それはそうと、ディアボリックガイ再録がようやく来ましたね!作者は友人と多々買いして行くつもりです。幸いにも友人はD・HERO。作者は堕天使(スペルビアとアスモ売らなくてよかった・・・。)を組む予定ですので何とかなりそうな気配が・・・。トライブフォースみたいにネクロスの奪い合いにならないことを祈るばかりです。魔界劇団?万が一揃ったらワンチャン作るかもね。
随分とお久しぶりです、柊菊です。現在社畜としてアカデミアからセレナを保護しに舞網市をバイクで奔走中です。そして・・・。
「居たぞ!奴だ!」
「であえであえ!」
「奴をデュエルで拘束するのだ!お行きなさい!助さん角さん!」
「誰だ今のてやんでぇ口調の奴!あと水戸黄門みたいな奴!」
なぜか俺がアカデミアに襲われてます。なして?なしてこうなったん?俺にかまわずにどっかいけよ!
その前にアカデミアよ、名も知らぬ少年兵よ。キャラを統一しろ。
まあ、それはそれとして挑まれたらワンキルしていくんですけどね。サモサモキャットベルンベルンDDBDDB射出射出ソルチャDDBDDB蘇生射出射出ゥ!アザッしたぁ!ふぅ、きたねぇ花火だ。けど、これ倒してもなんかゴキブリみたいに沸いてくるんだけど。ゴキブリ・・・G・・・増殖・・・。う、頭が。
それにしても、さっき無線代わりのデュエルディスク奪って正解だった。だってさ・・・。
「オベリスク・フォース、至急エリアDへ!第4隊がやられた!第3隊と第5隊は至急エリアDへ増援!それから第6隊はアカデミア本部に連絡して増援要請!この際オシリスの奴らもラーの奴らも増援に来させろ!」
うん、情報が筒抜けだね。まあ、無線奪ってるのが気付かれたらこうはいかないんだろうけど。
つか、まだ増えんのかよ・・・。正直このデッキでワンキルきついんだけど・・・。
「こちら第3隊!目標は?誰にやられた?!」
「ただ今先行した第5隊が・・・ああ、また一人やられた!目標は1人!最重要注意人物、柊菊!レートは今回でA+からSSに格上げ!一刻も早く奴らを殲滅せよ!また、この先に同じく最重要注意人物、黒咲隼の存在を確認!」
SSって、喰種か俺は。眼帯でもラビットでもないよ?!
「黒咲だと?!エクシーズの残党か!なぜスタンダードにいる?!」
「分からん!だがこれでハッキリした!奴らも下手をすればカード化の技術を得ている可能性がある!少なくとも、奴らも次元は超えることが出来るのはこれで証明された!慎重に事に当たれ!」
「黒咲の、残党の対処はどうする!」
「今回の責任者である紫雲院さんが対峙している!セレナの存在はこの先のエリア3で確認できたが・・・。」
エリア3?火山エリアか?それとも遺跡エリア?この先ってことは遺跡エリアっぽいけど。
「なら、別ルートでエリア3に人員を向かわせる!SSの方は数人がかりで袋叩きに」
「それが出来ればやっている!奴め、正真正銘の化け物だ!第4隊は10人いたんだぞ?!なんで倒されている?!」
「知るか!だが幸いなことに本部が人員を向かわせた!こちらがセレナを、そしてターゲットを確保できるまででいい、時間を稼げ!」
・・・うわぁ、どうしましょ。そう言われて素直に相手するのも馬鹿らしいし・・・。てか、無線神だわ。無線信仰するわ。いや、無機物に信仰するのはそれはそれで嫌だな。でも聞こえてくる状況が笑えないんだけど。 ・・・とりあえず撒こう。
「目標、バイクを置いて逃走!方向は・・・エリア3!」
「なんだと?!至急奴を拘束、ないし足止めしろ!」
ふはは、もう遅い。
「目標、建物の中に入りました!」
「何をする気だ?!」
大惨事大戦だ、じゃなくて。ま、これで大丈夫でしょ。
・・・無線からも、特に気付かれてないみたいだ。よかった、ここで大牙がバイトしてて。
「・・・目標、見失いました!どうやら裏口から逃走した模様!」
「なんだと?!貴様、何をしていた!」
裏口があることは大牙がバイト先から帰るときに迎えに行ってよく遊んでたから、場所は知っていた。まあ、自分が入ることになるとは微塵も思ってなかったけど。ついでにちょっとあるものを拝借。
「・・・しまった、閉じ込められた!」
・・・こいつら、ほんとに実戦経験豊富なエリートなのだろうか。エリート(笑)と化してるんだけど。すいません、店長さん。あとでカギ返しに行きます。
「・・・こうなったら!」
無線なんかなくても聞こえる怒鳴り声が聞こえた。え、ちょっと待って。まさか・・・。
「古代の機械猟犬召喚!行け!」
バリーンとガラス扉が割れる音がした。最後のガラスをぶち破りやがりました?!マジかよ、扉壊しやがった。・・・修理費はLDSに請求しよ。付けの領収書、ここに置いときますね。
「・・・遅かったか。」
逃ィげるんだよぉ~!(ジョジョ風)いやぁ、アカデミアは強敵でしたね。
「こちら第3隊!目標が完全にロストした!奴が向かったのはエリア3!そっちの人員は一刻も早くセレナを確保してくれ!」
いや、だから無線聞いてるんだって。場所教えてるようなものだから。まあ、このまま向かえばいいんだろうけど。
「待ちなさい。」
え?
そう思ったのもつかの間、周りに網が張り巡らされる。どうやら、俺の行動を縛るためのものらしい。
「・・・全く、こんな奴の時間稼ぎもできないのか、オベリスクフォースは。」
「仕方ないわ、姉さん。さっさと片付けてまたレジスタンス狩りに戻りましょう?」
え?何この声。なんか幹部っぽい(小並感)。
「柊菊だな。私たちはタイラー姉妹。悪いが、プロフェッサーの命によりお前はここで倒させてもらう。」
「ルールはタッグデュエル。フィールドは共通。ライフも4000で共通。まあ、貴方は一人みたいだから関係ないでしょうけど。」
え、展開がはやすぎてついていけない。だれか、だれかぁ!会話のキャッチボール出来る人いませんか?!
「ああ、逃げようとは思わないことだ。その網には私たちから逃げ出すと電流が流れる仕組みになっている。」
「アカデミア開発局の研究の賜物よ。名付けて電流網デスマッチ!」
どこのプロレス?!だれか開発部に絆創膏持ってきて、人ひとり包めるくらいの。
「さて、拒否するならカードになってもらう。そうでないのならデュエルに負けて、お前はカードになる。」
「Death or Death。お分かり?」
え、何その新手のハロウィン。せめてトリックであってほしかった。トリートないけど。お菓子なんてまったくもって持ってきてないけど。
「さて、デュエルを始めようか。」
うわあ、急ぎたいんだけど。かつてないほどめんどくさそうな気配感じちゃってるんですけど。
これあれだよ?デュエルって書いて殲滅って読むかリンチと読むか、そんなイントネーション含んでるよ。
「待て。」
来ちゃったよ。またなんか来ちゃったよ。これ以上めんどくさいのがなんか来ちゃったよ。これ以上キャラ増やさないで?!切実だから!
「・・・お前は?!」
「誰かしら、姉さん。」
え、あんたらも知らないの?てっきりそっちの上司かなんかかと思ったんですけど。俺会ったことないし。
「・・・悪いが、そいつに今消えてもらうわけにはいかないんでね。俺も加勢する。」
いや、だからあんた誰なんですか。ナズェミテルンディス?!
「・・・俺は君の味方だ、安心してほしい。だが話はあとだ。先にこいつらを片付けたい。」
「・・・あんた、信用できるのか?」
「さあ、な。もしかしたら1対3になるかもしれん。」
それなんてタッグフォース。CPUクソ過ぎる奴じゃないですかやだー。
「・・・先行はお前からだ。デュエルを始める。」
いや、ちょっとお姉さん?疑問に持ちません?なんでデュエル続行しようとしてるんですか?!しかも先行。まあいいや。
「手札から3枚の方界カードを見せる。」
ほんと、この効果インチキすぎる。
「手札から、暗黒方界神クリムゾン・ノヴァを特殊召喚。」
これを見て、更に手札を除いた斜め後ろにいるなんかよくわからん奴が「あ。」てつぶやいたが、そんなのは知らん。
「そして流星方界器デューザを通常召喚。効果で方界合神を墓地に送る。」
そしてその瞬間後ろの奴が顔を上にあげて空を仰いだ。おい、現実逃避するな。
「デューザをリリースすることで、方界獣ダーク・ガネックスを特殊召喚。更にデューザがフィールドから離れたことで墓地の方界合神の発動条件を満たした。このカードをゲームから除外することで手札のバスター・ガンダイルを特殊召喚。」
「ふん、攻撃力0のモンスターを召喚したところで何も変わらない。」
「いや、バスター・ガンダイルが手札から特殊召喚されたことでお前たちは800のバーンダメージを食らう。」
「何?!」
残り3200。クリムゾンノヴァのあれと組み合わせてもちょっと足りないな・・・。別に多少残そうが何とかなるだろうが。
「・・・使うか?」
そう言ってよくわからん男から渡されたのはアクションカード。・・・あ、ジャストキルなるか?
「手札からアクション魔法フレイム・ボールを発動。200のダメージを与える。」
「クッ、小癪な。」
「大丈夫よ、姉さん。この程度、次のターンで挽回出来るわ。」
それが、そうでもないんだよなぁ。
「残念だけど、次のターンは存在しない。」
「何?」
「何言ってるのよ。まだ先行1ターン目よ?」
先行だからって慢心するのよくない。
「エンドフェイズに入る。この瞬間、クリムゾンノヴァの効果が発動。お互いに3000のダメージを与える。俺たちのライフは4000、そっちは3000。・・・どうあがいても、俺らだけが生き残る。」
これを聞いた瞬間、姉の方が焦り、妹の方が「え?うそでしょ?」とつぶやく。後ろの奴は「俺、いらなかったな」なんて呟いているが、知るかそんなもん。残念だけどこれ、デュエルなのよね。
「・・・さて、姉妹さん?懺悔の用意は出来ているな?」
ちょっと待って、なんて妹らしき方が言っているがそんなのはしらん、管轄外だ。そもそもエンドフェイズに入った時点で効果処理は自動で行われる。
クリムゾンノヴァの効果が発動し、エネルギーが爆発したかのように降り注ぐ。多少のダメージを受けるつもりだったが、後ろの奴がまたまた拾ったらしいアクション魔法、フレイム・ガードを発動したので、俺たちはライフ4000と無傷のままデュエルが終了した。
ワンターンジャストキルゥ・・・。
「なん・・・だと・・・?」
死神ですか?尸魂界に帰れ。俺は逃げる。
とりあえずバイクのところまで戻ってヘルメットを被り、それに跨った後、俺は少しどうするか考えた。
さて、どうするか。本当はセレナとやらを見つけなければならないんだけど、くだらないデュエルの所為で時間を取られた。もう、セレナは移動しているだろう。
「待ってくれ。」
「ん?」
不審者 が なんだか こちらを 見ている。
仲間 に しますか?
ってふざけてる場合じゃないか。なんだか真剣そうだし。
「なんだ?忙しいから手短に。」
「・・・頼みがある。君が今追っているセレナについてだ。」
なんだって?どういうこと?単刀直入過ぎてわかんない。とりあえず、彼をバイクの後ろに乗せて遺跡エリアで走り出す。
「それで、話ってどういうこと?」
「・・・いや、まず何から話すべきか。」
いや、最初から離せよ。それもできれば簡潔に。
「そうだな、簡潔に言う。俺は融合次元の人間だ。だが、アカデミアの人間ではない。」
何?!融合次元の人間ならアカデミアに属しているのではないのか?!
「次に、なぜ俺が、お前がセレナを追っていることを知っているのか。赤馬コーポレーションについては元々調べていた。その社長である社長の会話を盗聴しないはずがないだろう?」
いや、そんなに堂々と犯罪カミングアウトされても。
「それで、きみがセレナを保護してくれることを知った。そこでコンタクトを取ることにした。そうしたらタイラー姉妹に襲われている君を見て、最初は君のデュエルを見させてもらうチャンスだと思ったんだが・・・。」
だが?
「タイラー姉妹。まさか当て馬にすらならないとは思わなかったよ。流石に難易度が高すぎると思って介入しようと思ったんだが、まさか俺がアクションカードを探すための犬にしかならないとは・・・。」
不思議とジグザグマを思い出した。特性、ものひろい。ふしぎなあめとか拾ってくれるから助かるんだよな。廃人プレイは向いていないことをあのゲームで痛感した。ヌオーとビーダルはトラウマ。はっきりわかんだね。
遺跡エリアに入る。流石の俺もここでバイクを走らせることは出来ない。こんな瓦礫だらけの場所ではバイクは走れない。後ろの奴も素直に降りてくれた。
「と、いう訳で・・・。」
男は俺の腕に近づいて、そっと腕に手錠を嵌めて逆側を自分の手に・・・っておい。
「あのー、これ、なんですか?」
「手錠。」
「いや、それは分かってんですけど。俺が聞きたいのは決してこれがなんなのかってことじゃなくて、なんで俺がそれを嵌めてるのかってことなんですけど。」
「・・・さて、何から話そうか。」
いや、何もどうもこうもないんだけど?!絶対これ逃げられないようにするためだよね?!
「いや、そういう訳ではないんだ。・・・ただ、君の実力が見たくて。」
「何一つ違わねぇじゃねぇか?!これあれだろ?!腕試しと言う名のデュエルを断られて逃げられないようにするための手錠だろ?!」
「お、なんだ話わかんじゃん。」
「なんで急にフレンドリィ?!マジフザけんなぁ!」
ここまで突っ込みしたの何気に久しぶりな気がする。俺、どっちかっていうとボケ側の人間なんだけど。
「さて、じゃあ始めるか。」
「あんたどんだけマイペース?!唯我独尊と書いてゴーイングマイウェイって読む人間だよコレ!」
「おお、俺の座右の銘を知っているとは、何者?」
「余所者、もしくは他者だよこのクソ野郎!!手錠を外せ、何よりもまず手錠を外せ!そもそも手の自由がきかないからデュエルディスク弄れねぇよ!」
あ・・・。ってつぶやく男からはなんだろう、そこはかとない天然な気配を感じる。
いや、おそらくバカではない。むしろ、デュエルにおいてかなりの実力者ではないかと言う気がする。何となく、そんな気配と言うか雰囲気を持っているのだ。
昔、プロデュエリストの先輩に聞いた話だが、何となく強い人はそういう雰囲気のようなものが出るらしい。今の今までそういう気迫のようなものが本当に存在するなんてまったく思っていなかったしそんな与太話まったく信じてなかったけれど。
あ、ちなみにどういう訳かそういう気迫は俺には全く出てないらしい。プロランク50位以内に入っていれば大体感じるはずなのにおかしいなってその先輩は言っていた。まあ、元が若干オカルト信者入っている先輩の言っていることなので本当に信用できない。いやマジで。
まあ、それはともかくとして、とりあえず手錠は外してもらえた。よかった。結構今の状況で手錠は洒落にならない。身動きが取れないといざと言う時に困る。
「・・・とにかく、デュエルしてくれないか?」
「理由は?」
「君を見極める。」
「なぜ?」
「・・・今は言えない。」
・・・普通なら、ここで断る。というか、メリットがない。
だけど、なんでか。
俺はこの人から、逃げ出してはいけない。そんな気がした。
「・・・10分。」
向こうは、俺がこんなことを言い出したのを予想してなかったのだろう。酷く驚いた様子だった。
「10分だけ。それなら付き合う。」
「・・・感謝する。」
そう言って、俺たちは向き合った。
正直、余裕はない。時間的にも、精神的にも。今、俺の頭は連れ去られた友人のことで一杯だし、セレナを一刻も早く捕まえて融合次元に飛んでいきたい。
だけど、ココだけはきっと避けて通れない。
その予感は、実際当たっていたのだと思う。
後になって言えることだが、このデュエルは柊菊にとって、間違いなく転機だった。
◇
「そんな・・・。」
私、グレースはただただ、呆然と立ち尽くしていた。
圧倒的なまでの力。そして先行にもかかわらず私たちを一方的に屠るだけの展開。淡々と効果だけを説明していく彼の姿に、私は心を打たれていた。
先行ワンキルデッキが今までになかったわけではない。むしろ、そういうデッキで私たちに対処しようとしてきた敵は多かった。だが、そういう敵は大抵が自分のデッキに信念を持たず、唯々特化されたデッキを持っただけで、おまけに慣れないデッキを使ったせいで失敗していく。私たちは先行ワンキルのデッキを使う輩を見ても、また自爆かと肩を落としていた。
だが、今の相手は違う。恐らく、あのデッキはバーンを主軸には考えていない。そうでなければ攻撃力3000のモンスターを出したりすることはないだろう。あの時、手札を見たときに僅かに悩んでいた。恐らく、狙いは他にもあったはずだ。展開は他にもあったはずだ。私には分かる。
そう思い、デュエルディスクのログから、彼が使ったカードを調べる。そこで彼の狙いに行きついた。
バスター・ガンダイル。破壊されたときに方界カードを手札に加えるカード。恐らく、本命はこれだ。3000の耐性持ちモンスターは早々突破できるようなものじゃない。おそらく、次のターンで破壊していたのはバスター・ガンダイルとダーク・ガネックスが限度だっただろう。あのまま行けば私たちのライフは200しか残らない。防御のことも考えると、破壊できるのはせいぜいがそのくらいだっただろう。私たちのデッキであれを倒しえるカードが入っていないわけではないが、すぐに対処できるものはない。
私たちは、どうあがいても負けていた。その事実に行きついた瞬間、私の中の何かが弾けた。
「ッフフフフ。」
「ど、どうしたグレース。」
やだ、何言っているの姉さん。わたしは普通よ?
そう、普通に、あの人のデュエルを見たくなっただけ。
あの人のデュエルを研究したくなっただけ。
あの人のデュエルを壊したくなっただけ。
「ねえ、姉さん。」
「な、なんだ?それよりも今のお前の顔、凄いことになってるぞ?」
やだ、女の子に失礼しちゃう。姉さんも女の子なんだけど、たまにデリカシーがないのが難点よね。あと胸・・・は私も無かった。なんだかショック受けたなぁ、自分の言葉に。
いや、そんなことはどうでもいいの。重要なのは。
「配属先って、申請したら変えられるのよね?」
「あ、ああ。直談判すれば変えられる・・・とは思う。」
「なら、こうしない?」
私は、思い切ってその提案をすることにした。
「配属先、対スタンダード部隊に変えてもらおうよ。あのデュエリストに、目のもの言わせなきゃなんだか気が済まないわ。」
多分、これで私の目的は達成できる。あのデュエリストに、後悔させてやる。
待っていて、柊菊。
私が、今から貴方を壊しに行きます。
「・・・ああ、これ、ダメな奴だ。」
ほんと、姉さんは失礼ね。
◇
妹が壊れた。まあ、いつものことではあるのだが。
だが、あんなデュエルで満足しろと言うのも無理な話ではあったのかもしれない。妹は、デュエルに飢えている。自分を楽しませてくれる相手を、常に探している。
そんな妹がようやく満足できるかもしれないと思った相手に、ターンを回されることなく終わってしまった。どんな気持ちだっただろう。どんな思いだっただろう。妹が、柊菊の資料と映像を見せられた時、どれだけ嬉しそうな表情だったのかを私は知っている。どれだけ今回のハンティングを待ち望んだのかを知っている。
あれはいつだったか。仲のいい友人だった男に、妹を評して狂化スキルEXのバーサーカーだ、なんて言われたことを思い出した。
「ねえ、姉さん。」
「な、なんだ?それよりも今のお前の顔、凄いことになってるぞ?」
多分、アカデミアで彼女を慕っている(中には本気で好きな奴もいた)奴には見せられない。それくらいには色気に満ちていて、そして狂気に満ちている。これは本当に私が知っているグレースなのだろうか。
「配属先って、申請したら変えられるのよね?」
「あ、ああ。直談判すれば変えられる・・・とは思う。」
その先の言葉を、私は知っている。妹は間違いなく彼を追いかける。覇気のない、だがそれでいて矛盾するその強さを追いかけるのだろう。
「なら、こうしない?配属先、対スタンダード部隊に変えてもらおうよ。あのデュエリストに、目のもの言わせなきゃなんだか気が済まないわ。」
許可を取ったのは私たちが
だが、私にも気になったことがある。グレースは覚えていないかもしれないが、横にいたあの男。
デッキの内容を私は見ることが出来なかった。かろうじて男と言うのは分かったが、ローブを着ていてその顔を見ることは出来なかった。
だが、それでもなんだか懐かしい雰囲気があった。
もしこの勘が正しいのならば、私は、あの男と戦わなくてはならない。
あの裏切り者と、戦わなければならない。
それが、裏切り者に対する、友人としての私の餞になることを祈って。
「グレース。」
「なあに?姉さん。」
その時、デュエルディスクから光があふれだす。強制帰還システムが遅れながらも作動した。恐らく、あの最後の攻撃の時に僅かに機械がオーバーヒートを起こしたのだろう。
デュエルディスクからはわずかに煙が出ている。・・・今更ながらよく生きてたな、私たち。
「 」
転移されながらも伝えたその言葉に。
妹は、最高の笑顔で答えた。
めっちゃ短くてごめんなさい。つか、最近ストーリー思いつかないんです。プロットとか作り直すべきなのかな?
それから、方界デッキなんですが殆ど使ったことがないので効果処理間違ってたらゴペンなさい。このネタが分かった人は多分作者とほぼ同じ世代。分からない人はコロコロの漫画なので調べてみてください。
そして、グレースさんまさかのバーサーカーなりぃ。どうしてこうなった。ヤンデレの末に転身火生三昧とか言い出さないことを祈る。