遊戯王ARC-Ⅴの世界に廃人がログインしました   作:紫苑菊

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遅れて申し訳ありません。

それから、今回オリキャラが登場するので嫌な人はプラウザバックをお勧めします


第7話

キング・クリムゾン!!

 

冗談です。スタンドなんか使えない一般peopleな菊です。あれから3年たちました。自分は中学2年生になり、義妹の柚子ちゃんや弟みたいな遊矢君はもう5年生になりました。時が経つのははやいものです。

 

今、少し後悔していることがあります。なんだと思いますか?皆さん。

 

実はこの度、私、立浪菊改め、柊菊。自重を忘れてガチデッキで遊矢君や柚子ちゃんにちょっかいをかける悪ガキどもや、身にかかる火の粉をデュエルで払っていると(頭おかしくないよ、正常だよ)・・・。

 

いつの間にか、プロデュエリストになってました。しかもI2社のスポンサー付の。

 

 I2(インダストリアル・イリュージョン)社

 

 かつて、この世界で、デュエルモンスターズの生みの親であるペガサスが作った会社で、カードがどの会社でも自由に作れるようになっているこの世界でも、最も重要な立場にある会社である。一番の収入源であったカードの専売特許も数年前に無くなったらしい(期限切れのため)が、それでもなお、カード生産の世界トップシェアを誇る大会社。

 

 それのプロデュエリスト、俺。まじで。

 

 ポルナレフも吃驚のこの状況だが、まあ、もちろん訳がある。

 

 今から1年前、俺は中学1年生になり、ジュニアユース選手権への切符を手にした。

 

 しかし、そこで俺はとんでもないミスをしてしまったのだ。

 

 記入の場所をジュニアユースではなくユース選手権の場所にチェックを入れるというミスを・・・。

 

 まあ、ジュニアユースは本来、中学生向けの大会となっている。高校生以上となるとユースになるのだが、まあ、当然俺は入れないはずだった。

 

 しかし、公式戦において無敗の勝率100%を叩き出した(中学生相手にインゼク、お触れホルスに魔道使ったら・・・。うん、まあ、その、察しろ)俺は、特例としてユースに出ることになった。

 

 当時はそれなりに世間の話題になり、何回戦まで行けるかクラス内でトトカルチョが流行ったり(おい、中学生)したが、俺はその大会で異例の優勝をはたした。

 

 そこに試合を見ていたI2社のスカウトマンが、スポンサーになるからプロにならないかといってきたので、それを了承。俺は世界最年少のプロデュエリストの称号を得たのだ。

 

 因みに、3日に1回プロの仕事があるので、中学校は出席日数がやばい。さらに学校にいけばプロになってから異様に増えた蟹式コミュニケーション(おい、デュエルしろよ)が増え、デュエルしない日はないと言ってもいい。

 

 いいかげん疲れたよ、パトラッシュ・・・。もう、ゴールしてもいいよね・・・?

 

「と、いうわけでどうしたらいいと思う?」

 

「しるか。」

 

「仕方ないと思います。」

 

「自業自得よ。諦めなさい。」

 

「酷い。」

 

 クラスメイトに聞いたが、こんな答えが返ってきただけだった。

 

 彼らを上から紹介していこう。この世界での俺の初めての友人である彼らを。

 

 1人目は『刀堂大牙』。辛辣な言葉で俺のLPをかっさらう剣闘獣デッキ使いの男の子。小学校の時に転校生として入った時、真っ先に突っかかってきたのでぼっこぼっこの返り討ちにしたら、その後無駄に絡まれ(リアルファイト含む)、なぜか今に至る。本当、何があったのやら。

 

 2人目は『志島凪流』。なんとも読みにくい漢字の名前である。因みに読みは『ながれ』。同級生相手でも敬語で話してくるのだが、その実、遠慮がない。中学に入ってすぐになぜか俺に弟子入りを希望した『聖騎士』使いの女子。なんでも光津に負けたくなかったらしい。

 

 3人目は『光津香澄』。凪流の幼馴染でライバルの女子というか女性。使用デッキは『ギガプラビート』。俺がアロマデッキで対戦してる時に声をかけてきて、意気投合。因みにドS。

 

 そう、苗字を見てくれたら分かるだろう。こいつらはあの、鉄の意志も鋼の強さも感じないLDS3人組の兄姉たちである。原作にはいなかっただろ、こいつ等。俺の記憶違いか?これ。

 

「酷くねえよ。お前がやれ『ファンサービス』だやらやれ『こいつで血の海渡って貰おうか』だのやって相手を挑発してっからだろうが。」

 

「え?挑発してるつもりないよ?」

 

 ただ、僕の休暇である学校生活を邪魔する奴らにそれ相応の対応とデュエルで返り討ちにしただけで。

 

「なお質が悪いですよね?それ。」

 

「本当にね、凪流。こいつは一遍死んだ方がいいわ。」

 

「酷い、酷すぎるよ香澄さん。」

 

「酷くないわよ。最近、あんたと仲がいいからって私たちにまで挑んでくる奴もいるのよ?その被害を考えれば縁を切らないだけマシだと思いなさい。」

 

 え、まじで?

 

「え、もしかしてそっちまでデュエルの申し込みきてるの?」

 

「はい、アンティまで仕掛けてくる人もいまして。酷い人なんかはあなたに負けた腹いせに私たちに挑んで、デッキをかけろと言い出す始末。断ればある事ない事言いふらすなんて言って脅してまでデュエルしようとしてきます。流石にあなたの妹さんまで挑もうとはしないみたいですが。」

 

「え、その話本当?なら今すぐにでも先生に相談するか、次からトラウマになるレベルでボッコにするけど。」

 

「大丈夫よ。それをするのは一部の奴だけ。それにやろうとした奴は全員返り討ちにして生徒指導部に突き出してるから。それからそのトラウマレベルはやめたげなさい。」

 

 え・・・。

 

「「「香澄が慈悲を与えただと・・・。」」」

 

「おい、どういうことだそれは。」

 

「いや、なんというか、なあ?」

 

「「うん」」

 

「お前らぶっ殺すぞ」

 

 まあ、それはいいとして

 

「よくない」

 

「よくないです」

 

「お前、香澄がドン引きするレベルのトラウマってなにやったんだよ?」

 

 え、別に普通だと思うんだけど。

 

「普通、ねぇ?なら、最近のデュエルを私たちに教えて?」

 

「最近?そうだなぁ・・・。」

 

 えっと。まず、ヘカテリスからのヴァルハラ発動The worldとセカンド・チャンスで「当↑然↓正位置だ」ってやってヴィーナス召喚玉3体召喚玉リリースで相手ターンスキップしてWRYYYYY!!てやったり、ホルスレベルアップからのお触れでついでにBloo-D召喚してロック作ったり、聖刻出してトライホーンその他並べた後ガーゼット出してアーミタイル越えしたり、下級天使リクルート派遣社員(社員エンジェル=サンはしめやかに爆発四散!!)に泉と聖域張ってからのライフ回復しリクルーター尽きたならマーズ召喚してこれまたアーミタイル越えしたり、光と闇の竜とクリスティア並べたり、相手のエースをハンバーガーにしたり、グォレンダァ!!したり、ダンセルホーネットしたり、ボチヤミサンタイしたり、グラファ3体ならべてスキドレ虚無したり、SINサイバーとマシンナーズにガジェドラ並べてこれまたスキドレしたり、相手のガーゼットにヴェーラーうって『悔しいでしょうねぇ』って言ったり、モリンフェンしたりしただけだよ?

 

 強脱や奈落があまり使われない環境って素敵だね!!たまにヴェーラー幽鬼うさぎ飛んできても強脱に比べれば何とかなるし。バウンスはホント困る。

 

「「「うわぁ」」」

 

 え、なに引いてんの?OCGでなら案外突破されるんだよ?このぐらい。

 

「いや、その理屈はおかしい。」

 

「こんなの中々突破できませんよ。」

 

「死ね」

 

「うぉぉい!!最後酷くない?!」

 

「てか、何気に変なの混ざってたよな?」

 

「気にしない気にしない。」

 

 気にしたら負けだ、うん。

 

「そういえばさぁ」

 

「うん?」

「大丈夫なのか?」

 

「なにが?」

 

そう聞くと、困ったみたいに刀堂が言う。

 

「ほら、榊遊勝いなくなっただろ?お前の塾のとこ、人数もだいぶ減ったし遊矢君?だっけ、あとお前の妹。いじめられてたりしないのかって。」

 

ああ、それなら。

 

「大丈夫。とりあえず先生に気にかけてくださいって言ってあるし、登下校は俺が送り迎えするから。それに柚子ちゃんや遊矢君には頼れる仲間の権現坂君もついてるからね。」

 

「ですけど・・・。」

 

まだ心配そうにしている凪流。

 

「大丈夫、無問題無問題。」

 

でも、この話はやめておこう。何とか別の話題に・・・。

 

「あ、そうそうそういえば。」

 

よかった。どうやら凪流が気を利かせてくれたらしい。とりあえず話題をシフトチェンジ。

 

「新しい召喚方法、出でましたね。」

 

「うん、なんだっけ?凪流」

 

「『シンクロ召喚』ですよ、香澄」

 

 そう、つい先日やっとシンクロ召喚が発表されたのだ。これでやっとジャンドや六武にSINデッキなんかがまともに使える。

 

「まあ、俺には関係ないがな。」

 

「大牙は融合軸だからね。今のところは確かに必要ないか。」

 

「私はいくつか欲しいですね。聖騎士はシンクロも出ましたし。」

 

「私もかなぁ。スポーアやグローアップ・バルブが手に入ったらシンクロもできるし。」

 

「菊はどうなんだよ?」

 

 ふふふ、よくぞ聞いてくれました!!

 

「何とこの度、私柊菊はシンクロ召喚のテストプレイヤーに選ばれました!!」

 

・・・。

 

時が止まること約10秒。

 

「「「・・・はぁ?」」」

 

 ふはは、その反応が見たくて秘密にしていた甲斐があったってもんよ。

 

 因みに柚子ちゃんと父さんには決まったその日に伝えた。自分のことのように喜んでくれた上にプレゼントまでくれた。その日は泣きそうになった。

 

「さすが、プロデュエリストランキング新人1位だな。なあ、『軍師』さま?」

 

「その名前で呼ぶの、本当にやめてくれ。」

 

 『軍師』。それがプロデュエリストでの俺の2つ名だ。

 

 プロデュエリストになると、ある一定の注目を浴びるデュエリストになると、メディアが2つ名をつける。俺の場合、相手の戦略を妨害し、なおかつ自分は確実に展開していく。そんな戦略からついたのが『軍師』だった。若干厨二チックで嫌だったが、他の2つ名が『魔王』や『醜悪』だったり『征服王』だったり『料理人(間違いなくハンバーガーのせい)』だったり碌なのがなかったため、妥協した。

 

 そんな経緯を知っているこいつらはたまにこうやってからかってくるのだ。

 

「昨日、学校を休んだのはもしかして・・・?」

 

「いや、その前からテストプレイヤーの件は決まってたよ。呼び出されたのは別の件。」

 

「別の件?」

 

「ああ。」

それにしても昨日の件は驚いた。

 

 まさか、なあ。

 

 自分が赤馬零児のプロ試験官を務めることになるなんてなぁ・・・。

 

ああ・・・。

 

 嫌な予感しかしねぇ・・・。

 


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