俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

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またまた始まりました怪獣祭り!
レイブラッドを恐れ、憎む異次元人が呼び出した異次元軍団にクロウ達レイオニクス軍団が挑みます。
今回は話が結構長くなってしまったので、2つに分けました。後編も近日中に投稿します。
感想と評価をお待ちしております。

最強合体獣キングオブモンス、宇宙超怪獣キングギドラ、超合体怪獣グランドキング
古代怪獣ゴモラ、宇宙怪獣エレキング(EXエレキング)
超古代狛犬怪獣ガーディー、巨蛾モスラ(モスラ・レオ)
キール星人グランデ、X星人カイザー、暴君怪獣タイラント、宇宙隕石怪獣モンスターX
虚空怪獣グリーザ、円盤生物ブラックエンド、吸血怪獣ギマイラ
魔王ヤマタノオロチ、大悪獣ギロン、フィンディッシュタイプビースト・イズマエル
超遺伝子獣ギャオス・ハイパー、シビルジャッジメンター・ギャラクトロン
最強超獣ジャンボキング、一角大魔獣ジャルム   登場



第27話 レイオニクス軍団VS異次元軍団 前編

ペダン星人の襲撃を切り抜け、最強のレイオニクスのグランデとカイザーと戦っていた時に異次元空間から現れた10体の怪獣軍団。

円盤生物ブラックエンド、吸血怪獣ギマイラ、タコ怪獣ダロン、魔王ヤマタノオロチ、一角大魔獣ジャルム、大悪獣ギロン、超遺伝子獣ギャオス・ハイパー、フィンディッシュタイプビースト・イズマエル、シビルジャッジメンター・ギャラクトロン、最強超獣ジャンボキングと全員が数多くいる怪獣達の中で上位クラスの力を持つ猛者である。

 

そんな怪獣達に向かって走り出し、激しく行われると思う戦いに挑むのは6人のレイオニクス達が操る怪獣軍団。

キングオブモンス、キングギドラ、グランドキング、ゴモラ、エレキング、ガーディー、モスラ・レオ、タイラント、モンスターX、グリーザの数々の戦いを制して来た強豪怪獣達だ。

そんな彼らにクロウが的確な指示を出そうとした時、隣にいたリーシャとレイが訊ねてきた。

 

 

「ところでクロウさん、後ろにいる奴の事ですが・・・」

 

「いつまであのままにしておくつもりだ?」

 

「流石に2人とも気付いていたか」

 

 

戦いの場であるからと言う事もあるが、2人とも良く周りの状況に注意している。まぁ、グランデ達も気づいているみたいだから気配を察知する事くらい簡単か。それに同じレイオニクスとは言え、仲間である訳ないから警戒するのは当たり前だし。

 

 

「おーい!いい加減出て来たらどうだ?」

 

 

俺が大声で少し離れた大岩の陰に隠れている者に出て来るように言う。レイやリーシャ達が警戒する中、大岩の後ろから怪獣に似た宇宙人がすぐに出て来た。素直に出てくるとは思っていなかったからこれにはちょっと驚いた。

その宇宙人は出てきた途端に走り出して俺の前で跪いた。

 

 

「はじめましてモンスターキング・クロウ様!俺はねこ舌星のレイオニクスで、名前はグロラスと言います!!」

 

「グロラス?グロストではないのか?」

 

「!!父の・・・父の名を知っているのですか!?」

 

 

どうやら彼はかつて地球にやって来た星人の子供の様だ。

俺がグロストの事について話すとグロラスは感動のあまりその場で泣き始めた。けど涙が体から放たれる冷気によって石ころのように凍って落ちていたけどな。

 

 

「うぅ・・・まさかクロウ様が父の事を知っているとは!」

 

「嬉しい気持ちは分かるが、今は戦いの時だ。お前とお前の相棒の力、此処で見せてみろ!」

 

「はっ!お任せよ!」

 

涙を拭いて元気よく返事をしたグロラスは、腰に付けてあったバトルナイザーを取り出して怪獣を召喚した。

 

 

「出てこい!ラゴラス!」

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

「ピュアアアアアアッ!!」

 

 

出てきた怪獣は青白い体にどことなくゴモラに似ている感じの冷凍怪獣ラゴラスである。なかなか良い面構えをしている怪獣だとクロウが思っている中、グロラスは高く咆哮を上げるラゴラスに目の前で行われている戦いに行って、キングオブモンス達に加勢するよう指示を出す。

 

 

「ピュアアアアアアッ!!」

 

 

命令を聞いたラゴラスはすぐさま走り出し、既に戦っているキングオブモンス達の手助けに向かうのであった。そしてクロウ達は、それぞれ自分の怪獣達に指令を出すのであった。

此処で、様々な怪獣達が激突し合っている戦場の状況を詳しく解説しよう。

 

 

まず最初はゴモラ&エレキングVSギマイラ&ダロンで、ゴモラとギマイラは己の自慢の武器である角を突き出しながら正面からぶつかった。

 

 

 

ドッゴオオオォォォン!!!

 

 

 

「ギシャアアァァ~~~!!」

 

「ギィエエエェェェ~~~!!」

 

 

両者の角と角がぶつかり合った瞬間、辺りに大きな音と衝撃波が起きた。だがどちらの角も折れず、そのまま押し合いになる。それを見たダロンは主であるギマイラに加勢しようと両腕の長い触手をゴモラ目掛けて振って不意打ちを仕掛ける。

 

 

「キイイイィィィ!!」

 

「ピギュウゥゥッ!?」

 

 

しかしそうはさせじとエレキングが間に入り、長い尻尾を触手に巻き付けた。

不意打ちが失敗した事に苛立ちつつ、自分の両腕の触手に巻き付いているエレキングの尻尾を振り払おうとダロンは高圧電流を流し込んだ。だがそれはエレキングにとって最高のご馳走だった。

 

 

「キイイイイィィィ~~♪」

 

「ピギュウゥゥ~~!?」

 

 

自分の高圧電流を食らったのに喜んでいるエレキングを見てダロンは驚き、如何して攻撃が効かないのか理解できずオロオロしてしまう。元が蛸だけにそれ程知能はない様だ。

 

 

「よし!お返ししてやれエレキング!」

 

「キイイイィィィッ!!」

 

 

混乱しているダロンにエレキングは尻尾を引っ張って体勢を崩した後、口から先程得た電流も加えた『放電光線』を放つ。慌てて立ち上がったダロンだが、通常よりも威力の上がった『放電光線』を受けて全身黒焦げになる。そして茹蛸の様に触手を丸めながら倒れた。

 

 

「ギ、ギィエエエェェェッ!?」

 

 

ダロンが倒される様はゴモラとギマイラも見ており、自分の手下があっさり倒れた事に動揺したギマイラは一瞬力を抜いてしまう。その一瞬の隙をゴモラは見逃さなかった。

 

 

「ギシャアアアアァァァーーー!!」

 

 

踏ん張っていた足腰に力を込めて勢いよくギマイラの角を押し上げた後、ゴモラはそのままギマイラの腹に角を突き刺して『超振動波』を食らわせる。

そのまま倒せると思ったが、途中ギマイラがゴモラの角を掴んで無理矢理引き剥がし、口から攻撃用の白い霧を浴びせて怯ませる。そして再び角を掴んでこちらに向かっていたエレキング目掛けて投げ飛ばした。エレキングは投げ飛ばされたゴモラを受け止めようとするが耐えられず、一緒に倒れてしまった。それを見てギマイラは愉快そうに鳴き声を上げる。

やはりギマイラはそこらにいる怪獣とは力の差が違った。かつてウルトラマン80をエネルギーが完全ではない状態で追い詰めた程で、この個体もそれに相応しい力を持っているようだ。

 

 

「負けるなゴモラ!エレキング!」

 

 

しかしゴモラとエレキングもやられたままではない。レイに励まされるとすぐに立ち上がる。

するとエレキングが急に雄叫びを上げると自身の体に電気を纏わせながら強く光り始めた。

 

 

「どうしたエレキング!?」

 

 

突然の事にレイが驚く間もエレキングは光り続け、その眩しさにレイやゴモラ達は目を閉じてしまう。そして光が止んで目を開くとそこには姿が大きく変わったエレキングがいた。

頭部はそのままだが手足が無くなり、体が蛇のようになっていた。これぞレイの覚醒でゴモラが強化変身したようにエレキングがパワーアップした形態・EXエレキングである。

 

 

「エレキングがゴモラみたいに強化されたのか・・・よし!ギマイラを倒せ。ゴモラ!EXエレキング!」

 

「ギシャアアアアァァァーーー!!」

 

「ギイイイイィィィーーー!!」

 

 

エレキングがパワーアップした事に喜びつつ、レイは2体に攻撃するよう命じた。

2体は同時にギマイラに向かって行き、EXエレキングが長い体でギマイラに巻き付いて電撃を浴びせて攻撃しながら動きを止める。その隙をついたゴモラが渾身のパンチや角で攻撃すると言った連係プレーで攻める。

 

 

「ギィエエエェェェーーッ!!」

 

 

2体の連係プレー攻撃にギマイラは徐々に押され始めた。相手の一方がパワーアップした上に身軽な攻撃の前ではいくらギマイラでも手も足も出ないようだ。

それでもギマイラは怯まず、ゴモラ達を一気に倒そうと角から破壊光線を放ち、さらに口から白い霧を吐いた。しかし2体は素早い動きで避け、そのまま同時に尻尾を振ってギマイラを大きくブッ飛ばした。

 

 

「止めだ!ゴモラは超振動波!EXエレキングはライトニングテールラッシュだ!」

 

「ギシャアアアアァァァーーー!!」

 

「キイイイィィィッ!!」

 

 

大きくブッ飛ばされてグロッキー状態のギマイラにレイは止めの命令を出した。

指示を聞いたEXエレキングが電気を帯びた尻尾を連続で叩き付ける技『ライトニングテールラッシュ』でギマイラの体を攻撃して空高く打ち上げた後、ゴモラが落ちて来るギマイラの頭部目掛けて『超振動波』を放った。

何の抵抗もできずに2体の必殺技を食らって地面に落ちたギマイラは角が折れ、口から黒霧を弱々しく吐きながらその場に倒れた。

戦いに勝利したゴモラとEXエレキングは互いに向き合いながら勝利の咆哮を上げた。

 

 

次の戦いはキングギドラVSヤマタノオロチである。

 

 

「ピギャアアアオオオオン!!」

 

「グギャオオオオオォォォォ!!」

 

 

空高く飛んで素早く動きながら口と翼から『引力光線』と『反重力光線』を放つキングギドラに対し、ヤマタノオロチは8つの首の両目全てから赤い稲妻状の破壊光線『覇帝紅雷撃』を一斉に放つ必殺技『覇帝紅嵐舞』と口から超高熱の『高熱火炎』を吐いて応戦する。

技と技がぶつかって空中で激しい爆発がいろんな所で起きる。どちらも能力的に負けておらず勝負は互角・・・かに見えたが、そんな事はなかった。

 

 

「ピリリリ!カラカラ!」

 

「グギャオオオオオォォォォ!?」

 

 

技同士がぶつかった事で周りの視界が見えなくなるほど発生した黒煙の中をキングギドラは飛び続けた後、ヤマタノオロチの背後に回ってそのまま急降下キックを食らわせた。

黒煙で周りの状況が分からなかった上に相手のスピードが自分より遥かに上回っていた事でヤマタノオロチは避けられず、8つの顔と体を地面に叩きつけられてしまった。

 

 

「グッ・・・グギャオオオオオォォォォ・・・」

 

 

起き上がろうとするヤマタノオロチだが先程の急降下キックが効いたのか、なかなか起き上がれずにいた。そしてその隙をキングギドラは見逃さなかった。

 

 

「ピギャアアアオオオオ!!」

 

 

地上に降りた後キングギドラはヤマタノオロチの2つの首を踏み付けた。かつて自分が怪獣王にやられたように何度も強く激しく踏み付けるから堪ったもんではない。

ヤマタノオロチは悲鳴を上げながら残っていた6つの首を伸ばし、キングギドラの体に噛み付いて必死に抵抗する。だがそれは逆効果であった。

 

 

「ピギャアアアオオオオ!!」

 

 

 

ドッガアアアアン!!ドサッ!ドサッ!ドサッ!

 

 

 

「グギャッ!?グギャオオオォォォーー!!」

 

 

体に噛み付いて来たヤマタノオロチの首にキングギドラは容赦なく『引力光線』を食らわせる。それを食らったヤマタノオロチの6つの首の内、3つの首が爆発してそのまま首がはじけ飛んで地面に落ちてしまった。当然ヤマタノオロチは先程よりも痛々しい悲鳴を上げ、首を激しく動かして悶えた。

しかし、前にも言ったようにキングギドラに慈悲と言う言葉はない。

 

 

「カラカラ~!ピギャアアアオオオオ!!」

 

 

悲鳴を上げるヤマタノオロチを冷たく睨み付け、愉快に笑うような鳴き声を上げた後キングギドラは再び『引力光線』と『反重力光線』を同時に放った。

光線はヤマタノオロチの首と体に命中し、それによりヤマタノオロチは全身から血を噴き出し、残っていた首が踏み付けられている2つを残して全てはじけ飛んでしまった。

 

 

「グッ・・・グギャ・・・オオオォォ・・・」

 

 

凄まじい光線を受けたヤマタノオロチは全身ボロボロになり、2つの口から血を吐き出しながらその場に倒れた。それを見たキングギドラは満足そうに勝利の咆哮を上げた。

 

 

それでは次なる戦いは、モンスターX&グリーザ&タイラントVSジャルム&ギロン&イズマエルのグループバトルだ。

 

 

「行けタイラント!あのごちゃ混ぜ野郎をブッ飛ばしてしまえ!」

 

「モンスターXはあの一本角ちゃんを!グリーザは隣の包丁怪獣を倒せ!」

 

「ギィガアアアアアァァァッ!!」

 

「グガアアアアァァァッ!!」

 

「フェッフェッフェッフェッフェッ・・・!!」

 

 

「ガアアアアァァァッ!!」

 

「グオォーー!!」

 

「ギャアアァァグオオオォォォーー!!」

 

 

グランデとカイザーの指示に従ってモンスターX達はそれぞれ自分の相手に向かって突撃した。

 

 

「グガアアアアァァァッ!!」

 

「ガアアアアァァァッ!!」

 

 

ギロンとイズマエルが一直線にグリーザとタイラントに向かって激突する中、ジャルムだけはじっくりと自分の相手を観察した。

自分に向かって来るモンスターXは、自分より体の大きいだけでなく3体の中で一番強い雰囲気を漂わせている。好戦的な性格のジャルムにとって、歯ごたえがある奴を潰せることに喜び感じ、薄く笑い出した。

そして咆哮を上げながら自分も走り出し、モンスターXと真正面から組み合う。そして両腕の筋肉を全開にし、物凄い力で持ち上げて投げ飛ばした。しかし、モンスターXは空中で回転し華麗に着地する。

 

 

「ガアアアアァァァッ!!」

 

 

それならばとジャルムは両下椀部に付いている皮膜翼を広げて空高く飛び上がり、滑空しながら体を高速回転させ、一本角の頭突き攻撃をして来た。これぞジャルムの必殺技『スピンダイブ』である。

 

 

「グガアアアアァァァーーッ!!」

 

 

強烈な技が迫る中、モンスターXは慌てずにその場で回転しながら大きくジャンプする。そしてジャルムの角が当たる寸前に彼の顔にキックをした。顔を攻撃された事でバランスを崩したジャルムはそのまま地面に思いっきり激突してしまった。

 

 

「グヴヴッ・・・!ガアアアアァァァッ!!」

 

 

すぐに起き上がったジャルムだが無様に地面に激突された事に激しく怒り、全身に赤い模様を浮かび上がらせながら咆哮を上げる。するとその咆哮にギロンが気がつく。

グリーザと互角に戦い合っていたギロンは、ジャルムが苦戦しているのを見て加勢しようとする。怖い顔の割には仲間思いの強い怪獣のようだ。

 

 

「グオォーー!!」

 

 

ギロンは頭部に付いている手裏剣を飛ばしてグリーザの胸のコアに命中させる。そしてグリーザがコアに深く突き刺さった手裏剣を外している隙に、頭部の刃物を構えてモンスターX目掛けて飛び掛かった。

 

 

「フェッフェッフェッフェッフェッ・・・!!」

 

「グオォッ!?」

 

 

あわや刃物が突き刺さると思った時、グリーザが両腕から電撃の鞭を伸ばしてギロンの体に巻き付けて引っ張った。それにより間一髪ギロンをモンスターXの一歩手前の地面に落とせた。電気に耐えながら必死に鞭を振り払おうとするギロンだが、痺れで体が上手く動かせない為なかなか外す事ができなかった。

 

 

「グガアアアアァァァーーッ!!」

 

「アッハッハッ?フェッフェッフェッフェッフ・・・!!」

 

 

すると2体のやりとりを見ていたモンスターXがある作戦を思い付き、グリーザに話し掛ける。作戦を理解したグリーザは頷き、ギロンの体に巻き付いたままの電撃の鞭を大きく引っ張って振り回し始めた。

 

 

「グオォ~~~」

 

 

身動き取れない上に電撃のダメージを食らい続ける状態で何度も振り回されたギロンは、意識が朦朧して遂に動けなくなってしまった。グリーザがギロンを振り回している間、モンスターXはジャルムに素早く接近してパンチやキックなど格闘技でダメージを与えて怯ませた後羽交い締めにする。

それと同時にグリーザがギロンをジャルム目掛けて振り落とした。

 

 

 

ガッキイイイィィィン!!!

 

 

「ガアアアアァァァッ!?」

 

 

振り落とされたギロンの刃物がジャルムの一本角に激突する。それによって一本角は激しい音と共に切り落とされた。ジャルムは自慢の角を失い、後から来る痛みによって悲鳴を上げる。しかし、モンスターXは攻撃を止めるつもりはなく、羽交い締めしたままジャルムを離そうとしなかった。また、グリーザも同様で倒れたまま動かないギロンを地面に突き刺して動けなくしてから解放し、今度は両腕の爪でジャルムの両下椀部に付いている皮膜翼を『超振動波』で破壊した。自慢の武器を次々と破壊され、激しいダメージから悲鳴を上げるジャルムに2体はさらなる攻撃を仕掛けるのであった。

 

 

モンスターXとグリーザが優勢に戦いを繰り広げていた頃、タイラントはイズマエルと互角の攻防を繰り広げていた。

 

 

「ギィガアアアアアァァァッ!!」

 

「ギャアアァァグオオオォォォーー!!」

 

 

タイラントが左手の鉄球から鎖を伸ばして攻撃すれば、イズマエルは左腕のゴルゴレムの管状の口吻『ゴルゴレムプロボセス』で受け止める。次に右手の鎌で切り裂こうとすれば、右腕のノスフェルの鋭い爪で受け止める。

次にイズマエルが反撃とばかりに右腕から赤い花粉を噴射すれば、タイラントはお腹の口で吸収し、逆に口から『冷凍ガス』を噴射して攻撃した。

強力な冷気に耐えたイズマエルは、タイラントを押し退かせて距離を取り、グランテラの長い尻尾を振り回して攻撃する。だがタイラントも同じく尻尾を振り回して攻撃を打ち消し合う。

お互いに様々な怪獣が合体・融合して誕生した者同士だ。ここまで互角の戦いを繰り広げている以上、勝負は長く続きそうだと誰もが思った。

だが両者には1つだけ違う点があった。それはタイラントに優れた主人(グランデ)がいる事だ。

 

 

「タイラント!もっとお前の本気見せてやれ!」

 

「ギィガアアアアアァァァッ!!」

 

 

グランデは励ましながらネオバトルナイザーを掲げてレイオニクスの力を込める。それによりタイラントはブレイブバースト状態になってパワーアップし、再び両手の鎌と鉄球で攻撃した。それを見てイズマエルは防ごうと両手を前に出すが・・・。

 

 

「グギャアアゥゥピュエエェェグガアアァァーー!?」

 

 

パワーアップしたタイラントの攻撃は絶大で、鉄球でノスフェルの鉤爪を叩き折り、鎌でゴルゴレムの剣状部分を切り落とした。両手を破壊されたイズマエルは後退しながら悲鳴を上げる。

この時イズマエルは今までとは別の鳴き声を上げている。これについては最初に言ったようにイズマエルはタイラントと同様に様々なスペースビーストが合体して誕生した最強のスペースビーストだ。だがタイラントとは違ってイズマエルの体には合体したスペースビースト達の顔面が分かりやすいくらい存在している。その為それぞれの顔部分にダメージが入るとその部分の顔から鳴き声が出るのだ。

 

 

「ギャアアァァグオオオォォォーー!!」

 

 

暫く悲鳴を上げていたイズマエルだったが、痛みに耐えて今度は怒りの咆哮を上げた。そして口と体中の顔から必殺光線を放とうするが・・・。

 

 

「タイラント!アロー光線とハイブリッドヘルサイクロンを同時発射だ!」

 

「ギィガアアアアアァァァッ!!」

 

 

イズマエルの攻撃よりも早くグランデが指示を出し、タイラントは『ハイブリッドヘルサイクロン』とイカルス星人の耳から『アロー光線』を同時に放つ。2つの強力な必殺光線が同時に命中し、イズマエルは光線を受けたまま吹き飛ばされていった。

その光景をカイザーは口笛を吹きながら見ていた。

 

 

「グランデもやるね~~!ならこっちも終わらせるぜ!」

 

「グガアアアアァァァーーッ!!」

 

「フェッフェッフェッフェッフ・・・!!」

 

 

あれからずっと攻撃し続けていたジャルムに止めを刺すべく、カイザーはモンスターXとグリーザに必殺技を出すよう命じた。

モンスターXは3本の頭部の赤眼からゴジラの熱線と同じくらい威力を持つ引力光線『デストロイド・サンダー』を発射し、グリーザは胸部のコアから暗黒落雷『グリーザダークライトニング』を発射した。

 

 

「ガアアアアァァァッ!?」

 

 

散々攻撃され続けてボロボロな上にグロッキー状態のジャルムに2体の必殺光線を耐えられる訳がなく、光線が命中すると火花を散らしながら大きく吹っ飛んで行く。そしてそのまま同じように吹っ飛んできたイズマエルと激突した。2体は重なり合いながらその場に倒れて力尽きるのであった。

ギロンが戦闘不能状態もあって、戦いに勝利した3体は一斉に勝利の咆哮や雄叫びを上げるのであった。

 

 

だがまだ戦いは終わっていない。さらなる激闘の大怪獣バトルが続くのであった。

 




【大怪獣バトルファイル】
EXエレキング


レイの手持ち怪獣であるエレキングが、ゴモラと同じようにレイの覚醒の影響で変身した強化形態。
頭部はそのままだが手足が無くなり、蛇のような姿が特徴である。
主な武器は電気を帯びた長い尻尾を連続で叩き付ける『ライトニングテールラッシュ』と電気を帯びて体当たりする『ライトニングタックル』である。
見た目から分かるように動きが素早くなっていて、地中や水中でも同じ速さで動ける。そして敵の動きを封じる事を得意としているからゴモラのサポートに回る事が多い。

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