俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

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今回はアイディアが豊富でどんどん思い付いたため早く出来上がりました。
また今回からレイオニクス同士の対決です。いろいろな方からのリクエストの中から結構出番のあるあの宇宙人を選びました。怪獣との激闘も是非楽しんで読んでください!感想と評価をお待ちしております。

最強合体怪獣キングオブモンス、超古代狛犬怪獣ガーディー、巨蛾モスラ(モスラ・レオ)
大エビ怪獣エビラ、双頭怪獣パンドン&キングパンドン、戦闘円盤ギガ・ロボフォー
宇宙海人バルキー星人(RB)、幽霊怪人ゴース星人(RB)   登場



第21話 激闘の地・惑星ハマー

突然現れたワームホールに吸い込まれたクロウ達は、乗っているギガ・ロボフォーを無理に動かさず、時空の流れに沿って移動している。

吸い込まれてから少し経ってようやく抜け出る事ができた。そして前方に大きな惑星が見えた。

 

 

「リーシャ、あの惑星に着陸しろ」

 

「分かりました!」

 

 

指示に従ってリーシャは操縦桿を動かし、大気圏に突入して惑星に侵入する。そしてモニターから辺りを見渡すとそこは岩と砂の荒地しかなかった。リーシャが急いでスイッチとボタンを操作してこの惑星を調べる。

 

 

「データリストに照合無し。クロウさん、この惑星は一体・・・?」

 

「此処は惑星ハマー。バトルナイザーを持つ全宇宙のレイオニクス達が導かれて、宿命の戦いを繰り広げる。此処こそ、レイオニクスバトルの舞台で決戦の地だ!」

 

 

リーシャ達に惑星ハマーについて教えて上げつつ再びこの辺りを見渡す。本当に何もない惑星だな。だからこそ戦いの場に相応しい場所と言う訳か。しかしここまで何もないと寂し過ぎるぜ。そう思っていた時、突然血が滾るような感覚が起きた。同時にレイオニクスの気配も感じた。それはリーシャも同じで彼女はソワソワと落ち着かない様子で、胸を手で押さえながらクロウに話しかける。

 

 

「クロウさん、何だか気持ちが少し落ち着かないのです」

 

「レイオニクスの闘争本能に火がついてしまったか。もっと自分の意識を強く持つんだリーシャ。修業で覚えた事を思い出せ」

 

 

アドバイスを聞いたリーシャは、すぐに深呼吸して意識を高める。するとだんだん落ち着いていった。これまでの修業のおかげでリーシャはレイブラッドの闘争本能に飲み込まれて暴走する心配はない。だが問題はレイの方だな。アイツも同じ修行したとは言え、おそらくテレビの時のように暴走してしまうかもしれない。

早く合流しようとした時、突然地響きがして外を見てみると2体の怪獣が争っていた。

1体は右腕が巨大鋏で、左腕が槍の様な細長い鋏と左右の形状が異なる両腕が特徴の大エビ怪獣エビラ。

もう1体は頭部の左右それぞれに鳥に似た顔があって、全身が赤色の双頭怪獣パンドンである。

 

 

「キィイイィィーーーッ!!」

 

「ガカァッ!カカアァッ!」

 

 

お互いに鳴き声を上げた後、エビラは両腕の鋏を前に突き出しながら8本ある脚を器用に動かして突撃する。対するパンドンは両腕を振り回して鋏をはたき落とし、そのままエビラに組み付いて背中に何度もパンチを放つ。

だがエビラは硬い甲羅のおかげであまりダメージを受けている様子は無かった。

 

 

「キィーーーッ!」

 

「ガカァッ!?」

 

 

何度もパンチを放って疲労したパンドンの隙をついて、エビラは巨大な鋏を使った攻撃『クライシス・シザース』をパンドンの腹に繰り出す。痛みと火花を散らしてダメージを受けたパンドンは後退する。エビラはさらに攻撃しようと近くにあった岩を鋏で持ち上げてそのまま勢いよく投げ飛ばした。けどパンドンはすぐに体制を整えて、自分に向かって投げられた岩を両手で受け止め、逆に投げ返した。投げ返された岩を見てエビラは慌てる・・・事はなかった。

 

 

「キィィーーーッ!」

 

 

ドカッ!!ドカッ!!ドカッ!!

 

 

迫って来る岩をエビラは自慢の巨大鋏で打ち返す。パンドンも腕だけじゃなく、頭や尻尾なども使って打ち返す。2体による岩の打ち返しが何度も続くが、エビラが鋏を横に振った事で岩はギガ・ロボフォーに向かって飛んできた。

 

 

「やばっ!?主砲発射!」

 

 

宇宙船の中でのんびり観戦していたクロウ達だったが、こちらに向かって飛んでくる岩を見てクロウは慌てて操縦桿にあるスイッチを押す。するとギガ・ロボフォーの前方にある主砲から弾を放たれて岩を破壊した。何とか間に合ってホッとするが危機は去っていない。

爆発した音に気が付いた2体がこちらに向かって接近して来たのだ。

 

 

「どうやら観戦するのはここまでの様だ。リーシャは俺と一緒に来い。ジェロニモンはギガ・ロボフォーに残って守っているんだ!」

 

「はい!クロウさん」

 

「オ任セクダサイ!」

 

 

ジェロニモンにギガ・ロボフォーを任せ、俺はリーシャと一緒に外に出る。そして迫り来る2体の前に立ち塞がる。

 

 

「惑星ハマーでの初めての戦い。全力で行くぜ!行け!キングオブモンス!!」

 

「私達も全力で行くわよ。行きなさい!ガーディー!!」

 

『バトルナイザー!!モンスロード!!』

 

「グオオオオォォォッーーー!!」

 

「ガウウウゥゥゥッ!!」

 

 

召喚されたキングオブモンスとガーディーは勇ましく仁王立ちする。2体の体からは並みの怪獣では感じられない強烈なオーラが溢れていた。惑星ボリスで戦い続けた事で戦力と能力がパワーアップしたのだ。そして主であるクロウとリーシャも同様で、特にリーシャの持つバトルナイザーは成長・覚醒してネオバトルナイザーになっている。

突然現れた2体を目の前にしてもエビラとパンドンは怯まず、咆哮を上げる。すると2体の背後から声がした。

 

 

「ヒャッハハハハッ!なかなか強そうな怪獣を連れているようだな~~てめぇら!」

 

「我々の戦いに手を出すとは無粋な連中だ」

 

「・・・バルキー星人とゴース星人か」

 

 

エビラの背後から現れたのは黒色の体に金色の金属を付けて、右手にバトルナイザー、左手にリング状の装飾がついた宇宙槍『バルキーリング』を持っている宇宙海人バルキー星人(RB)。

パンドンの背後から現れたのは幽霊に似た姿をして赤と銀色の模様がある服を着て、同じく右手にバトルナイザーを持っている幽霊怪人ゴース星人(RB)である。

 

 

「フッハハ!俺様の事を知っていたか。そうだ!俺はバルキー星のレイオニクスだ。そこの地球人の女、大人しく俺様にバトルナイザーを渡せば命を取らずに見逃してやるぞ?」

 

「あら?見逃してもらえるのは貴方の方じゃないの?それに私は地球人じゃないわ。フフフ・・・」

 

 

余裕な感じでリーシャに降伏するように言うバルキー星人だったが、自分の正体を現して馬鹿にするように笑うリーシャを見てバルキーリングを振るって怒り出す。

 

 

「てめぇ・・・優しくしてやれば調子に乗りやがって!だったらやってやるぜ。おい、ゴース星人!てめぇとの勝負はあの女を倒してからだ。やっちまえ、エビラ!」

 

「キィィーーーッ!!」

 

「ガーディー、あんな乱暴者に負けないで!」

 

「ガウウウゥゥゥッ!!」

 

 

バルキー星人の命令を聞いてエビラは両腕の鋏を振り上げて突撃する。それを見てリーシャもガーディーに迎え撃つように指示を出す。2体は激突し合い、エビラが右腕の巨大鋏で挟もうとするとガーディーは鋏に噛み付いて防ぎつつ、パンチやキックを放って攻撃した。だがやはりエビラの甲羅が硬いためにあまりダメージを与える事ができず苦戦する。それでも懸命に攻撃し続けるのであった。しかしエビラもやられ続ける訳がなく、今度は左腕の槍の様な鋏をガーディーの太ももに突き刺す。これにはガーディーも痛さのあまり銜えていた鋏を離してしまった。

その隙をついてエビラはガーディーから少し離れると再び鋏を構えて突進攻撃を繰り出した。

 

 

「ガウウウゥゥゥッ!?」

 

 

痛みを我慢しながらガーディーがエビラに目を向けた時には遅く、突進攻撃を受けたガーディーはエビラと一緒に地面に倒れ込んだ。だがガーディーは怯まずにエビラにまた噛み付くのであった。

 

 

「やれやれ・・・これだからああいう野蛮な相手は面倒なんだよ」

 

 

先程まで自分と戦っていたバルキー星人が自分の事を忘れて、リーシャと戦い始めた事にゴース星人は呆れながら溜息をつく。

 

 

「まぁいい、俺の相手はまだいる。焼き尽せ、パンドン!」

 

「ガカァッ!ボオオオォォォーー!!」

 

 

そう言ってゴース星人はパンドンに命令を出す。パンドンはキングオブモンス目掛けて右側の口から高熱火炎を放つ。しかしキングオブモンスは『ボーンシールド』で防ぐ。

 

 

「そっちがやる気ならこっちも遠慮しないぜ。キングオブモンス!」

 

「グオオオオオォォォォッ!!」

 

 

攻撃を防いだキングオブモンスはパンドンに向かって走り出し、腹や首に激しいパンチを放つ。

パンドンも超怪力パンチで応戦するが、戦力がパワーアップしているキングオブモンスの通常より長く強化されている『シャークファング』に腕を掴まれて動きを封じられてしまう。悲鳴を上げながら腕から外そうと左右の口から高熱火炎を放とうとするが、キングオブモンスに両手で口を掴まれて出せなくなる。さらに掴まれたまま体を持ち上げられて、キングオブモンスはパンドンをジャイアントスイングで数回振り回した後勢いよく投げ飛ばした。

投げ飛ばされたパンドンは近くの岩にぶつかって倒れた。

 

 

「ガカァ・・・カカァッ」

 

「なっ!?パンドンを投げ飛ばしただと!」

 

 

自慢の怪獣であるパンドンが敵にやられっぱなしである光景を見てゴース星人は驚きの声を上げる。しかし、彼はすぐに余裕な感じで言う。

 

 

「どうやらお前は結構レベルが高い奴のようだな。ならば俺の最強の怪獣で相手してやる。行け、キングパンドン!!」

 

『バトルナイザー!!モンスロード!!』

 

「ガカアァッ!ガッギャアァァッ!」

 

 

ゴース星人が新たに召喚した怪獣はパンドンが改造強化したキングパンドンであった。先程まで戦っていたパンドンとは姿が違っていて、頭と首が根元から2つに分かれて、手の爪がやや長く鋭い形状になっており、体の棘は炎を思わせるような生え方をしているのだ。現れたキングパンドンは未だ倒れたままのパンドンに近寄って優しく抱き起こした。そして「大丈夫か?」と訊ねるかのように鳴き声を出す。心配するキングパンドンにパンドンは元気良く鳴き声を上げる。

そして2体は横に並び立ってキングオブモンスを睨み付ける。

 

 

「いかにお前の怪獣が強くても俺のパンドンブラザーズに勝てるものか」

 

「なるほど・・・それがお前の切り札か。だが俺のキングオブモンスは誰にも負けない!」

 

「グルルル・・・グオオオオオォォォーーー!!」

 

 

そう強く言うとキングオブモンスは再び咆哮を上げて2体に向かって走り出す。それを見てキングパンドンは口から連続で『双頭撃炎弾』放つ。火球はキングオブモンスに何発も命中するが、キングオブモンスは走り続ける。攻撃受けても怯まない相手にキングパンドンは動揺しつつも今度は青色とオレンジ色に光る2色の破壊光線『ダブルレイ・インパクト』を食らわせる。パンドンも援護しようと体を横にして口から高熱火炎を吐く。パンドンブラザーズの合体攻撃だ。

 

 

「飛べ!キングオブモンス!」

 

 

合体攻撃が命中する前にキングオブモンスは翼を広げて空を飛び避けた。そしてそのまま低空飛行でパンドン達に体当たりをして押し倒した。

倒れたパンドン達にゴース星人が急いで体勢を整えろと指示を出す前にキングオブモンスは2体の腹目掛けて急降下して踏み付けた。

 

 

「ガカアアァァッーー!?」

 

「ギャアアアァァッ!?」

 

 

腹を勢いよく踏み付けられたパンドン達は悲鳴を上げる。キングオブモンスの完全有利と思うけど、甘く見て油断してはいけない。この2体はセブンとメビウスを苦しめた程の強豪怪獣の一角である。自分達の腹を踏み付けているキングオブモンスの脚を同時に掴むと力を込めて横に投げ倒した。そして素早く立ち上がるとパンドンはキングオブモンスの尻尾を掴んで動きを押さえ、キングパンドンがそこを狙って口から再び『双頭撃炎弾』を至近距離から浴びせる。

 

 

「グオオオオオォォォッ!!」

 

 

いかにパワーアップしているキングオブモンスでも至近距離から攻撃を何発も食らってダメージを受けて怯んだ。

 

 

「どうだ!俺のパンドンブラザーズの力は!お前の怪獣はもう終わりだ。フハハハッ!」

 

 

火球弾により爆発が起きて全身煙に包まれたキングオブモンスを見て、ゴース星人は勝ったと思って笑い出す。

 

 

「・・・何を言っているんだ?俺のキングオブモンスがその程度で倒れると思っているのか?」

 

「なに・・・?」

 

 

ゴース星人が疑問の声を上げた瞬間、突如パンドン達の悲鳴が響いた。慌てて振り向いて見ると倒した筈のキングオブモンスが起き上がっていた。そして両手でキングパンドンの2つの首を掴み、尻尾を掴んでいたパンドンを逆に尻尾で叩き潰し、先端の鋭い棘部分を腹に突き刺していた。その光景にゴース星人は両手で髪の毛を掻きつつ信じられないと頭を左右に振る。

 

 

「ば、馬鹿な・・・キングパンドンの攻撃を受けて生きているなんて!?」

 

「お前の怪獣は確かに強い。けど俺の怪獣は・・・それよりも強いんだよ!やれ、キングオブモンス!!」

 

「グオオオオオォォォーーー!!」

 

 

クロウの言葉を聞いたキングオブモンスは、両手に掴んでいたキングパンドンを思いっきり地面に叩きつけ、2つの頭の間を蹴ってブッ飛ばした。それと同時に尻尾で突き刺していたパンドンも叩きつける。そしてそのまま空高く放り投げて、パンドンが落下する瞬間に『クレメイトビーム』を放つ。グロッキー状態の上に空中では身動きが取れないパンドンは避けられず、光線が命中して大爆発を起こした。爆発が収まると地面にパンドンの首だけが落ちた。

 

 

「ガカァッ!?ガガアアァァァッ!!」

 

 

粉々になって倒されたパンドンを見てキングパンドンは「弟の仇だ!」と言わんばかりの怒りの咆哮を上げて立ち上がり、キングオブモンスに向かって一直線に突進する。しかしキングオブモンスは既にエネルギーを額に集中させて止めの体勢に入っていた。

 

 

「キングオブモンス、ファイナルクレメイトビーム!発射!!」

 

 

強力な必殺光線が地面に走らせて爆発を起こしながら一直線に放たれてキングパンドンに命中する。しかしキングパンドンは光線を受けながらも耐えて前に進む。だがやはりキングオブモンスの最強光線を耐え抜く事はできず、そのまま爆散した。

 

 

「ああぁ!?俺の・・・パンドンブラザーズがーーー!?」

 

 

手持ち怪獣が2体共々倒されたのを見てゴース星人は喚き出す。すると突然彼の足元の地面が揺れたと思ったら大きく割れた。先程のキングオブモンスの光線による影響のせいであったのだ。

 

 

「うおぉ!?あ、あああぁぁ・・・こ、こんな所でーーーーー!!?」

 

 

突然の事で逃げられず、ゴース星人は悲鳴を上げながら地割れに飲み込まれてしまった。

 

 

「なんて哀れな最期だ。けど悪いな。この勝負・・・俺達の勝ちだ」

 

「グオオオオオオオォォォォォーーー!!」

 

 

俺が勝ったと言うとキングオブモンスは勝利の咆哮を上げる。

強敵2体を相手に大暴れできて満足したキングオブモンスは嬉しそうな感じでギガライブナイザーに回収された。戦いが終わって一息ついてからクロウはリーシャの元へ歩き出す。

 

 

「さて、リーシャはもうバルキーの奴に勝ったかな?」

 

 

いろいろと予想しながら歩いて目的地を目指す。

一方リーシャVSバルキー星人の戦いはまだ続いていた。ずっと戦い続けるガーディーだが、エビラの硬い甲羅の為に攻撃が決まらず、逆に鋏で体を傷つけられた事で胸のカラータイマーがゆっくりと鳴り始めた。それを見て焦ったリーシャは、新たにモスラを召喚した。

 

 

「モスラ、敵の動きを封じて!」

 

「ピュアアアァァァ!」

 

 

空高く飛んでいるモスラはガーディーとエビラの上までゆっくり近付き、周りをグルグルと回りながら翅を大きく羽搏かせる。それを見計らって組み合っていたガーディーはエビラから離れる。するとエビラを中心とした一帯に鱗粉が撒かれて特殊なエネルギーフィールドが発生する。そしてその中から稲妻光線が放たれてエビラを攻撃した。これは『エクセル・シャイニング・フィールド』と言い、キングオブモンスやガーディー同様モスラもパワーアップして通常より強力な技だ。

 

 

「ギィィッーー!?」

 

 

如何に防御力の高いエビラでもこの攻撃には耐えられず悲鳴を上げる。それを見てバルキー星人は怒鳴りつつ命令を出す。

 

 

「何やってやがるエビラ!さっさとそこから抜け出せ!」

 

 

バルキー星人の命令を聞いてエビラは必死に体を動かしてフィールドの外に出ようとするが、稲妻によって体が痺れてしまって上手く動かせなかった。それでも脚や腕を動かして光線を何発も食らいながらようやく外に出られた。しかし、出るまでの間に受けたダメージはかなり大きく、エビラはグロッキー状態であった。その隙をリーシャは逃さなかった。

 

 

「今よガーディー!一気に倒しちゃいなさい!」

 

「ガウウゥゥッ!」

 

 

ガーディーは素早い動きでエビラに接近して左腕の細長い鋏を両手で掴み、右腕の巨大鋏に強く噛み付く。引き離そうとするエビラだが、先程のダメージで力が入らない。その間にもガーディーは噛み続け、頭を左右上下に振る。そして右に思いっきり振った瞬間、エビラの巨大鋏は喰い千切れた。さらに両手に力を込めて細長い鋏をもぎ取った。

 

 

「ギピイイィィィィーーー!!?」

 

 

自分の武器である鋏を失ったエビラは戦意損失し、悲鳴を上げながら主人であるバルキー星人の元に逃げようとするが・・・。

 

 

「逃がさない!ガーディー、ゼペリオン光線!モスラ、レインボーバスター!」

 

 

エビラを挟み撃ちにしてガーディーとモスラは同時に必殺光線を放つ。2体の同時攻撃を受けて流石のエビラも耐えきれずに爆発した。

 

 

「エ、エビラ!?俺様のエビラがやられるなんて~~!?」

 

「ふぅ・・・さて、後は貴方だけね。ここで終わらせてあげようかしら?」

 

「うっ!?・・・へへ、そうはいかねーよ!」

 

 

リーシャに恐れを抱きつつ、バルキー星人はバルキーリングを地面に突き刺して砂煙を起こして姿を消した。相手が逃げたのを見てリーシャはガーディーとモスラを回収する。それと同時にクロウがやって来て合流した。

 

 

「リーシャ、終わったか?」

 

「はいクロウさん!レイオニクスは逃がしてしまったけど、戦いには勝ちました」

 

「そうか。よく頑張ったな」

 

 

勝利した褒美に俺はリーシャの頭を撫でる。リーシャは撫でられる事に不快感を思わず、逆にもっと撫でてと言わんばかりに自分から頭を出す。それから暫く撫でた後充分だと思って頭から手を離す。だがリーシャは物足りない様な表情であったのは余談だ。

 

 

「それじゃ、リーシャ。ギガ・ロボフォーに戻るぞ。早くレイ達と合流しないといけないからな」

 

「分かりました」

 

 

初めてのレイオニクスバトルを制したクロウ達。だがまだまだ強豪なレイオニクス達は多くいる。戦い合ってレイブラッド星人の後を継ぐ者は、クロウかリーシャのどちらかであろうか?それとも別の者であろうか?

それはまだ誰も知らない事であった。

 




【大怪獣バトルファイル】
双頭怪獣キングパンドン

かつてウルトラセブンと戦った怪獣パンドンの同族が強化改造された怪獣で、その名の通り頭が2つある。
主な武器は口から放つ双頭撃炎弾や2色の破壊光線のダブルレイ・インパクトである。
今回はスーパーヒッポリト星人ではなく、本来の主人であるゴース星人の主力怪獣としてキングオブモンスに弟のパンドン(初代)と共に戦いを挑んだ。非常に好戦的な性格だが、仲間意識がとても強い。そのためパンドンを仇を討とうとした。ちなみにパンドンは倒されたが頭の部分だけは残っていて、原作のように復活するかもしれない!?


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