俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

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皆様、本日で遂に惑星ボリス編終了でございます。ここまで来るまで結構長かった。
今回は前に登場したオリジナル怪獣ドライレクスの無双と3体の強豪怪獣との決着、そしてレイ達との別れの話です。しかしクロウが怪獣王になるまでまだまだ物語は続きますよ!
感想と評価をお待ちしております。


究極超合体王怪獣ドライレクス、最強合体獣キングオブモンス、古代怪獣EXゴモラ
究極対G兵器・3式機龍〈改〉、サイボーグ怪獣ガイガン(FW)、怪獣酋長ジェロニモン
怪獣王ゴジラ・Godzilla、巨蛾モスラ(成虫&幼虫)、空の大怪獣ラドン、暴龍アンギラス
雷怪獣バルグザーダン、宇宙凶悪戦闘獣スペースゴジラ、ミサイル超獣ベロクロン
蛾超獣ドラゴリー、超古代怪獣ガルラ、えんま怪獣エンマーゴ、超翔竜メガギラス
宇宙恐竜ゼットン、初代ウルトラマン
邪神ガタノゾーア、閻魔獣ザイゴーグ、完全生命体デストロイア   登場



第19話 惑星ボリス制覇

超古代軍団と地獄軍団との戦いに決着が付いた後、ラスボス強豪怪獣達の戦いにも徐々に決着の時が近づいていた。

 

 

「グオオオゥゥゥギャアアアァァァッーー!!」

 

 

走り出したドライレクスは正面からガタノゾーアに激突しようとする。それを見てガタノゾーアは動きを止めようと大量の闇を放った。だがドライレクスは翼を大きく広げて羽ばたかせ、闇を全て吹き飛ばしてしまった。

 

 

「グヴヴオオオオォォォ!?」

 

 

闇が全て吹き飛ばされた事にガタノゾーアは動揺する。あの闇の力が恐ろしいほど強い力である事を自分が一番分かっている。今目の前にいる相手がどんなに巨大であろうと痛みを与え、黒く染め上げられるはずの闇が一瞬で消えてしまった事が信じられなかった。だが今起こった事は現実で、動揺して動けないガタノゾーアにドライレクスはお返しとばかりに両肩にあるギドラの首から通常よりも強力な『超引力光線』を放つ。

それ喰らってダメージを受けるガタノゾーアだが、今度は体に生えている触手を伸ばして体に巻き付けて締め付け攻撃をしつつエネルギーを吸い取った後、両腕のハサミでバラバラに切り裂こうとするが・・・。

 

 

「グオオオゥゥゥギャアアアァァァッ!!」

 

 

ザシュッ!!ガッキィィン!!ビキビキ!!

 

 

「グヴヴオオォォ!?グゥゥヴヴヴオオオオオオォォッ!!」

 

 

迫って来る無数の触手と巨大なハサミにドライレクスは同等の大きさである右腕のハサミで触手を全て一気に斬り落とし、左腕のロボットハンドでハサミを掴んで止めたばかりかそのまま力を込めて握り不吉な音と共にハサミにヒビを入れてしまった。あまりの痛みにガタノゾーアは悲鳴を上げる。

だが邪神として恐れられてきた自分がこのままやられる訳にはいかないと自分に言い聞かせたガタノゾーアは至近距離から紫色の光線『貫通レーザー』を頭部から放って攻撃する。この光線は一般レベル並みの威力で頭部の広さと同じ範囲で何発も撃てる。そして文字通り敵の体を貫通できる技なのだが、ドライレクスの腹は機械で強化されていて貫通する事は出来なかったが、何発も撃たれた事でダメージを受けて掴んでいたハサミを離す。その隙にガタノゾーアは距離を取って態勢を立て直した。

 

 

「グオオオゥゥゥギャアアアァァァッーー!!」

 

 

攻撃を受けた事にドライレクスは怒りの声を上げて、クルッと回転して背中を向けると2本の尻尾を長く伸ばしてガタノゾーアの体に巻き付ける。そして力強く持ち上げてそのまま空高く投げ飛ばした。スカイドンと同じ重量があって、普通の怪獣より体格がとても大きいガタノゾーアを空高く持ち上げるとは・・・恐るべし!

再び正面を向いたドライレクスは落ちてくるガタノゾーア目掛けて両肩にある首も合わせた3つの口から一斉発射する最強の必殺技『トリプルカイザービーム』を放つ。

 

 

「グゥゥヴヴヴヴヴオオオオオオオオオオォォォォォッーー!!」

 

 

空中では身動きが取れず対応する事ができないガタノゾーアは光線を防げず、全身に受けてしまった。そして体の様々な部分で激しい火花を散らせながら地面目掛けて落ちて行く。

 

 

ズッドオオオオオォォォォォォン!!!

 

 

激しく地響きと土煙を起こして地面に倒れているガタノゾーアだがまだ息をして生きていた。

流石邪神と言われた怪獣だと思いながら俺はギガライブナイザーを構えて回収した。

 

 

『フ・・・フッハハハ!遂に手に入れたぞ。邪神ガタノゾーアだぁ!!』

 

「グゥゥヴヴヴヴヴオオオオオオオオォォッーー!!」

 

 

俺の笑い声とドライレクスの勝利の咆哮が混ざって響く。ガタノゾーアは俺が知る怪獣の中で最強クラスの奴だ。こいつを見て大半の奴は恐怖を感じて拒否するだろうが俺は違う!

 

 

「お前も今日から俺の仲間で、家族だぞ・・・」

 

 

そう言って愛しくギガライブナイザーの中にいるガタノゾーアを見つめる。

さぁて、喜ぶのは一旦止めてもうひと働きするか。まだ回収しないといけない奴がいる事だし。

ドライレクスとガタノゾーアの激戦をずっと見ていた怪獣達の中で敵側であるザイゴーグ、デストロイア、エンマーゴの3体は仲間の敗北を見て戦意が低下し、本能で勝てないと察知して完全に弱腰になっていた。今彼らの頭の中に浮かんでいる事は一刻も早くこの場から逃走する事である。

そうしないとあの巨大な怪獣だけでなく、他の連中もやって来てしまうからだ。

 

 

「グギャアアアアァァァーー!ガハハハッ・・・!!」

 

「ヴウゥ!?ギャアアアアアッ!!」

 

 

そう結論して先に動いたのはザイゴーグである。地獄軍団で本当に最後の配下であるエンマーゴに指示を出す。主からの命令を聞いたエンマーゴは一瞬驚きの顔をするがすぐに刀を振り上げ、機龍だけでなくガイガン(FW)にも襲い掛かってきた。

 

 

「キイイイィィィガァァァ!!」

 

「ギィアアアオオオォォォン!!」

 

 

エンマーゴの刀をガイガン(FW)と機龍はそれぞれ鎌とドリルで防ぐ。だがエンマーゴは口から黒煙を吐いたり、刀を無茶苦茶に振り回したりと2体に攻撃を続ける。それは先程までとはどこか違う戦い方だった。すると突然エンマーゴの後ろから地震が起きた。

 

 

「グギャアアァァーー!ガハハハッ・・・!!」

 

 

地震の原因はザイゴーグがまた棍棒で地面を叩いていて、再び地面が割れると赤く血の池みたいに溶けて光り出した。そこへザイゴーグがゆっくりと入り始める。実はエンマーゴは主を逃がすために時間稼ぎをしていたのだ。

 

 

「キイイイィィィガァァァ!!」

 

「グギャアアァァーー!?」

 

 

いち早くその事に気が付いたガイガン(FW)は両腕の鎌からチェーンを出してザイゴーグの首にかけて引っ張り動きを止める。だがザイゴーグも逃げるのに必死でチェーンを取り外そうと棍棒で叩きまくる。さらにエンマーゴが刀でチェーンを斬ろうと迫るが、2体は目の前の事ばかり気にしてある事を忘れていた。それは・・・自分達の敵がもう1体いる事だ。

 

 

「ギィアアアアアアオオオオオオォォォン!!」

 

「「!?」」

 

 

ガイガン(FW)がザイゴーグ達の相手をしている間に機龍は胸部のハッチを開き、装備されているメーサー砲にエネルギーを溜めていた。咆哮を聞いてはっと思い出し、2体は急いで振り向いて攻撃に備えようとするが後の祭りであった。チャージを完了した機龍が口と胸から同時発射する『3連装ハイパーメーサー砲』を繰り出した。

それを見たエンマーゴが慌てて盾で防ごうと前に突き出すが光線の威力に盾が持ちこたえず壊れしまい、弾き飛ばされて倒れる。だがそのおかげでダメージを受けつつも倒されずに済んだ。そして光線はザイゴーグ目掛けて一直線に向かう。

 

 

「グギャアアアアァァァーー!ガハハハッ・・・!!」

 

 

迫る光線にザイゴーグは口から破壊光線、胸の発光器官から火炎弾の両方を放って相殺した。両者の間で爆炎が発生し煙が漂う中、ザイゴーグは防ぎ切ったと思って一息ついて再び地中に入ろうとした時、突如近くでドスンッと何かが落ちる音がした。不思議に思って音の方をした方を向くとそこには・・・自分の右腕の棍棒が落ちていた。

 

 

「!!?グギャアアアアァァァ・・・!?ガ、ハハハッ!!」

 

「キイイイィィィガァァァーー!!」

 

 

気づいた瞬間に激しい痛みが襲い掛かり悲鳴を上げる。また悲鳴とともにガイガン(FW)の鳴き声も響いた。実はガイガン(FW)が胸から小型の丸ノコのブラデッド・スライサーを発射して切り落としたのだ。

自慢の武器は切られ、チェーンで動きは封じられ、部下は満身創痍で、逃げる術がない状況にザイゴーグは怒りと焦りが混ざった表情をする。

もうこうなったら自棄だと背中の棘を辺り一面に滅茶苦茶に飛ばしたり、胸に力を込めてガバッと口のように開いて触手を出して2体からエネルギーを奪うとする。だが棘は光線によって破壊され、触手はブラッディ・トリガーとスパイラル・クロウで切り刻まれて2体に届かなかった。そしてガイガン(FW)は両腕からチェーンを外し、機龍と挟み撃ちにする位置に立つ。今まで戦いを静観していた俺はここで指示を出す。

 

 

『お前達、同時攻撃で一気に決めろ!』

 

「キイイイイイィィィィガァァァ!!」

 

「ギィアアアアアオオオオォォン!!」

 

 

指示に従い互いに声を上げた後、機龍は『3連装ハイパーメーサー砲』を、ガイガン(FW)は眼から『ギガリューム・クラスター』を放つ。光線は同時にザイゴーグに命中した。

 

 

「グギャアアアアァァァーーー!!ガハ・・・ハハハッ・・・」

 

 

2体の必殺光線を受けたザイゴーグは体から激しい火花を散らして悲鳴を上げながら倒れた。

しかし死んではいなかった。手加減しろと言ってないから本気で放った攻撃なのに・・・こいつもかなり強い奴だ。感心しつつギガライブナイザーを構えてザイゴーグ&エンマーゴの地獄タッグとお礼を言いながら機龍とガイガン(FW)を回収する。早く傷を癒して暫く休んでおきな。

 

 

『これでこの場に残っているのはアイツだけだ。さてどうなっ・・・!?』

 

 

まだ戦っているゴジラとデストロイアの戦いがどうなったかを確認しようと2体の戦場を見た瞬間、俺は絶句して暫し呆然としてしまった。

 

 

「ディガアアアオオオォォォォンーーー!!」

 

「ギ、ギィガア、アアアゴオオオォォ・・・」

 

 

ゴジラとデストロイアが戦っていた場所にはいくつものクレーターがあり、それぞれ近くにバラバラで黒焦げの分裂体になったデストロイアの死骸があった。

そして一番大きなクレーターの中にゴジラはいた。咆哮を上げるゴジラの両手には、体中から血が流れ落ちて虫の息状態であるデストロイアが握られていた。

最初デストロイアもドライレクスの強さに恐れて逃走しようとしたが、因縁の相手をゴジラが逃がす訳がなかった。空に飛び上がろうとするデストロイアの翼を『放射熱線』で破壊して飛べなくし、落ちてきたところでパンチやキックを連続で浴びせた。その後尻尾を掴んで思いっきり地面に叩きつけた。その衝撃は激しくデストロイアの体は粉々になって散ってしまったが、デストロイアは分裂体となって反撃を開始して口から『オキシジェン・デストロイヤー・レイ』を放射しながら数で攻めた。しかし・・・結果は先程の通り、太い尻尾や脚で踏み潰されたり、全身から放つ『体内放射』で焼かれたり吹き飛ばされたりして痛めつけられ、とうとう全滅寸前まで追い詰められてしまった。

 

 

『本当に容赦ないな・・・』

 

 

ゴジラの怒りが籠った戦いに俺は少し恐れを感じた。本当に仲間にして良かった。もし敵のままであったらタダでは済まなかっただろう。

そう思っている間にゴジラは掴んでいるデストロイアを思いっきり遠くへ投げ飛ばした。

 

 

「ディガアアアオオオォォォォンーーー!!」

 

 

投げ飛ばされたデストロイアは地面に落ちてピクリとも動かなかったが、まだ生命反応を感じた。ゴジラも相手が生きている事に気づいていて、止めを刺そうと背びれを青く光らせて熱線を放とうとする。だが前と同じゴジラが光線を撃つ前に俺はギガライブナイザーを前に出して回収する。

デストロイアが消えて一瞬驚くが一度見た事があったのでゴジラはすぐ俺(ドライレクス)を睨み付ける。

 

 

『言ったろ?俺の目の前で怪獣は殺させないと。それにあれ程痛めつけたんだからもう十分だ』

 

「グルルル・・・!!」

 

 

そう言って宥めるけどゴジラは怒りの表情のままだ。やっぱりそう簡単には収まらないか・・・まぁ、仕方ない。ここはあの手で行くか。

 

 

『このまま戦い続けているとお前を待っている大切な同族が悲しむぞ』

 

「!?」

 

 

同族が悲しむと言う言葉を聞いてゴジラはだんだんと表情を和らげて唸り声も小さくなっていく。やはりゴジラを説得するにはミニラ達同族を使うしかない。少し汚い手だと思いつつも大人しくなったゴジラをギガライブナイザーに戻す。それから俺は休む暇もなく翼を大きく広げて空を飛び、戦いが行われた場所へ向かう。

そして各地で戦っていたラドン、メガギラス、スペースゴジラ、ガルラ、アンギラス、ドラゴリー、モスラ姉弟、バルグザーダン、Godzilla、ベロクロンの全ての怪獣を回収した。回収した怪獣達の中には危ない状態だった奴もいたが何とか間に合った。戦いが終わって俺もドライレクスからライブを解除して元の姿に戻る。

 

 

「ふぅ~~やっぱりライブすると疲れる。まぁ、終わり良ければ総て良しだ!さて次は人口太陽をこっちのものにしないとな・・・」

 

 

原作ではキングジョーブラックのせいで機械にトラブルが起きて惑星ボリスに激突して大爆発が起きてしまい、ボリスが巨大な炎に包まれてしまった。奴を倒したからと言ってそんな事が起きないと言う保証はない。念には念を入れてテントの中に置いてあったパソコンを起動してパスワードを変更して人口太陽のプログラムに手を加え、ZAPの連中が操作できないようにした。他にもまだ破壊されずに残っている基地や機械なども俺の物にした。

 

 

「これで全部完了っと。それじゃ・・・レイ達の元に向かうとするか」

 

 

再びギガライブナイザーを構えてキングオブモンスを再召喚した。何故大コンドルではないのかって?考えても見てくれ。もしレイとリーシャがまだケイトとバトルしていたら絶対太刀打ちできないからだ。現れたキングオブモンスの頭部に向かって大きくジャンプして乗っかる。

 

 

「疲れているところ悪いなキングオブモンス。レイ達の元まで飛んでいってくれ!」

 

「グオオオオォォォッーー!!」

 

 

俺の声を聞いてキングオブモンスは翼を大きく広げ飛び立ち、石となったウルトラマンがいる場所に向かう。

空高く飛んで少し経つと目的地が見えて来た。援護が必要かなと思いつつ俺は空の上から戦場を見るとレイとケイトの姉弟対決はもう終わろうとしていた。レイは既にレイモンへ覚醒してゴモラもEXゴモラになっている。あと2人が戦っている所から少し離れた場所にモスラから降りて回収したと思われるリーシャ達とペンドラゴンから降りたヒュウガ達が戦いを見守っていた。

 

 

「グォアアアアシャアアアァァッ!!」

 

「ゼットオオォン!!」

 

 

凄まじい咆哮を上げながらEXゴモラは『大回転尻尾落とし』を繰り出してゼットンに大ダメージを与えて、そのまま全身にエネルギーを集めて『EX超振動波』で止めを刺した。

 

 

「ゼットォン・・・・」

 

 

弱々しく鳴き声を出した後ゼットンは倒れて大爆発した。それを見た後レイモンはウルトラマンの方へと体を向けて封印を解こうとレイオニクスパワーを送り出す。だがそれより俺はケイトの事が気になった。

この戦いは“真のレイオニクスバトル”の筈だ。自分の怪獣が倒されたと言う事はケイトも大ダメージを負っている。そう思って辺りを見渡してみるとボロボロになりながらレイの元に歩いているケイトを発見した。俺はキングオブモンスに降りるようにした後、ギガライブナイザーに戻す。そして力を使いすぎて元の姿に戻ったレイの所まで歩いて膝をついている彼に肩を貸して立たせた。

 

 

「いくら覚醒したからと言って無茶な事をするぜまったく・・・(苦笑)」

 

「ハァハァ、クロウ・・・」

 

「「「「「クロウ/さん/様!!」」」」」

 

 

俺の事に気が付いた全員が走りながら傍に寄って来る。それから少し遅れてフラフラしながらケイトもやって来た。そして彼女は戦いの中でレイを鍛えて覚醒させると言う自分の役目は終わった事とレイブラッド星人の後継者になる為に最強のレイオニクスを決める戦いに勝たなければいけない事をレイに告げた。

 

 

「必ず勝つのよ、レイモン・・・私の・・・・・弟よ・・・」

 

 

涙を流しながらそう言って原作通り光となって消えると思ったがまだ消えず、今度は俺の方を向いて話す。

 

 

「あなたが・・・弟を導いて、守ってあげて・・・モンスターキング・クロウ・・・」

 

「・・・お前の願い、引き受けた」

 

 

ケイトの頼みにクロウは真剣な表情かつどこか優しい感じで引き受ける。それを聞いてケイトは再び涙を流す。だがそれは嬉しい気持ちから出る涙であった。

そしてケイトは光となって消えていった。本当に弟想いの優しいお姉さんだったな。それに俺の事をモンスターキングと認めてくれたし。

 

 

「ケイト・・・」

 

「姉の事を忘れず、想いと願いを無駄にするなよレイ」

 

「・・・ああ、そうだな」

 

 

戦いは全て終わった。だが未だ残っている問題がある。

1つはレイの今後について、もう1つはまだ少し石となっているウルトラマンについてだ。

 

 

「レイ、こんな状況だからこそ言う。お前は・・・どっちに付きたい?」

 

 

まず先にレイに今どちらと一緒に行くかを訊ねた。俺達レイオニクスの者同士この惑星で共に残るか、ヒュウガ達ペンドラゴンのクルーとして付いて行くか。難しい選択にレイは顔を俯かせて考える。だが答えはすぐに出た。

 

 

「クロウ、俺は・・・ボス達と一緒に地球に帰る!」

 

「・・・良いんだなそれで?」

 

「あぁ、昨日ボス達に俺の正体を話したんだ。人間じゃない俺を皆は・・・仲間と言ってくれたんだ」

 

「そうか・・・ならもう俺が言う事はない。だが忘れるなレイ、俺はお前の味方だ。何かあったらすぐに俺の元にやって来るがいい」

 

「私も待っていますよレイさん」

 

「我モ偉大ナル主ト同ジ、オ主ノ味方ダ」

 

「「私達も貴方に幸せと安らぎが続く事を祈っています」」

 

 

俺だけでなくリーシャ、ジェロニモン、ユニ、リンもレイに優しい言葉を送る。自分が1人ではないと感じたレイは静かに涙を流した。その後ヒュウガ達とも別れの挨拶を済ませ、全員がスペースペンドラゴンに乗って惑星から旅立って行った。

 

 

「アイツらがちゃんと無事な所まで行けるようにあんたに護衛を頼むぜ・・・ウルトラマン」

 

「ヘヤッ!」

 

 

俺の頼みにウルトラマンは承諾する。ちょうどレイ達がペンドラゴンに乗って空高く飛び上がった時にウルトラマンは石から脱出したのだ。リーシャ達はいつの間にか後ろで立っているウルトラマンを見て驚く。特にジェロニモンは今にも攻撃しそうな感じだが、身長差と俺が手で制しているのを見て我慢している。

 

 

「俺は別にお前達光の戦士と今やり合うつもりはない。攻撃もしないから安心してこの惑星から立ち去れ。あとついでに光の国に帰ったら伝えておけ。惑星ボリスは怪獣達の楽園で、この俺・・・モンスターキング・クロウの物だとな!」

 

 

「・・・シュワ!!」

 

 

無言のままウルトラマンは空高く飛び上がってペンドラゴンを追い掛けて行った。これで厄介な問題は全て解決した。軽く背伸びしながらリーシャ達に笑顔で言う。

 

 

「さぁ~て!今日はもう疲れた。この後ゆっくり休んで明日からこの星の楽園作りを始めるぞ!!」

 

「「「はい!クロウ様!!」」」

 

「グェグェグェ、ウオオオオォォォ~~!!」

 

 

俺の怪獣王への道は今1歩進んだばかりだ。今後も大切な怪獣達やリーシャ達・・・仲間や家族と一緒に進ませてもらうぜ!!

 

 

それから少しして宇宙にある1つの噂が流れるようになった。

いくつもある惑星の中に様々な怪獣が多く存在して、互いに仲良く暮らしている。そしてその怪獣達を守り、従えている強大な力を持った者が存在しているとのことだった。

 




宇宙 夢とロマンが積もった物語


次回、第2章惑星ハマー編、始動!


新たな出会い、過酷な試練、運命の決断、新たな王が誕生する!!


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