ってくれ!隊長をキングジョーブラックに乗せてから俺w「ま、待って・・・くれ・・・!」隊長!?」

 

 

殺される覚悟があるダイルはリーシャへ必死にリアンの助命を頼む。その時気絶していたリアンが目を覚まし、負傷した体を必死に動かしてその場に土下座しながら言う。

 

 

「ハァハァ・・・ダイルの、ダイルの変わりに・・・私を殺してくれ」

 

「えっ?」

 

「隊長!?何を言っているんですか!?」

 

「お前の姉を・・・抹殺するように命令したのは、ハァハァ・・・私なんだ。だから・・・本当の仇は私だ。だから私を・・・」

 

「何を言っているんだ隊長!俺がこの手でやったんだ。隊長は未来に戻って、ペダン星のh「いい加減分からないのか!お前がいない未来に戻っても、私が生きている意味などない。私はお前と共にいたいんだ!!」・・・隊長」

 

 

涙声で本音を言うリアンの姿を見てダイルは何も言えなくなってしまう。そんな2人にずっと銃を突きつけていたリーシャは・・・・・深い溜息を吐きながら降ろした。

 

 

「完全に拍子抜けよ。互いに未練がありまくりじゃない」

 

 

そう言った後ダイルに近寄って彼の所有していた銃を奪う。そしてそれを地面に叩きつけ、何発も撃って破壊した。

 

 

「これで仇を撃った事にしてあげる。だから・・・二度と私の目の前に現れないで。いいね!!」

 

 

2人にそう告げた後リーシャは壊した銃を持って、全力疾走でその場からいなくなった。

 

 

「・・・・・ありがとう」

 

 

ダイルは深く頭を下げながらお礼を言う。その後リアンを優しく抱いてキングジョーブラックに乗って空高く飛び、猛スピードで母艦に帰還した。

一方リーシャはその後も走り続けて、あっという間にタクト達と合流した。

 

 

「およ、お帰りリーシャ」

 

「どうした?随分息が切れて、汗だくじゃねぇか」

 

「ハァハァ・・・別に・・・何ともないわ。それより・・・戦況はどうなっているの?」

 

「それなら問題ないよ。もう少しで敵軍を全滅できそうだ。あとクロウ様も優勢に戦っているよ」

 

 

そう言って皆が見つめる先をリーシャも見ると、そこには次々と破壊されていくキングジョーブラック軍団に、ドライレクスVSグリーザの激しい戦いが繰り広げられていた。

 

 

「グオオオゥゥゥギャアアアァァァッーー!!」

 

「フェッフェッフェッフェッフェッ・・・!!ヘッヘッヘッヘッヘ・・・!!」

 

 

グリーザは巨大な相手であろうと怯まずに酔拳の様な不規則的な動き、飛行能力、瞬間移動や空間を歪曲させる能力、光のバリアで攻撃を躱したり防いだりしつつ、背中から放つ触手状の光線や胸部からの『ビーム光弾』や右手からの巨大な『エネルギーボール』を放ったり、目らしき部位から放つ『グリーザビーム』、頭部から放つ渦巻き状光線『グリーザボルテックス』、二重螺旋光線『グリーザダブルヘリックス』、鐘の音色に似た怪音波『グリーザアクオン』、胸部から放つ『グリーザダークライトニング』など様々な必殺光線を駆使して攻撃する。

対するドライレクスも巨大で強靭な体で光線を耐えつつ、両肩にあるギドラの首から『超引力光線』、額の機械化された眼から『超グランレーザー』を放ち、右腕のハサミと左腕のロボットハンドで斬り付けたり叩いたりする。さらに巨大な翼から突風を起こしたり、太くて長い2本の尻尾を振るって攻撃したりした。

両者共に引けを取らない互角の戦いを繰り広げるが、時間が経つにつれてグリーザの方が少しずつ押されていき、ダメージが蓄積されて動きが鈍くなっていく。その隙をドライレクスは見逃さずにさらに攻撃する。

 

 

「フェッフェッフェッフェッフェッ・・・!!」

 

 

自分がやられているのを感じたグリーザは、一気に逆転しようとドライレクスから瞬間移動で距離を取り、胸部からフルパワーの『グリーザダークライトニング』を放つ。

 

 

「グオオオゥゥゥギャアアアァァァッーー!!」

 

 

それを見てドライレクスも勝負を付けようと最強の必殺技『トリプルカイザービーム』を放つ。

2体の放った光線は激しくぶつかり合う。最初は互角であったが、少しずつ『グリーザダークライトニング』が押され始める。さらにパワーを上げるグリーザだが、ドライレクスはそれより上のパワーで『トリプルカイザービーム』を放つ。

そしてとうとうドライレクスの方に軍配が上がって、光線を押し返されて『トリプルカイザービーム』の直撃を食らったグリーザは後方に大きくブッ飛ばされて、後ろにあった岩壁にぶつかる。そしてゆっくりと倒れて動かなくなった。

 

 

「グゥゥヴヴヴヴオオオォォォギャアアアァァァッーー!!」

 

 

戦いに勝利したドライレクスは大きく勝利の咆哮を上げる。その咆哮に合わせて周りにいた怪獣達も同じように咆哮を上げた。

いよいよクロウの怪獣軍団が勝利を収めようとしている中、母艦に帰還したダイルはリアンをタンカーに乗せて医療室に連れて行こうとするが・・・。

 

 

「ダイル・・・通信機は持っているか?」

 

「通信機ですか?それならここに・・・」

 

 

リアンはダイルから通信機を受け取るとすぐさま起動して全ペダン星人に告げた。

 

 

「こちら、リアン。全てのペダン星人に告げる。総員直ちに母艦に撤収せよ。そして完了次第、直ちにこの惑星から・・・過去から脱出する。ハーラン司令が何を言うとこの命令に従うんだ。全責任は私が取る。ハァハァ・・・いいな、これ以上の戦いは無意味だ・・・」

 

 

苦しみを押さえながら命令を伝えるリアンの言葉を聞いて、ペダン星人達は暫く動きを止めた後、すぐさま彼女の命令に従って行動を開始した。

ほぼ無傷なクロウの怪獣軍団やグリーザを倒したドライレクスの圧倒的な強さを目の当たりにした影響もあって、彼らも戦う気持ちは残っていなかったのだ。

だが1人だけこの命令に反対する者がいた。その者は勿論・・・。

 

 

「何を・・・何を勝手な事を言っているリアン!」

 

 

怒りの声を上げるハーランに多数の兵士が駆け寄る。

 

 

「ハーラン司令!早く撤退して下さい。これ以上此処にいるのは危険です!」

 

「黙れ!撤退など許さぬ!お前達もあの憶病なリアン共の言う事に従うつもりか!?」

 

「ですが・・・」

 

 

意地でも戦うとするハーランを必死に説得しようとする兵士達。そんな彼らをクロウの怪獣軍団の中で、特に肉食で食欲旺盛な怪獣達が見逃す訳がなかった。

 

 

「ギャオオオオオォォォォ!!」

 

「ガアアアォォォーーー!!」

 

 

空からギャオスが、地底からバラゴンがやって来てハーラン達に襲い掛かって来たのだ。

 

 

「ぎゃああああああ!!」

 

「ひいいいいぃぃぃー!?」

 

 

兵士達は必死に銃を撃つがギャオスとバラゴンには効果がなく、次々と2体に喰われてしまった。

 

 

「あ、あぁ・・・ああぁ・・・・・」

 

 

仲間が次々と喰われていく光景に生き残っていた兵士達は次々とテレポートでその場から消えた。それを見てハーランはまた怒鳴り声を上げるが、此処ではやってはいけない事だった。

 

 

「ガアアアアアオオォォォーーー!!」

 

「ぎゃあああああああああーーー!!」

 

 

ハーランの声に気付いたバラゴンが涎を垂らしながら近づき、口を大きく開けて一気にハーランに喰らいついた。ハーランは喰われる寸前まで悲鳴を上げるのであった。

その光景はハーランの椅子に万が一の時用に内蔵されていた小型カメラから司令室に映し出されていた。

 

 

「ハーラン司令官が・・・」

 

 

指揮官を失った事でペダン星人の誰もが戦意損失し、すぐさま脱出しようとする。それと同時に残っていたキングジョーブラック軍団もクロウの怪獣軍団やレイ達の活躍によって全滅した。

 

 

「ボス、キングジョーブラックは全滅です」

 

「そうか」

 

「あとはアイツらの母船だけですね。攻撃しますか?」

 

「いや、その必要はない。アレを見ろ」

 

 

ヒュウガが指差す方向には、脱出準備を整えたペダン星の母艦が猛スピードで上昇し、そのまま光とともに姿を消した。

 

 

「この惑星から撤退したようだ。だからもう戦う必要はない」

 

「・・・またいつか、攻めて来るつもりでしょうか?」

 

「いいや、あんな目に遭ったんだ。二度と来ないさ」

 

 

ヒュウガの言う通り、その後ペダン星のレイオニクスハンター達は二度と現れる事がなかった。

そして戦いが終わった後、クロウは倒れていたグリーザを回収して仲間にした。またリーシャから事の成り行きを教えられて、壊したダイルの銃を見せながら「仇を打った」と優しい表情で言った。

それを見てクロウは勿論、レイ達もホッとした気持ちになりながら戦いの苦労を伴う為に夜中に盛大な宴会を行うのであった。

 

 




【大怪獣バトルファイル】
虚空怪獣グリーザ(第二形態)


遠い宇宙で開いた“宇宙の穴そのもの”であり、星の生体エネルギーを求めてその全てを自身に取り込み無に還す“意思なき存在”でもあり、空間エネルギーが0=存在しない存在、つまり無そのものである。虚空怪獣と呼ばれているが、怪獣と言うより自然現象に近い発光生命体だ。黄色く発光する頭部を持つ人型の姿が特徴である。
主な武器は目らしき部位から放つ『グリーザビーム』と頭部から放つ渦巻き状光線『グリーザボルテックス』と二重螺旋光線『グリーザダブルヘリックス』、胸部から放つ『グリーザダークライトニング』である。
他にも鐘の音色に似た怪音波『グリーザアクオン』、背中から放つ触手状の光線や胸部からの『ビーム光弾』、右手からの巨大な『エネルギーボール』などウルトラ戦士にも引けを取らない程のたくさんの光線を持っている。
また、酔拳の様な不規則的な動き、飛行能力、瞬間移動や空間を歪曲させる能力、光のバリアなど攻防共に優れた強豪怪獣だ。
レイブラッド星人の操るブルトンの能力によって長らく四次元の中を彷徨っていたが、今回の戦いにおいて発生したエネルギーにより開いた出口から惑星ハマーに現れた。
そして攻撃してきたキングジョーブラック軍団を半壊滅させ、ドライレクスと互角の繰り広げて倒された後クロウの仲間になった。ギガライブナイザーに回収された後、傷が治って実体化していた自分の体も元の無そのものの状態に戻る。
そしてクロウのレイオニクスとしての力とギガライブナイザーの力で戦闘能力が大幅にパワーアップした。それはウルトラマンサーガやウルトラマンZデルタライズクローを余裕で圧倒して倒せる程だ。
また、強くなった他に生物&怪獣としての自我や意思、心や喜び以外の感情が生まれて、宇宙の穴としての周りへの悪影響も完全になくなった事で1体の怪獣としてこの世に存在できるようにもなった。
さらにクロウから命や仲間の大切さ、絆の大切さや自分の本能に任せて無理矢理命や星の生体エネルギーを奪わない事などを教わり、命や仲間、絆を大切にするとても仲間思いな性格になった。
それらの事でクロウの怪獣達から認められて、上位クラスにランクインした。
彼の活躍は今後大いに期待して欲しい。

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