俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

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皆様、大変長らくお待たせいたしました。今回はテレビの第11話の話で、怪獣軍団VS超獣軍団のバトルが繰り広げられます。たくさんの超獣が登場しますよ。そしてお待たせ致しました。
遂にあの本家怪獣王が登場します!感想と評価、リクエスト怪獣をお待ちしております。


最強合体獣キングオブモンス、古代怪獣ゴモラ、超古代狛犬怪獣ガーディー
宇宙怪獣エレキング、剛力怪獣シルバゴン、巨蛾モスラ(成虫&幼虫)
ミサイル超獣べロクロン、蛾超獣ドラゴリー、変身超獣ブロッケン
大蟹超獣キングクラブ、サボテン超獣サボテンダー、液汁超獣ハンザギラン
怪獣王ゴジラ・Godzilla、ゴジラの息子ミニラ、大怪鳥大コンドル、宇宙有翼怪獣アリゲラ
ゴジラザウルスの子供ベビーゴジラ、高次元捕食体ボガール   登場


第15話 怪獣王降臨

とある海域にて、何十体の怪獣の群れが海の中を泳いでいた。

それはかつてクロウ達が遭遇したアリゲラの群れだった。前の時はのんびりと泳いでいたアリゲラ達だったが、今回は違っていた。まるで何かから逃げるかのようにジェット噴射を使いながらもの凄い速さで泳いでいたのだ。そんな彼らの去った後から1体の怪獣がゆっくりと泳いでいた。

 

 

「グルルル・・・」

 

 

その怪獣は黒い体にたくさんある背びれが特徴だった。そして何処かを目指してただひたすらまっすぐ泳ぎ続けた。

 

 

 

一方その頃、クロウ達は手に入れた物資をそれぞれの宇宙船に運び入れる作業を終えて、夕陽を眺めながら休んでいた。と言うのも原作より必要な部品がたくさん手に入り、クマノや専門の技師達が修理を始めたので、彼らの邪魔をしない為にここにいたのだ。

いくら知識があるとはいえ、まだそんなに経験があるわけではないしな。

 

 

「たまにはこうしてのんびりするのも悪くないな」

 

「あぁ・・・」

 

「はい、クロウさん」

 

 

3人で夕陽を眺めていた時に後ろから誰かが近づいて来た。振り向くとそこには幼い少女がいた。その子を見て俺はつい声を出しそうになったが、すぐに口を閉じる。

危ない危ない・・・知っているあまり名前を言いそうになった。怪しまれないように初対面の振りをしておかないと(汗)。俺が内心慌てているのに気がつかないまま、リーシャが代表してその子に尋ねる。

 

 

「あなたは?」

 

「カレン・・・御蔵カレンです!」

 

「カレン?」

 

 

そうカレンちゃんである。この島にいるウルトラマンと関わりのある重要な女の子だ。しかしテレビで見たよりも大人しい感じだ。そう思っている間、レイがカレンちゃんにベラルゴシティで見つけたペンダントを渡して、自己紹介をしていた。

 

 

「君に・・・聞きたい事があるんだ」

 

「えっ?」

 

「君は俺のこt「待てレイ、ここでは少々マズイ。ボス達のいるテントで聞こう」・・・分かった」

 

 

そろそろ夜になるから修理も一旦休んでいると思い、カレンちゃんを連れて俺達はヒュウガ達の元に向かった。行ってみると予想通り修理を止めて、全員が食事などをして休んでいた。

事情を話して食事を済ませて全員が椅子に座った後、カレンちゃんに尋ねた。

彼女のお父さんがブルトンを解析していた事など、いろんな事を聞いてからようやく本題に入った。

 

 

「俺は・・・君とどこかで会ったような気がするんだ」

 

「・・・うんん、お兄さんと会うのは今日が初めてだと思うんだけど・・・」

 

「そんな筈はない!もう一度よく思い出してくれ!」

 

「ごめんなさい。本当に会った事がないんです」

 

 

 

カレンちゃんの言葉を聞いて、レイは俯いて悲しい顔になる。そろそろ助け舟を出すか。

 

 

「それならカレンちゃん。君はここに来るまでに赤ちゃんに会った事はないかい?」

 

「赤ちゃん?」

 

「!!」

 

 

そう質問するとレイは驚き、カレンちゃんは少し俯いた後、何かを思い出したように顔を上げる。

 

 

「はい、私がまだベラルゴシティの研究所にいた時に会いました。けど・・・私が救助された時に光となって消えてしまったのです」

 

「消えた!?」

 

「うん」

 

 

それを聞いて、レイとリーシャがすぐに俺に話しかけて尋ねる。

 

 

「クロウ!お前は前にあの赤ん坊が俺だと言ったな!?」

 

「あぁ、そうだが?」

 

「それでは何故レイはこんな僅かな時間で成長できたんでしょうか?」

 

「・・・おそらくケイト、あの女レイオニクスの力だと思う」

 

 

2人にケイトの名を出すとリーシャは驚き、レイは何も言わなくなって静かに考え出した。

暫くの間はこの状態が続くだろうな。「明日の為に早く寝な」と言い、そっと出てペンドラゴンの自分の部屋に寝た。寝る前にハネジロー達がギガライブナイザーから出てじゃれついてきて、寝るのが遅くなった事は余談である。

 

 

 

翌日、俺はリーシャとレイを連れてグランケープ補給基地にいた。

理由は2つあって、1つはレイとリーシャに強くなる方法を教えるためだ。前回の戦いの後、グランドキングのパワーアップした姿を見た2人が、自分達も強くなりたいと頼んできたのだ。ヴィセント島では、他の人間共のせいで面倒な事になると考えて、この島で特訓する事にしたのだ。

なに?それでは誰がヴィンセント島の守りに付いているのかだと?それはモスラ親子とユニとリンに頼み、また緊急事態の時にすぐ連絡するようにボス達に言い聞かせて万全の態勢だ。

そして2人の体の中に秘めているレイオニクスの力を俺の超能力で溢れ出させる。

 

 

「いいか?今お前達のレイオニクスの闘争心と力を強くさせている。それを拒まずに自分の力にしろ。そしてその力を制御できるようにしろ」

 

「うぅ・・・があぁ・・・!!」

 

「はぁはぁ・・・くぅ・・・!!」

 

 

特訓の説明をしながら強い力を受けて苦しむ2人を見守る。万が一に2人が暴走しても被害が出ないように特殊な結界を張ってある。これは力が制御できて、力が一定以上強くなるまで出る事は出来ないものだ。

それから俺は後ろで激しく音がする方を振り向く。掘り向くとそこには大量のロボット達が働いていた。ユートム、チブロイド、アンドロイド、ジェットジャガーなどたくさんだ。

この島にやって来たもう1つの理由・・・それは前回見つけた大量にある宇宙船とロボットの残骸の中からまともな物を見つけて修理する事だ。意外にも正常に動くロボットや内部の損傷がそれほどひどくない宇宙船が何機かあった。

その中から性能の良く、多彩な武器を備えた戦闘円盤・ロボフォーを修理する事に決めた。また、同じ所で見つけた2体のロボット・サイボーグ怪獣も修理している。ギガライブナイザーを使ってロボット達の頭部にあるコンピューターのプログラム内容を書き換え、指示に従うようにした。彼らの手助けと豊富な材料のおかげで作業はスムーズに進んだ。

 

 

「よ~し、これならあと5日くらいで修理が完了しそうだな」

 

 

完成したら2体を仲間にして、ロボフォーに乗って宇宙を楽しく旅する事ができると思っていた時に突然持っていた小型携帯が鳴り出す。すぐ携帯に出るとヒュウガが慌てながら話してきた。

 

 

「俺だ。どうかしたか?」

 

「クロウ!島に怪獣・・・いや、超獣が上陸したんだ。モスラ親子が戦っているんだが、苦戦している。レイ達を連れてすぐに戻って来てくれ!!」

 

「何だと!?だが島にはエリアスの盾による結界が張ってあったはずだろう?」

 

「いや、盾は何者かに破壊されてしまって、結界が壊れてしまったんだ」

 

「そうか・・・よし、分かった。すぐに行く!だが今レイ達は重要な事をやっていて動け「待てクロウ!!」ん!?」

 

 

俺だけ行くと伝えようとする前にレイが声を上げる。振り向くと荒い息をしながら立っているレイとリーシャがいた。まさか・・・もう力を制御したのか!?確かにさっきの特訓は初級くらいだったから簡単なものだ。だからと言ってこんなにも早くできるとは思わなかった。そう思っている間にも2人は付いて行くと言う。

 

 

「ボス達が危ないのを・・・黙って見ている訳にはいかない!」

 

「私達も・・・行きますよ!」

 

「やれやれ・・・本当なら休んでいろと言うんだが仕方がないな。お前達も付いて来い!出てこい大コンドル!!」

 

『バトルナイザー!!モンスロード!!』

 

「ピイィィィ!キュアアァァッ!」

 

 

2人を説得しても無駄かと諦めてロボット達に作業を続けるように指示した後、大コンドルを出してその背中に乗ってすぐにヴィンセント島に向かった。島が見えてくるとそこでモスラ親子が超獣と戦っている光景が映った。しかし、またもやその数が凄かった。

ミサイル超獣べロクロン、蛾超獣ドラゴリー、変身超獣ブロッケン、液汁超獣ハンザギラン、サボテン超獣サボテンダー、大蟹超獣キングクラブの合計6体だ。超獣達の攻撃をモスラ親子は必死に防いでいるが、数の多さと様々な能力を持っている事から苦戦していた。

また、親モスラは子供モスラを守りながら戦っていたため、どうしてもキツイ戦いをしなければならなかったのだ。

 

 

「・・・これは随分と凄い奴らがやって来たものだ」

 

「そんな事を言っている場合ではありませんよクロウさん!モスラ達を助けないと!」

 

「分かっている。レイ、リーシャ・・・行くぞ!!」

 

 

3人同時にバトルナイザーを構えて各々の怪獣を召喚する。

 

 

「グオオオオォォォーー!!」

 

「ギシャアアァァァァッ!!」

 

「キィイイイィィィ!!」

 

「ガウウウゥゥゥッ!!」

 

「ゴシュィィィィィン!!」

 

 

現れたキングオブモンス達5体は超獣達に駆け寄り、体当たりや掴んで投げ飛ばしたりとモスラ親子から引き離して、ゴモラはべロクロン、キングオブモンスはサボテンダー、シルバゴンはドラゴリー、ガーディーはキングクラブ、エレキングはハンザギラン、モスラ親子はブロッケンに戦いを挑んだ。

 

ゴモラVSべロクロンの戦いでは、角を構えて体当たりするゴモラをべロクロンは怯みもせずに受け止めて腕を大きく振って弾き飛ばす。

そして態勢を崩したゴモラを上から両腕で叩き付け、蹴り飛ばした。

 

 

「キシャアアアアァァァーー!!」

 

「ヴオオオォォォーー!?」

 

 

だがレイが先程の特訓で強くなったためか、ゴモラ自身も強化していてすぐに立ち上がってべロクロンに突進攻撃をして、怯んだ隙にジャンプキックをした。

まるでダメージを受けていないような強さにべロクロンは驚きつつ倒れる。少しフラフラしながら立ち上がり、再び突進攻撃をするゴモラの角を必死に受け止めて防御しつつ、口や両手から放つミサイル攻撃『べロクロミサイル』を仕掛ける。大量のミサイルが命中してもゴモラは怯まずに走り出して攻撃を続けた。

 

キングオブモンス&シルバゴンVSサボテンダー&ドラゴリーの戦いは、球体形態となったサボテンダーの攻撃をキングオブモンスはかわし、『クレメイトビーム』を放つ。

だがサボテンダーがピョンピョンと飛び跳ねる為に中々命中しない。一方シルバゴンはドラゴリーと激しく殴り合い、そのまま互いに両手を強く握り合って押し合う。暫く押し合いが続いた後、シルバゴンがドラゴリーの手を掴んだまま勢いよく放り投げた。

また、キングオブモンスの方も飛び跳ねるサボテンダーをタイミング良く尻尾で叩き付けた。それを受けたサボテンダーは元の形態になり、立ち上がった瞬間体の棘を何発も放つ。

だがキングオブモンスは『ボーンシールド』で防ぎ、素早く近づいてサボテンダーの頭を掴むと思いっきり投げ飛ばした。投げ飛ばされたサボテンダーは同じく投げ飛ばされたドラゴリーに頭からぶつかり、2体は重なるように倒れた。

 

 

「ギョロロッ!ギョロロロロロッ!!」

 

「ギュイイ?ギュイイイィィヴヴヴーー!!」

 

 

頭を左右に振りながら立ち上がったドラゴリーがサボテンダーに話しかけるように鳴く。

するとサボテンダーは再び球体形態ドラゴリーの前にやって来るとドラゴリーは自慢の怪力で球体形態のサボテンダーをバレー選手のように思いっきり叩いた。サボテンダーボールはキングオブモンスに目掛けて物凄いスピードで向かって行った。

 

 

「グオオオオォォォッ!!」

 

 

だが、キングオブモンスは向かって来るサボテンダーを見ると尻尾を下から上に勢い良く振ってサボテンダーを打ち上げ、落ちてきたところをシルバゴンが強力なパンチで打ち返した。

サボテンダーは再びドラゴリーに命中して、2体は共に激しい痛みにその場で悲鳴を上げながら転げ回った。それを愉快そうに見つめながらキングオブモンスはシルバゴンに命令(?)しながら目の前の敵に向かって行った。

 

ガーディーVSキングクラブの戦いは、左右非対称のハサミに似た大顎を動かしながら攻めてくるキングクラブをガーディーが両腕で掴みながら押さえていた。

 

 

「ガウウウゥゥゥッ!!」

 

「カキュウゥゥピイイイィィッ」

 

 

キングクラブがもっと顎に力を入れようと体勢を変えた時、ガーディーがそれを利用して背負い投げのようにキングクラブを地面に投げ飛ばした。苦悶の鳴き声を出しつつ立ち上がったキングクラブは、尻尾を振り回してガーディーを締め付けようとする。しかしガーディーは素早い動きでかわして、そのまま尻尾を掴んで噛み付いた。

キングクラブは悲鳴を上げてガーディーを引き離そうとするが、強く噛み付かれて離さない。

もはや『噛み付き怪獣』と名乗った方が良いかもしれない。

 

そしてエレキング&モスラ親子VSブロッケン&ハンザギランの戦いでは、エレキングが素早い動きで2体に格闘戦を仕掛けて攻撃する。その隙をついて親モスラは空から攻め、幼虫モスラ達は岩陰に隠れつつ攻撃した。さらにペンドラゴンも同じように空からビームやミサイルを放って援護射撃する。だがこの超獣2体もただやられる訳にはいかない。

ブロッケンが後ろの蛇状の触角から『スネーク光線』を放って親モスラとペンドラゴンを撃ち落とそうとし、ハンザギランは後ろ足で立ち上がって口から溶解液を吐いて岩もろとも幼虫モスラ達を溶かそうとし、近づいてきたエレキングには背中の棘を振るわせながら体当たりする。

無論エレキング達は受ける気はまったくなく、攻撃を必死にかわしたり防いだりしながら隙をついて再び攻撃する。

どちらも一進一退の攻防が続き、戦いが長引きそうだと思った時、海の方から凄まじい雄叫びが響いた。

 

 

「ディガアアアオオオォォォォォンーーー!!」

 

「「「「「!!?」」」」」

 

 

この鳴き声を聞いて俺は一瞬身震いした。この鳴き声は・・・間違いない。アイツだ!俺だけでなく、怪獣達も含めた全員がその鳴き声を聞いて戦いを止めて海の方を見つめる。すると海から1体の怪獣が上陸した。

それはある世界で人々に恐れられ、何度も日本を襲った水爆大怪獣・・・もとい怪獣王ゴジラであった。しかもあの姿はVSシリーズの奴だった。

 

(BGM:ゴジラのテーマ)

 

上陸したゴジラは怪獣や超獣達を睨め付けながらまっすぐこちらに向かって来た。その視線の先は・・・えっ!俺!?ちょ、ちょっと待て!何で俺の方にくるんだ!?よ~く考えた結果、手に持っていたギガライブナイザーを見つめた。

 

 

「はっ!・・・・・まさかこれからベビー達の気配を感じたのか!?」

 

 

いくらゴジラでもこんな小さなものに気付くはずが・・・・・いや、ゴジラだからこそ気づいたんだなきっと。そう思っている間にもゴジラはどんどん近づいてくる。

それを見たキングオブモンスは急いでゴジラの前に来て、威嚇しながら立ちはだかる。左右にいたレイとリーシャも俺が狙われている事に気が付いてゴモラとガーディーにゴジラを止めるように指示した。

 

 

「グオオオオォォォッ」

 

「キシャアアアアァァァッ!」

 

「ガウウウゥゥゥッ」

 

「ディガアアアオオオォォォン!!」

 

 

唸り声と咆哮を上げて牽制し4体は睨み合う。慎重に差があるがお互いに一歩も引かず、必殺技を放つ構えまでする。その時、突然ゴジラの背中が爆発する。痛みに耐えながら振り向くと後ろには両手を前に突き出しているブロッケンがいた。命知らずな事をしたもんだ。

 

 

「ディガアアアオオオォォォーー!!」

 

「パアアアァァーー!!」

 

 

当然の如く、ゴジラは攻撃したブロッケンに咆哮を上げて向かって行く。対してブロッケンも人馬形態の体を震わせて4本足で猛突進する。2体がぶつかり合うと凄まじい衝撃が周りを襲う。

超獣の中で一、二を争う巨体を持つブロッケンは無論体重も重く、その猛突進を受けたら並みの怪獣やウルトラマンは一溜りもないはずなのだが、ゴジラはブロッケンを押し止めて、角を掴むと勢いよく地面に叩き付けた。

 

 

「ギイイィィパアアァァーー!?」

 

「ガアアァァッ!」

 

 

倒れたブロッケンは『スネーク光線』を放とうと触角を動かすが、ゴジラが2本の触角のうち1本は噛みついて、もう1本は手で掴んで光線を撃てなくした。さらに片足で頭を踏み付け、そして力を込めて2本の触角を引き千切った。

悲鳴を上げるブロッケンだが、ゴジラに頭を踏まれていて身動きできない。それどころかゴジラは踏み付けていた足を上げて、何度も踏み付けた。

 

 

「ギイイイイィィィパアアァァーーー!!?」

 

 

踏み付けられる事に両角にヒビが入り、遂に折れてしまう。途中何回か痛みを抑えて手から光線を出そうとするができず、ようやくゴジラが攻撃を止めた時にはもはや虫の息であった。

そしてゴジラは止めを刺そうと背びれを発光させて『放射熱線』を放とうとするが・・・。

 

 

「悪いな。俺の目の前で怪獣を殺させはしないよ」

 

 

ゴジラが光線を撃つ前にギガライブナイザーを前に出してブロッケンを回収する。突然相手が消えた事にゴジラは驚き、周りをキョロキョロと見渡す。くくくっ、あんなゴジラ初めて見たかもな。まぁ、その事は一先ず置いて・・・。

 

 

「お前達!早く超獣共を倒してしまえ」

 

「グオオオオォォォーーー!!」

 

 

俺の声が戦場に響き、いち早くキングオブモンスが動いて近くにいたサボテンダーに攻撃を仕掛けた。それに続いて他の怪獣達も先程の続きとばかりに超獣に再び攻撃し出した。

体当たりや蹴り技、尻尾などで戦いを有利に進めていき、最後に幼虫モスラ達が口から糸を吐いて身動き取れなくした後、それぞれが止めの必殺技を繰り出した。

 

 

「キングオブモンス!クレメイトビーム!!」

 

「ゴモラ!超振動波!!エレキング!放電光線だ!!」

 

「ガーディー!ゼペリオン光線!!シルバゴンはジャイアントスイング!!モスラ!レインボーバスターよ!」

 

 

必殺技が超獣達に当たると全てが背中から倒れて爆発した。無論全員に手加減するように伝えておいたから超獣達は全て回収した。

 

 

「さて、あと残る問題は・・・」

 

「グルルルル・・・」

 

「グオオオォォ・・・」

 

 

邪魔者がいなくなった事から再びキングオブモンスとゴジラが睨み合う。またさっきと同じになると思ったが、今度は違う。超獣達を倒す間に俺は頭の中でゴジラを説得する方法を思い付いた。

ゴジラは同族を捜して来たのならそれを上手く使えばいい。そして俺はその場から大きくジャンプしてキングオブモンスの頭の上に乗る。

 

 

「待てキングオブモンス。攻撃しなくていい」

 

「グオオォッ!?」

 

「心配するな。俺なら大丈夫だ・・・・・では改めてゴジラ!俺の声が聞こえるか?」

 

「ディガアアアオオオォォォーー!!」

 

 

おぉ~~怖い怖い。普通の者なら絶対に落ち着いていられないな。そう思いつつ、深呼吸して心を平常にしながらまっすぐゴジラを見つめて話を続ける。

 

 

「お前がここに来た理由はこの子達を捜していたからだろう!」

 

 

ギガライブナイザーからミニラ、ベビーゴジラ、そして同じく怪獣王Godzillaを召喚する。それを見たゴジラは目を大きく開き、こちらに向かってゆっくり歩き出す。それを見てキングオブモンスが前に立ち塞がろうとするが、俺が止めて様子を見る。

ミニラ達は最初オロオロしていたが、状況を理解したGodzillaが優しく鳴き声を出して前に押した事から2体もゴジラに向かって行き、目の前で止まって力一杯大きく鳴き声を出した。

 

 

「ディガアアアオオォォォ~~~」

 

 

対するゴジラも鳴き声を上げる。だがそれは先程とは違って恐ろしい声ではなく、優しい感じの声だった。そしてミニラはゴジラの足元に抱きつき、ベビーゴジラも寄り添う。さらにGodzillaも近づいてゴジラの頭を優しく撫でる。その光景を見ていた時、ゴジラの様子が変わったことに気が付いた。

 

 

「泣いている・・・」

 

 

息子と同族に会えた嬉しさからか、ゴジラは目から涙を流していた。暫く彼らの自由にさせた後、俺はGodzillaの頭の中に直接テレパシーを送る。ケイトの一件以来練習していたから普通にできるが、まだ完全とは言えないのでギガライブナイザーを使って送っている。

 

 

『Godzilla、お前の口から同族(ゴジラ)に仲間になるように説得してくれ』

 

「ゴッガアアアァァァッ」

 

 

他人である俺よりも同族から話をして説得する方が成功する確率が上がるはずだ。主人に頼まれたGodzillaはゴジラに優しく、小さな鳴き声で話しかける。暫く続いた後、ゴジラはミニラ達を足元から退かして俺の方に近づき、これまでにない高い鳴き声を出した。

 

 

「ディガアアアオオオオオォォォォォーー!!」

 

 

普通の人には怒っているのではないかと思うかもしれないが、この鳴き声を聞いて俺はすぐに意味を知った。こいつらの為に仲間になってやるか・・・最後まで気難しい王だな!

 

 

「まぁいい・・・さぁ、一緒に来いゴジラ!!」

 

 

ギガライブナイザーを高く上げて、ゴジラ達を回収する。回収した後、俺はすぐにギガライブナイザーを見てゴジラの姿を確認する。

 

 

「本当に仲間にできたんだな。最高の戦力を持つゴジラを・・・」

 

「グルルルルッ!!」

 

「ととっと・・・!あぁ、分かっているよキングオブモンス。お前も最高の戦力で、俺の1番の相棒だよ」

 

 

ゴジラを仲間にできた事に喜んでいたらキングオブモンスが唸り声を上げ、頭を揺らして俺に怒る。落とされないようにしながらキングオブモンスの頭を撫でて謝罪する。最初の戦いの時もそうだが、こいつは自分以外の怪獣を褒めるとすぐに嫉妬する。しょうがない奴だな。

その後、戦いが終わってレイとリーシャを連れてボス達のいるテントの中に入った瞬間に疑惑の目をしたアトウが俺達を訴える。

 

 

「今までこの島に怪獣がやって来なかったのに・・・あなた方がやって来た途端にこのありさまだ」

 

 

コイツは本当に嫌いだ。いくら怪獣に家族を殺されたとはいえ、こんなにも非難されると俺も怒りが抑えきれなくなる。レイとリーシャはすでに不機嫌で今にも奴に殴りかかりそうな感じだ。

 

 

「ちょっと待ってくれ!我々が怪獣を連れてきたと言うのか!!」

 

「クマさん!」

 

 

怒鳴って反論するクマノをオキが必死に止める。だがアトウはさらに続けて非難する。

 

 

「それに・・・怪獣を操り、仲間にする者なんてどう考えてもおかしいですよ!彼らはバケモノだ!!」

 

 

その瞬間、俺の中で何かが切れてしまった。そして殴り飛ばそうとするレイよりも、腰にある銃を抜いて撃とうとするリーシャよりも早くアトウの首を掴んでいた。

 

 

「がっ!あっ・・・あぁ・・・!!」

 

「クロウ!?」

 

「クロウさん!?」

 

 

いつもの彼とは違う雰囲気とある部分を見て2人だけでなく、その場にいる全員が驚いた。なんとクロウの首を掴んで絞めている左手が人間の手ではなく、レイキュバスのハサミ・・・つまり怪獣の手になっていたのだ。そんな中でクロウは冷たく低い声で言う。

 

 

「・・・・・調子に乗るなよ。俺はどんな相手にも優しく接する。だが俺は人間の味方じゃない。怪獣の味方だ!そこまでしてまでお前を助けようなどとは思っていない!!」

 

「クロウ止めるんだ!!」

 

 

激しい大声で言いながらさらに首を絞める。このままだと窒息する前にハサミで首が切り落とされる。そうなる前にヒュウガ達が止めようとした時、ユニとリンが俺に近づいて説得する。

 

 

「「クロウ様!何卒お怒りを静めてください。貴方様の気持ちは分かりますが・・・どうかお願い致します!!」」

 

「・・・・・ふん!運のいい奴め。だが2度目はないと思え」

 

 

彼女達は祈りを捧げるかのように必死に手を合わせて俺を見つめる。

こいつは始末しておかないとレイに災いが起きるのだが・・・こうなっては仕方ないと観念して乱暴にアトウの首から手を離す。

 

 

「そう言えばユニ、リン。エリアスの盾が壊されたと聞いたが、どう言う事だ?」

 

「はい。クロウ様たちがこの島を離れて少しした後、突然恐ろしい邪気を含んだ光の弾が現れたのです。それがエリアスの盾を破壊してしまったのです」

 

 

邪気を含んだ光の弾ね・・・。ケイトはそんな能力を持っていなかったはずだし。一体誰が?そう考えていた時にどこからか怪獣の咆哮が響いた。

それを聞いた瞬間、俺は背筋が凍る感じに襲われた。まるで心の底から恐怖が湧いてくる感じだ。そして急いでテントから出て咆哮がした方向を睨む。

 

 

「今の咆哮はまさか・・・!?」

 

「クロウさん、知っているのですか!?」

 

「あぁ、最悪だ・・・アイツがこの星にいるなんて!!」

 

 

心配したリーシャが出てきて尋ねられて俺は殺気を含ませながら答える。

そしてクロウが睨んでいた方向の少し離れた場所には、黒服の上に白衣を羽織った黒髪の1人の不気味な女性が立って見つめていた。

 

 

「エサガ・・・タクサン・・・ウマソウダ。トクニアイツ・・・クククッ!!」

 

 

女は薄く笑って口元を長い舌でペロリと舐めるのであった。

 




【大怪獣バトルファイル】
怪獣王ゴジラ

世界で最も有名で知られていて、数多くの怪獣達と戦いを繰り広げてきた怪獣王。また核実験によって生まれた悲劇の存在でもある。
主な武器は口から放つ放射熱線と体内放射である。さらに格闘能力も極めて高く、特に尻尾で叩きつける攻撃は強力な破壊力を持つ。
惑星ボリスに現れてから長い間ずっと同族の気配を追い、ギガライブナイザーの中であろうと感じて追い続けてきた。そしてヴィンセント島でクロウ達と超獣軍団の戦闘に乱入して、遂にベビーゴジラ達と再会する。その後クロウの仲間になる。
基本同族以外の相手には厳しく、そのためキングオブモンスとは犬猿の仲である。その為よくケンカしてしまうが、同族やモスラ達によっていつも静められている。

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