遊戯王ARC-Ⅴの世界に廃人がログインしました   作:紫苑菊

15 / 31
またまた遅くなってごめんなさい。
受験が近いので今年はここまでになりそうです。
し、失踪はしないつもりですのでご勘弁を。

それはそうとPSYフレーム面白いですね、Ω高いけど。


第7話

前回のあらすじ フラグ回収、シスコンお兄ちゃん(無言の腹パン)出現。

 

 いや、どうしてこうなった。マジで。

 

 いや、たまたま通った路地に、たまたま居た黒咲さんがたまたま俺たちの会話を聞いて、襲い掛かった。多分こういうことだろうけど。

 

 よく考えればフラグ結構立ってたんだよなぁ。大牙の会話、凪流や俺なら大丈夫という信頼感、おまけに歩いて人の少ない通りに入るのフラグの3連コンボ。これで来ないなら世の中のフラグは全て折れている。

 

「どうした、ディスクを構えろ。それでもデュエリストか!」

 

 リアリストだ。

 

 いや、ふざけてる場合じゃないな、これ。最悪凪流や俺はここで『カード化』されてしまう。この時の黒咲さんはLDSの元社長にしてアカデミアのプロフェッサーである赤馬零王の息子、赤馬零児をおびき出すためにLDS関係者を次々に襲っていた。その時は確か負けた相手をカードに変える装置を使ってたはず。つまり、このデュエルを受けて負ければ・・・。

 

 俺は横の凪流を見る。彼女がカード化されることは避けたい。彼女が簡単に負けるとは思わないが、だからといって黒咲さんとRRデッキに勝てるとも思わない。

 

「デュエルですか?ならお受けしま」

 

 あっぶねぇ!!何してんのこの子!!明らかに怪しすぎる相手にデュエル受けてんじゃないよ!!普段おとなしいのに何でこういう時だけデュエル脳なの?!さっきLDS事件について大牙から話聞いてたでしょ!

 

「どうした!受けるのか!受けないのか!」

 

 うわぁ、なんか黒咲さんヒートアップしてない?凪流もなんか機嫌悪いし。いや、俺のせいか。受ける前に凪流の口塞いで若干羽交い絞めにしてるしなぁ。

 

「凪流。」

 

 仕方ないか。あんまり気乗りしないけど。

 

「お前、こっから逃げて警察呼んで来い。」

 

 へ?って感じに呆ける凪流。彼女に聞こえるくらいの、それでもって黒咲さんには聞かれない程度の声で続ける。

 

「多分、あれがLDS襲撃事件の犯人だ。」

 

 その言葉に驚いたような表情。いや、分かれよ、明らかに不審者だから。

 

「でも、もし違ったらどうするんです?」

 

「その時には警察官と相手に謝ればいいさ。時間稼ぎはするからその内に呼んできて。」

 

「でも!それじゃああなたが危険な目に「いいから、行って。」・・・分かりました。無茶はしないでください。」

 

 よかった、了承してくれた。これで最悪凪流だけは無事だ。

 

 後ろへ駆け出していく凪流。それを追いかけようとする不審者黒咲さん。

 

「ちょっと待ってもらおうか。デュエルしろよ。」

 

 それを俺が立ちふさがって妨害。

 

「どけ、さもないと貴様から「さもないと、何?」・・・チッ。」

 

 うん、このままだと最悪逃げ切られるな。向こうからしたらLDSでもない途中介入者の俺とのデュエルなんてメリットないし。

 

「なあ、不審者さん。いや、LDS襲撃事件の犯人さん、かな?間違っていたらごめんね?」

 

「何だ!」

 

 逃げようとする黒咲さん。ならば・・・。

 

「俺とデュエルしない?これでもLDSにはちょーっとだけコネがあるからさ。君の目的が何かは知らないけど、もしかしたら君の目的に協力できるかもよ?」

 

「何?!」

 

 よし、食いついた。

 

「・・・何が望みだ。」

 

「簡単なことさ。俺が勝てば君の目的を洗いざらい喋ってもらう。俺が負ければ君の目的に協力する。悪い話ではないと思うよ?」

 

「・・・いいだろう。」

 

 そう言ってデュエルディスクを構える黒咲さん。

 

「よし、交渉成立。始めようか。お兄さんのテストは荒っぽいからね、本気でかかってきなさい。」

 

 さて、デッキは・・・こっちでいいか。流石に墓地天使じゃあRR相手に初動が不安だし、事故の可能性が高いものをここでわざわざ使う必要ないしね。

 

「「デュエル!!」」

 

 デュエル開始ぃぃぃいいい!(磯野風)。

 

「先行は貴様からだ。」

 

「お、いいのかい。じゃあ俺のターン。魔法、ヒーローアライブ発動。デッキからE・HEROシャドー・ミストを特殊召喚する。特殊召喚時にシャドーミストの効果で『チェンジ』速攻魔法、マスクチェンジを手札に加える。カードを2枚伏せてターンエンド。」

 

 ヒーローアライブ

 通常魔法

自分フィールドに表側表示モンスターが存在しない場合、LPを半分払って発動できる。デッキからレベル4以下の「E・HERO」モンスター1体を特殊召喚する。

 

 E・HEROシャドー・ミスト

 効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1000/守1500

「E・HERO シャドー・ミスト」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「E・HERO シャドー・ミスト」以外の「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 KIKU

  手札5→3

 

「『チェンジ』速攻魔法だと?まあいい、俺のターン!ドロー。」

 

 どうやらチェンジ魔法を見るのは初めてなのか、どこか訝し気になっている黒咲さん。融合次元の人はHERO使わないのかな?

 

「俺はRR-バニシング・レイニアスを通常召喚、効果により手札からRR-トリビュート・レイニアスを特殊召喚!効果発動!デッキからRRカードを1枚墓地に送る!」

 

 RR-バニシング・レイニアス

このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズに1度だけ発動できる。手札からレベル4以下の「RR」モンスター1体を特殊召喚する。

 

RR-トリビュート・レイニアス

「RR-トリビュート・レイニアス」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズに発動できる。デッキから「RR」カード1枚を墓地へ送る。(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したターンの自分メインフェイズ2に発動できる。デッキから「RUM」速攻魔法カード1枚を手札に加える。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「RR」モンスターしか特殊召喚できない。

 

「ならばそれにチェーンして、速攻魔法マスク・チェンジを発動!フィールドのシャドー・ミストを墓地に送り、M・HEROをエクストラから特殊召喚する!」

 

 これが、許されないHERO。マジでこいつデザインした奴出てこい。

 

「変身召喚!己だけが正義!M・HEROダーク・ロウ!ダーク・ロウが存在する限り、墓地に行くカードは除外される!さらに墓地に送られたミストの効果でデッキからエアーマンを手札に加える!」

 

 マスク・チェンジ

 速攻魔法

自分フィールドの「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを墓地へ送り、そのモンスターと同じ属性の「M・HERO」モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。

 

 M・HEROダーク・ロウ

 融合・効果モンスター

星6/闇属性/戦士族/攻2400/守1800

このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手の墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。(2):1ターンに1度、相手がドローフェイズ以外でデッキからカードを手札に加えた場合に発動できる。相手の手札をランダムに1枚選んで除外する。

 

 KIKU 4000→2000

  手札3→4

 

「なん・・・だと・・・?」

 

 誰かの霊圧でも消えたのか?いや、カードは除外されるけれども。

 

「・・・俺はRR-シンキング・レイニアスを墓地に送る、がダークロウの効果により除外される。だが、俺のターンは終わっていない。速攻魔法、スワローズ・ネストを発動!コストによりバニシング・レイニアスをリリース!」

 

「それにチェーンして永続罠、虚無空間を発動。お互いに特殊召喚できなくなる。」

 

「 」

 

 スワローズ・ネスト

 速攻魔法

自分フィールド上に表側表示で存在する鳥獣族モンスター1体をリリースして発動する。リリースしたモンスターと同じレベルの鳥獣族モンスター1体を自分のデッキから特殊召喚する。

 

 虚無空間

 永続罠

(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、お互いにモンスターを特殊召喚できない。(2):デッキまたはフィールドから自分の墓地へカードが送られた場合に発動する。このカードを破壊する。

 

 ・・・。うん、酷いよねコレ。だけども手札には次の展開が見えてるんだよなぁ、エアーマンもサーチしたし。つか、あのままだとカステルでダークロウ戻されたかも。ネスト使われて運が良かった。まあ、スワローズ・ネストがあるならそのまま展開するか、普通。いや、結果論だな。こんなこと考えても。

 

「・・・、バトル。」

 

「へ?」

 

「バトルだ、トリビュート・レイニアスでダークロウに攻撃!そして手札から速攻魔法発動、禁じられた聖槍!ダークロウの攻撃力は800ダウンする!」

 

 ガチカードじゃねぇか!黒咲さんそのカード入れてたんすか?!もっとロマン軸かと思ってた。失望しました那珂ちゃんのファンやめます。いや、別に失望なんかしてないけどさ。

 

 禁じられた聖槍

 速攻魔法

フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が800ダウンし、このカード以外の魔法・罠カードの効果を受けない。

 

 KIKU 2000→1800

 

 破壊されるダークロウ。それに伴い虚無空間の自壊効果が発動し、破壊される。つか、ダメージの実体化ってこんなもんなのか?200しか削られてないからか?

 

「メイン2、トリビュート・レイニアスの効果でデッキから「RUM」魔法を手札に加える。RUM-ラプターズ・フォースを手札に加え、カードを1枚セット、ターンエンド。」

 

 KUROSAKI

  手札6→2

 

 うわぁ、更地にされた。まあ、手札は4枚、引けば5枚になる。何とかなるだろ。ただあの伏せ、出来れば禁じられたシリーズは嫌だなぁ、厄介だし。

 

 ・・・多分残った手札のどちらかはRUM。RUMをエクシーズのいない状況で伏せるわけがない。いや、ブラフかもしれないけどさ。兎に角警戒すべきはあのカード。

 

「俺のターン、ドロー。」

 

 引いたカードは・・・、ミラクルフュージョン。神引き。

「通常召喚、E・HEROエアーマン!効果で手札に加えるのはE・HEROバブルマン!」

 

 E・HEROエアーマン

 効果モンスター

星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、以下の効果から1つを選択して発動できる。●このカード以外の自分フィールドの「HERO」モンスターの数まで、フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 黒咲さんは動かない。神宣とかではないのかな?もしかしてレディネス?ならば・・・。

 

「カードを3枚伏せて、手札のバブルマンの効果!手札がこのカードのみの場合、特殊召喚出来る!バブルマン特殊召喚!更に今伏せたE-エマージェンシーコールを発動、デッキからバブルマンを手札に加え、特殊召喚!」

 

 E-エマージェンシーコール

 通常魔法

デッキから「E・HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 E・HEROバブルマン

 効果モンスター

星4/水属性/戦士族/攻 800/守1200

手札がこのカード1枚のみの場合、このカードは手札から特殊召喚できる。このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。この効果は自分の手札・フィールドに他のカードが無い場合に発動と処理ができる。

 

 それでも黒咲さんは動かない。なら大丈夫か。

 

「俺は3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ環境の大戦犯よ!星守の騎士 プトレマイオス!」

 

 召喚したのはランク4のなかでも一際ヤバいカード、プトレマイオス。

 

「俺はプトレマイオスの効果を発動、オーバーレイユニットを3つ取り除き、エクストラデッキからこのカードよりもランクが1つ高いモンスターをエクシーズ召喚扱いで召喚する!」

 

「何だと?!」

 

 黒咲さんも驚くぶっ壊れ効果、それがプトレクオリティ。

 

 星守の騎士 プトレマイオス

 エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/戦士族/攻 550/守2600

レベル4モンスター×2体以上

(1):このカードのX素材を3つまたは7つ取り除いて発動できる。●3つ:「No.」モンスター以外の、このカードよりランクが1つ高いXモンスター1体を、自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。●7つ:次の相手ターンをスキップする。(2):お互いのエンドフェイズ毎に発動できる。自分のエクストラデッキの「ステラナイト」カード1枚を選び、このカードの下に重ねてX素材とする。

 

「オーバーレイネットワーク再構築!現れろサイバー・ドラゴン・ノヴァ!そしてさらに再構築、サイバードラゴン・インフィニティ!!」

 

 俺が遊矢君に使ったトンデモカード、サイバードラゴン・インフィニティ。これをランク4で出せるようになった結果はお察しの通りだ。ランク4が出るデッキにはほぼ必ずこいつらとプレアデスが入っていた。元の世界では禁止になったカード。まあ個人的には禁止じゃなくてエラッタの方が良かった気もするが。ランクアップ先が制限されてないからあんな悲劇が起こっただけで。もしくは消費する素材を増やすとかデュエル中に1度とかつけるとか。混沌の黒魔術師みたいな良エラッタを期待します。ただし混沌帝龍、テメーはだめだ。もう1回出直して来い。

 

「インフィニティの効果でトリビュート・レイニアスを吸収する。」

 

「俺は罠カード天罰をを発動!手札を1枚切って効果を無効にし破壊!」

 

 チぃ、面倒な。せっかくのインフィニティが。つか、それエアーマンに使えよ、展開できなくなったから。いや、まあこれも結果論かもしれないけどさ。

 

 天罰

 カウンター罠

手札を1枚捨てて発動する。効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊する。

 

「・・・魔法発動ミラクル・フュージョン。墓地のシャドーミストとバブルマンを除外して、融合召喚!最強のHERO、E・HEROアブソルートZero!バトルだ!Zeroでトリビュート・レイニアスに攻撃!」

 

「グハァ!」

 

 KUROSAKI 4000→3300

  手札2→1

 

「ターンエンド。」

 

 ミラクル・フュージョン

 通常魔法

自分のフィールド・墓地から、「E・HERO」融合モンスターカードによって決められた 融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 E・HEROアブソルートZero

 融合・効果モンスター

星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000

「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する「E・HERO アブソルートZero」以外の水属性モンスターの数×500ポイントアップする。このカードがフィールド上から離れた時、相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。

 

「俺のターン、ドロー!バニシング・レイニアス召喚!効果でトリビュート・レイニアスを特殊召喚し、効果によりRR-レディネスを墓地に送る!」

 

 バニシングにトリビュートってことはさっきのコストはRUMの方か。まあ、バニシングとトリビュートのどちらかか腐るかもしれないRUMならRUMを捨てるのは当然か。

 

「俺はバニシング・レイニアスとトリビュート・レイニアスでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!現れろ、恐牙狼 ダイヤウルフ!」

 

 恐牙狼 ダイヤウルフ

 エクシーズ・効果モンスター

ランク4/地属性/獣族/攻2000/守1200

レベル4モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、自分フィールド上の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体とフィールド上のカード1枚を選択して発動できる。選択したカードを破壊する。

 

 なんでそんなにガチなんですかねぇ、ちょっと。

 

「ダイヤウルフの効果発動!、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、自分フィールド上の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体とフィールド上のカード1枚を選択して発動できる。ダイヤウルフとZeroを破壊する!」

 

「破壊された時にZeroの効果が発動するが、意味はないな。」

 

「俺はターンエンド。」

 

 こんな時になんだが、楽しい。このデッキでダークロウに虚無空間、ZEROまでは兎も角、インフィニティまでもが突破されることは少なかった。しかも相手の墓地にはレディネス。次のターンで決着は不可能か。

 

「俺のターン!ドロー!罠発動リビングデッドの呼び声!墓地のエアーマンを蘇生させ、効果により2体目のエアーマンを手札に!更に召喚し効果発動!バブルマンを手札に加え、カードをセットしバブルマン特殊召喚!」

 

 この世界、エアーマン無制限なのよね。

 

「チィ、またエクシーズか!」

 

「その前に伏せたカードオープン「菊!!」・・・?!」

 

 声がした方向を向くと、凪流がいた。どうやら警察が来るまでの時間稼ぎは出来たらしい。まあ、今となってはどちらかというと決着をつけたいのだけど。

 

「・・・勝負は預けた。俺は行く。」

 

「・・・分かった。楽しかったよ、またやろう。」

 

 楽しかった。少なくともこっちのプロとやるよりは断然。流石は黒咲さん。

 

「・・・フン。」

 

 どうやらそれは向こうも同じだったらしい。彼のしぐさはどこか親しみを覚えた。もしかしたら彼もここ最近のデュエルはつまらなかったのかも知れない。だって『フン。』とか言いながら好戦的な顔を隠しきれてなかったから。今の俺みたいに。

 

 逃げていく黒咲。追いかけてもいいが、それだと凪流を家に送ることが出来ないので諦める。無茶して着いていく必要もない。非常に、非常に残念だけど続きは諦める。

「大丈夫ですか?!どこか怪我は?!なにもされてませんか?!」

 

「大丈夫、大丈夫だから服を脱がさないで。怪我どころか埃一つついてないから。」

 

「・・・良かった。」

 

 その場にへたり込む凪流。そんなに心配してたのか、悪いことしたなぁ。

 

「あ~、凪流。」

 

「・・・はい。」

 

「とりあえず、警察はあと何分くらいで着くの?事情が事情だから帰るの遅くなるかもしれないし、家族に連絡しないと。」

 

「警察は来ませんよ?」

 

 へ?

 

「いや、実は大通りまで出たのはいいんですが、電話はあなたに渡したカバンの中にあるのをそこで思い出しまして。辺りに警察がいないか探したんですが・・・。」

 

「途中で心配になって戻ってきたと。」

 

 コクリ、と頷く。そういやカバンはバイクに乗せたんだったな。

 

 でも呆れた、せめて凪流だけでも逃がそうと言ったのに戻ってくるなんて。誰かが保護してくれるのを期待してたのに。

 

「なあ、凪流。」

 

「はい。」

 

「近くの人に電話を借りる発想はなかったのか?」

 

「あ・・・。」

 

 こいつ・・・。気付かなかったのか。

 

「はぁぁああ。」

 

「ため息をつかないでください!!しょうがないじゃないですか!ずっと心配して他のことあまり考えられなかったんですから!!」

 

 うっ、そう言われると強く言えない。実際、デュエルした相手が全員行方不明じゃあそりゃあ心配するわ。

 

「さて、なら帰ろうか。もう時間も遅い。早く帰らなきゃ怒られるだろ?ほら、そんなとこで座ってないでさっさと立ちな。」

 

「それなんですが・・・。」

 

 ん?

 

「腰が抜けて、立てません。」

 

「・・・マジ?」

 

「マジです。」

 

 どうやら、よほど心配させたらしい。

 とりあえず、帰りにお詫びとして何か奢ろうと思った。

 

 

 

 

 

「あ、でもいくら腰を抜かしたからといってバイクで送っていかないでくださいね。しばらくバイクには乗りたくありませんから。」

 

 俺にどないせぇと?

 




黒咲さんかっこいいですね!!RR作ってないけどスリーブ買おうか悩んでます。

それはそうとこの前ショップの非公認で二位になり、800円の金券をもらいました。非公式とはいえ久々の大会で結果を残せてうれしかったです。

でも、帝と列車ドールは酷いと思うんだ。テラナイトにエクストラ封じとスキドレはだめだって・・・。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。