俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

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お待たせしました。
今回は前半オリジナルで、後半から原作に入っていきます。そしてタイトル通りあの人が暴走してます。果たしてクロウ達は彼を止められるのでしょうか?
結末が気になる方は是非読んでください!感想と評価をお待ちしております。

暴竜アンギラス、蛾超獣ドラゴリー、超古代狛犬怪獣ガーディー、剛力怪獣シルバゴン
巨蛾モスラ(モスラ・レオ)、古代怪獣ゴモラ(レイオニックバースト)
怪獣酋長ジェロニモン、宇宙超獣トロンガー、地底ロボット・ユートム
大宇宙ブラックホール第三惑星人(RB)、ロボット怪獣メカゴジラ、恐竜怪獣チタノザウルス
反重力宇宙人ゴドラ星人兄弟(RB)、兄怪獣ガロン、弟怪獣リットル
岩石怪獣サドラ、戦闘円盤ギガ・ロボフォー   登場



第24話 暴走の再会

皆さん、こんにちは。モンスターキング・クロウです!

今俺はギガ・ロボフォーの外で家族である怪獣達と一緒に青い空の下でのんびり・・・。

 

 

「クロウさん!こんな大変な時に言っているのですか!?」

 

「冗談だよリーシャ」

 

 

・・・していません。俺達は今まさにレイオニクスバトルを行うとしているところです。

レイを探している途中また他のレイオニクスに遭遇した。いや、今回は少し違う。そのレイオニクス達は明らかに俺達の事を待ち伏せしていたのだ。乗っていたギガ・ロボフォーが奴らの宇宙船によって全機能を停止させられ、俺とリーシャを外に誘い出すとすぐさまバトルを仕掛けて来た。

俺が戦う相手はそいつらのリーダー的な者で、操る怪獣は最強の怪獣王ゴジラをモデルに作られ、全身が宇宙特殊鋼スペースチタニウムでできて、左腕に“MGⅠ・Ⅱ”の文字が入っているロボット怪獣メカゴジラ(見た目は昭和版の2号機)と毒々しい色に頭から背中に深海魚の様なトサカとヒレがあって、長い首が特徴の恐竜怪獣チタノザウルスだ。

そしてレイオニクスの正体だが、見た目は地球人と同じ姿をして銀一色のコスチュームとヘルメットを装着している。確か・・・どこかで見た事がある。

 

 

「そうだ思い出した・・・お前、大宇宙ブラックホール第三惑星人のレイオニクスだな?」

 

「ほぉ、私の事を知っていたか。その通りだ。お前にこのムゲーロ様が操る怪獣達を倒せるか?」

 

 

どうやらアイツには個体名があるようだな。珍しいと思いつつ懐から煙草を出して吸いながら挑発してくる事に苛立ちを覚える。俺も舐められたものだ。

 

 

「その余裕の顔、すぐに変えてやるよ。行け!アンギラス!ドラゴリー!」

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

「クオオオオオォォォォン!!」

 

「ギョオロロロロッ!!」

 

 

今回召喚したのはアンギラスとドラゴリーだ。なぜ自分を出さないのかとギガライブナイザーの中で騒ぐ怪獣達を抑えつつ2体を見る。

久しぶりに戦える事にドラゴリーは喜びの声を上げるが、アンギラスは違った。メカゴジラを射殺さんくらいに睨み付けている。もしかして・・・かつて富士山で戦った時の記憶が残っているのか!?

 

 

「もしそうならばリベンジマッチだ。アンギラスはメカゴジラを!ドラゴリーはチタノザウルスを倒せ!」

 

「クオオオオオォォォォン!!」

 

 

クロウが指示を出した瞬間、アンギラスはメカゴジラ目掛けて突進した。

それにつられてドラゴリーも両腕を振るって走り出す。

 

 

「愚か者め、メカゴジラ!チタノザウルス!奴らを片付けてしまえ!」

 

「キシャアアアアアァァァッ!!」

 

「パオッ!パオォーーッ!!」

 

 

(BGM:メカゴジラのテーマ)

 

 

対するムゲーロもメカゴジラとチタノザウルスに迎え撃つように指示を出す。メカゴジラは指を前に出して機械音を出しながら歩き、チタノザウルスは首を振りながら咆哮を上げて走り出す。

今此処にアンギラス&ドラゴリーVSメカゴジラ&チタノザウルスの戦いが始まった。

 

 

それと同時に近くの戦場にいるリーシャの方もレイオニクスバトルが始まろうとしていた。彼女の相手は黒い鋏状の手が特徴の反重力宇宙人ゴドラ星人(RB)達だ。何故複数形なのだって?実はこのゴドラ星人(RB)は2人いて、しかも仲の良い兄弟であった。

 

 

「フハハ、我々ゴドラ兄弟に女である貴様が勝てると思っているのか?」

 

「レイブラッドの後を継ぐのは僕らなんだから!」

 

「はぁ・・・どうして私の相手はいつもあんな奴らばかりなんだろう」

 

 

自信満々のゴドラ兄弟を見てリーシャはため息をつく。前に戦ったバルキー星人と同じで彼らもかなりの自信家のようだ。そんな性格のレイオニクスを相手にするのは本当に疲れる。

だけど降伏する気も負ける気も全くない。さっさと終わらせて愛するクロウに褒めてもらい、甘えさせてもらうと少し邪な思いを浮かべながらリーシャはネオバトルナイザーから全ての相棒怪獣を召喚する。

 

 

「行きなさい。ガーディー!シルバゴン!モスラ!」

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

「ガウウウゥゥゥッ!!」

 

「ゴシュイイイィィィィィ!!」

 

「ピュアアアアァァァ!!」

 

 

召喚された3体はやる気十分に咆哮を上げる。しかしゴドラ兄弟は目の前に現れた強豪怪獣達を見ても余裕の表情を変えない。

 

 

「なかなかの強さを感じるな。では俺達も怪獣を出すとしよう。行くぞ弟!」

 

「うん!」

 

 

兄弟は同時にバトルナイザーを取り出してそれぞれ怪獣を召喚する。

兄が操る怪獣は自分達と同じで兄弟怪獣のガロン&リットルで、弟が操る怪獣は岩石怪獣サドラである。3体の怪獣達は自慢の武器である鋏を鳴らせてガーディー達と対峙する。

そして一瞬強く風が吹いたのを合図にお互いに動いてぶつかり合った。

 

 

「ギャイイイィィィーーッ!」

 

 

ぶつかり合ってから距離を取ったサドラが、ガーディーとモスラに向けて両手の鋏『重層ベローズピンチ』を放つ。そしてガロンとリットルも同じように離れて、それぞれ口から『火炎放射』と『ロケット弾』を放ってシルバゴンを攻撃した。

 

 

「ピュアアアァァ!!」

 

「ガウウウゥゥゥッ!ガブッ!!」

 

 

しかしサドラの攻撃をモスラは素早く避け、ガーディーは受け止めた後腕に思いっきり噛み付いた。噛み付かれたサドラは悲鳴を上げて残った鋏を使って引き離そうとするが、それを見たモスラが『超音波ビーム』で攻撃してガーディーを援護した。

モスラの攻撃で怯んだサドラの腕を噛み続けていたガーディーはようやく口を離して、今度は両手でサドラの腕をがっしり掴んでその場でジャイアントスイングをして投げ飛ばし、さらにサドラの腹目掛けて何度も尻尾で叩いてダメージを与えた。

次に兄弟怪獣の攻撃を受けたシルバゴンだが、あれ程の火力を受けても全く傷を負っていなかった。

 

 

「ゴシュイイイィィィィィ!!」

 

 

逆に攻撃を受けて闘志を燃やしたシルバゴンはガロンとリットルに接近して、顔や体に何度もパンチを浴びせた。剛腕を用いたパンチを受けてガロンとリットルは悲鳴を上げる。

しかし好戦的な性格である兄弟怪獣に逃げると言う選択肢はなく、また主である兄のゴドラ星人(RB)からも「怯むな!戦え!」と指示を受けて2体は反撃に出た。

 

 

「「ギシャアアアアァァァッ!!」」

 

「グオオォ?ゴシュイイイィィィ!」

 

 

痛む体を動かしてシルバゴンから再び距離を取ったガロンとリットルは、左右に別れてシルバゴンを挟み撃ちにした。そしてガロンが頭部の1本角で突き刺そうと走り出した。それを見てシルバゴンは不思議に思って首を傾けながらも両手で簡単に角を掴んで押さえ込んだ。

だがそれこそガロンの狙いであった。

 

 

「はっ!シルバゴン後ろよ!」

 

「ギシャアアァァァッ!!」

 

「ゴシュイイイィィィッ!?」

 

 

リーシャの慌てた指示が響いた瞬間、シルバゴンは何かに尻尾を引っ張られて倒れてしまった。

そして掴んでいた角を離してしまった為、自由の身になったガロンに頭を何度も踏まれたり、蹴られてしまった。攻撃を受けつつもシルバゴンが後ろを振り向くとリットルが鋏で尻尾を強く挟みながら力強く後ろに引っ張って動きを封じていた。それを知ってリットルを攻撃しようとすればガロンが攻撃して気を散らす。ガロンを攻撃しようとすればリットルが尻尾を引っ張って攻撃を防ぐ。

兄弟だけになかなかのコンビネーションだ。

 

 

「あの2体・・・姿が似ていると思っていたけどやっぱり兄弟だったのね!」

 

「フハハ、その通りだ。ガロンとリットルのコンビネーションの前に多くの怪獣達が破れて行ったのだ!」

 

 

冷静に怪獣達の正体を見破るリーシャに兄のゴドラ星人(RB)が笑いながら説明する。並の怪獣よりも絆が深いだけでなく厄介なコンビネーション攻撃。彼の自信はここからあるようだ。

 

 

「確かに良いコンビネーションだけど、私を甘く見ない事ね。シルバゴン!貴方の本気を見せて上げなさい!」

 

「ゴシュイイイィィィーー!!」

 

 

リーシャの言葉を聞いてシルバゴンはガロンの踏み付けを我慢して先程よりも強く尻尾を振り回す。必死に踏ん張っていたリットルだったが、とうとう投げ飛ばされてしまった。

 

 

「ゴシュイイイィィィッ!!」

 

「ギシャアァッ!?ギシャアアアァァァッ!」

 

 

そして素早く立ち上がると目の前にいるガロンに怒りを込めたパンチと頭突きを食らわせ、さらにガロンの頭を掴むとそのまま持ち上げて勢いよく地面に突き刺した。それによりガロンは上半身が地面に埋まって身動きが取れなくなってしまった。

 

 

「ガ、ガロンが!?リットル、早く助け・・・ああぁ!!?」

 

 

ガロンの危機を見て兄のゴドラ星人(RB)は慌ててリットルに助け出すように指示を出すが、リットルの方も危機に陥っていた。空からモスラが『超音波ビーム』と『クロスヒートレーザー』を交互に放って攻撃していたのだ。リットルも『ロケット弾』で応戦するが、空を自由に飛んでいるモスラの方が機動力が高く、そのために1発も当たらず遂にリットルはグロッキー状態になってしまった。

 

 

「ギィ、ギシャアアァ~~・・・」

 

「リットルまでが・・・!?お、弟よ!こちらにサドラw「兄者~~!」うん?」

 

 

自分の怪獣達がこれ以上戦える事ができない状態になった事に信じられず、動揺してしまうが何とか状況を覆そうと弟のゴドラ星人(RB)に加勢を頼もうとする。だがそれよりも早く弟のゴドラ星人(RB)が泣き付いて来た。どうしたのか聞こうとした時、サドラの悲鳴が響いた。

 

 

「ギャイイイィィ~~~!」

 

「ガウウウゥゥゥッ!!」

 

 

振り向いて見るとそこにはガーディーにボコボコにされて地面に倒れていて、もはや虫の息状態のサドラがいた。その光景に兄のゴドラ星人(RB)はさらに慌てふためく。

 

 

「サ、サドラもだと・・・!?」

 

「今度は貴方達が破られる番よ!ガーディー、ゼペリオン光線よ!」

 

「ガウゥッ!ガウウウゥゥーーー・・・ウゥッ!?」

 

 

止めを刺すべくガーディーが相手に『ゼペリオン光線』を放とうとした時、突如横から大量の光線とミサイルが放たれた。それも1発だけではなく、連続で放たれてきたのだ。しかもその攻撃はガーディーだけでなく、シルバゴンやモスラ、さらにサドラ達にさえ攻撃してきた。

 

 

「なっ!?こ、これはまさか!ぐぅぅ・・・ぎゃあああああ!!?」

 

「「ギシャアアアアァァァーー!!」」

 

「ギャイイイイィィィーー!!」

 

 

全員が必死に岩場に隠れたり、防御に徹したりする。だが光線とミサイル攻撃と同時に突風も襲い掛かってきた為にバランスを崩してしまう。

そして激しい攻撃に兄のゴドラ星人(RB)とガロン、リットル、サドラが命中してしまって倒されてしまった。

 

 

「あ、兄者ーーー!?」

 

 

目の前で兄が殺された事に弟のゴドラ星人(RB)は唖然とするが、攻撃が止んだ後すぐに攻撃してきた方向にいるメカゴジラ・・・そして近くにいるムゲーロに怒りを表す。

先程までクロウと戦っていたムゲーロ達は、アンギラスとドラゴリーのタッグによる猛攻に押されてしまった。

勝負に焦ったムゲーロはメカゴジラに切り札を使うように指示を出した。

それは目から放つ『スペースビーム』、鼻先から放射する『デストファイヤー』、両手を回転させて先端の鋭い指を放つ『回転式フィンガーミサイル』、胸部分を開いて発射する『クロスアタックビーム』、両足と膝からミサイルを発射する『ホーミューショット』と『ハイプレッシャーホーミング』と言った全武装による一斉射撃である。

またそれに加えて、チタノザウルスが自信の尻尾を団扇のように開いて突風を発生させ、命中率を上げる為に援護したのだ。

流石のクロウもこの攻撃には手を焼いて、アンギラスとドラゴリーと一緒に防御するしかなかった。

 

 

「フッハハハ!よくやったぞメカゴジラ!チタノザウルス!」

 

 

クロウだけでなく、その仲間達にもダメージを与えられた事にムゲーロは嬉しそうに高笑いする。そんな彼に弟のゴドラ星人(RB)が背後から迫った。

 

 

「一体どういうつもりだムゲーロ!宇宙を分け合って支配すると約束した俺達まで!?」

 

「ハハハ・・・うん?あぁ、お前達・・・そんな所にいたのか?さっさと逃げれば良かったものを・・・愚かな奴め」

 

「き、貴様!!」

 

 

ムゲーロのあまりにそっけない態度に弟のゴドラ星人(RB)はさらに怒り、両手の鋏を尽き出しながらムゲーロに向かって走り出した。しかしムゲーロは慌てず、腰に付けてあった銃を取り出して発砲した。弾はゴドラ星人(RB)の胸に命中し、彼は火花を散らしながら倒れた。

 

 

「あ、兄者・・・無念・・・」

 

 

地面に倒れつつも最後の最後まで抵抗する弟のゴドラ星人(RB)だったが、遂に力尽きてそのまま消滅してしまった。そんな彼の死を見てクロウ達は言葉を失うが、ムゲーロだけは嘲笑った。

 

 

「本当に愚かな奴等め。この宇宙を支配する者は私だけで十分だ!フハハハハッ!」

 

「・・・おい」

 

「ん?何だ?」

 

 

高笑いしていたムゲーロにクロウが話しかける。しかし、今の彼の声から普段の優しい雰囲気ではなく、地の底から聞こえると思うほどの怒りの声だった。いつもならすぐに傍に寄り添うリーシャや怪獣達も恐怖を感じて近寄る事ができないくらいだ。

そんな事は気にせずにクロウは話し続ける。

 

 

「自分の手で殺した仲間の死がそんなに面白いか?」

 

「・・・ふん!そんなつまらない事で怒っているのか?怪獣王と呼ばれている貴様も案外器の小さいものだな」

 

「つまらない事か・・・」

 

 

そう言われた瞬間、クロウの姿が怪人形態へと変わった。初めて見るこの姿にその場にいる全員が驚きの表情になった。

 

 

「王とは下の者達を導き、守るために存在する者!それとは逆に仲間を自分の手で消した貴様の方が器の小さい者だ!!」

 

 

言葉と共にクロウの体から溢れる凄まじく強力な力に真正面に立っているムゲーロは完全に戦意を失いかけた。それでも必死に自分を奮い立たせるよう言い聞かせ、精神と心を保ってメカゴジラとチタノザウルスに攻撃するように命じた。

 

 

「メカゴジラ!チタノザウルス!早く・・・ア、アイツを倒せ!!」

 

「キシャアアアアアァァァッ!!」

 

「パ、パオォーーーッ!!」

 

 

ロボットであるメカゴジラはともかく、チタノザウルスの方は本能でクロウの力に怯えていたが、主の命令を聞いて決意を固めると真っ直ぐ突進攻撃を仕掛けた。

 

 

「アンギラスは暴龍怪九裂弾でブッ飛ばせ!」

 

「クオオオオオォォォォン!!」

 

 

突進攻撃してくるチタノザウルスにアンギラスは、体を丸めて球状になって必殺技の『暴龍怪九裂弾(アンギラスボール)』で体当たりしてブッ飛ばし、そのままメカゴジラにも激突した。如何に頑丈なボディを持つメカゴジラでもクロウの力でパワーアップしているこの攻撃には耐えきれず、激しい火花を散らしながら倒れた。

 

 

「今だドラゴリー!チタノザウルスに止めだ!」

 

「ギョロロロロッ!!」

 

 

真正面から勢いよく『暴龍怪球裂弾(アンギラスボール)』を受けて体に激痛が走り、その痛みに悶えているチタノザウルスにドラゴリーは容赦なく攻撃をする。口から『高熱火炎』を吐き、両眼の『破壊光線』と両腕のロケット弾を放つなどメカゴジラに負けない能力で攻めた。

 

 

「ギャギャアアアァァーーー!!?」

 

 

大ダメージを受けているところに強力な攻撃を食らい、チタノザウルスは悲鳴を上げながら大爆発を起こした。そしてドラゴリーはそのままメカゴジラの方に向かった。

一方メカゴジラは、先程の攻撃で倒れたところに右腕をアンギラスに噛み付かれて動けない上に首部分が故障して内部の機械が正常に機能しないために起き上がれる事もできずにいた。

そんな状態の時にドラゴリーまでもやって来たから大変だ。メカゴジラの体の上に馬乗りになったドラゴリーは体中を何度も両腕で叩きつけてボロボロにした後、左腕を掴んでもぎ取ってしまった。また右腕に噛み付いたままであったアンギラスは、顎に力を込めてそのまま噛み千切ってしまった。

 

 

「メ、メカゴジラが!このままではメカゴジラさえもやられてしまう。こうなれば・・・メカゴジラ!ロケットをフルパワーで噴射!直ちに脱出しろ!」

 

「キシャアアアアァァァッ!!」

 

 

両腕を失った今のメカゴジラでは2体に勝つのは無理だ。そう判断したムゲーロはメカゴジラに戦線離脱を命じた後、急いで宇宙船に乗り込んでこの場から逃げようとする。普通バトルナイザーに戻せばいいのではないかと思うが、恐怖で思考が鈍くなっているムゲーロは一刻も早く此処から逃げたいと言う気持ちしか考えていなかった。

 

 

「逃がすか。アンギラス!もう一度暴龍怪球裂弾だ!ドラゴリー!お前も力を貸してやれ!」

 

「クオオオオオォォォォン!!」

 

「ギョロロッ!ギョロロロロ!!」

 

 

再び体を丸めて球状になったアンギラスをドラゴリーが持ち上げてバレーボールのように勢いよくアタックした。アンギラスボールは空高く飛び上がって行くメカゴジラの首分部に命中した。首が破壊されたメカゴジラはコントロールを失い、そのままムゲーロが乗る宇宙船に突っ込んでいった。

 

 

「ぎゃああああああ・・・ああぁぁぁぁ・・・・・」

 

 

突然の事にムゲーロの乗った宇宙船を避ける事ができず、メカゴジラとぶつかって大爆発を起こした。当然乗っていたムゲーロは爆死した。

 

 

「クオオオオオォォォォーーーン!!」

 

「ギョロロロロロ!!」

 

 

戦いに勝利したアンギラとドラゴリーは一緒に勝利の咆哮を上げた。特にメカゴジラにリベンジを果たせたアンギラスはとても嬉しそうだ。

 

 

「よくやったぞアンギラス。ドラゴリー。ゆっくり休んでいろ」

 

 

優しく褒めた後2体をギガライブナイザーに回収し、俺はいつもと変わらぬ人の姿に戻った。それと同時に怪獣達を回収したリーシャが駆け寄って来た。

 

 

「クロウさん、お疲れ様です!」

 

「あぁ、リーシャもご苦労だったな。怪我はないか?」

 

「大丈夫ですよ。それにしてもさっきの姿・・・とてもカッコ良かったです♪」

 

 

頬を赤く染めながらリーシャが俺に抱きついてきた。いきなり抱きつかれて驚いたが、すぐに俺もリーシャを優しく抱きしめた。

抱きしめている相手の感触の良さと一緒に互いの匂いが鼻の中に吸い込まれた。その匂いの良さもあってもう胸のドキドキが止まらない。幸せを感じながら俺達はこの場で快感(読者の皆様に見せられない事)を得ようとするが、流石にダメだと言わんばかりにギガ・ロボフォーに乗っているジェロニモンの声が響いた。

 

 

「クロウ様!レイモンヲ見ツケマシタ。リーシャト一緒ニ戻ッテ来テ下サイ!」

 

 

その声を聞いて2人は正気に戻る。惜しいところであったが仕方ないと思いつつ俺はリーシャに手を差し出す。

 

 

「今はこれで我慢してくれ」

 

「は、はい!クロウさん///」

 

 

嬉しい気持ちでリーシャは俺の手をギュッと握って歩き出す。歩いている途中でリーシャは先程のクロウの姿を思い返した。今は人の姿だが、あの怪人の姿が彼のもう1つの姿・・・けれど私にとってどんな姿であろうと関係ない。自分が心の底から大好きで愛している恋人であるから!

そう思いつつリーシャはこの戦いが終わって姉を捜し出したら結婚式を上げようと密かに考えるのであった。

 

 

 

 

 

その後俺達はギガ・ロボフォーに乗ってレイがいる場所に向かう。

そして少し経つと目の前で咆哮を上げているゴモラを見つけた。見た瞬間にそのゴモラがレイのパートナーであるゴモラだと分かった。だが今のゴモラは全身が炎を纏っているかのように真っ赤で、周りを破壊しながら唸り声を上げるなどとても凶暴であった。あれは完全にレイが暴走している証拠だ。

 

 

「もう少し修行させればよかったな。まぁ、今さら言ってもしょうがない」

 

 

愚痴を零しながら見つめていると暴れていたゴモラがドス赤黒い光の塊となって近くの場所で消えた。カメラを移動してモニターでその場所を確認してみるとそこにはバーストモードになっているレイモンとヒュウガがいた。俺は操縦桿を操作して近くに着地し、リーシャとジェロニモン達複数の仲間を連れて急いでレイモンの元に向かった。辿り着くとヒュウガがレイモンを止めているところであった。

 

 

「ようやく見つけたぞレイモン」

 

「クロウ!それにリーシャ達も!!」

 

「ヴオオォーーーー!!!」

 

 

クロウ達が現れた事にヒュウガが驚いた隙をついてレイモンがクロウに襲い掛かった。

 

 

「クロウ様ヲオ守リシロ!」

 

「「「「プロロロロ!!」」」」

 

 

それを見てジェロニモンが連れて来ていた4体のユートムに命令する。ユートム達はクロウを守ろうと前に並び立つ。だがレイモンは乱暴に腕を振るってユートム達を突き飛ばし、どこからか見覚えのある武器を取り出して再び襲い掛かって来た。

 

 

「トロンガー!行ケ!」

 

「ギュヴヴィィィッ!!」

 

 

次に飛び出したのはジェロニモンの用心棒とも言えるトロンガーで、レイモンの持つ武器を素早い動きで避けながら後ろに回ってレイモンを羽交い締めにする。その瞬間、リーシャが銃を抜いて武器を撃ち落とした。

 

 

「うおぉーーー!!ヴアァーーー!!」

 

「まるで駄々っ子だな・・・(汗)。トロンガー、そのまま押さえていろ」

 

 

羽交い締めにされてもなお抵抗続けるレイモンを見てそう呟きながらギガモンスランスして、左手をガギの手『クローウィップ』に変化させた。そしてバタバタと動かすレイモンの両足に鞭を巻き付け、動けなくさせた後で目の前まで近づく。

 

 

「ちょっと痛いぞ」

 

 

ドスッ!

 

 

「ガアッ!?」

 

 

そう言ってギガバトルナイザーを地面に置いて、空いた右手をレイモンの腹に突き刺した。突き刺した後レイモンの体内で溢れているレイブラッドの闘争本能を俺の力で押さえる。

 

 

「う、あ・・・あぁ・・・」

 

 

ほんの数秒くらい経つとレイモンは暴れるのを止めて、意識を失ってゆっくりと前に倒れるのと同時にレイの姿に戻った。それを見計らってトロンガーに解放するように伝え、周りにリーシャ達が集まった。

 

 

「ようやく静かになりましたね」

 

「あぁ、全く。世話のかかる奴だ。だけどまぁ、今は眠りなレイ・・・」

 

 

俺の胸の中で静かに眠っているレイの頭を優しく撫でる。その時のレイの表情はまるで親に抱かれて安心している子供の寝顔みたいであった。

その後ハルナ達スペースペンドラゴンが惑星ハマーに到着して、全員無事に合流する事ができた。だがこの合流がきっかけで、ある悲劇の復讐劇が始まるのであった。

 

 




【大怪獣バトルファイル】
ロボット怪獣メカゴジラ


地球最強の怪獣・ゴジラをモチーフにし、鋼鉄の何倍の強度を持つ宇宙特殊鋼スペースチタニウムでできているロボット兵器。
大宇宙ブラックホール第三惑星人のレイオニクス・ムゲーロの第1パートナー怪獣。
全身に様々な武器を装備しており、目から放つ『スペースビーム』、鼻先から放射する『デストファイヤー』、両手を回転させて先端の鋭い指を放つ『回転式フィンガーミサイル』、胸部分を開いて発射する『クロスアタックビーム』、両足と膝からミサイルを発射する『ホーミューショット』と『ハイプレッシャーホーミング』と言った全武装による一斉射撃と言う切り札を持つ。
同じ仲間のチタノザウルスと一緒にクロウ達と戦った。

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