ファフニール? いいえポケモンです。   作:legends

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皆様、お久しぶりです。
ポケモン剣のDLC第二弾、冠の雪原たーのしー!
……ハッ、違うのです読者の皆様方。これは遊んでたから遅くなったのではなくて、剣盾をプレイする事で、ポケモンの知識を深める事で(ry

大和「何がポケモンの知識を深めるだよ。しかも第八世代のポケモンだから色んな技とか特性とか、どう考えてもこの小説に出せないもの、沢山あるじゃねーか」

(´・ω・`)










↓この先更なる茶番と剣盾の色んなネタバレ注意↓











大和「そういえば作者はカンムリ雪原まで行ったっていうけど、今のパーティどうなってんの?」

今? 旅パだった面子と結構異なるけど――― 
インテレオン(御三家の水タイプ、メッソンの最終進化系)、ストリンダー(ローな姿)、ムゲンダイナ(伝説)、ザシアン(伝説)、サザンドラ(600族)、ボスゴドラ(メガシンカ無いの辛い)。

大和「……ちなみに、前の旅パは?」

前の? チャンピオン戦までだったら――― 
インテレオン、ストリンダー、ムゲンダイナ、アーマーガア(硬いし火力高い)、オーロンゲ(ベロバーの最終進化系)、ネンドール(防御マン)だよ。

大和「いくつか突っ込みどころがあるんだが」

どうぞ。

大和「まず、伝説が二体いるんですが」

ダイマックス対策のためだし(震え声)。

大和「つっても、ムゲンダイナのダイマックス砲とかムゲンダイビームもフェアリータイプのダイマックスには効かんだろーが。あと、ザシアンの巨獣斬も、氷と岩とフェアリー以外には効果抜群入らないし」
※ここでの大和は剣盾の事を知っています。

まあ、後はカッコいいのと伝説入れとけば安心感あるから、というのもある。

大和「それは分かる。伝説ってロマンの塊だし、大体伝説入れとけばどんな相手だろうとどうにかなるからね」

それそれ。

大和「なるほどね。じゃあ次、インテレオンとストリンダーとムゲンダイナはいいとして、残りの旅パだった三体はなんで外した?」

んーと、まずアーマーガアは鋼枠として朽ちた剣持ったザシアンと被るからで、オーロンゲもフェアリー枠として同じく。ネンドールは防御特防は高いけど、何分火力が控えめだから倒しきるのに少し時間がかかる事があったから。

大和「ふむ」

あとDLC来たからねー。そこでどうせなら色々なポケモンに変えてみたいっていう思いがあったり。あーでもサザンドラはDLC無くてもいけたわ。ワイルドエリアでジヘッド捕まえて、そこからレベル進化させればいいし、しかもそこでの野生のジヘッドのレベル60だから、サザンドラにするのもアメだけでも容易だった。

大和「確かサザンドラは600族だよな?」

うん。本当は剣盾に出た同じ600族、ドラパルトを使いたかったけど、ランクバトルで使用できなくなったのが辛いとこ。

大和「あー確かあまりに高い使用率とかで、ランク禁止になったんだったっけ」

それと、DLCで過去のポケモンによるドラパルト対策が行われた結果がコレだよ。やっぱガブしか勝たんわ。

大和「厨ポk」

おいやめろ。まあガブきたらサザンドラと入れ替えあるかも分からんが。

大和「ふーん(棒)。まあいいや。ところでボス入れてるの何でさ」

いや……さっきは鋼枠足りてるって言ったけど、よく考えたら鋼技、巨獣斬orアイアンヘッドしか無くて、且つ特攻メインのパーティになってたから急遽別の鋼枠をと。最初はキリキザンにしてたけど、DLCの関係上、そこからボス入れる形に(白目)。

大和「アホか」

はいアホです。でも何だかんだボスは600族に迫れるぐらい強いし、四倍弱点二つあるとはいえ頑丈持ちだし、豊富に技覚えるし。

大和「まーね。って、作者さっきガブって言った?」

? 言ったけどそれがどうしたの?

大和「さりげなく聞き流してたが(小声)、作者ってポケモン剣持ちだったよな?」

ザシアンだから結果的にそうなる。

大和「確かオレの記憶が正しければ、盾がガブ出て、剣がボーマンダだったはず」

……え?

大和「だからいくら探してもガブ見つかんねえよm9(^Д^)」

(´;ω;`)


真意とは?

「イヌヌワン!」

 

「!? ど、どうした大和」

 

「いや、どっかの遠い地方の電波を感じ取った気がして」

 

 昼休み、ブリュンヒルデ教室の面々は揃って食堂棟へ向かっていた。

 

 そんな中、悠の隣を歩く大和は突然反射の如く声を発した。

 

 悠は彼の言っている事がよく分からなかったが、とりあえず「そうか」と言って誤魔化しておく事にした。

 

 それはさて置き、前のリーザと並んで歩くフィリルは、今も手ぶら。祖父が亡くなり、本を読む気分ではないのだろう。

 

 悠は、憂いに沈んでいるフィリルの雰囲気から何処か(はかな)げに見え、普段より近寄り難く感じた。

 

 ―――祖父が亡くなって父親が王位を継ぐのなら、フィリルは王女って事になるんだよな。

 

「……さっきから、何?」

 

 悠がじっと見つめていた事に気付かれていたらしく、フィリルが歩く速度を落として彼に並ぶ。

 

「へ? な、何でもありません」

 

「どうして敬語?」

 

「あ―――俺、ついさっきフィリルがお姫様だって知ってさ。それでつい……」

 

 苦笑を浮かべて悠は答える。

 

「そう、お姫様が珍しくてじろじろ見てたんだ」

 

 少し尖った口調で呟くフィリル。

 

「いや、そういう気持ちも無かった訳じゃないが―――それ以上に心配だったんだよ。フィリルが本を手にしてないなんて、相当参ってる証拠だろ?」

 

「あ……」

 

 フィリルは驚いた様子で自分の手を見つめる。

 

「今気付いたのか?」

 

「……うん」

 

 暗い表情でフィリルは頷く。

 

「お祖父さんが―――亡くなったんだよな?」

 

「…………そう、死んじゃった。私、何も返せなかった」

 

 フィリルは首を縦に振り、小さな声で呟く。

 

「返せなかった?」

 

 彼女の表情には悲しみ以上に、悔しさが滲み出ていた。

 

「お爺様は私のために、凄く頑張ってくれた。私が"D"だって分かった時、孫娘を収容所のような場所に入れられるかって、アスガルの職員を追い返したの」

 

「それは、すごいお祖父さんだな」

 

 アスガルはミッドガルやニブルを従える、対ドラゴン専門の国際機関。その要請を跳ね除けるなど、世界全体に対して異議を唱えるに等しい。

 

「ただ、やっぱりルールを完全には無視できないから……その後はミッドガルを()()()()()()()()()()()方針へ切り替えて、世界を巻き込んだ"D"の人権回復運動の先頭に立ってくれた……あの頃から、あまり体調は良くなかったのに」

 

「今のミッドガルがあるのはフィリルのお祖父さんが尽力してくれたお陰なんだな……」

 

 資源輸出には、竜災と経済不況に困ったヨーロッパ諸国へも多額の援助を行っていた。恐らくはそのような繋がりがあってこそ、広い影響力を発揮できたのだろう。

 

「うん……それなのに、私は何も返せてない。せめて最後に―――ありがとうって言いたかった」

 

 フィリルも本当は葬儀に出たかった気持ちが伝わってくる。

 

 さよならではなく、ありがとう。その一言には強い感謝の念が込められていた。

 

「―――大丈夫さ」

 

 すると傍で話を聞いていたアリエラが突然会話に入ってきて、強い口調で断言する。

 

「アリエラ?」

 

 悠が名前を呼んで問いかけると、彼女は透き通った笑みを浮かべて言う。

 

「どこにいようと、フィリルの想いはきっと届くよ。お祖父さんの魂にね」

 

「……魂ってホントにあるのかな」

 

 フィリルは複雑な表情で呟く。

 

「あるよ、だってボクはそれを―――この目で見たことがあるから」

 

 アリエラは躊躇いなく首肯する。

 

 悠とフィリルは彼女がどこまで本気なのか分からず、困惑した表情を浮かべる事しかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 食堂棟に入ってすぐ、大和は雰囲気が普段と違う事に気が付いた。

 

「何か、あったのでしょうか……」

 

 深月も同様に違和感があったらしく、辺りを見渡している。

 

「殺人でも起きた?」

 

「なっ!? 物騒な事を言わないでください! そもそも起きたら起きたで、大問題です!」

 

 不意に大和の口から出た言葉に、深月はツッコむ。

 

 彼の冗談は棚に上げておき、食堂棟の空気が張り詰めていて妙に静か。

 

「ラウンジの方に、人がいっぱい集まってるよ」

 

 イリスが大型テレビが設置されているラウンジを指差す。

 

 また何か、ドラゴンに動きがあったのだろうかと悠は焦燥感を覚える。

 

「あまりいい予感がしませんが……行ってみましょう」

 

 歩き出したリーザの後に、彼らも続く。

 

 ラウンジを囲む人垣に近づくと、テレビの音声が聞こえてきた。

 

『―――これについてどう思われますか?』

 

『そうですね……根本的な問題として、ニブルの強引な活動がこういった事態に繋がったのは間違いないでしょう』

 

 ニブルという単語が入っていることから考えて、彼らにとって無関係の話題ではなさそうだ。

 

 少し背伸びをしてテレビを視界に収める。ミッドガルにいるのは女性ばかりなので、二人にとってこういった場合は見通しが利く。

 

 画面にはニュースキャスターとコメンテーターたちが映っており、何やら議論を交わしていた。

 

「ユウー、ティア見えないの。だから肩車!」

 

「分かった」

 

「ありがとうなの!」

 

 大和がテレビに没頭している中、横から悠とティアの声が聞こえた。

 

 見ると、ティアを肩車している悠。背の低いティアの配慮だろう。

 

 ティア自身は「悠のお嫁さん」と自称していたが、あれはまるで仲の良い兄妹なのでは? と錯覚する。

 

 そんな事を思っていると、テレビ内のコメンテーター同士による議論は一段落していた。

 

『それではもう一度、会見の様子をご覧いただきましょう』

 

 どうやらニュース映像を流してくれるらしい。画面が切り替わり、一人の少女が映し出された。

 

「え―――」

 

 ティアは上擦った声を漏らす。悠やティア、大和の知っている人物がテレビに映っていた。

 

『大変な時期だというのに、私を受け入れてくださったこの国には、心から感謝しています』

 

 その人物は長い黒髪と整った顔立ちの少女。彼女は画面の向こうから怜悧な眼差しを向けていた。

 

「キーリ……」

 

 ティアが震える声で彼女の名前を呼ぶ。

 

 そう、彼女はキーリ・スルト・ムスペルヘイム。ドラゴン信奉者団体"ムスペルの子ら"のリーダー。災害指定を受け、ニブルに命を狙われている"D"だ。

 

 およそ一ヶ月前、キーリは立川穂乃花と身分を偽ってミッドガルへ潜入し、ティアを連れ去ろうとした。

 

 その後、姿をくらましていたキーリが、堂々とテレビに映っていた。

 

 テロ行為を行うような団体のリーダーが"D"である事は、公表されていない。もしそんなことが世界中に知れ渡れば、"D"全体の信用失墜に繋がるからだ。

 

 故に彼女が犯罪者として報道されているのではないはずだ。では何故、彼女はどういった立場でテレビカメラの前に立っているのか。

 

『私、キーリは上位元素(ダークマター)生成能力者―――皆さんが"D"と呼ぶ存在。本来は"D"の自治教育機関であるミッドガルに赴かなければならない立場です。けれど私は今、とある事情でそれを躊躇している状況にあります』

 

 そう発言したキーリに『その事情とは?』と記者が訊ねた。

 

 会見の様子を見る限り、キーリはテロリストとしてではなく、能力に目覚めた"D"の一人として話をしているようだ。

 

『ニブルが、ミッドガルへの移送に介入してくる可能性が高いからです。ニブルはミッドガルの独立に最後まで反対し、"D"の人権が回復された現在でも私たちの事を化け物扱いしている組織。とても信用できません。皆さんは―――彼らが密かにミッドガルへ送る"D"を選別しているという噂……ご存じですか?』

 

 キーリを囲む記者達にどよめきが走り、フラッシュが連続して焚かれる。

 

『もちろん本当かどうかは分かりません。けれど消息不明になった"D"がいるという話は、噂の真偽を調べ始めてから何度も聞きました。そのような組織に、私は一時たりとも身を委ねたくありません』

 

 テレビを囲んでいるミッドガルの生徒達は、ひそひそと囁き合っていた。

 

 どこかから「やっぱり……」という声が漏れ聞こえてくる。

 

『けれど環状多重防衛機構(ミドガルズオルム)の強固な守りによって、外界と隔絶されているミッドガルへ直接赴く手段はなく、一般人の立場では、連絡を取る事すらかなわない状況です。頼れるのはこの国しかありませんでした』

 

 重い声で画面の向こうからキーリが言う。

 

『かつてアスガルやニブルの要請を撥ね除け、"D"として覚醒した姫君を匿ったエルリア公国なら―――私がこういった主張をしても、身の安全を守ってくれると信じたのです』

 

「エルリア公国……?」

 

 その名を聞いて、大和の近くにいるフィリルを見る。彼女は呆然と、食い入るように映像を見つめていた。

 

『私はアスガルやニブルを介さず、エルリア公国からミッドガルへの直接移送を求めます。直接"D"の方々が迎えに来ていただけるのであれば、私は安心してこの身を委ねるつもりです。どうか―――私を助けてください』

 

 キーリは深々と頭を下げ、そこで映像は切り替わる。

 

 スタジオのコメンテーターたちは、再び議論を始めるが、悠はそれは頭に入ってこなかった。

 

「これは一体、どういう事なんだ?」

 

 悠はキーリの目的が全く分からない様子だった。長い間ニブルの追跡を躱し続けているキーリなら、今更どこかに保護を求める必要もない。

 

 しかしこれでは却って、あまりに目立ちすぎている。

 

「ふん、何を今更ミッドガルに赴かなければならないんだ? "D"を資源の有効活用だとか侮辱してた癖に」

 

 大和が鼻で笑いながらキーリを(けな)していた。

 

「……確かに、そう言ってたな」

 

 悠も大和の言葉に乗り、同様の思いだった。二人はキーリと交戦した際、"D"の評価をまるで下らない存在のように言っていた。

 

「―――けど多分、今かなり切羽詰まってるみたいだがな」

 

「え?」

 

 大和が何か思っていたのか、先程の見下したような顔から、難しい表情になっていた。

 

 キーリはニブルの軍隊と渡り合える程の力を持っている。その彼女が何故、救助を求めているのか。真意が不明のままだ。

 

「私の国で……何をするつもりなの」

 

 一方、フィリルは焦りを含んでいた。彼女の国そのものを人質に取られたと言わんばかりに。

 

 最も、今下手な事をすればフィリルの両親だけでなく、祖国そのものが危うくなる可能性がある。

 

「私は、会議室に行ってきます。篠宮先生がお呼びでしたので」

 

 深月は、これからミッドガルがどのような対応を選ぶかを、生徒会長として会議室に向かった。その選択に関われるのは、深月だけ。

 

 悠は血の繋がらない妹を信じ、より良い道筋を示してくれる事を祈った。




仕事復帰してからしばらくぶりですが、執筆できるのが土日or祝日がメインとなります。

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