そして遂にあの者の正体が分かります。
感想と評価をお待ちしております。
最強合体獣キングオブモンス、超合体怪獣グランドキング(スーパーグランドキング・スペクター)
古代怪獣ゴモラ、超古代狛犬怪獣ガーディー、巨蛾モスラ(モスラ・レオ)
怪獣酋長ジェロニモン、ねこ舌星人グロラス(RB)、キール星人グランデ、X星人カイザー
放電竜エレキング、異次元人 巨大ヤプール、円盤生物ブラックエンド
超遺伝子獣ギャオス・ハイパー、シビルジャッジメンター・ギャラクトロン
最強超獣ジャンボキング、冷凍怪獣ラゴラス、ミサイル超獣ベロクロン 登場
激闘が続く大怪獣バトル。
次なる戦いは、ガーディー&モスラ・レオVSブラックエンド&ギャオス・ハイパーである。
「ピュアアアアァァァーー!!」
「ギャオオオオオォォォォ!!」
空高く飛行して激しくぶつかり合っているモスラ・レオとギャオス・ハイパー。何度かぶつかった後モスラ・レオはさらに空高く飛翔し、それを見てギャオス・ハイパーも続くように飛翔して追い掛け始める。
「クワァ!ギャオオオオォォォ!!」
スピードではモスラ・レオに遥かに劣っているギャオス・ハイパーだが、自身の体を槍のように折り畳んで空気抵抗を減らすなど必死に追い掛ける。さらに口から凄まじい斬れ味を持つ必殺技の『超音波メス』を発射してモスラ・レオを撃ち落とそうとする。
「カキュウウオオウン!」
しかしモスラ・レオはギャオス・ハイパーの『超音波メス』を何の苦も無く猛スピードで躱した。そしてある程度距離が離れたところで反転し、猛スピードのまま体当たりする技『エクセル・ダッシュ』で攻撃した。
「クワァーーー!?」
追い掛ける事に専念していたギャオス・ハイパーはモスラ・レオの強力な体当たりを躱せず、真正面からぶつかってダメージを受け、そのまま落下していった。
ドオオオオオオオォォォォン!!!
「ギャオオオオオォォォォ~~・・・」
高い位置から地面に墜落したギャオス・ハイパーの体は思わず目を背けてしまう程ボロボロの状態だった。元々ギャオス・ハイパーはそれ程防御力が高くなく、モスラ・レオの攻撃に加えて先程の衝撃で戦闘不能状態になってしまった。それでもギャオス・ハイパーはボロボロの翼を動かして飛ぼうとする。
「あんな状態になってまで戦うつもりなんて・・・」
「カキュウウオオウン・・・」
負傷しながらも戦うとするギャオス・ハイパーの姿にリーシャとモスラ・レオは悲しそうに見つめる。そしてリーシャはモスラ・レオにギャオス・ハイパーを止めさせるように伝える。
彼女のお願いを聞いたモスラ・レオは頷き、ギャオス・ハイパーの真上までゆっくり飛んで翅から鱗粉を出して彼に浴びせた。
「ギャオオォッ!?ク、クワァ・・・」
鱗粉を浴びた途端、ギャオス・ハイパーは少しずつ翼の動きが鈍くなっていった。これはモスラ・レオが浴びせた鱗粉を使って敵のエネルギーを吸収する技『クリスタル・コーティング』である。残っていたエネルギーを奪われたギャオス・ハイパーは遂に動けなくなった。
「これで少なくとも傷付くことはないね。モスラ、ご苦労様!」
「ピュアアアアァァァーー!!」
動けなくなったギャオス・ハイパーを見てリーシャはこれ以上相手が傷付かずに済む事にホッとしながらモスラ・レオを褒めた。モスラ・レオも主人に褒められて嬉しそうに羽搏きしながら鳴き声を上げた。
それを見てリーシャは微笑んだ後、視線をガーディーの方に移す。そこではブラックエンドの巨大な2本角を掴み踏ん張っているガーディーの姿があった。
「ガウウウゥゥゥッ!!」
「ギシュエエエエエエェェェェッ!!」
円盤生物最強の名は伊達ではなく、ブラックエンドの力は予想よりも強かった為ガーディーは押さえつけるのが精一杯だった。
「ギシュエエエエエエェェェェッ!!」
自分の角を掴んだまま動けないガーディーを見てブラックエンドは口元をニヤリと歪めた。そして無防備なお腹目掛けて口から高熱火炎の『デスマグマ』を発射した。
「ギャアアヴヴヴゥゥゥーーー!?」
「あぁ!ガーディー!!?」
高熱火炎がガーディーを包んでしまったのを見てリーシャは悲鳴を上げる。ガーディーも超高温の火炎放射がお腹だけでなく、カラータイマーにも命中してダメージを受けた事で角から手を離して後ろに下がった。そして何とか体に燃え移った火を消すが、カラータイマーに攻撃を受けた事でその場に膝をついてしまう。
「待っててガーディー。今すぐシルバゴンとモスラを援護に向かわ「キイイイィィィッ~~!!」えっ!?」
大ダメージで動けなくなったガーディーを見てリーシャが他の手持ち怪獣を援護に向かわせようとした時、突如聞き覚えのある鳴き声が響いた。鳴き声がした方向を見るとなんとそこにはエレキングがいた。
だがそのエレキングはレイの手持ちではなかった。体の色が白く、両手には2本ずつ爪が生えていた。そのエレキングを見てリーシャは口と体を震わせながら声を掛けた。
「まさか貴方・・・エレちゃん。エレちゃんなの!?」
「キイィ!キイイイィィィ~~~♪」
「やっぱりエレちゃんなのね!生きて・・・」
リーシャが自分に気が付いてくれた事にエレキングは嬉しそうに両手と尻尾を振る。
このエレキングは別名『放電竜』と言い、かつて最強・最速のウルトラ戦士と2度に渡って激闘を繰り広げた事がある個体の同族であり、リーシャのペットでもあるのだ。
少し話が長くなるが、惑星ボリスでリーシャと無理矢理引き離されたエレキングは姉のピット星人が持っていたバトルナイザーの中で寂しい気持ちのまま過ごしていた。
しかし、惑星ハマーに向かっていた途中姉のピット星人がダイルに殺され、自身は奇跡的に無事であって偶然発生したワームホールで惑星ハマーに辿り着けた。
それから長い時間バトルナイザーの中で閉じ込められていた時にグランデ達のレイオニクスパワーの影響でバトルナイザーから外に出られる事ができ、遠くから感じるリーシャの気配を追って此処までやって来たのだ。
そんなエレキングを見てリーシャは涙を流しつつ声を掛けようとするが・・・。
「ギシュエエエエエエェェェェッ!!」
そこへブラックエンドが咆哮を上げ、角を振り回しながら2人に・・・正確にはリーシャの方へ迫ってきた。
まだダメージで動けないガーディーを倒すよりも新しくやって来たエレキングを倒すよりもその希望とも言えるリーシャを倒した方が自分の有利になれるとブラックエンドは考えたのだ。
「キイイイィィィッ!!」
しかし、そう簡単に事を成せる訳がなかった。ようやく再会できたリーシャに指一本触れさせて堪るかとエレキング=エレちゃんが彼女の前に立ち塞がって守ろうとする。
それを見たブラックエンドは再び口から『デスマグマ』を放ってエレちゃんを攻撃する。
「エレちゃん、電子ビームで防いで!」
「キイイイィィィッ!!」
エレちゃんは口から円弧状のプラズマ光弾『電子ビーム』を何発も放って『デスマグマ』を防いだ後走り出し、勢いよくブラックエンドにぶつかってそのまま顔部分に両手の爪で引っ掻き攻撃をした。この攻撃には流石のブラックエンドも悲鳴を上げ、何とか反撃しようと角を激しく振り回してエレちゃんを後退させる。そして尻尾の先端にある鋏で攻撃しようと振り回そうとするが・・・。
「ガウウウゥゥゥッ!!」
「ギシュエエエェェッ!?」
いつの間にか背後に回っていたガーディーがブラックエンドの尻尾を掴んでいた動きを封じていた。痛みに耐えつつ自分の主人を守っているエレちゃんを見てガーディーは仲間と認識し、助けにやって来たのだ。
「ガオォッ!ガウウウゥゥッ!!」
「キイィ?キイイイィィィッ!!」
ブラックエンドの尻尾を離さないように力強く掴んで動きを封じた後、ガーディーはエレちゃんに向かって頷き合図を送る。それを見てエレちゃんは口から再び『電子ビーム』を放つ。光弾はブラックエンドの口元に命中し、それによりブラックエンドは高熱火炎が吐けなくなってしまった。
「ギイイェェッ!!ギシュエエエエエエェェェェッ!!」
2体の攻撃で徐々に追い詰められていくブラックエンド。だが彼は攻撃を止めず、体の黒い丸がある部分全てから角を出して咆哮を上げながら2体を串刺しにしようとその場で激しく動き回る。
「諦めの悪い怪獣ね。エレちゃん!ガーディーと一緒にやっちゃいなさい!!」
「キイィ!キイイイィィィッ!!」
「ガウウウゥゥゥッ!!」
リーシャの指示を聞いたエレちゃんは、今度は自分がガーディーに合図を送る。そしてガーディーが頷いたのを確認してからブラックエンドの巨大な2本角を掴んだ。
そして2体は同時にブラックエンドを持ち上げて勢いよく地面に叩き付けた。それも1回2回ではなく、何回も連続で叩き付けた。
「ギシュエエエエエエェェェェ~~・・・」
叩き付けられる度にブラックエンドは悲鳴を上げ、それと同時に角が折れていった。そして最後の角が折れるとガーディーとエレちゃんはブラックエンドを空高く放り投げた。
「これで終わりにしてあげる。ガーディー、さっきの借りを返しなさい!ゼペリオン光線発射!!」
「ガウウウゥゥゥッーー!!」
落下してくるブラックエンドにガーディーは口から『ゼペリオン光線』を放つ。必殺光線を食らったブラックエンドは大ダメージを受け、地面に激突した後体を2、3回揺らして気を失った。
「気を失ったわね・・・フフ、貴方はクロウさんに献上する大切な怪獣なんだから倒す気なんて私にはないわ。だから安心して眠ってなさい。それに私は今とても機嫌が良いのよ」
「ガウウウゥゥゥーー!!」
「キイイイィィィッ~~!」
微笑んだ表情のリーシャが見つめる先にはガーディーとエレちゃんが仲良く勝利の咆哮を上げている光景が映っていたのだった。
終盤を迎え始めた大怪獣バトル。
次なる戦いはグランドキングVSギャラクトロンである。
「やれ!グランドキング!!」
「グゥエエエエエゥゥゥーー!!」
ウオオオォン!ウオオオォン!
クロウの命令を聞いて鉤爪を振り回して攻撃してくるグランドキングに対して、ギャラクトロンは右腕のビーム砲が備え付けてあるクローで防ぎつつ、体の中央部分にある赤い球体から光を出してグランドキングを包んでいく。まるでスキャンして分析しているようだ。
そして光を出すのを止めた瞬間、グランドキングを押し返して左腕を半回転させてギャラクトロンブレードで体を切り刻み、さらに両目から赤い閃光光線『ギャラクトロンスパーク』を放った。
「グゥエエエエエゥゥゥーー!?」
ギャラクトロンブレードによって切られたところへ光線が命中して、グランドキングは光線が当たった部分より魔法陣が出てから爆発して激しく火花が飛び散らせながらダメージを受けた。
俺の怪獣達の中で1番の防御力を持ち『絶対鉄壁の盾』と言われているグランドキングにダメージを与えるとは・・・ギャラクトロンの両腕の武器は恐ろしい力を持っているぜ。そう思っていた時にギャラクトロンが俺達に語り掛けてきた。
『超合体怪獣グランドキング、及びその操り人であるレイオニクス・クロウと多数の怪獣達をリセットして争いを止める。それが我が使命、我が正義・・・』
「・・・正義か、そんな嫌いな言葉をあまり俺の前で言わないでくれるか?」
『・・・何故?』
「かつて正義の為だと言って戦い続けて怪獣を殺しまくる奴らがいたんだ。確かに怪獣の中には存在自体が悪とも言える奴がいる。だがそれは他の生命体も同じ事だ。そしてそいつらはお前のように良い存在の者達でさえ滅ぼしてしまった。俺はそれを見て確信したよ。正義なんてこの世に存在しない。今生きる怪獣達全てを護り抜き、平和へ導くのに正義も悪もないとな!」
『正義も悪もない・・・理解不能』
「フフ、安心しろ。俺がじっくり教えてやるよ。なにしろお前は・・・これから俺の大切な仲間で、家族になるんだからな!グランドキング!久しぶりに本気で行くぞ!!」
「グゥエエエエエゥゥゥーー!!」
そう言って俺はグランドキングに力を与える。その力によりグランドキングはスーパーグランドキング・スペクターになった。
「グゥアアアアアゥゥゥッーー!!」
ウオオオォン!ウオオオォ・・・!?
そしてスーパーグランドキング・スペクターはギャラクトロンに向かって胸から『スーパーグランレーザー』を放ちながら歩き出し、そのまま両腕の巨大な剣と鉤爪で攻撃した。
ギャラクトロンは魔法陣で光線を吸収しようとするが、あまりの威力に魔法陣は吸収できずに破壊されてしまう。さらにスーパーグランドキング・スペクターの剣でクローは切り落とされ、鉤爪でギャラクトロンブレードは叩き折られてしまった。それでもギャラクトロンは使命を果たそうと後頭部の大きな鉤爪が付いているギャラクトロンシャフトを伸ばしてスーパーグランドキング・スペクターの首元を掴んで押さえ込もうとする。だがそれもすぐに剣で切り壊されてしまった。
「止めだ!スーパーグランレーザー発射!!」
「グゥアアアアアゥゥゥッーー!!」
スーパーグランドキング・スペクターの放った『スーパーグランレーザー』は満身創痍のギャラクトロンの胸の赤い球体に命中し、胸には大きな穴が開いた。
そしてギャラクトロンはゆっくりと火花を散らしながら前に倒れた。
「よくやった。流石スーパーグランドキング・スペクターだ。カッコ良かったぞ」
「グゥアアゥッ♪グゥエエエエエゥゥゥーー!!」
褒められて嬉しそうに両手を大きく振るスーパーグランドキング・スペクターを見た後、倒れたギャラクトロン、レイやリーシャ達に倒された怪獣達も一緒に回収する。幸い距離がそれ程離れていなかったおかげですぐにできた。
「よしよし、皆すぐに元気になるからな。今はゆっくり休んでいるんだぞ。さて、残るはキングオブモンスだな」
回収した怪獣達の様子を確認してからまだ戦い続けているキングオブモンス達の方を見る。そこでは異次元軍団最後の生き残りである最強超獣ジャンボキング相手にキングオブモンスとラゴラスが有利に戦いを繰り広げていた。
「グオオオオォォォーー!!」
「ピュアアアアアアッ!!」
キングオブモンスが真正面からジャンボキングに組みかかってそのまま顔と腹に何度も強烈なパンチを浴びせ、背後からラゴラスが羽交い締めをして動きを押さえつつキックを食らわせた。
「ギィゲエエエエエェェェーー!!」
対してジャンボキングは両手の鋏を振ってキングオブモンスを押し返して口からミサイルを、目から破壊光線を放つ。また、背後にいるラゴラスには後ろ側の体の上半身部分にある尾の様な触手で首を絞めつける。しかし、キングオブモンスは『ボーンシールド』で攻撃を防ぎ、そのまま『クレメイトビーム』を撃って反撃した。
ラゴラスもかつて同族が宿敵の怪獣のコアを食べた時のように巻き付いている触手を食い千切ってしまった。
「ギィゲエエエエエェェェーー!?」
自分の武器が効かず、次々と破壊されていく事にジャンボキングは悲鳴と驚きの鳴き声を上げながら考える。
なぜこうも自分がやられたままなのだ?今目の前にいる相手は、怪獣達の中で最強の力を持つとも言われるキングオブモンスだ。だが自分も超獣達の中で最強の力を持っている。2対1と言う戦況ではあるが互角に渡り合える程の強さを持っている筈なのに!とジャンボキングが疑問に思うのも無理はなかった。
そしてその答えはキングオブモンスがこれまでの戦いで数多く様々な経験を積んでいる事、援護しているラゴラスが予想以上に強かった事、2体に優れた主人が付いている事からだ。
無論ジャンボキングにも主人がいるのだが、当の本人はレイオニクスへの憎悪のせいでまともに指示を出していなかった。
「ぬぅ!おのれ~忌々しいレイオニクス共め!私の軍団を倒すばかりか仲間にしてしまうとは・・・こうなったらあの一番強い奴だけでも確実に命を奪ってやる。出てこいベロクロンよ!!」
異次元空間から戦いを見つめていた黒い影の者は、呼び出した怪獣軍団が次々と倒されていく事に怒りと焦りを表し、殺意を振り撒きながら異次元空間より新たな超獣を出した。
それはかつてクロウ達と戦った事のあるミサイル超獣ベロクロンだった。
「行けベロクロン!必ずあのレイオニクスを始末するのだーー!!」
「ヴオオオォォォーー!!」
命令を受けたベロクロンはすぐに戦場に向かい、キングオブモンス達目掛けて口や両手から『ベロクロミサイル』を発射して攻撃した。
「グオオオオォォォーー!?」
「ピュアアアアアアッ!?」
ミサイルはキングオブモンス達の体にいくつも命中した。突然の攻撃を受けた2体は怯んで攻撃を止める。その隙をついてジャンボキングは2体から距離を取って、前後両方にある両目から追い撃ちとばかりに破壊光線を放って攻撃した。
「フハハハッ!いいぞ超獣共よ!さぁ、奴らに止めを刺せ。ベロクロン!!ジャンボキング!!」
「ヴオオオォォォーー!!」
「ギィゲエエエエエェェェーー!!」
ベロクロンとジャンボキングは左右に並び立ち、主より命じられた使命を果たそうとキングオブモンス達に向かって行く。
「そうはいくか!グロラス、ジャンボキングの相手は俺がする。お前はベロクロンを倒せ。やれるか?」
「はい!任せて下さいクロウ様!必ず・・・必ず貴方の役に立ってみせます!行けー!ラゴラス!!」
「ピュアアアアアアッ!!」
俺の頼みを聞いたグロラスは目を爛々と輝かせ狂喜しながら頷く。こいつも随分と俺に心酔しているものだ。俺が人間だった頃に歴史上のとある武将に憧れていたのと同じ感じだ。そう思っている間、グロラスはラゴラスにベロクロンを倒せと命じる。
「ピュイイィッ!ピュアアアアアアッ!!」
「ヴオオオォォッ!?」
命令を聞いたラゴラスは咆哮を上げて両手を大きく広げながらベロクロン目掛けて突進し、そのままパンチやキックなど激しく攻撃した。ベロクロンも反撃しようと口からミサイルを放とうしたが・・・。
「そうはさせない。ラゴラス、奴の口に冷凍光線だ!」
「ピュアアアアアアッ!!」
ミサイルが放たれる前にラゴラスは『冷凍光線』を放ってベロクロンの口を凍らせて塞いでしまう。発射口が閉じられた事にベロクロンは慌ててミサイルを止めようとするが間に合わず、ミサイルは口の中で爆発してしまった。
「ヴオ・・・ォォォ・・・」
口の中で爆発したミサイルの爆炎は体の中にも影響を与え、体内にある火薬庫も同じように爆発が起きてしまった。そのダメージは大きくベロクロンはグロッキー状態になってしまった。
「いいぞラゴラス。そのまま反撃の隙を与えずに一気に攻めるんだ!」
「ピュアアアアアアーーッ!!」
相手がグロッキー状態であろうとグロラスは慢心せず、ラゴラスに攻撃をし続けるように指示を出した。ラゴラスはグロラスに言われた通りベロクロンに猛攻撃を加え、その後再び口から『冷凍光線』を放ってベロクロンを完全に凍らせてしまった。相手が戦闘不能になったのを見てラゴラスは勝利の咆哮を上げた。
最後まで優勢に戦いを繰り広げたグロラス達の様子を見て俺は内心感心した。
「フム、もっと手こずるかと思ったが意外とラゴラスもやるな。なら俺達も負けずに本気でやるとするか。行くぞキングオブモンス!!」
「グオオオオオオォォォォーー!!」
そう言って俺はギガライブナイザーに力を込める。その瞬間キングオブモンスが赤いオーラを放ちながら体を赤く染め、牙や爪、背中の翼などを大きく伸ばしていった。
これぞキングオブモンス・レイオニックバーストである。
「グオオオオオォォォォーー!!」
キングオブモンスは背中の翼を広げて空高く飛び上がり、猛スピードでジャンボキングに激突した。
「ギィゲエエエエエェェェーー!?」
それを受けたジャンボキングは大きくブッ飛ばされて地面に倒れた。流石のジャンボキングもこれまでのダメージに加え、この強烈な攻撃を食らって口から泡を出し、苦痛の鳴き声を出した。
「何をやっているジャンボキング!?さっさと起き上がって奴を攻撃しろ!」
「ギッ、ギィ・・・ギィゲエエエエェェェ・・・!」
「やれやれ・・・誰がどう見ても戦える状態じゃないぜ?」
「黙れ!!こいつは私の道具だ。レイオニクス共を全て倒すまで倒れる事は許さん!さぁ、戦うのだジャンボキング!!」
「・・・・・ハァ~、本当に呆れた奴だ。あんな姿を見せられた戦う気が失せた。それにこれ以上傷つける訳にはいかない。一気に決めるぞキングオブモンス!」
「グオオォォッ!グオオオオオォォォォーー!!」
目の前で行われている奴隷扱いのような酷い仕打ちに俺は呆れつつキングオブモンスに止めを刺すように指示する。キングオブモンスは頷き、ジャンボキング目掛けて『クレメイトビーム』を発射する。
「ギィゲエエエエェェェ~~・・・」
必殺光線を受けたジャンボキングはゆっくり倒れつつ爆発した。但し威力を加減したから死んでなく、すぐギガライブナイザーに回収した。
「痛い事して悪かったなジャンボキング。けど安心しろ・・・もう辛い目に遭わせる事はさせない。だって今日からお前も俺の大切な家族の一員だからな」
回収してギガライブナイザーの中で眠るジャンボキングにそう言った後、俺は頭上の空にある異次元空間の中でこちら見つめている奴を睨み付けながら言う。
「お前が必死に集めた軍団は全て俺の仲間になったぜ。思惑が外れて残念だったな・・・ヤプール!」
異次元空間に潜む者の正体、それはかつて地球侵略を企み、様々なウルトラマン達と戦いを繰り広げた異次元超人巨大ヤプールであった。
何故彼がクロウ達を襲うのか?実は彼の種族は数万年前にレイブラッドによって全滅しかけた事があった。その復讐を果たす為クロウ達レイオニクスを抹殺しようしたのだ。
「ぬぅーーっ!おのれ、おのれ、オノレェェ!!忌々しいレイオニクス共め!!」
ヤプールは全身からマイナスエレルギーを放ちながら怒りと殺気が籠った眼で俺を睨み付け、怨念が込められた邪声が周りに響いた。
その声は目の前にいるクロウだけでなく、戦いを終えてそれぞれ相棒怪獣を回収してから駆けつけに来たレイやリーシャ達、ペンドラゴンにいるZAPのメンバーにも聞こえて背筋を震わせた。
「何だアイツは!?」
「アイツは異次元人ヤプールと言って超獣を生み出した存在で宇宙の悪魔とも言われている奴よ!」
「へぇ~、宇宙の悪魔ね。随分と御大層なネームを持っているな」
「あぁ、その上執念深い性格だからしつこいんだよ。面倒くさい奴が現れたものだ」
「クロウ様大丈夫かな(汗)」
初めてヤプールの名を聞くレイとカイザーにリーシャとグランデが教え、グロラスがクロウの身を心配している間、俺は後ろにいる5人を守るように前に出てヤプールと真正面から対峙した。
「よく聞けヤプール!お前がどんなに強い超獣や怪獣を出してきても俺と怪獣と仲間達の前では無意味だ!!」
「黙れ!!我が怨念の力を甘く見るな!それならばこの場で最も強いレイオニクス・・・貴様を最優先で抹殺してやる!今に見ておれ!ヌハハハハハッ!!」
そう言ってヤプールは異次元空間の中に消えて行った。
「ヤプールに最優先で抹殺対象にされるとは・・・本当に面倒くさい・・・」
俺が疲れる様にため息をついた後、後ろにいたレイとリーシャとグロラスが心配そうな表情をしながらやって来た。
「クロウさん!大丈夫ですか!?」
「ああ、大丈夫だよリーシャ」
「だがヤプールは宇宙の悪魔と言われている相手だろ?本当に大丈夫なのか?」
「このままだと確実に何か仕掛けてくるんじゃ・・・?」
「フフ、レイ。グロラス。お前達も心配してありがとうな。けど心配無用だ。俺には怪獣達やお前達頼れる仲間もいる」
そう言うとレイ、リーシャ、グロラス、そしてギガライブナイザーの中にいる怪獣達が嬉しい表情になったり、鳴き声を上げたりした。
その様子を見ていたグランデ達が呆れた表情で話し掛けてきた。
「おいおい怪獣王様よ。随分と余裕じゃねぇか?」
「あのヤプールとか言う悪魔に狙われているのによ~~」
「フッ、お前達も心配してくれるのか?だがさっき言った通り俺の事なら心配無用だ。ところで俺達の戦いの続きだがどうする?今からやるか?」
「・・・・・いや、止めておくわ。今日は流石に疲れたし、邪魔者をブッ飛ばしてスカッとしたしよ」
「それにお楽しみは最後まで取っておくものだ。お前らとの熱いバトルをな!じゃあな、レイ、怪獣王、それから・・・可愛いお嬢ちゃん!」
「あれ?俺は!?」
そう言ってグランデ達はそれぞれの宇宙船に乗って立ち去って行った。途中グロラスが騒いでいたけどな。
その後俺達もそれぞれの宇宙船・・・ではなく、ペンドラゴンに集まった。何やらレイが話したい事があると言うのだ。
「クロウ、ボス、皆・・・俺はこの星に残りたいと思う」
「レイ!?」
「何故残りたいんだ?」
レイの言葉にヒュウガ達は驚き、俺が皆の代表で訊ねる。まぁ、俺は理由を知っているけど・・・。
「この星でレイオニクスバトルが続く限り、いずれ宇宙を支配するレイブラッドが復活してしまう。俺はそれを阻止するつもりだ」
「平和の為に戦うという訳か」
「だったら・・・俺も戦うぞレイ!」
「私もこの星に残って貴方と一緒に戦うわ!」
「僕も同じだよ。此処ならまた怪獣の研究もできるしね!」
ペンドラゴンのメンバーが次々と残ると言った後、レイは視線をゆっくりと俺達の方に向ける。
「安心しろレイ、俺もこの星に残るつもりだ。仲間を見捨てるような真似、そんな事は絶対にしない!(それにレイブラッドを倒し、奴の力を手に入れたいしね)」
内心恐ろしい悪巧みを考えつつ、俺もこの星に残ると宣言する。
「クロウさんが残るなら私も残ります!」
「我等モクロウ様ト同ジ道ヲ進ンデ行キマス!」
「俺も同じです。クロウ様に一生付いて行きます!」
「皆・・・」
最愛の怪獣・エレちゃんを回収できて嬉しい気持ちを隠せないリーシャや新しく仲間になったグロラス、側近のジェロニモン達も賛同してくれた事にレイはとても嬉しそうだった。
こうして俺達はさらに強い力と結束を手に入れて戦い続けるのであった。
【大怪獣バトルファイル】
異次元超人 巨大ヤプール
異次元世界の支配者で超獣達の生みの親。ウルトラシリーズ最凶の悪魔と言われる程の最も有名な悪役で、バルタン星人と並ぶウルトラマン達の宿敵だ。
今の巨大ヤプールの姿は、全ヤプール人が合体・巨大化した姿で、全身が赤く肩に鋭い無数の棘が生えており、右手先端の鎌が特徴である。
主な武器は右手の鎌から発射する様々な光線や火炎放射、異次元空間移動である。
過去にレイブラッドによって全滅寸前までやられた事があって、その為にレイブラッドを恐れている。そして彼が復活しないように全てのレイオニクスを抹殺しようとしている。
現在最もレイブラッドに近い力を持っているクロウを最優先に抹殺しようと考え、異次元空間の中で究極超獣を復活させたり、異世界の怪獣を多く集めている!?
クロウと直接対決の日も近い!