俺は怪獣王になる   作:ヤマタノオロチ

1 / 44
第0話 プロローグ

『―――!!』

 

「(何だよ~~~?人がせっかく気持ちよく寝ている時によ)・・・ン?」

 

 

重い瞼を開けながら辺りを見渡すとそこは、何もない真っ暗な世界だった。

 

 

「アレ!?こういう感じは普通白い空間じゃないの!?」

 

『何を勝手に決めつけている』

 

 

俺が驚いていた時に後ろから突然声が聞こえた。振り向くと白い髭を生やして・・・いない、黒いフードに被って怪しげな仮面をつけている男がいた。見るからに危ない気がする!

 

 

『ようやく起きたか・・・随分と眠り込んでいた奴だ』

 

「えっと・・・・・どちら様でしょうか?」

 

『俺は冥王。さっきお前を呼んでいた者だ』

 

 

冥王・・・ってことは俺は地獄の底に落とされたと言うこと!!?何と言う事だ!?

死んだと言うショックが余りに大きく呆然とする俺に冥王様が話しかける。

 

 

『安心しろ。此処は生と死の間で地獄の底ではない。その顔を見るにこれからの流れを知っているようで話が早い。ある神のせいでお前は死に、他の世界に転生する事となった』

 

 

やはりそうか・・・しかし残念だったな。まだ買っていない怪獣ソフビやアイテム、見ていない特撮があったというのに。特に今ウルトラマンギンガの新しい映画が始まったから必死にお小遣いを溜めて見に行く気満々だったのにな。まぁ、あまり諦めたくないけど仕方なく別の世界に転送して・・・うん?

 

 

「何故その神様が俺を転生させようとはせず、変わりに冥王様がいるのですか?」

 

『それがあの駄目神・・・ここに来る前にぎっくり腰になりやがったんだよ』

 

「えっ!?ぎっくり腰!!?」

 

 

神様がぎっくり腰になるなんて初めて聞いたぞ!余りの事に俺が激しく驚いていると冥王様が落ち着くように言って話を続ける。

 

 

『その為仕方なく俺が変わりに来たのさ。本来なら断るはずだが、お前の生前の資料を見て気が変わった。お前かなりの特撮ファンだったようだな』

 

 

そりゃあ、あんなカッコイイものを見たら男性なら絶対に虜になりますよ。これは確実なことだ!っと気合を込めながら言う俺に冥王様は静かに笑う。

 

 

『・・・けどお前が好きだったのは正義の味方ではなくて、むしろ悪の味方だったではないか。例にウルトラマンを応援せずに怪獣の方ばかり応援していたみたいだしな。ふふ、俺はそう言う奴は好きでな。それでお前を望む世界に転生させてやる』

 

「俺が望む世界ね・・・だったら『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』の世界に転生させてくれ。無論レイオニクスになれて身体能力と知識力に、戦闘能力も最高にして記憶もそのまま残しておいてください」

 

『よかろう。ならお前が持つバトルナイザーはこれだ』

 

 

そう言って冥王様が渡して物を見て俺は驚く。

 

 

「ギガバトルナイザー・・・」

 

 

ウルトラマンベリアルが使っていた究極のバトルナイザー。だが渡されたギガバトルナイザーは色が黒ではなく紫色で、さらに前後の五角形の棍の角部分がのこぎり刃のような鋭い刃が付いて、先端が三又の槍みたいな形をしていた。

 

 

『そいつはベリアルが使っていた物をさらに強力にし、さらにライブして怪獣と一体化して戦うこともできる。差し詰め【ギガライブナイザー】と名付けるか。それで怪獣共を思う存分に操るがよい』

 

「操る・・・それは違うな」

 

『何?』

 

「これは俺と怪獣達の絆を表すもの!操るものじゃない!!それにどうせなら俺は・・・こいつらの上に立つ最強の存在で、そしてこいつらを守る存在・・・怪獣の王(モンスター・キング)を目指す!!」

 

 

いつもテレビを観ていた時に心の中で思っていた事を言う。それを聞いた冥王様は唖然とするが暫くして笑い出す。

 

 

『ククク、やはりお前は面白い奴だ。ますます気に入った。ではお前の最初の仲間怪獣はこの3体だ』

 

 

冥王様がギガライブナイザーを指差すと前部分のスロットが3つ光る。覗いてみると中にはとんでもない怪獣がいた。

 

 

「キングオブモンスとグランドキング・・・それにキングギドラ!?どいつも王の名を持つ奴らばかりじゃないか!!って言うかその前に何でゴジラ怪獣までいるの!!?」

 

『怪獣の王になると言っただろ?ならばそれに相応しい怪獣が必要ではないか。それにその3体はお前が望んでいた怪獣だ。さっさとどれかを召喚してみろ』

 

 

そう言われて興奮と驚きを何とか抑えながらギガライブナイザーを構える。

 

 

『バトルナイザー!!モンスロード!!』

 

 

あぁ、懐かしい音が響いて先端から赤色の光の塊が出てくる。そして光は大きくなって最強合体獣キングオブモンスになる。そしてキングオブモンスは大きく咆哮を上げる。

 

 

「グオオオオオオ―――!!!」

 

「うおおおおおぉぉぉ!!カッコイイ―――!!」

 

 

思わず叫んでしまったが仕方ない。だって本物の怪獣が目の前にいるんだぜ!?声を聞いて俺に気が付いたキングオブモンスはゆっくりと体を動かして俺に顔を近づける。

俺は恐る恐る手を差しのばして顔を撫でる。岩みたいな感触だがとても温かい感じもする。キングオブモンスも嬉しそうな感じだ

 

 

『ではそろそろ転生させる。怪獣を元に戻しな!』

 

「えっ!?あ、あぁ・・・分かった」

 

 

キングオブモンスをギガライブナイザーに戻した瞬間、俺の足元から黒い光が現れて包み込んだ。そして俺の第2の人生が始まった。




ついに書いてしまったーーー!!
特撮ファンの人、それ以外の人でも楽しんで読んでくれたら嬉しいです。
感想と評価をぜひお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。