遊戯王ARC-Ⅴの世界に廃人がログインしました   作:紫苑菊

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お待たせしました、作者の現実逃避小説です←おい

それから今回デュエルはありません。考えてる時間なかった。

それから、大まかな大会の流れはほぼ同じですので、分からないところはアニメを見てください。


舞網チャンピオンシップ、開催
第1話


 なんでこんなことになったんだろう。

 

 いや、分かってるんだよ、それもこれも全てプロになったせいなのは。

 

 でもさぁ。

 

 まさかマイアミチャンピオンシップの解説役として出るとか。

 

 しかもそのせいで遊勝塾の面々とほぼ別行動とか、マジでやってらんねぇ。いや、実際に解説役つっても、メインでやるのは2次のバトルロワイヤルだけだから1次は少しだけ抜けれるんだけど。

 

 それでも、やっぱりジュニアユースの開会式のほうはアリーナ裏で見るしかないよなぁ。せっかくビデオカメラ新調したのに。

 

「どうしましたか?柊選手。」

 

「いや、何でもないですよニコさん。」

 

 いや、あるんだけど。てか早々に帰りたいんだけど。ああ、遊矢たちの姿をゆっくり観客席で見たかった。ニコさん、いい人なんだけどちょっと実況が真横でやられると・・・。ほら、うるさいんだよ。盛り上がっていた気分が一気に氷点下一歩手前になりそうなレベルで。

 

 いや、プラスに考えよう。

 

 そうだ、まず観客席よりも近くで遊矢たちを見ることができる。それに加えてやることといえば解説なんか効果の説明やプレイングに茶々入れるだけでいい。それに・・・俺の目的を考えると、スタッフとしてアリーナを自由に動き回れるほうが都合がいいかもしれない。

 

 なら仕方がない。甘んじてこの立場を受け入れよう。確か1回戦は柚子がストロングして百合になるんだっけ?もう10年ほど前のストーリーは思い出せないなぁ。てか、アニメのほうそこまで見てなかったし。素良の顔芸はニコニコで見たっけなぁ。

 

 さて、気持ちにひと段落つけたらトイレに行きたくなってきた。

 

「ニコさん、すいませんが少々席を外してもよろしいですか?」

 

「ええ、かまいませんよ。どうぞ。」

 

「すいません、開会式までには戻ります。」

 

 さて、トイレってどっちだったっけ?

 

   ◇

 

 トイレを済ませると、柚子からメールが来てることに気付いた。

 

 何々?『遊矢がいなくなった』?!

 

 いや、マジで?!何してんの遊矢?!

 

 ・・・たしか、この先遊勝塾の集まるとこだったよなぁ。ってあれ、遊矢君じゃないか?しかも揉めてない?あ、権ちゃんが行った。

 

 ああ、よかった。本番前に絡まれるとか、遊矢君なかなかにハードだなぁ。まあ、ジュニアユースすっ飛ばしてユースに出た時の俺ほどじゃないか。あの時は周りの視線が超痛かったなぁ。

 

 ん?なんかさっき絡んでた子、こっちに来てない?

 

「久しぶりだな、柊プロ。」

 

 ん?俺こいつに会ってたっけ?

 

「・・・ふん、テメェとは大会で会うことはないが、代わりにお前のかわいい妹たちに勝って、雪辱を晴らしてやる。」

 

 そういってどっか行っちゃったけど・・・。

 

「菊兄さん!暗黒寺は?!」

 

 遊矢、遊矢じゃないか!どうしてここに?って、たださっきの子を目で追ってたら気付いただけですね分かります。

 

 つか、それはそれとして聞きたいことが。

 

「遊矢。」

 

「何?」

 

「・・・さっきの子、誰?」

 

「・・・本気?」

 

「本気。」

 

 そう言ったらなんかため息つかれた。解せぬ。

 

「・・・最初にあった日、俺と柚子に絡んでいた暗黒寺を権現坂が止めに入っていたときに、兄さんが介入して撃退したことがあったじゃないか。」

 

 ああ、思い出した。スキドレ暗黒界の悲劇だ。いやぁ、まさかいくらスーパードロー型とはいえあそこまで1ターンに展開できたのはそうそうないよなぁ。個人的にはスーパードローよりもデーモン型や魔轟神型、もしくはデスガイドや魔サイ、オクトロスを組み込んだビートダウン型が好きなのだが、どうにも勝率が芳しくない。作っているとなぜか虚無やスキドレを張ってしまう。OCGではよくあること。

 

 まあ、思い出してすっきりしたところで。仕事しないと。

 

「じゃ、遊矢。頑張れよ。柚子と権ちゃんにもそう伝えておいてくれ。」

 

「え、菊兄さん!どこ行くの?」

 

 あれ、言ってなかったっけ?まあ、そのほうが面白そうだしいいか。

 

「ちょっと野暮用。試合は見てるから安心しな。」

 

 あ、時間やっべ。ニコさんとこに戻らないと。ニコさん、あんな感じだけど時間や約束事には厳しい人だからなぁ。プロになりたての頃はそりゃあお世話になりました。

 

 廊下、走って大丈夫かな?まあ、注意されたら歩こう。

 

 ん?あれ、零児君じゃない?こんなとこにいていいのかな?ってなんか小さい子もいる。まさか誘拐?!

 

「何してるんだい零児君?」

 

「・・・柊プロ。」

 

「・・・その呼び方やめてよ。」

 

 最近じゃぁクラスメイトまでそれで呼んでくるからオフの実感ないんだよねぇ。

 

「その子は?誘拐でもしたのかい?」

 

「・・・誘拐ではありませんよ。弟の零羅です。」

 

 あ、そういえばいたなぁ、弟君。CCCだっけ?あのデッキ使ってみたいよなぁ。若干だけど属性HEROやシャドールみたいな香りがプンプンする。

 

 てか、3年前に比べて本当につまんなくなったなぁ、零児君。昔はリアクションとか面白かったのに。今じゃあなんか余裕がないっていうか。誘拐犯扱いしたのに突っ込みがこんだけとか元関西人としてはなんか残念。

 

「あの・・・。」

 

 ん?何かな零羅君?

 

「柊菊さん・・・ですよね?」

 

「ああ、君には自己紹介してなかったね。初めまして、柊菊です。零児君にはお世話になってます。」

 

「うわぁ・・・本物だ・・・。」

 

 ん?目をそんなにキラキラさせてどうしたんだい?君も僕のファンになったのかな?

「あの・・・試合、よく見てます。あの・・・それで・・・えっと・・・。」

 

 ああ、人見知り激しいタイプなのかな?すごい挙動不審なんだけど。

 

「お。応援してます!が、頑張ってください!!」

 

 お、おおう。まさか本当にファンだったとは。でもいいのかい零羅君。横で君の兄が複雑そうな目で見ているよ。

 

「そ、それでは!」

 

 あ、逃げてった。ん?あれは確か零児君のお母さん。あ、後ろに隠れた・・・中島さんの。そこはお母さんの後ろに隠れてあげなさいよ。

 

「・・・驚きました。」

 

「ん?」

 

「零羅が、あんなにはっきりと誰かと会話するのは、初めて見ました。」

 

「・・・兄として複雑かい?」

 

「ええ、まぁ。」

 

 どうせなら自分のファンになってほしい。そういう思いがあるのはプロデュエリストにとっては絶対にある気持ちだから無理もない。だから零児君、そんな複雑そうな目で俺を見ないで。デュエルここでしないから。ぼそっと「今ここで倒せば・・・」とか「あのデッキなら・・・」とか言わないで。ほんとに。怖いから。つか君、隠れブラコンの気があるんだね。

 

「じゃあ、俺はここで。はやく行かないとニコさんに怒られちゃう。」

 

「ええ、それでは会場で。」

 

 ここは時間を盾にした逃走の一手だ。アラホラサッサー、ってこのネタ通じる人はなかなかの世代な気がする。

 

 さて、お仕事お仕事。若くして社畜の俺は馬車馬の如く働きますよーだ。・・・あんまり使わないから最近貯金が凄い額になってきているのは気のせいだと思いたい。どれだけ働いたんだろう。労働時間を考えるのが最近怖いです。

 

  ◇

 

 遊矢side

 

「はい、ありがとうございました榊遊矢君!!」

 

 スピーチが終わり、会場から拍手がなる。正直、初めてやったこともあってかスピーチの内容はほぼ思い出せないが、うまくいっていることを願うばかりだ。

 

 柚子も権現坂もなんだか笑っているみたいだ。笑われるの間違いでないことを祈るが、アユやフトシたちが嬉しそうに騒いでいるのを見るに大丈夫だったんだろう。・・・大丈夫、だよね?

 

「さて、それでは今大会のスペシャルゲストの紹介です!!」

 

 ニコさんがそう言ってアリーナの、俺たちが入場したほうの入り口とは正反対の入り口を指さした。スペシャルゲスト?もしかして・・・。

 

「それでは登場してもらいましょう!どうぞ・・・って、え?」

 

 そういって皆がニコさんの指さしたほうを見るが、誰も来ない。あれ、思い違いかな?

 

「どうしたんでしょうか?何かトラブルがってのわぁ?!?」

 

 いきなり何かがアリーナの会場から飛び出てきた!!あれは、ブラック・マジシャン?!それにあれは真紅眼の黒竜!他にも巨大ロボのようなカードやハンバーガーのようなモンスターまでやってきた。最後に出てきたのは綺麗な光を放つ竜。よく見ると兄さんが乗っている!

 

「飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!!」

 

 この声って?じゃあゲストってやっぱり!!

 

「ニコさーん、マイクくださーい!!」

 

「は、はい!!」

 

 ニコさんもこの登場は予想外だったようだ。まあ、想定内でも驚くよね。

 

 菊兄さんはマイクを受け取ると会場全体に声が響き渡るように叫んだ。

 

「Good morning everyone!! 本日はお集まりいただきありがとうございます!!皆さま、わたくしからのサプライズはいかがだったでしょうか?」

 

 どこかかしこからよかったぞーといった声が聞こえてくる。確かにすごかった。特にあの綺麗な竜の飛ぶ姿には感動を覚えた。

 

「それはよかった。ああ、自己紹介が遅れました、柊菊です。一応若輩ながらプロデュエリストを務めさせていただいてます。本日は、私柊菊が今大会の試合をニコさんと一緒に解説していきますので、どうかよろしくお願いします。」

 

 そういって兄さんはお辞儀をした。どことなく様になっていて、純粋にかっこいいと思った。のもつかの間、兄さんがにやりと笑う。あ、これダメなやつかも。

 

 俺が今までの経験から嫌な予感がしていたが、兄さんは続けた。

 

「それでは、ただいまより!!舞網チャンピオンシップを開催します!!」

 

 その瞬間、待機していたブラック・マジシャンと真紅眼の黒竜の攻撃が上に向かって放たれ、そこに向かって巨大ロボがハンバーガーを投げる。

 

「今だ、スターダストドラゴン!!シューティング・ソニック!!」

 

 その攻撃はちょうど投げられたハンバーガーとモンスターたちの攻撃と重なり合い、綺麗な花火になった・・・原材料がハンバーガーなので何とも微妙な気持ちにはなるが。

 

 だが、綺麗な花火には変わりがない。観客たちはよろこんでるし、主催者席にいる人たちも・・・赤馬零児以外は問題なさそうだ。赤馬零児だけはなんだか微妙そうな顔をしてるけど。俺と同じ結論に至ったんだろうなぁ。

 

 まあ、こんな感じだったが、舞網チャンピオンシップが開催された。

 

 とりあえず菊兄さんに話を聞きに行こう。柚子が隣ですごい顔してるのは気のせいだと思いたい。

 

   ◇

 

  菊side

 

 いろんな人に怒られた。まあ当然かもしれないけれど。

 

 人が頑張ってあれだけのモンスターを展開したんだからもう少し褒めてほしい。いや、ハンバーガーを花火にしたのは失敗だったかもしれないけど。仕方ないじゃないか。思いついたインパクトの強いキャラがあれだったんだから。思わず自分でもきたねぇ花火だって思ってしまったが。

 

 あ、ちなみにハングリーバーガーなんだが、攻撃力は変わらないのになぜか素材によって攻撃や破壊されるときのエフェクトが変わったりする。今回はその性質を利用してバグマンたちを素材にしてみた。結果、花火の尺玉代わりになったというわけだ。形はどこからどう見てもハンバーガーなのに実は火薬がふんだんに使われた花火玉。サプライズは無事成功したらしい。ちなみに巨大ロボはグレートマグナス。カタパルトタートルで射出してもよかったが、インパクト性重視で採用。まあ、実戦用のデッキではないのでスタッフさんに手伝ってもらったりはしたけど。スターダスト・ドラゴンは攻撃時のエフェクトが綺麗なのがこいつ以外に考えられなかった。後々の影響を考えはしたけど、マイナーカードと観衆たちが勘違いしてくれることにかけた。実際、スタッフもグレートマグナスは知らないみたいだったし。

 

 あと、遊矢たちにはかなり質問攻めされました。まあ、一応サプライズゲストだから秘密にしていたって言えば納得してくれたあたりもう少し疑ってくれてもいいと思う。信頼が痛い。ほんとは伝え忘れてただけなのに。

 

 閑話休題。

 

 実は今、何やかんやで今現在、病院にいます。

 

 まあ、原因は素良が入院したから。生ゲス顔をこの目で見ることができたのはOCGプレイヤーとしてかなりうれしい。まあ、現在安静中の素良君や遊矢には悪いから口に出さないし、これでも自分なりに心配はしているんだけど。

 

 だけどその肝心な素良君は病院から抜け出していたらしい。

 

 だからかな・・・。

 

 

 

「菊兄さんお願いだ。俺を乗せて素良のやつをバイクで追ってほしい!!」

 

 こんなことを遊矢にお願いされることになったんだと思う。




月光、面白そうですねぇ。天キあるので作ってみようか迷っています。

・・・まあ、受験が優先なんですけどね。

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