俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

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今回はちょっと息抜きの番外編でございます。流れとしては惑星ハマーが終わった後の話です。
ボガール、レッドマンと同じ、怪獣に仇なす存在が何と2人も登場して我らの怪獣王と対決します。前回の番外編同様にかなり激しい戦いになって、これまた恐ろしい決着になります!是非楽しんで読んでください!
感想と評価をお待ちしております。

最強合体獣キングオブモンス、古代怪獣ゴモラⅡ、暴君怪獣タイラント
泥棒怪獣ドロボン、妖怪怪獣ダストパン、宇宙大怪獣アストロモンス
怪獣狩人ノワール星人、白猿ハヌマーン   登場



番外編 怪獣王VS怪獣狩人&白猿

惑星ハマーでのレイオニクスバトルを終え、真の怪獣王になったクロウが仲間達と一緒に惑星ボリスに戻って来ていた。そしてその強大な力で様々な星を怪獣達の楽園にしたり、傘下となった宇宙人達の望みを叶えて支持率を上げたりした。

そのおかげで今では暗黒宇宙で最も勢力が大きいものになった。また、リーシャ達とも楽しく暮らして平和な日々を過ごしていた。

だがこの日、いつもの平和な日常と違った。

 

 

「主砲、撃て!撃てーーー!!」

 

 

この日クロウは仲間の怪獣達と傘下の宇宙人達を率いてある宇宙人軍団と戦っていた。

その宇宙人は怪獣狩人ノワール星人と言う者だ。

彼らはJ34星系ノワール星出身の宇宙人で、怪獣を“生きた資源”として考えているのだ。

そしてその名の通り怪獣を狩って改造(メカレーター化)し利用する宇宙人なのだ。母星の怪獣が全滅してしまった為、自分達の世界にある地球の全怪獣を捕獲しようとしたが慈愛の勇者によって失敗した。

だが彼らは懲りず、今度は異次元に住むギギが開発した異次元発生装置を大金で買い、それによりこの世界にやって来て数多く生息していると言われる惑星ボリスの怪獣達を全て自分達の物にしようと企み、数隻の艦隊と大軍勢を率いて襲撃したのだ。

だがそれはあまりに無謀な企みだった。惑星ボリスは怪獣達の王であり、護る者であるクロウが最も気に入っている怪獣達の楽園として有名な星なので、当然彼を怒らせる結果となった。

そして冒頭の激しい戦争が行われているのだ。

 

 

 

ドン!!ドン!!ドッガアアアァァン!!バッゴオオオォォン!!

 

 

 

砲弾とレーザーが激しく放たれ、それにより多くの船が爆発を起こして宇宙の藻屑となっていった。そして戦況はクロウ率いる軍団が圧倒していた。

ノワール星人達の操る改造怪獣達が『NW電波』と言う特殊電波でコントロールされている事を知っていたクロウの計略で、その電波を打ち消す電波がギガ・ロボフォーから発信された。

それにより改造怪獣達はコントロール不能となり、さらにクロウ達の方に付いたのだ。最大戦力を失ったノワール星人達だが諦めず必死に反撃をする。けれど艦隊は次々と破壊され、運良く脱出できた者達も次々と捕まってしまった。

 

 

「クロウ様、先程敵艦隊最後の護衛艦を撃沈させました。残るはノワール星人の首領が乗っている母艦一隻だけです!」

 

「よし!全軍に通達しろ。敵の母艦の包囲が完了した瞬間、総攻撃を仕掛けるとな!絶対に奴らを逃がすな!」

 

「了解しました!!」

 

 

クロウの指令はすぐさま全軍に伝わり、小型円盤や戦艦がノワール星人の母艦を包囲する。

そして包囲が完了した途端、全ての大砲&レーザー光線砲が一斉に放たれた。

放たれた砲弾とレーザーは全て命中し、ノワール星人の母艦は激しい爆発を起こす。

 

 

「しゅ、首領!もうこの船もダメです・・・乗組員に退艦命令を出してください!!」

 

「馬鹿を言うな!全員死ぬまで戦え!そしてあの大量の資源を手に入れるのだ!!」

 

 

最早勝敗は決したと誰もが思っている中、ノワール星人の首領は認めず全員に最後まで戦えと命じる。だがその時、艦内でも爆発が起こって近くにいた乗組員が巻き込まれてバラバラになった。

 

 

「あ、あぁ・・・うぅ・・・」

 

 

その光景を見た首領は先程までの怒りの表情から打って変わって青ざめていき、部下達を見捨てて自分だけ逃げ出した。

 

 

「あっ!首領!?くっ・・・こちら司令室!総員退避!!脱出船で退避せよ!!繰り返す。総員退避s・・・ぎゃああああ!!?」

 

 

逃げ出した首領を見て操縦席にいた乗組員は失望と怒りを露わにするが、すぐに自分の使命を果たそうと艦内にいる他の乗組員に退避命令を出す。しかしその直後に再び爆発が起きてそのノワール星人も命を落とした。

それから少し経つと母艦は大爆発した。だがそれより前に母艦から1機の脱出船が飛び出して戦闘区域から抜け出した。けれどクロウの配下の者達は皆母艦の爆発に気を取られて誰も気づいていなかった。唯1人クロウを除いて・・・。

 

 

「逃がすか・・・!」

 

 

脱出船を追い掛けようとクロウは席から立ち上がり、ギガライブナイザーからキングオブモンスのスパークドールズを出してその場でライブした。

するとギガ・ロボフォーから1つの光が出て、少し離れた場所でキングオブモンスになった。突然現れたキングオブモンスを見て近くにいた怪獣達や円盤内の宇宙人達は驚く。

そんな彼らに目もくれずキングオブモンスは翼を広げ、ノワール星人の脱出船が逃げた方向に向けて全速力で飛んで行った。

あまりに突然な事に彼らは呆然としてしまうが、すぐ正気に戻って他の仲間に先程の事を伝える。それを聞いたリーシャ達幹部や配下の怪獣&宇宙人達は慌てて捕虜を捕らえてクロウの後を追い掛けるのであった。

 

 

 

一方何とか戦闘区域から脱出したノワール星人の首領は、とある星に不時着していた。その星は岩と砂の光景が広がって所々に豊かな自然と湖がある星だった。

 

 

「ハァ、ハァ、ハァ・・・こ、此処まで来れば大丈夫だ・・・」

 

 

疲労困憊の体に力を込めながら脱出船から何かの機械を2つ両手に持ちながら出てくる。

首領は機械を地面に置くと目の前にある湖にフラフラと歩み寄り、水を必死に飲んだ。暫く飲み続けて喉が潤った後、後ろに置いてあった機械の元へ行く。

 

 

「は、早く・・・母星に連絡して救援部隊を送ってもらわないと・・・」

 

 

どうやらこの2つの機械は無線機と上記で説明した異次元発生装置の小型バージョンのようだ。

首領が無線機を手に持って起動スイッチを入れようとした時、何処からか銃弾が放たれて無線機を破壊されてしまった。

 

 

「見つけたぞ!」

 

「!?」

 

 

銃弾が放たれた方向を振り向くとそこにはライブを解除して元の姿に戻り、ギガモンスランスで右腕がペダニウムランチャーに変化させて立っているクロウがいた。クロウの姿を見た首領は慌てて異次元発生装置を持ち、護身用に腰に供えてあった銃を取り出す。

ちなみにその銃は、これまで数多くの怪獣達を狩る際に使用していた毒銃である。

そんな恐ろしい武器を構えてクロウに狙いを定めて撃とうとするが、それよりも早くクロウがペダニウムランチャーを撃って銃を破壊した。

 

 

「ぐあっ!く、くそ!!」

 

 

攻撃する手段を失った首領はその場から逃げようと脱出船に走る。

 

 

「逃げられるとでも思っているのか?」

 

 

逃げる首領の両足に向けてクロウはペダニウムランチャーを発砲する。

 

 

「ぎゃああああああ!?」

 

 

両足を撃たれて首領は脱出船の手前で倒れ、持っていた装置を落としてしまう。また、激しい痛みにその場で悶絶する。しかし、なんとしても逃げようと必死に両腕を動かして装置を取ろうとするが・・・。

 

 

「本当に見苦しい奴だな、お前・・・」

 

 

 

バッキィ!!!

 

 

 

「あ、あぁ・・・」

 

 

目の前で異次元発生装置を破壊されて逃げる術を全て失った首領はこれから起きる未来にただ震える事しかできなかった。そんな彼をクロウは冷たい目で見つめ、そのまま首領の背中を思いっきり踏み付けて動きを封じる。

 

 

「がっ!ぐうううぅぅぅ~~~!!」

 

「これまで貴様らに狩られてきた怪獣達の恨み、今此処で俺が晴らしてやる!!」

 

「ま、待って!待ってください!い、命ばかりはお助け下さい。俺が・・・いや、私が持っている物は全て差し上げます。だから・・・」

 

「・・・お前が持っている物で俺が欲しい物は、お前の命だよ!それに死にたくなかったら怪獣を狩るなんて事するな!!」

 

 

必死に命乞いするノワール星人を見て俺は心の底から怒りが湧いた。こんな奴らの為に怪獣達は苦しめられてきた事が許せなかった。

そしてこれ以上生かす価値もないと言わんばかりにギガライブナイザーを振るって首を切り落とした。それにより泣き叫んでいたノワール星人の声が止んで辺りは静かになった。

 

 

「フン!最期まで無様な奴だったぜ」

 

 

踏み付けていたノワール星人の体を強く蹴って、切り落とした首を拾う。

 

 

「さてと!この後もまだやる事が残っているし、皆も心配しているだろうし、早く戻るとs・・・ん?」

 

 

再びキングオブモンスになる為スパークドールズを出そうとした時、ふと何かに気が付き上空を見上げると白い何かがこちらに向かって飛んできた。

徐々に近づいてくるにつれて姿がはっきり見えて、全身が白く所々不思議な模様があり神話に出てくる猿のような巨人が卍型の独特のポーズで飛んでいたのだ。

 

 

「あの姿・・・まさかアイツか!?」

 

 

こちらにやって来る白い巨人の姿がはっきり見えた瞬間思い出した。

その白い猿は怪獣に仇なす存在の1人で、奴の正体は1万年以上前からタイの平和を守ってきた風神ラマヤーナの子で、風の女神サワハによって生み出されたタイの戦士で、沖縄のシーサー像に似た顔と手に持つ短い三又槍が特徴の白猿ハヌマーンである。

かつて3人組の仏像泥棒に射殺されたタイの勇気ある少年・コチャンにウルトラの母が命を与えた事により誕生し、仏像泥棒と現れた5体の怪獣軍団をウルトラ6兄弟と共に倒した奴だ。だがその倒し方があの赤い通り魔のレッドマンや先程殺したノワール星人と同じ許せるものではなかった。

ヒーローらしからぬ物騒な言葉を言って追い掛け回し、3人組の仏像泥棒をそれぞれ踏み潰したり、倒した木の下敷きにしたり、手で掴んで握り潰したりした。

怪獣軍団の方は、三又槍で胸に思いっきり突き刺したり、体をバラバラに切り刻んだり、肉を無理矢理引き剥がして骸骨にしてしまうなど残酷な事をしたのだ。

 

 

「(まさかこんな所で出会うとは・・・神様、いや、冥王様の導きかもしれない)」

 

 

どちらにしろ有り難い事だと冥王様に感謝しつつ、奴の事で心の中が再び怒りで染まっていく。

そしてハヌマーンは俺の目の前で着地し、その場で小躍りしながら訊ねた。

 

 

「お前が怪獣の王様を名乗っているクロウと言う奴か?」

 

「そうだ。俺がモンスターキング・クロウだ!一応訊ねるが・・・俺に何の用だ白猿ハヌマーン?」

 

「この平和な世界に必要なく、皆にとって迷惑で悪い怪獣達の王であるお前を殺すんだ!そして親友レッドマンの仇を討つんだ!!」

 

 

ハヌマーンはそう言って三又槍を振り回す。あぁ、やっぱりこいつは怪獣に対して仇名す存在だ。ムカつく事を言った上にレッドマンの親友であるなら尚更だ!

お互いにファイティングポーズをとって構える。そして一瞬湖の水がポチャッと鳴ったのを合図に猛然と駆け寄って激突した。

 

 

「トアッ!!」

 

「ハッ!!」

 

 

ハヌマーンの三又槍とクロウのギガライブナイザーが火花を散らしながらぶつかりあい、周りに凄まじい衝撃波が起こる。暫く押し合いつつ時々キックを放って攻撃する2人だが同時に後退した。

そしてハヌマーンは三又槍から強力な旋風を発射する技『ハリケーンガン』を繰り出す。

対してクロウはギガライブナイザーの先端から火・氷・雷・土と別々の属性を纏わせた『モンスターショット』を連発で放つ。

 

 

「ウゥ・・・アアァ!?」

 

 

流石に別々の属性を纏った光弾に『ハリケーンガン』は耐えきれず、ハヌマーンは素早い動きで避けようとするが完全には避けられず、氷属性を纏った光弾を右足に受けてしまう。それにより足が凍って動きが鈍くなった。

 

 

「どうだ?怪獣達の力が籠った攻撃はよく効くだろう?もっと味わせてやるよ!!」

 

 

苦しそうな表情(?)のハヌマーンにクロウはそう言って今度は猛毒属性を纏った光弾をギガライブナイザーから放つ。

動きが鈍くなったハヌマーンに光弾を避ける事ができないと思っていたが、なんとハヌマーンは三又槍で攻撃を受け流した。しかも全身に力を込めて凍っていた足を元に戻した。

 

 

「お前の攻撃なんて痛くも痒くもないぞ!怪獣の力なんて所詮こんなもんさ!」

 

「・・・一々気に障る奴だ。それならこいつらと一緒ならどうだ!」

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

「ギギャアアアァァァッ!!」

 

「ギィガアアアァァァッ!!」

 

「ガアアアァァァウオオォォ!!」

 

「ピュウウウイイイィィィッ!!」

 

「ギャヴヴヴゴオオオォォォン!!」

 

 

ギガライブナイザーから5体の怪獣が召喚される。

上から順に古代怪獣ゴモラⅡ、暴君怪獣タイラント、泥棒怪獣ドロボン、宇宙大怪獣アストロモンス、妖怪怪獣ダストパンである。

彼らはクロウに寄り添って頭を撫でて貰った後横に並び立つ。そして目の前にいるハヌマーンを憎悪で染まった両目で睨み付けて怒りの咆哮を上げた。

もしかするとかつて無残に殺された同族の無念を知っていて、その恨みを晴らすつもりかもしれない。一方ハヌマーンは、かつて自分が倒した怪獣達と同じ奴らを見てなんだか嬉しそうな感じにその場で体を引っ掻き、小躍りをする。そしてまたもや衝撃的な事を言う。

 

 

「また同じ怪獣を殺せる!切り刻んで、引ん剝いてやるぞ~~!!」

 

 

ブチッ!!

 

 

今なんて言ったアイツ?怪獣を切り刻んだり、引ん剝いたりするだと!?数の差から戦意を損失させ、倒さない変わりに調教して怪獣に優しい心を持つようにさせるつもりだったが・・・・・もう・・・我慢の・・・限界だ!!

 

 

「絶対にこの場で消してやる!お前ら、行くぞ!!」

 

 

クロウが怒りを込めながら命令すると怪獣達も怒りの咆哮を上げながら一緒に走り出す。

 

 

「怪獣達の怒りを思い知れッ!!」

 

 

ハヌマーン目掛けてフルパワーでギガライブナイザーを突き出す。元々武器の長さが違う上に全力を込めたクロウの一撃に流石のハヌマーンも受け止めきれず、三又槍を落としながらブッ飛ばされる。岩にぶつかって倒れるハヌマーンだが深いダメージは負わず、急いで立ち上がって武器を拾うとするが・・・。

 

 

「ガアアアァァァウオオォォ!!」

 

 

いつの間にか接近していたドロボンが金棒を振り回し、ハヌマーンが怯んで近づけない隙に三又槍を盗み取った。そして嬉しそうに笑いながら三又槍を高々と持ち上げて見せつけた。

 

 

「それに触れるな!返せ!!」

 

 

自分の武器を盗んだドロボンにハヌマーンは激しく怒り、殴りかかろうとするが・・・。

 

 

「ピュウウウイイイィィィッ!!」

 

「ギャヴヴヴゴオオオォォォン!!」

 

 

アストロモンスとダストパンがドロボンを守るように前に立ちハヌマーンに襲い掛かる。

 

 

「ピュウウウイイイィィィッ!!」

 

「ウアッ!ウゥ・・・!」

 

 

アストロモンスが右手の鞭をハヌマーンの右腕に巻き付けて動きを封じ、そのまま左手の鎌で切り付ける。右腕を傷つけられて血が出るハヌマーンだが痛みに耐え、残っている左腕で攻撃しようとするがダストパンに掴まられた上に羽根から毒鱗粉を放って動きを鈍くさせた。

さらにそこへ離れて戦いを見ていたドロボンが再び接近して、持っていた金棒でハヌマーンの腹を容赦なく何度も叩きつけた。

住んでいた世界が違う3体だが、どこか気が合うのか仲が良くてなかなか良い連係プレーだ。

 

「このままさらに攻めるぞ。ゴモラⅡはシャノンビーム!タイラントはアロー光線だ!」

 

「ギギャアアアァァァッ!!」

 

「ギィガアアアァァァッ!!」

 

 

3体に攻撃されるハヌマーンにクロウは自分の傍にいるゴモラⅡとタイラントに撃するよう指示を出す。命令を受けた2体は同時に必殺光線を放つ。

 

 

「グアァ!ウアアアアアァァァ!?」

 

 

武器は取られ、2体に捕まっていた為避ける事ができなったハヌマーンは『シャノンビーム』と『アロー光線』を諸に腹に受けて苦痛の声を上げる。

 

 

「まだ終わらせねぇよ。アストロモンス!奴の腕に溶解液を浴びせてやれ!」

 

「ピュウウウゥゥッ!!」

 

 

クロウの指示を聞いたアストロモンスは腹部のチグリスフラワーから大量の『溶解液』をハヌマーンの右腕に浴びせる。

 

 

「ウアアアアアァァァァーー!!」

 

 

強力な『溶解液』を右腕に浴びたハヌマーンは両腕を押さえられて身動きできない分両足をバタつかせて悲鳴を上げる。ギガライブナイザーに回収された事で以前よりもパワーアップした『溶解液』によってハヌマーンの右腕は徐々に溶け出した。しかし流石はハヌマーンと言うべきか、溶けたのは肉の部分だけで骨は残っていた。

 

 

「痛いか?苦しいか?だがお前は怪獣達に対して同じような事をしたんだ。その痛みをもっと味わうがいい!!」

 

 

いつものクロウならこのような相手をとことんまで痛めつけるような残酷な事はしないだろう。

だが今戦っているのはハヌマーン・怪獣に仇名す存在だ。それ故クロウは容赦しなかった。そして怪獣達も同じだった。

 

 

「ギギャアアアァァァッ!!」

 

「ギィガアアアァァァッ!!」

 

「ガアアアァァァウオオォォ!!」

 

「ピュウウウイイイィィィッ!!」

 

「ギャヴヴヴゴオオオォォォン!!」

 

 

 

5大怪獣は攻撃の手を緩めずさらにハヌマーンを攻撃した。

ゴモラⅡが両手からミサイルを放ったり、鼻先の角を腹に突き刺して『超振動波』を食らわせた。またタイラントの鎌が尻尾を切り落とし、ドロボンと一緒に頭を何度も鉄球と金棒で叩いたりした。他にもアストロモンスとダストパンのコンビ攻撃で両足を痛めつけたりした。ウルトラリンチならぬモンスターリンチだ。

 

 

「思い知ったかハヌマーン?貴様がこれまで怪獣達にしてきた仕打ちを!」

 

「アァ・・・ウ、ウゥ・・・」

 

 

それから暫く経った後クロウは怪獣達に攻撃を止めさせてハヌマーンの様子を見る。今のハヌマーンは右腕が溶かされて骨だけだったり、左腕と両足を折られたり、尻尾を切られたりと体中ボロボロの状態で虫の息だった。

 

 

「そろそろ止めを刺してやる。ドロボン!」

 

「ガアアァァォォ!!」

 

 

クロウが手を伸ばしながら名前を呼ぶとドロボンは先程盗んだハヌマーンの武器を渡した。それを受け取り、ハヌマーンを冷たい眼で睨みつけながら腹に跨って馬乗りになり、両足に力を入れて押さえる。ハヌマーンは口を動かして何か言うが、力が入らないせいか全く聞こえない。

否、聞く気はさらさらない。

 

 

「滅びろ。忌々しい白猿よ!!」

 

 

 

ドッシュ!!!ブシャアアアァァァ!!!

 

 

 

勢いよく三又槍をハヌマーンの首元に刺して切り裂く。それによりハヌマーンは首から大量の血を噴き出しながら絶命した。

かつてクロウと戦い命を落とした赤い通り魔と同様にハヌマーンも怪獣達にリンチされ、最期は己の武器で倒されてしまったのだった。

 

 

「フフフ・・・クカカカ!!今日は本当に良き日だ。怪獣に仇名す存在を2つも倒せるとはな!フハハハハッ!!」

 

 

切り落としたハヌマーンの首を持ち上げて見つめながらクロウは傍にいる怪獣達と一緒に勝利の咆哮を上げた。自分が必ず倒そうと追い求めていた存在を倒せた事が、怪獣王にとって極上の喜びであった。

その後クロウは怪獣達を回収し、迎えにやって来た宇宙船に倒した敵の首を持ち運びながら乗った。そしてリーシャ達からかってにいなくなった事で激しく説教をくらってしまうのであった。

 

 

 

 

 

 

それから数日経つとクロウの事についてのニュースが宇宙中に流れた。

 

『ノワール星人戦艦全滅!地球の守護者ハヌマーン、怪獣王クロウに倒された!』

このニュースによりクロウの名声はさらに高まり、彼の仲間や傘下になる怪獣と宇宙人達は後を絶たなかった。

また、クロウの部屋にある棚に以前倒した戦士の骸骨の隣に新たに2つの戦利品が飾られた。

そして捕虜となったノワール星人達はその後クロウの支配下のある惑星にて恐ろしい仕事をされるので事あった。

 

 

その話についてはまた別の日にてお話致しましょう。それでは(笑)ヨホホホ!!

 

 


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