今回はオリジナル話と言う事でいろいろと考え、時間をかけて(少し掛け過ぎた(笑))長く書きました。今回からクロウは少ししか出なく、その仲間達が主役となります。
そしてヤプール配下の正体が順番に明らかになっていきます。
そして今回は激しいバトルに加え、宇宙人同士の友情シーンもあります。とても良いシーンなので是非読んで下さい。
感想と評価をお待ちしております。
冷凍怪獣ラゴラス、進化怪獣ラゴラスエヴォ、宇宙鉱石怪獣ドレンゲラン
復讐ロボット・ザムリベンジャー、異次元人 巨大ヤプール、マグマ超人マザロン
地獄超獣マザリュース、伝説怪人ナマハゲ、黒雲超獣レッドジャック
雪超獣スノーギラン、冷凍怪獣ペギラ、火炎骨獣グルジオボーン、暗殺怪獣グラール 登場
前回、突如現れたヤプールの手によってクロウ達は異次元空間へ吸い込まれてしまった。
異次元空間はまるで暴風のようで、時々発生する黒い雷と互いにぶつかり合うせいでギガ・ロボフォーとペンドラゴンはダメージを受ける。そんな中でクロウ達は必死に衝撃に耐えていた。
「クロウ様!このままでは船が危険です!」
「くっそ~~ヤプールの奴め!一体どこまで連れて行く気だ!?」
「ヌハハハハ!知りたいかレイオニクスよ?」
「ッ!ヤプール!!」
必死に耐えようとするクロウ達を嘲笑いながらヤプールが再び姿を現した。
「今から貴様ら全員に異次元の世界の素晴らしさをたっぷり味わってもらう。そして恐怖と絶望の負のエネルギーを我に捧げ、永遠の死を受け取るがいい!ハアァッ!!」
そう言った後ヤプールは鎌状の右手を勢いよく振るう。するとクロウ達の体に黒い靄のような物がまとわりつき、そのまま浮かび上がらせた。抵抗しようにも体のバランスが悪いのと異次元エネルギーのために能力が使えなかった。
そしてヤプールがまた鎌を振るうとギガ・ロボフォーとペンドラゴンの近くに4つの異次元の穴が開いた。
「フフフ、この4つの穴の先に我が軍最強の四天王が貴様達の相手をしてくれる。さぁ!異次元の世界を楽しめーー!!」
そしてクロウ達はヤプールの手によってバラバラにされ、4つの穴に吸い込まれていった。
「これでレイオニクス共も終わりだ。奴らを倒した暁には、手に入ったマイナスエネルギーでさらに強い超獣共や強豪怪獣共を蘇らせ、最強軍団を誕生させて今度こそウルトラ戦士共を・・・フハハハ!ヌッハハハハハーー!!」
これから起きるであろう未来を想像したヤプールは笑いを堪えきれず、誰もいない異次元空間の中を高笑いするのであった。
一方その頃、異次元の穴の1つに吸い込まれたグロラスは見渡す限り荒野で時々岩山があり、空が真っ赤に染まっている場所にいた。
「一体此処は何処なんだ?それに・・・なんて暑い所なんだ」
グロラスは顔と体から大量の汗を流しながら周りに誰かいないか探す為歩き続けていた。しかし何処行っても時々岩などが転がっているばかりで人の気配など感じられなかった。そして暫く歩き続けた後、とうとうその場に膝をついてしまった。
「ハァハァ、ダメだ。もうこれ以上・・・動けない。体を冷やさないと・・・」
そう言ってちょうど近くにあった大岩の陰に入って体を冷やそうとした時、上空から機械音が聞こえてきた。見上げるとそこには円盤形態のザムリベンジャーがいた。
そして中からタクトが出て来てグロラスの元へ駆け寄った。
「グロラス!大丈夫?」
「お・・・おぉ、タクト。大丈夫だ・・・少し体が溶け始めている以外問題ないぜ」
「それかなりヤバイ状態じゃん!?ザムリベンジャー、何とか冷やす方法はある?」
『内部にオーバーヒート用に備えてあった冷凍ガスを所持してあります。それを彼に噴き掛けますので、マスターは少し離れていて下さい』
グロラスが危険な状態であるのを見てタクトはザムリベンジャーに即刻冷やすように指令を出す。ザムリベンジャーはすぐさま目の部分から冷凍ガスを噴射して彼を中心に周り一帯を冷やす。それによってグロラスは徐々に力を取り戻していった。
「ふぅ~~・・・力が湧いてきたぜ。ありがとうよタクト!」
「別に良いって!それよりも早く此処から抜け出してクロウ様と合流しよう」
2人が一緒にザムリベンジャーに乗ろうとした時、何処からか不思議な歌と笑い声が聞こえてきた。
「お前は神を信じなさい♪ホーレ信じなさい♪お前はお前を信じなさい♪ホーレ信じなさい♪お前は俺を信じなさい♪ホーレ信じなさい♪ウヒャヒャヒャ~~~♪」
「な、何だ・・・?」
「あっ!あそこに誰かいる!」
2人が周りを見渡すと少し離れた所に奇怪な踊りをしているあの黒マントの怪人がいた。怪人はグロラスとタクトが自分を見ている事に気が付くとマントと帽子を脱ぎ、自分の正体を現した。
「お前は誰だ?」
「我はマザロン人。偉大なる我らの神ヤプールに仕える異次元軍団の四天王であり、この空間の支配者だ」
「何!?お前がヤプールの言っていた四天王なのか?」
「そうだ。貴様達レイオニクスからマイナスエネルギーを得て、抹殺するのが我の使命だ。今からお前達に死の恐怖を味わってもらう!」
そう言ってマザロン人の真っ赤な眼が光ると彼のいる場所の上空から突然黒雲が発生し、その中から2体の超獣と1体の怪獣が姿を現した。
1体は全身が青色で腹と手、背中に生えてる鰭、顔にある棘などが赤くなっているのが特徴の黒雲超獣レッドジャック。
もう1体はこれまた全身青色で真っ赤な顔にホース状の口、頭部にある6つの黄色い球が特徴の雪超獣スノーギラン。
そして最後に現れた怪獣は、前者の超獣2体とは違って全身が金色に輝き鋭角状の突起や鱗に覆われ、赤い4つの眼が特徴の暗殺怪獣グラールである。
「さぁ、偉大なる神ヤプールの手によって蘇った超獣達よ!そこにいるレイオニクスを倒せ!!」
「ガアアアァァァッ!!」
「ヴオオオォォォッ!!」
「ジュッジャアアアアァァヴゥゥッ!!」
マザロン人の命令を聞いてグラールを先頭に3体はグロラスとタクトに向かって歩き出す。それを見てグロラスは腰に備えてあったネオバトルナイザーを取り出す。
「フン!あんな奴らにやられてたまるか!行くぞタクト!・・・タクト?」
「あっ、あ、あぁ・・・グ、グラール・・・」
グロラスは隣にいるタクトから返事が来ない事に不思議に思って振り向いて見るとタクトはその場で足を震わせ、口からグラールの名前を溢しながら怯えていた。何度声をかけてもタクトはその状態であった。
「おいタクト!?あぁもう!兎に角行け!ラゴラス!!」
『バトルナイザー!モンスロード!!』
「ピュアアアアアアッ!!」
召喚されたラゴラスは迫り来る3体を見ても怯まず、逆に力強く咆哮を上げる。それを聞いたグラールは足を止め、目の前にいる敵が強敵であると悟った。
そして自分の後ろにいる超獣2体に突撃するよう唸り声を出す。本来なら怪獣より超獣の方が強い筈なんだが、このグラールは並みの怪獣とは違ってかなりの強豪であり、それを本能的に知っている2体は素直に命令に従って突撃した。
「ピュアアアアアアッ!!」
「ガアアアァァァッ!?」
「ヴオオオォォォッ!?」
それに対してラゴラスは真っ向から受け止めた。この事に2体は驚きの声を上げる。相手は1体、しかも自分達は超獣だ。特にレッドジャックの体の赤い部分は6千度の超高温で煮えたぎっている。冷凍怪獣なら耐えられない筈なのに触れても平気・・・こんな事はあり得ないと思うあまり戦いに集中できずにいた。
その隙をついてラゴラスは頭を振って角で攻撃し、2体をブッ飛ばした。そして反撃の隙を与えず、口から『冷凍光線』を放つ。それによりレッドジャックは足と尻尾の赤くない部分と地面が凍ってしまい、動けなくなってしまった。
しかしスノーギランは違った。怯みはしたが凍らず、口から吐く吹雪と頭部から放つ『フラッシュ光線』でラゴラスの動きを止めると太い腕を振り回して何度も叩いて反撃する。
「ピュアアアアアアッ!?」
この攻撃にラゴラスは悲鳴を上げ、ダメージによりふらついて倒れかける。それを見たスノーギランがチャンスとばかりに接近するが、これはラゴラスの作戦だった。
近づいてくるスノーギランにラゴラスはタイミング良く頭の角を勢いよく振って顔に命中させた。強烈な一撃を食らったスノーギランは大きくブッ飛ばされて転がり、顔を押さえながら悶える。
邪魔が入らなくなった後ラゴラスは敵の大将とも言えるグラールに向かって走り出す。対するグラールも大きくドスンドスンと足音を立てながら迎え撃った。
その間グロラスはタクトを連れて大岩の後ろに隠れ、彼の肩を掴んで理由を訊ねた。
「おい、どうしたんだタクト!あの金色の怪獣が出た途端に怯え出して・・・アイツが一体何だっていうんだ!?」
「・・・アイツは暗殺怪獣グラール。かつて僕達ザム星人を全滅させようとした怪獣なんだ」
「何だと!?」
「アイツの為に地球や他の星に逃げ延びていた仲間達は全滅してしまった。けど、ウルトラ戦士が倒してくれたおかげで遠い星にいた僕を含む数十人はなんとか生き残れた」
そう言った後タクトは懐からネオバトルナイザーと不思議なカプセルを出した。
「その後僕が新しく住める星を探す旅に出た事は知っているよね?けど僕にはもう1つある目的を果たす為に宇宙の旅に出たんだ。それは地球で亡くなったザム星人10億人分の遺伝子情報が収められているカプセル・シードを手に入れる事だ。地球に隠されていたのを秘密裏に手に入れ、本来これの持ち主であった親友エスラーの使命を変わりに果たそうと彼らを復活させようとしたんだ。だけど無駄だった。僕には仲間を復活させる事ができなかった」
悲しそうに顔を俯かせるタクト。そんな彼の耳にある噂が入った。
突如出現して惑星を手に入れた怪獣王クロウ様は、凄まじい力を持っている!と言う噂である。
それを聞いてタクトは思った。怪獣王クロウなら皆を復活させる事ができるんじゃないか?そして願いを叶えてもらう為にはそれなりの献上品が必要だ。故にタクトは旅の途中で手に入れたバトルナイザーにドレンゲランとザムリベンジャーを連れて惑星ハマーに来て、他のレイオニクス達のバトルナイザーを集めていたのだ。
話を聞いた後グロラスは何度も頷く。
「なるほどな~~。だったら尚更此処でやられる訳にはいかないぜ。アイツを倒してさっさとクロウ様に合流しないとな」
「で、でも・・・相手はあのグラールなんだよ!?勝てる訳が・・・」
「それじゃ、親友の使命はどうするんだ?果たすと言う思いは嘘なのか?」
「それは・・・」
「それに・・・お前には俺達仲間や怪獣達がいるだろう?」
「ッ!!」
グロラスの言った言葉を聞いてタクトは思い出した。自分には怪獣がいる、と言う言葉はかつてクロウが自分に言った言葉と同じだった。それと同時にタクトの心の中から次第と恐怖心が消えていった。
「俺達はクロウ様に認められ者なんだ。もし此処でアイツを倒せばさらにクロウ様から良い評価を得られる筈だ。そうすれば・・・どうなるか分かるだろう?」
「そう、だ・・・僕はこんな所でやられる訳にはいかない!」
そして彼の心の中から完全に恐怖心が消え、変わりに激しい闘争心が湧き上がる。
「必ず生き残ってクロウ様の元へ!行け!ドレンゲラン!!ザムリベンジャー!!」
「ギュイイィィィッ!!」
「ピュルルルルルル!ウィーン!ウィーン!」
完全に戦意を取り戻したタクトはネオバトルナイザーからドレンゲランを召喚する。それに伴ってザムリベンジャーも円盤形態から戦闘モードへ移行する。そしてロボット怪獣となってドレンゲランの傍に降り立つ。
その頃ラゴラスはグラール相手に善戦するが、暗殺怪獣の名と強さは伊達ではなく、ラゴラスのパンチやキック、角攻撃、口から吐く『冷凍光線』を受けても全く怯まず、逆にグラールの怪力で体を持ち上げられて投げ飛ばされてしまう。さらに立ち上がったところへグラールが頭の角から放った『電撃光線』と口から放った『高熱火球』によりダメージを食らい倒れてしまった。
「ウヒャヒャ!流石はグラール!大した強さだ。さぁ、お前達もさっさと立ち上がれ!奴を倒すんだ!」
「ガアアアァァァッ!!」
「ヴオオオォォォッ!!」
グラールの強さにマザロン人は満足する。そしてあまりの気分の良さにその場でまたあの不思議な踊りをする程であった。
それと同時にレッドジャックとスノーギランが凍りから抜け出し、マザロン人の命令に従いつつ先程のお返しをしようとラゴラスに必殺技を放とうとするが・・・。
「ギュイイィィィッ!!」
「ピュルルルルルル!」
間一髪ドレンゲランの頭突きとザムリベンジャーの両腕から放たれたミサイルがレッドジャックとスノーギランに命中し、2体を怯ませた。また、グラールにもミサイルが迫るが、彼は『電撃光線』で防ぐ。だがその間に2体は倒れているラゴラスを救出して立ち上がらせ、横一列に並び立つ。
「ドレンゲラン!ザムリベンジャー!ラゴラスと一緒にアイツらを倒せ!」
「ギュイイィィィッ!!」
「ピュルルルルルル!ウィーン!ウィーン!」
「ならば俺達も・・・ラゴラス!今こそクロウ様との特訓の成果を見せる時だ。さぁ、パワーアップしてアイツらを倒せ!」
「ピュアアアアアアアアアァァァッ!!」
指示を受けたドレンゲランは首を振りながら大きく咆哮を上げ、ザムリベンジャーは両腕を上下に力強く振るう。そしてラゴラスは両腕を前に組んで力を込めると体が強く光り始める。光が止むとラゴラスの体は大きく変わっていた。
体色が赤くなり、口元と体の様々な部分に鋭い牙と棘が生えた。これぞラゴラスがとある怪獣の力を得て進化した姿・進化怪獣ラゴラスエヴォだ。
「いいかタクト、グラールは最初俺達が相手をする。その間にお前は残りの超獣達を倒してくれ」
「分かった。素早くアイツらを倒して加勢しに行くから!」
「頼んだぜ。それじゃ行くぞ!ラゴラスエヴォ!!」
「ピュアアアアアアァァァギィエエヴヴヴゥゥッ!!」
先程よりも高いラゴラスエヴォの咆哮を合図に3体は走り出す・・・正確にはノッシノッシと歩くドレンゲランを除く2体であるが(汗)。
兎に角、敵が向かって来るのを見てグラール達も走り出し、それぞれ自分の相手とぶつかった。よってこの赤い大地にてドレンゲランVSレッドジャック、ザムリベンジャーVSスノーギラン、ラゴラスエヴォVSグラールの戦いが始まった。
まず最初はドレンゲランVSレッドジャックで、首を振り回して鞭のように打ち付けてくるドレンゲランにレッドジャックは口から2千度の火炎放射『ヘルファイヤー』を放って攻撃する。
だが防御力が高いドレンゲランにとって、この程度の火炎など少し温かいと言う感じだった。そしてお返しとばかりに口から何発の『火炎弾』を放つ。
「ゴオオォォッ!ガアアアァァァッ!!」
いくつもの『火炎弾』を受けてヨロめくレッドジャックだが、彼は防御力がそれ程の変わりに高い体力を持っており、放たれた『火炎弾』全部を食らっても耐え抜いた。
そして次に猛スピードで動き回りながらパンチやキック等を何度も打ち付け、格闘戦でドレンゲランに挑んだ。
これには流石に鉱石でできているドレンゲランの体も悲鳴を上げ、鉱石にヒビが入ったり、破片が飛び散ったりした。
そのピンチを見ていち早く駆けつけたのは・・・ザムリベンジャーだった。
「ピュルルルルルル!ウィーン!ウィーン!」
「ガアアアァァァッ!?」
機械音を鳴らしながら歩いて来たザムリベンジャーは、両手の爪パーツを展開してそこから緑色の破壊光線を放ってレッドジャックを攻撃した。
「あのロボット・・・何故此処にいる!?アイツは確かスノーギランが相手をしている筈!!」
突然現れて加勢するザムリベンジャーを見てマザロン人は驚愕する。そしてスノーギランが戦っていた場所を見る。そこでは完全なグロッキー状態で倒れているスノーギランがいた。
先程までザムリベンジャー相手に奮闘していたスノーギランだったが相手が悪すぎた。自慢の『フラッシュ光線』など特殊攻撃を食らわせてもラゴラスとは違ってロボットであるザムリベンジャーには効果がなく、格闘術もバリヤーで防がれて意味がなかった。
逆に相手のミサイルと破壊光線、強固な装甲を利用した怪力などによってダメージが重なり、とうとう倒れてしまったのだ。
「ギュイイィィィッ!!」
「ピュルルルルルル!ウィーン!ウィーン!」
そして今、助けたドレンゲランと一緒にさらにミサイルと破壊光線を浴びせるザムリベンジャーの攻撃によってレッドジャックも倒されるのは時間の問題だ。
しかしグラールVSラゴラスエヴォの戦いは違った。パワーアップしたラゴラスエヴォのパンチやキック、さらに高熱を含めた技などよってグラールは先程とは違ってダメージを食らうが、彼も負けずに怪力パンチや必殺光線などで互角に戦いあった。
「ぐぅ~~!このままではマズイ。もしレッドジャックも倒されたらいくらグラールでも3体相手では勝てぬかもしれん。こうなったら・・・・・おい!」
戦況が不利になってきているのを見たマザロン人は、後ろの方に1体の怪人を出現させた。その者は鬼の面に藁をつけ、包丁を持っていると言う秋田県男鹿市に伝わる、神・精霊・妖怪とも言える存在『なまはげ』と同じ姿の伝説怪人ナマハゲであった。
そんなナマハゲにマザロン人は指示を出した。
「いいか、あの怪獣達の後ろにいる2体の宇宙人をすぐに始末してこい!」
「承知した。だがマザロン人殿よ、儂との約束・・・忘れておらんな?」
「あぁ、日本古来の八百万の神々を蔑ろにし、西洋のクリスマスとその神サンタクロースに興じる地球人・・・いや、日本人共に罰を与えると言う事だったな」
「そうだ!西洋かぶれの日本人共に神罰を下してやるのだ!!」
どうやらこのナマハゲはかつてスノーギランを操って暗躍し、ウルトラマンエースと対峙したあのナマハゲ本人のようだ。
ヤプールの手によって蘇った彼は、懲りずに日本人達に神罰を下そうと考え、その目的を果たす為にヤプールに協力しているのだ。
「約束は必ず守ろう。だがそれはお前が2人を確実に仕留めたらの話だが・・・?」
「分かっておる。儂の大切なスノーギランを傷つけた分のお返しも含めてやってやるわい。のぉ、ペギラよ」
ナマハゲが振り向く先には1体の怪獣がいた。2本の牙と頭に生えた小さな角、腕と一対になっている翼が特徴の冷凍怪獣ペギラである。
どうやら今回のナマハゲの相棒は彼のようだ。
「それでは行ってくるぞ!ペギラ!!」
「ギャオオオオオォォォォーー!!」
しゃがんでナマハゲを器用に頭に乗せたペギラは大きく咆哮した後、空高く飛んで戦場に向かって行った。彼らが去った後マザロン人は薄く笑い出す。
「フン!古臭く煩い奴め。貴様があのレイオニクス達を倒せるものか。貴様はアイツらをその場に足止めさせてくれればいいのだ。そうなれば・・・」
マザロン人は自身の足場を見ながらさらに笑い出した。一体彼は何を企んでいるのであろうか?
一方そんな事は知らないタクトとグロラスは、自分達の相棒怪獣に的確な指示を出して有利に戦っていた。
「今だドレンゲラン!ザムリベンジャー!奴に止めを刺すんだ!!」
「ギュイイィィィッ!!」
「ピュルルルルルル!ウィーン!ウィーン!」
そしてドレンゲランの『火炎弾』とザムリベンジャーのミサイルと破壊光線のダブル攻撃によってレッドジャックは悲鳴を上げた後大爆発を起こした。
「やった!よくやったぞ2人とも!」
レッドジャックを倒し、スノーギランを戦闘不能にさせた2体をタクトは褒める。それを隣で見ていたグロラスも褒める。
「大した強さだな。流石お前が自慢する相棒達だ」
「あぁ!それじゃグロラス、すぐにラゴラスエヴォの加勢に行かs・・・!?」
2人は喜び合った後ドレンゲラン達をラゴラスエヴォの加勢に行かせようとした時、背後から地響きがした。振り向くとそこにはペギラがいて、さらに頭の上から何者かが降りてきた。その者を見て2人は警戒する。
「何だお前は?」
「儂の名はナマハゲ。ヤプールに協力する者だ」
「ヤプールの!?」
「そうじゃ!儂の目的の為に此処で消えてもらう。でやあーーー!!」
奇声を上げながらナマハゲは包丁を振り回して2人に襲い掛かった。当然2人もやられる訳がなく、必殺光線の『ザムビーム』や『フローズンホワイト』にハサミ状の腕などで対抗する。
ペギラもドレンゲラン達2体を相手に真っ向からぶつかって戦い始める。そして両者がその場から動かなくなったのをマザロン人は愉快に踊りながら笑う。
「ウヒャヒャヒャ~!よくやったぞナマハゲ。これで準備は整った。さぁレイオニクス共よ、死の恐怖を味わえ!!」
そう言ってマザロン人が両手を光らせて勢いよく地面に突き刺す。すると地面が激しく揺れ、いろんな所で地割れが起きた。さらにそこからマグマが勢いよく噴出した。
「なっ!?マザロン人殿、一体これは!?」
「う、うおおおおぉぉぉ~~~!?」
「グロラス!!」
突然の地震とマグマによってその場にいる誰もが必死に耐えながら岩の上に避難する中、ナマハゲとグロラスが近くに発生した地割れに落ちてしまった。
だが間一髪グロラスはタクトに腕を掴んでもらい、ナマハゲは持っていた包丁を壁に突き刺して落ちなかった。
「タ、タクト・・・離さないで!離さないでくれーー!!」
「わ、分かっているよ」
暑さに弱い自分が下で燃えて煮えたぎっているマグマの中に落ちたら数秒も持たず溶けてしまうだろう。死への恐怖にグロラスは震え、必死にタクトの腕に掴む。
そしてそれはナマハゲも同じだった。
「マザロン人殿!!は、早く儂を引き上げてくれーー!!」
必死に叫ぶナマハゲだが、マザロン人からの回答は残酷な事だった。
「・・・・・もう貴様の役目は終わった。レイオニクス共と一緒に死ぬがいい~~!ウヒャヒャヒャ~~!!」
「!?そ、そんな・・・ぎゃあああぁぁぁーーー!!」
仲間と思っていた者に見捨てられた事にナマハゲはショックを受け、それにより力が抜けてしまってマグマの中に落ちてしまった。そして激しく燃えながら悲鳴と一緒に飲み込まれていった。彼の最期を見てグロラス達は言葉を失った。
そんな2人を見てマザロン人はさらに笑い出す。
「良い顔ではないか。だが貴様達はまだまだ死の恐怖を味わい切れておらぬようだな。ならば・・・出てこいマザリュース!!グルジオボーン!!」
「ギャアアアアァァァン!!」
「グオォォォォォォォォ!!」
マザロン人はさらにマイナスエネルギーを得る為にある者達の名前を呼びながら手を高く上げる。すると赤い空から1体の超獣が、マグマ噴き出る地面から1体の怪獣が現れた。赤ん坊のような声をあげ、大きな鼻から白いガスを噴射しているのが特徴の地獄超獣マザリュース。
全身真っ黒で赤く骨の様な体に紅い目が特徴の火炎骨獣グルジオボーンだ
まるで地獄と化したこの異次元の世界で生まれた事を喜ぶかのように何度も鳴き声を上げる2体にマザロン人が命令を下した。
「さぁ、我が可愛い子達よ!今目の前にいるその2人をたっぷり痛めつけて始末してしまえ!」
命令を受けたマザリュースは空からゆっくり降り立って白いガスを噴射しながら歩き、グルジオボーンも両目を赤く光らせながら歩き出して2人に迫った。
それを見た怪獣達が守りに行こうとするが、何度も噴き出るマグマとラゴラスエヴォから距離を取って安全な所に移動したグラールの『電撃光線』で近づけない上にダメージを負ってしまった。
「ギャアアアアァァァン!!」
「グオォォォォォォォォ!!」
その隙にマザリュースとグルジオボーンは口から『高熱火炎』を吐き出す。
それは直接2人を狙うのではなく、彼らの周りを爆発させると言う文字通り痛めつけるような攻撃であった。
「ア、 アツい・・・」
「うぅ・・・あ、グロラス見て!」
凄まじい熱で体から大量の汗が出てくる中、タクトはあるものに気が付いてグロラスに言い、グロラスは必死に意識を保ちながらそれを見る。
そこではスノーギランとペギラがマグマによって苦しんでいる光景があった。グロッキー状態で倒れていたスノーギランはともかく、先程までドレンゲラン達と戦っていたペギラはどうしてこうなっているのか?
実はマグマが噴出する前にザムリベンジャーの怪力で投げ飛ばされたところ運悪く噴き出したマグマにやられ、今なお噴き出てくるマグマの熱に苦しんでいるのだ。
それを見たグロラスがとった行動は・・・。
「ス、スノーギラン・・・ペ、ペギラ・・・俺の元へ来い・・・」
ネオバトルナイザーを構えて2体を回収しようとしたのだ。
ダメージを負い、本来の主であったナマハゲが死んでマザロン人から見捨てられた事を察していた2体は素直に回収された。
2体を助けられた事に2人が内心ホッとした時!
ボコッ!!!
「「えっ・・・?」」
これまでの攻撃でとうとう限界に達した岩が崩れてしまったのだ。2人が状況を判断した時には時すでに遅く、共にマグマの中へと落ちていった。
「ピュアアアアアアァァァッ!?」
「ギュイイィィィッ!?」
「ピュルルルルルル!!」
自分達の主が落ちていくのを見て怪獣達は悲鳴を上げる。そしてマグマの中に飲み込まれるかと思った時、突然マグマの中から巨大な手が現れて2人を掴んだ。
「こ、今度は何だ!?」
「わ、分からないよ!?」
次々と起こる出来事にグロラスとタクトは若干混乱しかけながら周りを見渡して、自分達を助けた者の正体に気が付いた。
「大丈夫か、マイ・フレンド?」
「「ダーラム!!?」」
2人を助けたのはダーラムであった。彼もまたこの異次元空間に飲み込まれ、皆を探す為にずっと歩き続けていた時にマザロン人の起こした地割れの中に落ちてしまった。だが彼は炎の力と技を身に付けていたのでマグマの中でも平気で動き続け、運良くグロラス達を見つけて助け出したのだ。
そしてダーラムはマグマの中を歩いて2人を安全な所に置いた。
「ダーラム、熱くないのか?」
「俺にとってこんなの、ぬるいお湯と同じだ・・・。あとは、俺に任せろ」
そう言ってダーラムはマザロン人達がいる方に向かってゆっくり歩き出した。
「ッ!!お前達、奴を倒せ!倒すんだ!!」
近づいて来るダーラムを見たマザロン人は、彼がかなりの強者である事を察する。そしてラゴラスエヴォ達の足止めをしているグラールを除いたマザリュース、グルジオボーンの2体に攻撃するよう命じた。
「ギャアアアアァァァン!!」
「グオォォォォォォォォ!!」
命令を受けた2体は再び口から『高熱火炎』を放つ。特にグルジオボーンは100万度の威力を誇る『ボーンブレスター』を放つが、ダーラムはそれを受けてもなお歩き続ける。それを見たグルジオボーンは眼を赤く光らせた途端、もの凄い速さで突進攻撃を仕掛けた。
「ムンッ!!」
しかしダーラムは片手でグルジオボーンの頭を掴んで押さえ、そのまま持ち上げて頭から地面に叩きつけた。だがこれだけでは終わらなかった。今度は尻尾を掴んで空中に振り上げて再び頭から地面に何度も叩きつけ、最後に勢いよくジャイアントスイングをして投げ飛ばした。
「グオォォォ・・・ォォ・・・」
投げ飛ばされたグルジオボーンは岩山にぶつかる。頭を何度も叩きつけられた事で気を失ってその場に倒れた。
1体戦闘不能にしたのを確認したダーラムは、今度はマザリュースに狙いを定めるが、タクトがそれを制した。
「ダーラム、そいつは実体がない虚像なんだ。だからそいつの相手はしないで大将のマザロン人を倒した方がいい!そうすればそいつも倒せる!」
「残ったグラールは俺達がする!」
「・・・分かった。任せる」
それぞれ役目を確認した後、グロラスとタクトは自分達の相棒怪獣の元へ行き、ダーラムはマザロン人の元へ向かう。
「何をしているマザリュース、早く奴を倒せ!」
グルジオボーンが戦闘不能なった事で余裕がなくなり、焦った声でマザロン人は再びマザリュースに命令を出す。
再び命令を受けたマザリュースは歩くダーラムに何度も『高熱火炎』を浴びせるが、彼には全く効いていなかった。そしてダーラムはとうとうマザロン人の前にやって来た。
「終わりだ・・・」
「まだ終わらんぞ!!」
拳を振り上げて叩き潰そうとするダーラムだったが、マザロン人は大声で否定すると腕を交差して全身に力を込める。すると彼の体は大きくなっていき、そのままダーラムのパンチを防いで押し返した。
「どうだ我の力は?いかに貴様が強かろうとこの異次元空間では我の強さは絶大。四天王の力を甘くみるな!」
「なら俺は、もっと強い力でお前を倒す!」
互いに戦闘態勢を取った後、2人は激突した。
身長でダーラムより小さいマザロン人だが、そんな事は関係ないと言わんばかりに鋭い爪が生えている右手を突き刺そうとする。だが皆さんもお分かりのようにダーラムは体に鋼の鎧を物を身に付けている。その故に・・・。
ボキッ!!
「ギャアアアアァァァーーー!?」
突き刺した爪は折れてしまったばかりか、指までもが折れてしまった。その痛みにマザロン人は悲鳴を上げる。その隙をついてダーラムは顔や腹にパンチを浴びせ、両腕を掴んで投げ飛ばす技『ダーラムホイップ』で地面に叩きつけた。
しかしマザロン人は怯まず、すぐに立ち上がって折れていない左手から『マグマレーザー』を放つ。
「フン!ハァ!」
放たれた『マグマレーザー』がダーラムに命中するかと思った時、なんとダーラムの足元の地面が突如液化したのだ。そしてダーラムはそのまま地面の中に潜ってしまった。実はこれは彼しか持たない特殊能力なのだ。
「なっ!?ど、何処に行った!!」
潜ってしまったダーラムをマザロン人は警戒しながら必死に探す。すると突然体が浮かんでいった。一体どうしたのかと足元を見るとなんと自分が立っていた位置にダーラムが現れて両足をガッチリと掴んで持ち上げていたのだ。
慌てて攻撃しようとするマザロン人は再び『マグマレーザー』を放とうとするが、それよりも早くダーラムが『ダーラムホイップ』で地面に叩きつけ、両肩の目玉を超怪力で引き千切ってしまった。
「ぎゃあああぁぁぁーーー!!?」
力の源とも言え部分を取られてしまった事でマザロン人は力が抜けて弱体化してしまった。
「今度こそ、終わりだ・・・」
「ま、待ってくれ!頼む。命だけは・・・」
地に這い蹲りながら必死に両手を合わせてマザロン人は命乞いをする。また、マザリュースが必死に『高熱火炎』を放って妨害する。だがダーラムは聞く耳を持たず、問答無用で必殺技を繰り出した。右腕を地面に勢いよく突き立て、そこから地を這う炎の衝撃波を出す『ファイアマグナム』だ。
「ギャアアアアアアアァァァァ・・・ァァ・・・・・」
凄まじく強烈な炎に包み込まれたマザロン人は悲鳴を上げながら思った。
自分にとって炎は力だ。特に何もかも焼きつくし、ドロドロに溶かすマグマの力は最高のものだ。だがその力が自分を殺すものになるとは!
そう思いながらマザロン人は黒焦げになり、最後は塵となって散ってしまった。それと同時にマザリュースも悲鳴を上げながら消滅した。
「・・・ム~ン。なかなか楽しめた」
首をゆっくり回してゴキゴキと骨を鳴らしながらダーラムは嬉しそうに呟いた。その時、マザロン人が倒れた所から黒い穴が発生する。それはこの異次元空間を脱出する唯一の出口だ。どうやらこの空間の支配者を倒せば元の世界に戻れるんだ、とダーラムが理解した時にとある方向から爆発音が聞こえた。おそらくグロラスとタクトがまだ戦っているのであろう。
「どうやら、まだ楽しめる時間があるみたいだな」
まだ暴れられる事に喜びを感じながらダーラムは爆発音がした方向へ走り出した。
一方グロラスとタクトは、相棒怪獣達と共にグラールと激闘を繰り広げていた。
グラールに向かってラゴラスエヴォが正面から組み付くとドレンゲランが左右から頭突きを食らわせる。
グラールがラゴラスエヴォを突き飛ばしてドレンゲランに攻撃しようとすればザムリベンジャーがミサイルと破壊光線を放つ。
それならばとグラールが角を構えて突進攻撃をしようとすればラゴラスエヴォが口から吐く『冷凍光線』と胸のマグマコアから放つ『火炎弾』を同時に発射する『超音差光線』を放ってダメージを与えた。
3大怪獣のコンビネーション攻撃によって流石のグラールも圧倒されていた。
「ジュッジャアアアアァァヴゥゥッ!!」
それでもグラールは諦めず『電撃光線』と『高熱火球』で反撃する。だがこれまでの戦いによるダメージと疲労が重なったのか、放った光線の威力は最初に比べて弱々しかった。
「どうやら奴も限界のようだな」
「うん。ならばこのまま一気に決めt「ジャアアアアァァヴゥゥッ!!」ッ!?」
グロラスとタクトが同時に止めの必殺技を出すよう命じようとした時、突如グラールが大きく咆哮した。何か仕掛けてくるかと全員が警戒する中、グラールは暫く2人を睨み付けた後その場にしゃがんで、近くのマグマからエネルギー吸収して忽然と姿を消した。
「消えた!?」
「何処に行きやがった」
2人は周りを見渡して消えたグラールを探す。すると少し離れた所で青く光り輝く丸い球体が飛んで行った。それはかつてグラールが、ヤプールの手によって蘇る前にある宇宙人の手によって地球に送り込まれた時と同じ球体だった。
今回はマグマのエネルギーを利用して球体の形態となり、空高く飛んで行ったようだ。
「どうやら逃げられたようだな」
「うん・・・そうみたいだね・・・」
グラールが去って戦いが終わったが、2人は決着が付けられなかった事で複雑な気分で一杯だった。そこへダーラムがやって来た。
「うん?戦いはどうなったのだ?」
「さっきグラールが逃げて行ったからもう終わったよ」
「何!?・・・奴とも楽しみたかった」
戦いが終わった事を聞いてダーラムは誰もが分かるようにがっくりする。その姿を見てグロラスが苦笑しながら励ます。
「そう落ち込むなよダーラム。此処を抜け出してクロウ様に今回の事を報告すればご褒美に強い奴と戦わせてくれる筈だ」
「そうだよ。だから早く此処から抜け出そう。そろそろ此処も限界だ!」
そう言ってタクトが周りを指差すとマグマが先程よりも大量に噴き出ていて、自分達がいる場所もあと少しすれば飲み込まれてしまい、かなりマズイ状況だ。
それに気がついたグロラスは大いに焦り、ダーラムは先程の黒い穴の事を話してそこから脱出しようと言う。そして彼らはドレンゲラン達を回収し、ザムリベンジャーを円盤形態にしてすぐさま乗り込む。
「それじゃ、早速・・・!」
「待て、アイツはどうする?」
発進しようとした寸前ダーラムがモニターに映っているある所を指差す。そこにはグルジオボーンがいた。グラールが立ち去ったのと同時に目を覚ましたグルジオボーンだが、ダーラムとの戦いで受けた傷が酷いせいか立ち上がれず、匍匐前進しながら必死にマグマから逃げていた。
「あのまま放っておくのか?」
「そいつはいくらなんでも可哀想だ。なぁタクト、お前が仲間にしたらどうだ?」
「ぼ、僕が!?」
「あぁ、だってお前まだ2体しかいないだろう。俺がやったようにすれば仲間になる筈だ。ほら早く!」
「・・・うん!分かった!来い、グルジオボーン!!」
如何に火炎骨獣とは言え、このままでは確実にマグマにやられてしまう。そうなる前に助け出さないといけない。仲間達からの勧めもあって自分の手持ちにしようと決心したタクトがザムリベンジャーを操って彼の傍に寄る。
「グルジオボーン!僕達と一緒に行こう!」
「グギャアァッ!?・・・・・グオォォォォォォォォ!!」
タクトの誘いにグルジオボーンは一瞬迷うが、周りの状況と自分にはもう主も仲間もいない事を理解して素直に回収された。
「やった・・・僕にも新しい仲間ができた!!」
「良かったなタクト」
「良いグッドだ」
『おめでとうございます。マスター!』
新しい仲間ができた事に喜ぶタクトをグロラス達は「おめでとう」と言った後3人は異次元空間を脱出したのであった。
そして一刻も早くクロウと合流するべく、先を急ぐのであった。
【大怪獣バトルファイル】
暗殺怪獣グラール
ダークマターで誕生した怪獣達の長所を掛け合わせて誕生した怪獣。
全身が金色に輝き鋭角状の突起や鱗に覆われ、赤い4つの眼が特徴である。
主な武器は頭の角から放つ『電撃光線』と口から放つ『高熱火球』、さらに並の怪獣なら片手で軽々と持ち上げられる程の凄まじい怪力である。
かつて自分を生み出した主の命でザム星人を全滅寸前まで追い込んだ事があり、その為タクトから恐れられている。
マザロン人が率いる異次元軍団のリーダーで、超獣達に命令を出せたり、パワーアップしたラゴラスエヴォと互角に渡り合う程の強豪怪獣だ。
最後はドレンゲラン、ザムリベンジャー、ラゴラスエヴォの3体に押されて、止めを刺す前に青く光り輝く球体になって空の彼方へ飛んで行った。
その際、グロラスとタクトを睨み付けていたからもしかしたらまた彼らを暗殺しに登場するのかもしれない。