ファフニール? いいえポケモンです。   作:legends

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今回、バトル回ですがいくつかネタ技も混ざってますw


フレイズマル

 悠はティアやイリス、深月やリーザ達と踊り終えた後、キーリを見つけたので、誰もいない庭園へ向かい、再びキーリと踊る。

 

 キーリは、先程まで大和が彼女の正体を明かしたように、悠にも自分の正体を明かした。

 

 自分が"黒"のヴリトラから作られた存在である事、自分が上位元素(ダークマター)で作り出した()()である事を話した。

 

「それで、お前はどうしたいんだ?」

 

 悠は彼女の在り方を自分で決ませようと思った。ティアも自分の意志で人間として生きる事に決めたのだから、人任せにせず自分で決めて欲しいと思っていた。

 

「私はちゃんと、自分で決めて行動しているわよ。好きにすればとは口にしたけど、その結果に従うとは行ってないわ」

 

「じゃあ俺に判断を委ねる意味が、そもそもないじゃないか」

 

「―――そうでもないわ。あなたが私をどう思ってるのか、確かめられるじゃない」

 

 キーリは悪戯(いたずら)っぽく笑い、上目遣いで悠を見る。

 

 無駄ではあるのだが、無意味ではない―――という事を示唆させる彼女の言葉。

 

 悠は諦めの息を吐き、今現在の見解を述べる事にした。

 

「俺は、キーリを人間だと思ってる」

 

「へえ、それは何故?」

 

「―――殺せると、思ったから。俺がフレイズマルから受け継いだのは、人を殺すためのモノ。だから、俺が殺す事のできるお前は人間だ」

 

 そう正面から言うと、キーリは肩を揺らして笑い始める。

 

「ふふっ……あはははっ―――酷い理由ね。でもすごくあなたらしい」

 

 悠はそんな彼女に向けて、言葉を続けた。

 

「人間のお前を、あえてドラゴンにしない。お前が―――ドラゴンになる事を選ばない限りはな」

 

「ふぅん……多分大和もそう思ってたのかしら

 

「ん? 何か言ったか?」

 

 笑いすぎて目が(にじ)んだ涙を指先で(ぬぐ)いながらキーリが小声で何か言っていたのだが、悠の耳には届かなかった。

 

「いいえ何も。……とりあえず、お礼は言っておくわ。ありがとう」

 

 キーリは感謝の言葉を口にする。ただし自分がどうするかは決して言わない。悠は本当に―――ずるい奴だなとむず痒い思いだった。

 

「そろそろ戻るぞ。体が冷えてきた」

 

 キーリからこれ以上の事を聞き出すのは無理だろうと思い、悠は冷たい風の吹く庭園からホールに戻ろうと、彼女を促す。

 

「そうね―――」

 

 頷くキーリ。だがそこで、二人は同時に気付く。

 

 城壁が(そび)える庭園の奥から、何かが近づいてくる。

 

 ()()えとした月の光が降り注ぐ庭園に現れる、大柄なシルエット。

 

「こんな場所で襲ってくる馬鹿はいないと言ったけど、あれは間違いだったみたいだわ」

 

 キーリが苦笑いを浮かべて呟く。

 

 闇に紛れる黒いフード付きのコートを纏った男が、花壇を踏み潰し、距離を詰めてくる。フードの下からは装甲服の硬質な輝きが見えていた。

 

(間違いない、こいつは―――)

 

「―――フレイズマル」

 

 悠はその者を呼び表す名を呟く。

 

 返答はない。彼の言葉が聞こえたのかすら、分からない。

 

「キーリ、下がっていろ。俺がお前を殺せるなら、きっと奴もお前を殺せる。だからどんな状況になっても、戦おうとはするな」

 

「分かったわ。援護も要らないのね?」

 

「ああ、俺を助けようとする行動が致命的な隙になる。自分の身だけ守ってくれ」

 

 悠はキーリの問いに答えると、前へと足を踏み出した。

 

 右手に上位元素を生成し、彼と戦うための武器に変換する。

 

 対甲兵器―――エンリル。

 

 AT・ネルガルに比べて銃身が長く、銃口部分が不自然なほど大きい。これは放つ銃弾に特殊な振動を付加する遺失兵器(ロストウェポン)。ニブルに技術供与したものの、機構が複雑すぎて量産化は断念された代物だ。

 

 エンリルから放たれた振動弾は、相手がどんな強固な装甲に身を包んでいようと内部に衝撃を伝導させる。装甲服を着た彼には恐らくスタンガンであるネルガルは通用しないため、このエンリルに頼るしかなかった。

 

 直接傷を負わせる武器ではないので、殺傷力は低め。対物ライフルや架空武装を用いるよりは、致命傷を負わせてしまう可能性は低いと考えた。

 

「…………」

 

 フレイズマルは悠が武器を手にしたのを見ても、歩調を変えない。

 

 コートの内側に両腕を隠しているのが、かなり厄介。攻撃手段と間合いが分からない。

 

 こういう場合、相手にイニシアチブを取らせるのは非常に危険なので、こちらから仕掛けて相手の行動選択を狭める必要がある。

 

 集中し、無意識の底に沈む、"悪竜(ファフニール)"を呼び起こす。

 

 知覚が拡大し、全てが手に取るように分か―――。

 

「っ!?」

 

 眼前に、死があった。

 

 それは、月光を浴びて輝く鋭い切っ先。悠の眉間(みけん)を狙い、()()()()()()()()ナイフ。

 

 反射的にエンリルを振り上げ、銃身でナイフを弾く。

 

 コートの内側から完全なノーモーションでナイフを投げたのだろうが、全く予測できなかった。

 

 そしてほんの一瞬ナイフに注意を向けた間に、彼の姿は視界から消えている。

 

「っ!?」

 

 背筋に走る悪寒。視界の右端に、銀色の輝きが過ぎった。

 

 右方を見ると、そこには黒い銃を手にしたフレイズマルの姿。

 

 深い風穴が―――死の闇を(はら)んだ銃口が、悠を見つめていた。

 

 火花と共に、放たれる銃弾。

 

 右手のエンリルで防御しようと試みるが間に合わず、右の手首を貫通する。だがそれで僅かに軌道を逸らした銃弾は、俺の耳を通り過ぎた。

 

 焼け付くような熱さと激痛が右手から脳に襲い掛かる。

 

「くそっ!」

 

 悠は右腕を振るって吹き出す血をフレイズマルの顔に浴びせた。フードから覗く白銀の装甲が彼の血で(まだら)に染まる。

 

 視界を遮る事ができたのか、彼の動きが一瞬だけ停滞した。その隙を見逃さず、悠はエンリルを左手に持ち替え、弾切れになるまで連続で撃ち放つ。

 

 硬質な撃突音が響き、コートが千切れ飛ぶ。

 

 フレイズマルは一発目を右腕の装甲で弾いた後、残りの弾丸は全て体捌(たいさば)きで(かわ)し切った。

 

 何とか距離を稼いだ悠は、エンリルの弾倉に物質変換で弾を補充し、銃口を彼に向ける。

 

 フレイズマルは破けたコートの内側から、右腕をだらんと垂らしていた。持っていた銃も取り落としている。振動弾を受けた以上、しばらくは痺れて使い物にならないはず。

 

 手痛い一撃を喰らってしまったが、これで条件は互角。悠はそう考えたのだが―――。

 

 フレイズマルは右腕を持ち上げ、感覚を確かめるかのように手を握っては広げた。

 

(嘘だろ―――もう、動かせるのか?)

 

 悠は信じられずに奥歯を噛み締める。

 

 恐らくは最善の角度とタイミングで弾丸を弾き、衝撃を最小限に抑えたのだろう。

 

 互角どころではなく、悠が一方的に追い詰められた事になる。右手から流れ落ちる血が、体温を奪っていった。もはや右手には痛み以上の感覚がない。

 

(これほど、差があるなんてな)

 

 かつて彼が魅入られた男は、想定していた以上の力を有していた。

 

 加えて悠の方は、以前よりも感覚が鈍い気がする。いつもなら意識的に痛みをシャットアウトすることも可能なのだが、今はそれもできない。

 

 悠はフレイズマル以上の"人殺し"になることを忌避し、自らの"悪竜"を無意識に抑え込んでしまっているのかもしれなかった。

 

 恐らく悠は、これ以上自分が何か別のモノになってしまうのが嫌になっていたのだろう。

 

 深月が知る"俺"から、遠ざかってしまうのが許せない、と。

 

「…………」

 

 頭部の装甲を悠の血で汚されたフレイズマルは、銃の代わりにコンバットナイフを構える。次に奪われるのは、彼の左腕か、足か、それとも命か。

 

 

 キィィィィィィィ――――――……!

 

 その瞬間だった。悠が再びエンリルに力を込めた時、上空から鳥のような鳴き声が響く。

 

(鳥―――いや、鷹か?)

 

 フレイズマルから目を離さず、響き渡る声から悠はそう判別する。

 

 何故急に鷹が現れたのか不思議でならないが、今フレイズマルから目を離すのは自殺行為に等しいため、悠は相手の出方を窺っているフレイズマルを見据える。

 

 ―――ドズッ!

 

 そして今度は、二人のすぐ近くに何かが落ちてきた音が聞こえた。

 

 思わず二人はその方向を仰ぎ見る。するとそこには、地面に三点着地で降り立っている人物。

 

 それは、ロングコートを羽織った人物で、()()()()目深(まぶか)に被っている男性らしき背格好。

 

 しかし悠は覚えている。キーリ殺害を(くわだ)てているロキの部隊派遣の事、その報告を深月に伝えに行く際に会った人物。

 

 紛れもない、あれは―――。

 

 しかし、悠が考えつくより先にフレイズマルが動いた。第三者の乱入につき、先にそちらを排除しようと判断したのだろう。

 

 先程の焼き直しのように、コートの内側からノーモーションで放たれるナイフ。

 

 ナイフが迫っているにも関わらず、フードの男がゆっくりとした動作で立ち上がる。

 

 そして、ナイフは"彼"を貫いた―――はずだった。顔面に放たれたナイフが"彼"を貫通した直後、()()()が不自然に揺らめく。

 

%△#?%(騙されたな)!』

 

 無機質で、何を言っているのか理解不可な言葉が彼らの耳に届く。"彼"は姿がブレたと思うと、そのまま消えてしまった。

 

 悠とキーリは今のは何だと困惑したが、すぐさま同じ風貌の"彼"が降りてきた。それも―――()()()()()で。

 

 ざっと十人はいるだろうか。流石のフレイズマルも対処に困惑しているのか、先程悠を撃った黒い銃を"彼等"に向けたままだ。

 

 "彼等"は一斉にフレイズマルを見据える。一言も言葉を発しないままフレイズマルの元へ歩み寄っていく。

 

 そこで遂にフレイズマルが発砲した。的確に眉間を打ち抜いた一撃だったが、やはり"彼"は姿がブレるだけで効いた様子はない。

 

■@#¥>(騙されたな)!』

 

 それから届く、難読な言葉。相変わらず意味不明な流れだが、"彼"が一人消えただけで動揺を見せず、歩調は変えない。

 

 その後もフレイズマルは、横に素早く移動して攪乱(かくらん)した動きで発砲、もしくはノーモーションでナイフを放つも、一切手応えというものがなかった。

 

●&?#$(騙されたな)!』

 

$■☆♭*(騙されたな)!』

 

♭#▲※:(騙されたな)!』

 

 そして、"彼"に攻撃が届く度に放たれる言葉。(かえ)ってやかましいぐらいに煽りにしか聞こえない言葉の嵐に、悠は間違いなく"アイツ"だと分かった。

 

 一人、二人と"彼"を消しても、消した分だけ降りてくる。上を見ても、人が立てるような部分があると思いにくい箇所ばかり。

 

 消しても消しても上から追加される虫の軍団の如くやってくる"彼"の軍勢に、対処が難しくなってきたフレイズマル。遂には、"彼等"はフレイズマルを取り囲んでいた。

 

 四方八方に囲む"彼等"は、周りを見渡すフレイズマルに向けて一斉に手を向ける。その瞬間、(てのひら)には青白い光弾が浮かんでいた。

 

【???の波導弾!】

 

 躊躇なく、光弾を射出する。こちらを押し潰すように勢いよく迫る無数の光弾に対し、フレイズマルは装甲服を着ているにも関わらず、勢いよく飛び上がって躱した。

 

 そして、先程までフレイズマルが佇んでいた場所は、巨大な爆風が巻き起こっていた。

 

 空中で態勢を整えるフレイズマルだが、間髪入れず第二波が襲いかかる。

 

キイィィィィ―――ッ!

 

 甲高い声を上げながら勢いよくこちらに迫る大きな鷹。だが、ただの鷹ではない。客観的な見た目は猛禽類(もうきんるい)のソレだが、垂れ下がっている大きな赤いトサカが目立つ。

 

 さらに、全体的な体色が黒色や灰色をメインとし、ざっと一メートルは超えているであろう巨大な鷹が足の爪を広げつつフレイズマルに強襲する。

 

 彼は咄嗟に銃を構え、発砲する。だが、あまりに急だったのか完全に打ち抜く事ができず、翼を掠めるのみだった。

 

 翼を掠める程度では攻撃が止まる訳もなく、そのままフレイズマルの目前へと迫る。

 

 最早攻撃を避けきる事ができないと悟ったフレイズマルは、体を大きく(ひるがえ)す。少しでも攻撃を受け流そうと、空中にいるにも関わらず人間離れした動きを見せていた。

 

【???の追い打ち!】

 

 鷹の攻撃はフレイズマルにクリーンヒットする事なく終わったが、完全に攻撃を避けた訳でない。鷹の片方の爪がフレイズマルに当たっていたらしく、手に持っていた拳銃を弾き飛ばしていた。

 

 それからだろうか、まるで好機と見た者がいたのが遅れたのは。

 

 いつの間にか鷹の背後に気配もなく姿を見せていたフードの"彼"。

 

「てめぇ……『ムクホーク』を撃ちやがったな? それは万死に値しますねぇ」

 

 ボソッと"彼"の呟きがフレイズマルの耳に届いたと思った次の瞬間には、"彼"の足がフレイズマルの目と鼻の先にあった。

 

「ダイナミック・エントリー」

 

 熱血な先生直伝の、強烈な蹴りをお見舞いした。

 

 流石のフレイズマルも予想外の第三波が来ると思っていなかったのか、その蹴りは彼に直撃した。装甲が凹み、軋みさせながら地面に向けて吹き飛ばした。

 

 そのまま地に激突するかと思われたが、装甲の重さを感じさせないような巧みな体捌きを見せ、衝撃を逃がしながら地面に着地する。

 

 直後、本体らしき"彼"も降り立ち、ムクホークと呼んでいた鷹も羽ばたきながら着地する。

 

 フレイズマルは銃という得物を取り落としたが、まだまだ五体満足で立っていた。

 

 喰らったのは悠の振動弾、鷹の引っかき、フードの男の蹴りという、決定打に欠けるもので済んでいたのだ。悠は改めてフレイズマルの動きに目を離せなかった。

 

 悠の思い当たる"彼"と使役する生物の攻撃を最小限に抑えている事、無防備になりやすい空中でも上手く状況に対処している事。

 

 怒涛の攻撃の嵐を(もろ)ともしない人間離れした動きは、思わず悠が魅入ってしまう程だ。

 

 しかしこれでフレイズマルが追い込まれたといっても過言ではない。銃を落とし、隠しているナイフも残り少ないだろう。加えてフードの"彼"もいるのだ。

 

 それでも退く様子を見せないフレイズマルに、悠は再びエンリルを構える。

 

 ―――ブワァァァ……。

 

 しかしその時、空がざわめいた。

 

 突風が庭園を吹き抜け、白い花びらが舞い上がる。

 

「とうとう、気付かれたみたいね……」

 

 キーリが呟く声が視界の外から聞こえて来た。

 

 フレイズマルは攻撃動作を止め、上空に装甲で覆われた顔を向ける。そして一体何を見たのか―――後ろへと大きく跳躍すると、悠達に背を向けて城壁の方へと走り去った。

 

「な……」

 

 彼からずっと視線を逸らさずにいた悠は、ワイヤーらしきものを使って城壁を乗り越えるフレイズマルを呆然と見つめる。

 

 不利的な状況で退いたとは思えない。それでも彼が退却を選ぶ何かが、恐らく空にある。

 

 エンリルをベルトに挟み、悠は強風が吹きすさぶ夜空を仰いだ。

 

 金色の光が、エルリア公国の空を横切る。

 

「あれ、は―――」

 

 悠は(かす)れた声を呟き、目を見開く。

 

 それは流れ星ではなく、真っ直ぐに大地に落ちるものでもない。大きく夜空を旋回している物体。

 

 天を舞う光は、大きな鳥の形を取っていた。

 

 資料写真でしか見た事のない姿がそこにはある。

 

「ッチ……あれはもしかしなくてもイエロー・ドラゴン———"黄"のフレスベルグだな……」

 

 "彼"がフードを下げると、やはりそこには悠が見慣れた少年―――大和が苦虫を噛み潰したような表情をしていた。

 

 しかし、フードの男が大和だったというのは既に予測済み。悠は特に驚く事もなく、上空を飛翔する怪物の名を呟いた。

 

「何で……ここに―――」

 

「やっと本当の敵が現れた。ただ、それだけよ」

 

 静かなキーリの声が聞こえ、悠達は視線を下ろす。

 

 キーリは淡い笑みを浮かべながら悠に近づいてくると、血で汚れる事も構わずに両手で悠の傷口を包んだ。

 

 すると彼女の手の間から細かな上位元素が湧き出て、嘘のように痛みが引く。

 

 彼女が手を離すと、フレイズマルに撃たれた銃創は綺麗に消え去っていた。

 

「生体変換で……治したのか?」

 

「ええ、これからまた戦ってもらわなきゃいけないのに、出血多量で気絶された困るもの」

 

 真面目なトーンで答えたキーリは、空を見上げる。

 

 夜空に金色の軌道を刻みながら、フレスベルグはエルリア公国上空を旋回していた。しかも徐々に高度を下げているようだ。

 

「まさか降りてくるつもりじゃ―――」

 

「その通りよ、フレスベルグは私の位置を探りながら降下してきているの」

 

 キーリはそう言いながら服の袖を捲り上げ、右腕を夜空に晒す。

 

 そこには昨日と同様、包帯が巻かれていた。

 

 先程悠の傷を治したように、生体変換が使える彼女は本来怪我の治療というものが必要ない。

 

 ならば何故―――包帯を巻いているのか。

 

「スレイプニルもフレイズマルも、私にとってはそれほど脅威じゃないわ。たとえ私を殺してしまえるほどの力があっても、逃げればいいだけの話だし。でも……アレは違う」

 

 キーリは話しながら包帯を解いていく。 

 

「一度気付かれてしまえば、絶対に逃げ切れない。だから私はミッドガルに―――いえ、あなたたちに助けを求めたの」

 

 包帯の隙間から黄色い光が漏れ出した。

 

 それはキーリの竜紋が放つ輝き。

 

「やはり隠してたか……というか、そういう気がしないでもなかった」

 

 大和も肩を(すく)めながら呟く。

 

「ねえ、悠、大和。私を―――守ってくれるかしら?」

 

 彼女は変色した竜紋を見せながら、大和達に問いかけた。




分かる人には分かるであろうネタのふんだんに出してみました()

―ヒント―
・鷹(ムクホーク)の声の後フードの男が三点着地で降り立った~ は、とあるゲームのトレーラーの一部抜粋です。
・騙されたな~ は、公式にもネタにされているあのキャラです「???・ア・トロワを見たけりゃ戻ってきな。俺が三人になって相手してやる」、「言葉が出ねえ。実は用意してたセリフを忘れたんだ。ま、戦おうぜ。」

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