俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

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お待たせしました。
今回は久しぶりにクロウに新しい仲間ができます。登場するのは前作のウルトラマンオーブと対決した怪獣達です。あとちゃんとレイオニクスも出ますよ。
是非楽しんで読んでください!感想と評価をお待ちしております。

最強合体怪獣キングオブモンス、宇宙超怪獣キングギドラ
超合体怪獣グランドキング(スーパーグランドキング・スペクター)
奇機械怪獣デアボリック、宇宙恐竜ハイパーゼットンデスサイス
侵略怪獣ザタンシルバー、変身宇宙人ザタン星人(RB)   登場



第22話 別世界より彷徨う者

最初のレイオニクスバトルから数時間が経ち、クロウ達は未だレイ達の行方を探していた。いつもならすぐに気配を感じたり、ギガ・ロボフォーのセンサーで見つけられるのだが、他のレイオニクスや怪獣達、さらにこの惑星がとても広いうえに全体に包まれている謎の力によって未だ見つけられないでいるのだ。

 

 

「まったく・・・こうもいろいろな物に邪魔されるとストレスが溜まっていくぜ」

 

「そう言わないでくださいクロウさん。レイは必ず見つかりますよ」

 

「ソノ通リデゴザイマスクロウ様。サァ、コレデモオ飲ミクダサイ」

 

 

リーシャに落ち着かされ、ジェロニモンに飲み物を渡されてじっくりと飲みながら俺はレイを探し続ける。すると突然1体のユートムがやって来てセンサーが何かに反応している事を伝える。確認してみると此処から結構離れた場所で複数感じていると言う事はレイが他のレイオニクスと戦っているかもしれない。そう思って俺達は操縦桿を握ってレバーやボタンを操作して全速力で飛ばして急いで向かった。

 

 

 

その頃、遠く離れた場所の様々な場所でレイオニクスバトルが行われて、この地でも2体の怪獣が戦っていた。だが不思議な事に怪獣が2体に対して近くにいる宇宙人は1体だけなのだ。

宇宙人は青色の体に赤い手袋が特徴であって、右手にはバトルナイザーが握られている。その正体はかつて数々の星を侵略して悪魔の星出身のザタン星人(RB)である。そして彼の操る怪獣は全身銀色の生物型ロボットである侵略怪獣ザタンシルバーである。かつてウルトラマン80やUGMを相手に猛威を振るって苦戦させた強豪怪獣だ。

 

 

「な、何なんだ!あの怪獣は!?我の・・・ザタンシルバーが!?」

 

 

だがそのザタンシルバーは今体中傷だらけで、所々の装甲が破損していた。己の怪獣に絶対の自信を持っていたザタン星人(RB)は目の前の現実が信じられず、驚きの声を上げるのは無理なかった。

 

 

「ピッギリリリィィィギャアアアァァァッ!!」

 

 

そんな中でザタンシルバーに大ダメージを与えた怪獣はフラフラになりつつも戦闘態勢をとるザタンシルバーを見て、両腕を前に突き出して威嚇する。その怪獣は全身の様々な部分が武装されていて、両腕の強力な銃が特徴の奇機械怪獣デアボリックと言われるサイボーグ怪獣だ。

かつてこの世界とは別の世界で大暴れしてその世界のウルトラ戦士と激闘を繰り広げた怪獣だが、だいぶ前に惑星ボリスに潜んでいたブルトンの起こした『ギャラクシークライシス』によってこの世界に巻き込まれてしまった。宛もなく偶然辿り着いた惑星ハマーで彷徨っていた時、デアボリックを他のレイオニクスが操る怪獣と間違えたザタン星人(RB)に勝負を挑まれ、数分経たぬ内に返り討ちにしたのだ。

 

 

「おのれ~~ザタンシルバー!もう一度奴の動きを止めるのだ!」

 

「ギャアアアアーーーッ!!」

 

 

指示を聞いたザタンシルバーは口から糸状の粘液『リアーズレーザー』を発射する。この粘液を受けた相手は体が動けなくなる。その隙をついて攻撃すれば勝てるとザタン星人は思うが、それは余りにも甘すぎる考えだった。

 

 

「ピッギリリリィィィギャアアアァァァッ!!」

 

 

ガジャッ!!ババババババババッ!!ガシャッ!!ピュオオオオオーーーン!!

 

 

デアボリックは左腕のアサルトアームから連続でビームを放って粘液を防ぎ、さらにそのまま右腕のジェムアームを構えて『ジュエリックブレーズ』を発射する。光線に対する防御力が高いザタンシルバーだが、装甲が破損されている今の状態では無に等しかった。

 

 

「ギャアアアア・・・ア、ァァァ・・・」

 

「ザ、ザタンシルバー!?」

 

 

光線を受けた途端、ザタンシルバーは体全体が宝石になってそのまま動かなくなり、さらに追い打ちとばかりに受けたミサイル攻撃で粉々になってしまった。相棒の怪獣の哀れな最期の姿を見てザタン星人(RB)は悲鳴に似た声を出す。その声に気が付いたデアボリックはゆっくりと両腕を構える。

 

 

「ひぃ!よ、よせ。撃つな・・・撃つなーーー!!」

 

 

死の恐怖に包まれたザタン星人(RB)は慌ててその場から逃げ出す。そんな彼をデアボリックは狙い撃ちしようとするが、空から何かが近づいて来るのを感じて止める。空をじっと見つめていると遠くから黒い怪獣がやって来て、ゆっくり目の前に降り立った。

 

 

「ピポポポポポ!ゼェットォォーーーン!!」

 

 

その正体は宇宙恐竜ゼットンだった。だが唯のゼットンではない。通常のゼットンよりもスマートな人型でより昆虫的な姿であり、両腕が鎌になっているのだ。その名もハイパーゼットンデスサイス(次からはDと略します)と言う!ある世界で究極のゼットンとも呼ばれた個体が強化成長したものだ。

 

 

「あ、あぁ・・・・・」

 

 

逃げようとした矢先に別の怪獣が現れたのを見て、ザタン星人(RB)はその場で腰が抜けてしまうが、それでも必死に逃げようとする。一方ハイパーゼットン(D)は、自分の足元でウロチョロしているザタン星人(RB)を目障りと思って、右腕の鎌を勢いよく振り下ろした。

 

 

「ハァハァ・・・うん?ヒィッ!?ぎゃああぁぁ・・・」

 

 

逃げていた最中突然辺りが暗くなったのを見て嫌な予感がしたザタン星人(RB)が後ろを振り向いた瞬間、巨大な鎌によって切り裂かれつつ押し潰されてしまった。邪魔者を倒した後、ハイパーゼットン(D)は目の前で自分を睨み付けているデアボリックを静かに睨み付ける。お互いに生物としての本能から敵と判断したのだ。

 

 

「ピッギリリリィィィギャアアアァァァッ!!」

 

 

先に攻撃を仕掛けたのはデアボリックで、アサルトアームから連続でビームを撃つ。

 

 

「ピポポポポポ!ゼェットォォーーーン!!」

 

 

ビームが命中すると思った瞬間、ハイパーゼットン(D)の姿が一瞬で消えた。そしていつの間にか背後に回っていた。これは『ハイパーゼットンテレポート』と言って残像が残るくらいの超速移動する技である。一瞬の隙をついたハイパーゼットン(D)はデアボリックの背中目掛けて鎌を振り下ろす。しかしデアボリックも負けてはいなかった。

 

 

「ピッギリリリィィィギャアアアァァァッ!!」

 

「!?ゼェットォォーーン」

 

 

攻撃を受ける前にセンサーで敵の位置を知ったデアボリックが上半身の多砲塔からミサイルを放つ。これに驚いたハイパーゼットン(D)は空高く飛び上がり、追尾してくるミサイルに胸の発光器官から『暗黒火球』を連続で放ち全て破壊する。

その後も2体は互いの武器や必殺技を繰り出し、一歩の引かない互角の攻防戦を続けた。

そんな激戦地に1機の宇宙船がやって来た。クロウ達が乗っているギガ・ロボフォーである。

 

 

「クロウさん、あそこに怪獣がいます!」

 

「見つけたか!相手はどんな奴らだ?」

 

 

戦っているのはレイだろうか?それを確認しようと外を覗いて見るとそこには初めて見る怪獣達が戦っていた。あの怪獣達は・・・なるほど、ハイパーゼットン(D)にデアボリックと言うのか。大好きな怪獣の情報が早く分かる事はとても嬉しいぜ。

 

 

「見た感じ的にあれは野良怪獣。近くにレイオニクスも感じないから間違えないな」

 

「それじゃクロウさん、今からあの2体を手に入れるんですね」

 

「あぁ、そうだ。よく分かっているじゃないかリーシャ」

 

「当然ですよ!なにしろ私は貴方の妻になるのですから♪」

 

 

そう言って微笑むリーシャを見て俺は呆れつつも嬉しく思う。俺の気持ちを第1に考えてくれて良い奴だ。彼女と同じ感じの女性はいないだろうと思いながら俺はギガ・ロボフォーから外へ出て行く。この時俺はまだ想像もしていなかった。遠くない未来でリーシャ同様にクロウの事を愛する女性が現れる事を!

 

 

「さぁ~て!久しぶりにお前ら全員でやるとするか!出てこいお前達!!」

 

『バトルナイザー!モンスロード!!』

 

 

ギガライブナイザーを構えて俺の主力怪獣3体を召喚する。

現れたキングオブモンス、キングギドラ、グランドキングは咆哮を上げて2体に向かって走り出した。ずっと戦い合っていたハイパーゼットン(D)とデアボリックは3体の存在に気付くのが遅れて、先制攻撃を受けてブッ飛ばされてしまった。

 

 

「ピッギリリリィィィギャアアアァァァッ!!」

 

「ゼェットォォーーン!!」

 

 

しかし、これくらいで倒れる2体ではない。自分達に攻撃してきた新たな敵に怒りの咆哮を上げ、ハイパーゼットン(D)は両鎌を振り上げて空高く飛び、デアボリックはアサルトアームからビームとミサイルを連射しながら迫った。

 

 

「グゥエエエエエゥゥゥーーー!!」

 

 

大量のビームやミサイルを見てグランドキングがキングオブモンス達の前に出て、全ての弾を受け止めた。体中から火花が飛び散るが、グランドキングは『絶対鉄壁の盾』と言う異名通りまったくダメージを食らっていなかった。そしてそのまま歩き始めてデアボリックと激突した。お互いに武器である銃と鉤爪をぶつけ合い、光線技を放ち合ったりした。

 

 

「今のところ互角だな。ちょっと早い気がするが、一気に倒すとするか!グランドキング、行くぞ!!」

 

「グゥエエエエエゥゥゥッーー!!」

 

 

クロウが全身に力を込めるとギガライブナイザーにも反応が起こる。そしてグランドキングの体が金色に輝き出して、両腕の武器が変化したスーパーグランドキング・スペクターになった。

 

 

「行け!スーパーグランドキング・スペクター!!」

 

「グゥアアアアアゥゥゥッーー!!」

 

「ピッギリリリィィィギャアアアァァァッ!!」

 

 

咆哮を上げながらスーパーグランドキング・スペクターは歩き出す。先程よりも殻が大きくなって形の変わった敵を前にしてもデアボリックは怯まず、全身からミサイル等を放ち、さらに右腕のジェムアームを構えて『ジュエリックブレーズ』を発射しようとする。しかしスーパーグランドキング・スペクターはミサイル攻撃を全く気にせずに進み続け、右腕の剣でジェムアーム&アサルトアームの両方を斬り壊した。

 

 

「ピッギリリリリリィィィギャアアアアアアァァァッ!?」

 

 

如何にサイボーグ化されても武器であり大切な腕を斬られたら悲鳴を上げずにはいられない。デアボリックは高い悲鳴を上げてその場に倒れる。自慢の武器を失った両腕を動かして早く立ち上がろうとするが、それよりも早くスーパーグランドキング・スペクターが強く踏み付けた。

 

 

バッギィィ!!ベコッ!!

 

 

とてつもない重さであるスーパーグランドキング・スペクターの踏み付けを食らってデアボリックの上半身にある多砲塔は折れたり曲がったりして攻撃する事ができなくなった。さらに踏み付けられたのは頭の近くだったので、ショックのあまりデアボリックは気絶してしまった。敵が倒れたのを見てスーパーグランドキング・スペクターは勝利の咆哮を上げた。

 

 

 

一方キングオブモンス達は、空高く飛び上がったハイパーゼットン(D)を追い掛けようと翼を広げて同様に空高く飛び上がった。

空の上では、ハイパーゼットン(D)が自分の敵を全て焼き尽そうと特大の『暗黒火球』を放とうとエネルギーを集中させる。だが放たれる寸前にキングオブモンスの『クレメイトビーム』とキングギドラの『引力光線』によって相殺させられた上に爆発に巻き込まれてダメージを受けてしまった。

 

 

「グオオオオォォォーーー!!」

 

「ゼェットォォーーン!!」

 

 

攻撃を破った後キングオブモンスはハイパーゼットン(D)目掛けて体当たりする。しかしハイパーゼットン(D)はダメージでフラつきつつも『ハイパーゼットンテレポート』で避けて、周りを見渡して自分を探すキングオブモンスの右側に姿を現して鎌で切り裂く。

 

 

「グオオォォッ!?グオオオオォォォーーー!!」

 

 

鋭い鎌の攻撃を受けてキングオブモンスは一瞬怯み、それを見たキングギドラは援護しようとハイパーゼットン(D)に再び『引力光線』を放つ。

 

 

「ピポポポポ!ゼェットォォーーン!!」

 

「ピギャアアアッ!?」

 

 

攻撃が命中する前にハイパーゼットン(D)は『ハイパーゼットンバリアー』で防御し、さらに『ハイパーゼットンテレポート』で背後に回ってキングギドラの背中を鎌で切り裂いた。火花を散らし、苦痛の鳴き声を上げるキングギドラを見てハイパーゼットン(D)は愉快そうな表情(?)と鳴き声をしてもう一度攻撃しようと両鎌を振り下ろす。

 

 

「キングギドラ!受け止めろーーー!!」

 

「ピギャアアアオオオオオンーーー!!」

 

 

 

ガブッ!ガブッ!

 

 

両鎌にまた切り裂かれると思った時、クロウの指示を聞いたキングギドラはなんと3つ首の内左右の2つの首が鎌に噛み付いて受け止めたのだ。真剣白刃取りならぬ、真剣白歯取りである。

同じ攻撃を二度も食らわない!と言うかのように睨み付けるキングギドラを見てハイパーゼットン(D)は驚きのあまり動きを止めてしまう。その隙をついてキングギドラは2本の長い尾をハイパーゼットン(D)の足に巻き付けて勢いよく引っ張る。

 

 

「ゼェットォォーーン!?」

 

 

突然足を引っ張られてバランスを崩して逆さまの状態になったハイパーゼットン(D)は混乱のあまり火球で攻撃する事も鎌で攻撃する事も考えられぬ事態に陥った。

そしてようやく気が付いた時には、キングオブモンスが自分の目の前にいた。

 

 

「グオオオオォォォーーー!!」

 

「ゼ、ゼェット・・・ォォーーン・・・!」

 

 

さっきのお返しだと言わんばかりにキングオブモンスはハイパーゼットン(D)の顔に何度もパンチや超怪力による引っ掻き攻撃を放つ。テレポートで避ける余裕もない程のラッシュである。それによりハイパーゼットン(D)の顔はボロボロになり、角は両方とも折れて完全にグロッキー状態になる。

 

 

「グオオオオォォォッ!ガアアァァッ!」

 

「ピリリリッ!」

 

 

スッキリした表情を取ったキングオブモンスは止めを刺そうとキングギドラに合図を送る。キングギドラはすぐに返事をして巻き付けていた尻尾を解放し、ハイパーゼットン(D)を地上に落とす。何の抵抗もないまま落下していくハイパーゼットン(D)にキングオブモンスは容赦なく『クレメイトビーム』を放つ。

 

 

 

ドゴオオオオオオオンンン!!

 

 

必殺光線を受けて勢いよく地面に激突したハイパーゼットン(D)は、全身ボロボロの状態でクロウの目の前に現れた。けれどまだ生きており、まさに虫の息状態だ。キングオブモンス達は勝利の咆哮を上げる。

 

 

「本当・・・ゼットンの種族の強さには驚きが止まらないぜ。まぁ、そんな事より俺の元に来な。ハイパーゼットン(D)!デアボリック!」

 

 

ギガライブナイザーを前に突き出してハイパーゼットン(D)とデアボリックを回収する。

 

 

「お前達もご苦労だった。戻って休め!」

 

 

また、活躍したキングオブモンス達にもお礼を言ってからギガライブナイザーに戻す。苦労を掛けた怪獣達にお礼を言うのは当たり前の事だからな。

全てが終わった後、俺はあるギガ・ロボフォーを呼びつつある物に目を向ける。それは全身宝石となったザタンシルバーの破片だ。お土産にもらっていくかと手のひらサイズの物を持ち帰り、ギガ・ロボフォーに乗って再びレイを捜しに向かった。

 




【大怪獣バトルファイル】
奇機械怪獣デアボリック


かつてウルトラマンオーブやエックス達ニュージェネレーションヒーローズと戦ったサイボーグ怪獣である。
名前通り全身が武器の塊で、主な武器は両腕のアサルトアーム&ジェムアームで特にジェムアームから発射される『ジュエリックブレーズ』はあらゆる物体を宝石に変えてしまう。
だいぶ前にブルトンの起こした『ギャラクシークライシス』によってこの世界に巻き込まれて、宛もなく偶然辿り着いた惑星ハマーでザタン星人(RB)&ザタンシルバーと戦い、同じく彷徨っていたハイパーゼットンデスサイスと生物の本能から激闘を繰り広げていた時、クロウ達に発見されて仲間となった。仲間になってからは同じサイボーグ怪獣のガイガン(FW)と気が合って仲の良い関係となった。

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