俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

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皆様。お久しぶりです。
今回から遂に第2章 惑星ハマー編が始まります。惑星ボリスの時とは違って怪獣だけでなく、レイオニクスである懐かしい宇宙人達も登場します!彼らと手持ち怪獣達の組み合わせが何なのかを是非楽しみつつ読んでください!感想と評価をお待ちしております。


有効珍獣ハネジロー、ゴジラザウルスの子供ベビーゴジラ、戦闘円盤ギガ・ロボフォー
変身怪人ピット星人(RB)、ペダン星人ダイル   登場



第2章 惑星ハマー編
第20話 新たな冒険の旅へ


とある宇宙空間―――

 

 

数々の星々がキラキラと輝いている此処にて、ある1機の宇宙船が飛んでいた。その宇宙船の中には1人の宇宙人がいた。

その名はピット星人。リーシャと同じ種族であって、さらに彼女はリーシャが探しているお姉さんだ。そして彼女の手首には赤色の模様が刻まれている金色のブレスレットが付けてあり、また手にはバトルナイザーが握られていた。つまり彼女もレイオニクスバトラー(RB)であるのだ。

 

 

「フフフ、これで私は宇宙の支配者・・・アッハハハハハ!!」

 

 

野望の火を激しく燃やしながら高笑いするピット星人(RB)だが、彼女の背後に突然何者かが瞬間に現れた。見た感じにその者は兵士で、その手には銃が握られていた。

 

 

「ハッ!何者だ!?」

 

 

気配を感じたピット星人が振り向いた瞬間、現れた兵士は銃を2発撃つ。1発目はピット星人が手に持っていたバトルナイザーに命中し、2発目は彼女の体に命中する。撃たれたピット星人は断末魔を上げながら消滅した。

その後、兵士は腕に装着していたリングのスイッチを押して宇宙船の内部を銃で破壊するとテレポートで姿を消した。それから少し経つと宇宙船は爆発して木端微塵になった。

残骸が広がる宇宙空間の中にはピット星人が持っていたバトルナイザーもあった。所々壊れていたが奇跡的に1番目のスロットは無事であった。すると突然近くにワームホールが現れて残骸と共にバトルナイザーを吸い込んだ。そして吸い終えるとそのまま消えるのであった。

 

 

 

そして場所は宇宙空間からクロウ達がいる惑星ボリスへと変わる。

赤い通り魔=レッドマンとの死闘から数日が経ち、クロウの傷も再生能力が高いおかげで一週間ほどで癒えて怪獣達を見守る元の平和な日々を送っていた。そして今も怪獣達を見渡せる岩場に座って、ハネジローやベビーゴジラ達と戯れながら観察している。

 

 

「う~~ん、こうして体を動かせると言うのは良い事だ!」

 

「パム~~♪(スリスリ)」

 

「ギャウゥ~~♪(スリスリ)」

 

 

2体は自身の頭を体を擦りつけて懐く。俺は愛情を込めて2体の頭を優しく撫でる。けどいつもこの2体と言う訳ではなく、毎日別々に子供怪獣達の遊び相手をしてあげている。これは昨日までの俺にとっては唯一の運動である。

傷が癒えるまでの間ずっと寝た状態が続いたため、体が鈍ってどうしようもなかった。少しでも動かそうと思えばリーシャ達が「世話は私達が全部やります!」と言って食事や着替え、さらにトイレと言った事までやろうとしたから本当に焦った。

だって皆さん、愛する女にそんな事までさせて良いと思いますか?いくらなんでもカッコ悪いと思うだろう。まぁ、その時は必死に説得したおかげで何とか危機を脱せる事ができた。

 

 

「こんな日がずっと続いてくれたら嬉しいんだけどな~~そうも言っていられないか」

 

 

俺の予想が当たっていればもうすぐレイオニクスの宿命とも言えるあのバトルが始まる。

レイオニクス同士が戦い合ってレイブラッド星人の後継者を決める“レイオニクスバトル”が!今いる手持ち怪獣達は猛者ばかり、またリーシャやジェロニモン達に特訓と指導をずっとしてきたからレベルも上がっていて戦力は十分。宇宙船などの準備も整っているし、あとやるべき事はレイと合流するだけ・・・善は急げと言うから動くか。

 

 

「クロウさん・・・ちょっといいでしょうか?」

 

「うん?どうしたリーシャ?」

 

 

2人を呼ぼうと岩場から降りようとした時にタイミング良くリーシャとジェロニモンがやって来た。しかし今の彼女は少し不安そうな顔をして、また両手に何かを持っていた。

 

 

「これを見てください」

 

 

両手を前に出して掌をゆっくり開けて持っていた物を見せる。そこには青色の模様が刻まれている銀色のブレスレットがあった。それは前にリーシャが姉も持っている色違いの物で、姉妹にとってとても大切な物だと俺に教えてくれた物だ。だが今このブレスレットは・・・。

 

 

「少しヒビが入っていないか?」

 

「そうなんです。これに何かあったと言う事は姉さんの身に危険があったかもしれません!だから私・・・探しに行きたいのです!!」

 

「ケド前ニクロウ様ガ話シタ内容デハ、オ前ハ姉ニヨッテコノ惑星ニ捨テラレタノデハナイカ?ソレデモ探シニ行クノカ?」

 

 

ジェロニモンの言葉を聞いてリーシャは俯くが、すぐに顔を上げて真剣な眼で答える。

 

 

「たとえ酷い事をされても姉さんはかけがえのない家族なのよ!」

 

「・・・・・了解したよリーシャ」

 

 

ここまで家族思いの者はそう多くはいない。リーシャは本当に良い女だ。これほど素敵な女性を恋人に持てるとは俺も運がいい。そう思いつつ立ち上がって岩場から降りてリーシャの頭に手を置いて優しく撫でる。

 

 

「愛する彼女の頼みを俺が聞かないと思ったか?安心しろ。これからすぐにギガ・ロボフォーに乗って探しに行こう」

 

「クロウさん////」

 

 

クロウの言葉を聞いてリーシャは顔を真っ赤にしながら幸せな感じになる。その後、ユートム達ロボットに食料や工具などをギガ・ロボフォーに積ませる。

あとユニとリン姉妹と怪獣達の中で一番しっかり者のローランに他の怪獣達の世話を頼む。

また彼女達や力の弱い怪獣達を守る為に数多くいる護衛怪獣の中から数体配置し、惑星ボリスと住んでいる怪獣達を守るように指示を出す。そして子供怪獣達にもちゃんと留守番するように伝えた。やるべき事を全て終わらせた後、リーシャとジェロニモンと共にギガ・ロボフォーに乗り込む。ちなみに座っている席は左右前や周りにはリーシャ&ロボット軍団、後ろの方にクロウがいてその少し右手前にジェロニモンがいる状況である。

 

 

「それでは最初にレイと合流して、その後リーシャの姉を探す旅に出発する。ギガ・ロボフォー発進!」

 

 

全機能を起動させて動力を動かすと宇宙船ギガ・ロボフォーは空高く飛び立って惑星ボリスから出発した。それから暫くの間レイがいるZAPの宇宙基地を目指してずっと宇宙空間を飛び続けて、ようやく基地が見える距離まで辿り着いた。よく道に迷わなかっただと?簡単な事だ、惑星ボリスに残っている連中のデータから進路を設定したからだ。

 

 

「クロウさん、宇宙基地が見えて来ました。此処からはギガ・ロボフォーをステルスモードに切り替えますね」

 

「あぁ、頼む」

 

 

リーシャが操縦桿の側にあるボタンを押すとギガ・ロボフォーは一瞬で消えた。正確には光学迷彩で透明になった感じだ。また特殊な電波を出してこちらの位置が分からないようにして基地に接近する。そしてある程度まで近づくと誰にもばれない様にテレポート装置で侵入した。

中にやって来たのはクロウ、リーシャ、ジェロニモンの3人で、あまり大勢で行くと見つかりやすくなってしまうから残り者達は宇宙船の中に待機させた。

 

 

「ふ~ん、ZAPの宇宙基地と言うのは惑星ボリスにある基地と比べてもあまり大差ないな」

 

「ソレデクロウ様、レイガ何処ニイルノカ知ッテオルノデスカ?」

 

「当然だジェロニモン、アイツの気配はこの基地に入った瞬間から感じた。2人とも付いて来い」

 

 

そう言った後3人は慎重に歩きながら進んで行き、暫くして宇宙船ペンドラゴンとゴースタードラゴンがある所に辿り着いた。まだ1ヶ月しか経っていないのに懐かしいと思いながらさらに奥に進んで行くと、途中で3人の軍人がレイを拘束しながら歩いているのを見つけた。それを見て俺達は咄嗟に壁際に隠れる。

 

 

「クロウさん、レイが!」

 

「あぁ、悲しい事だ。ボス達以外のZAPの連中は俺の忠告を忘れてしまったらしい」

 

 

約束を破る奴にはお仕置きしないといけないな。少し悪い顔をしながら俺達は軍人達があるドアの前で止まって何かの操作を始めた時、堂々と奴らに近寄る。いち早くクロウ達に気が付いたリーダーらしき軍人が銃を構えて問い出す。

 

 

「な、何者だ!?」

 

「お前達は聞いていないのか?モンスターキング・クロウの名を・・・」

 

「なっ!?お前があの!!」

 

 

目の前にいる者が、前に自分の上司から教えられた怪獣王クロウである事を思い出したリーダーは慌てて部下に攻撃命令を出そうとした。

だがそれよりも早くリーシャが銃を抜いて部下2人を撃つ。撃った弾は事前に用意してあった麻酔弾で、これにより2人は倒れて眠ってしまった。一気に劣勢になってしまった事にリーダーは狼狽え、自分の背後から危険が迫っている事に気付いていなかった。

 

 

「グェグェグェ!我等ノ王ヲ裏切ル愚カ者メ・・・消エロ!!」

 

「んん、ウゥ・・・ァァァーー・・・」

 

 

背後から近寄ってジェロニモンは、リーダーの口を両手で押さえつけながら自分の方に無理矢理振り向かせると彼から生命エネルギーを吸い始めた。エネルギーを全て吸い取られた彼は骨と皮だけになり、そのまま放り捨てられた。

邪魔者を片付けた後、クロウはレイの両腕に付けられている手錠を外す。

 

 

「大丈夫かレイ?」

 

「あぁ、ありがとう。けどクロウ、どうして此処に?」

 

「俺達は今リーシャの姉を探しに宇宙の旅に出ているんだ。それだけならお前の元に行く必要がないんだが、もうすぐアレが始まる」

 

「アレ?」

 

「全てのレイオニクスが戦い合ってレイブラッド星人の後継者を決める“レイオニクスバトル”だ!」

 

 

レイオニクスバトルと言う言葉を聞いてレイは驚きの表情をして、そのまま黙り込んでしまう。

かつて自分の姉が言っていた戦いがまもなく始まる事を考えているのだろう。けど此処にはあまり長くいる事ができない。早く宇宙船に連れて行こうとした時、突然基地内で爆発が起きて激しく揺れる。それと同時に警報ランプが点滅して緊急警報が響く。

 

 

「クロウさん!この爆発は!?」

 

「チッ!面倒な事になった。全員急いでこの基地から出るぞ!」

 

 

この爆発は記憶が正しければアイツの仕業だ。見つかる前に引き上げようと全員を連れてきた道を戻ろうとしたが、目の前に誰かが立っていた。その者は冒頭でリーシャの姉を撃ち倒したあの兵士だ。そいつを見て俺とリーシャは同時に声を上げる。

 

 

「「ペダン星人!!」」

 

「・・・消えろ。レイオニクス共め!」

 

 

殺意の籠った声で言うとペダン星人はゆっくり銃を構える。だが発砲される前に左側からハルナが現れて飛び掛かった。突然の事にペダン星人は持っていた銃を落としてしまう。その隙をついてクロウとレイもペダン星人に飛び掛かる。レイは格闘術で攻め、クロウはギガライブナイザーを使って攻める。しかし2対1の状況でもペダン星人は格闘術で反撃する。そしてお互いに攻めたり防御したりした後一旦距離を取る。その瞬間リーシャがペダン星人に向けて銃を構えて撃つ。

 

 

バシュン!!

 

 

「くっ!?はっ・・・!」

 

 

辛うじてペダン星人は避けたが、弾は右腕に装着してあったリングに当たって外れてしまう。

慌ててペダン星人はリングを取ろうと腕を伸ばすが、リングは光ったと思った瞬間消えてしまった。その隙をついてクロウとレイは同時にキックを放つ。

 

 

「「はぁ!!」」

 

「ぐぉ!うぅ・・・・・」

 

 

蹴り飛ばされて壁に激突したペダン星人はゆっくり前に倒れて動かなくなった。2人の一撃で気を失ったのだ。奴を倒したのと同時に後ろからリーシャ達とヒュウガ達がやって来た。

 

 

「怪我はありませんかクロウさん?」

 

「あぁ、どこも怪我なんかしていない」

 

「この者は何者なんだ!?」

 

「分からない。クロウ、こいつは一体・・・?」

 

「さっきも言ったが、こいつはペダン星人。惑星ボリスで倒したキングジョーブラックの持ち主だ」

 

 

ペダン星人とキングジョーブラックと聞いてレイ達は驚きの表情をしてさらに情報を聞こうとするが、再び爆発が起きて警報が激しく響く。

 

 

『緊急退避!緊急退避!!約10分後に当基地は大爆発する。全員速やかに基地から退避せよ』

 

「ク、クロウ様!此処ハモウ危険デス」

 

「早くギガ・ロボフォーに乗って脱出しましょう!」

 

「あぁ、そうしよう。レイ、お前は・・・何している?」

 

 

一緒に来るようにレイに言うとするが、何故かレイはペダン星人を担いでいた。自分がレイオニクスである事を知っているのに何故助ける?不思議に思って理由を訊ねてみると。

 

 

「俺は誰かを見捨てる事なんてできない。クロウの仲間であるなら尚更だ!」

 

「おいおい・・・」

 

 

なんて良い奴に育ったんだろうねレイ君。少し感動して嬉し涙が出るかと思ったよ。

 

 

「分かった。ならそいつも含めた全員、この基地から無事に脱出するぞ!」

 

「「「「「了解!!」」」」」

 

 

クロウの指示を聞いて全員走り出す。走っている最中、爆発による衝撃で何度か転びそうになるが走り続けて、ペンドラゴンに辿り着くとペダン星人の事をレイ達に任せて一旦別れる。さらに走ってようやくギガ・ロボフォーがある所に辿り着いた。だが爆発のより発生した炎が近くで燃えていて、ギガ・ロボフォーにも燃え移ろうとしていた。これには流石にクロウも慌てて、3人は急いで乗ってロボット達にも指示を出して発進させた。

 

 

 

ドオオオオオオン!!ズガアアアアアアン!!

 

 

発進して必死に基地から離れた時、ZAP基地は大爆発して吹き飛んだ。破片が少しぶつかったりしたが損傷はなく、またペンドラゴンとゴースタードラゴンも間一髪脱出できたのを確認した。

 

 

「やれやれ・・・ギリギリセーフだったぜ。折角の宇宙船が燃えてしまうところであった」

 

「本当ですね。それとクロウさん、基地が爆発したのはやっぱりあのペダン星人の仕業でしょうか?」

 

「おそらく・・・いや、絶対そうだろうな」

 

「デハクロウ様、アイツヲ痛メツケテ話ヲサセマショウ!」

 

「お前の言う通りだよジェロニモン。だがそれは後になりそうだ。ホレ、前を見ろ」

 

「「えっ?/グエ?」」

 

 

クロウが指差す所に巨大なワームホールが出現していた。それを見て2人は驚いて悲鳴を上げる。リーシャが急いで避けようと舵を切るが間に合わず、ギガ・ロボフォーは吸い込まれてしまった。

同時刻にレイとヒュウガが乗ったゴースタードラゴンも吸い込まれてしまったのであった。

 




【大怪獣バトルファイル】
怪獣王(モンスターキング)クロウ

本小説の主人公で、全ての怪獣達の頂点に立ち、全ての怪獣達を守りし者である。元はただの人間だったが、ある神のミスで死んでしまって冥王に強力なレイオニクスとして転生さする。彼の持つギガライブナイザーは怪獣を召喚する他に怪獣にライブして一体化することもできる。主力怪獣はキングオブモンス、キングギドラ、グランドキングの3体で他にも多くの怪獣達を仲間にしている。戦いをしていく内に彼の姿は人間から怪獣と同じ姿になって、身体能力が上がって様々な能力を使えるようになった。また旅の途中で出会ったピット星人リーシャとは恋人関係にある。そして怪獣酋長ジェロニモンを側近として常に自分の傍に置いている。惑星ボリスを本拠地に怪獣や宇宙人達を傘下に収めていき、惑星ハマーでレイオニクスバトルに勝ち残る決心である。
ちなみに今後クロウには側近や恋人が増えていく予定である!?


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