遊戯王ARC-Ⅴの世界に廃人がログインしました   作:紫苑菊

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生存報告代わりの投稿。
明日からテストラッシュなので投稿遅くなります。
それはそうとファイアーエムブレムifが面白くてやばい。勉強しなきゃ・・・。


第5話

 ああ、憂鬱だ。

 

 と、いうより面白くない。

 

 つまらない。

 

 原因は分かっている。面白い対戦相手がいないのだ。

 

 友人達であるLDS兄姉三人は現在舞網チャンピオンシップへの出場資格に向けて公式戦中。

 

 権ちゃんや柚子は公式戦の出場資格はもう目前、もしくはもう取得しているらしいので公式戦はないが、決して全力のデッキで戦える相手じゃない。精々彼らの今の実力は俺のハンバーガーデッキと戦えるくらいの実力しかない。まあ、元がシンクロ植物族にハンバーガーとユベル足しただけだからかなりガチよりではあるんだが。開闢も入ってるし。

 

 実は何気に一番期待できる遊矢君は、出場資格がないからっていうことでニコさんが手配した公式戦に出ている。

 

 そっちを見に行っても良かったんだが、生憎今日は仕事が入っている。だけれど、日本のプロは何というか、エンターテイメント性が強すぎるせいか、海外に比べるとレベルが下がるのだ。

 

 おかげで今日あった試合は酷いものだった。いや、相手も強かったよ?先制でアトゥムスとエネアードとレダメ並べる程度には。ブラホで終わったけど。あれだけ展開したのにカウンターない方が悪い。守ることくらいきちんと考えてデュエルしろ。まだLDS兄姉組の方が強いぞ?

 

 ほんと、不完全燃焼。零児君レベルは中々いない。DDにあの引きはアカンが。

 

 ああ、どうしよう。

 

「なにをやっているんですか。菊さん。」

 

「ん?」

 

 あれ?

 

「なんで凪流がここにいるの?」

 

「それはこちらの台詞です。私はユースの公式戦のためにこの会場近くに来ていたので見学しに来たんです。丁度プロの試合が行われるからと聞いたので。」

 

 ああ、なるほど。

 

「ならそれは多分「あなたの試合でしたよ。」あ、やっぱり?」

 

 はあ、と彼女はため息をついた。

 

「まったく、あれほど酷い試合は中々見ませんよ。ブラック・ホールからの光と闇の竜にクリスティアなんて、どうやればいいんですか。」

 

「いや、それを俺に言われても。突破できない方が悪い。」

 

 その瞬間、壁の向こうから何かが崩れるような音が聞こえる。あと嗚咽が。

 

「そういえば対戦相手の控室、この近くでしたね・・・。」

 

「悪い事いったなぁ・・・。多分崩れ落ちたのあの人か・・・。」

 

 ドンマイ、それからもう少し、本っ当に1枚でいいからカードを伏せてください。フルモンじゃあないんだから。

 

「っで、凪流はもう帰るの?」

 

「いえ、あなたの試合、もう一戦あるのでしょう?それを見てからに「ないよ。」・・・え?」

 

「棄権した。」

 

「・・・え?」

 

 鳩が豆鉄砲を食ったような顔になる凪流。あれ、デジャブ。

 

「こっちの試合に勝つと、次の試合が舞網市の大会と日程が被るんだ。この試合、会社が手配したから義理で出ていたんだけど、別に負けてもいいって会社からは連絡来ていたし、それなら当日応援したいから棄権した。だからもうすぐアナウンスが・・・流れたみたいだね。」

 

 話している途中にアナウンスが流れる。

 

「皆様、この度予定されていた柊菊選手の試合ですが、選手側から棄権の申請が届きましたので、予定されていた第5試合は不戦勝となります。第6試合の方は試合場に来てください。」

 

「・・・というわけ。」

 

「・・・馬鹿なんですか?」

 

「酷いな、大真面目だよ。」

 

 凪流がため息をつく。

 

「さて、俺は帰るけどどうする?送ろうか?」

 

 するといきなり睨みつけてきた。

 

「いえ、今から大牙と香澄とで集まる予定なんです。貴方が帰っているとは思わなかったので誘いませんでしたが。」

 

「すいませんでした。」

 

 なんでここに凪流が来たのか今、分かった。帰ったことを連絡せずにいたのを攻めに来たらしい。

 

「いや、聞いてくれ凪流。連絡しなかったのは悪かった。でも、こっちもバタバタしていたんだ。遊勝塾で「知ってますよ、私の弟が迷惑をかけたようで。」あ、知ってたんだ。」

 

 はあ、とため息をつく凪流。

 

「どうにも弟の様子が可笑しいからちょっと事情を聴いたんです。弟にはそれなりに説教をしましたが。」

 

「南無阿弥陀仏。弟君のご冥福を祈ります。」

 

「死んでませんよ。グロッキーなところに説教したせいか、途中からごめんなさい、許して下さいとしか言わなくなりましたが。」

 

「それ、死んでるよね?肉体的じゃなく、精神的にやられてるよね?」

 

「さあ?大丈夫でしょう。」

 

「お前は間違いなく、香澄の幼馴染だよ。ドSなところがそっくりだ。」

 

「なにを今更。」

 

 そういって笑う凪流。でも目が笑っていない。怖い。本当、北斗君はご愁傷様です。あれ・・・?

 

「でもさあ、北斗君、そんなになるまで怒られるようなことをした?」

 

 その瞬間、更に大きいため息をつかれた。そして「はっ」となる。

 

「あなた、もしかして北斗(あのアホ)と遊矢君の試合、デュエルログを見ていないんですか?!」

 

 え、なにそれ?

 

「デュエルログですよ。アクションデュエルはデュエルディスクにその映像が保存されます。うちの北斗(バカ)は負けた試合をもう一度見てプレイングを直すようにしているんです。っていうか、今までどうやって試合を見ていたんですか?!」

 

「え、そりゃあ普通にビデオカメラで撮ったり父さんや柚子達お願いしてビデオをみせてもらってたけど。」

 

「ビデオカメラって・・・。アナログすぎます。おじいちゃんですか貴方は。」

 

「酷い。老け顔気にしているのに。」

 

「黙れおっさん。」

 

「同い年!!って、それなら君もおばさ・・・何でもないです。」

 

 怖い。本気で怖い。殺されそうなくらい。絶対何人か殺ってるよ・・・。北斗くんドンマイ。この人が姉で。

 

「まったく・・・。それで、試合見ますか。短いので20分もあれば大体は見れますが。」

 

「お願いしていい?」

 

「ええ。どうぞ。」

 

 そういって画面を俺に向けてくれる。映像は北斗君が先行プレアデスを出したところだった。

 

 あ、思い出した。たしかあの試合って・・・。

 

 

 

 

 ビデオを見終わったら凪流が「事情は分かりましたか?」と聞いてくる。

 

「うん、あれは酷いね。けが人が出たかもしれないプレイング。下手すれば加害者だ。」

 

「ええ、ですから謝りに来たんです。」

 

「成程。でもまあ、遊矢君にもちょっと注意しないといけないね。最悪、怪我して大問題になるところだった。」

 

「それはそちらにお任せします。後日、北斗には謝るように言っておきました。謝ってすむ問題ではないかもしれませんが。」

 

「その辺は当人同士に任せよう。」

 

「それもそうですね。」

 

 そういって笑う凪流。実際可愛い。

 

「まあ、アクションデュエルはもっと酷い妨害があったりするからね。何とも言えない。」

 

 照れ隠しみたいに話題を変えようと言ってみたが、凪流はすぐにその意味を理解した。

 

「梁山泊ですか・・・。」

 

「うん、あそことは必ず試合をすることになるからねぇ。」

 

 実際、あれの相手は大変だ。

 

「まあ、あなたがやった対処はいたって簡単でしたね。」

 

「そりゃあ、アクション魔法を使わなければいい、使わせなければいい話だったからね。」

 

「あれが原因であのプロは引退したそうですよ?」

 

「メンタル弱いね。」

 

「いや、あの試合は誰でも辞めたくなります・・・。」

 

「え?」

 

 そんなにひどかったかな?

 

「エクストラデッキのカードを全て破壊され、その上魔法罠は使えない。そんな状態であなた、何ターンいじり続けたんですか?観客の前で。いくら梁山泊のデュエルが批判的な意見が多いとしても、あれはやりすぎですよ。途中から泣いてたじゃありませんか・・・。観客は引いてましたよ?」

 

 思い出した。ザボルグデッキだ。ミラクルシンクロフュージョン、フォトン・サンクチュアリ、轟雷帝ザボルグが初手で来た回。たしかあれの餌食になったんだな、あの人。てか辞めたんだ。

 

「おまけにその後の2ターンで残ったエクストラも刈り取りましたね。融合デッキ相手に。プロだからサレンダーも許されない。肉弾戦に持ち込もうにもモンスターがその邪魔をする。悪夢ですね。」

 

「悲しいけど、これ、現実なのよね。」

 

 現実は非情である。慈悲はない。

 

「あの試合を見て、あなた相手にエクストラを使うのは得策ではないという人も出るくらい酷かったです。少しは自重してください。」

 

「先行エクゾ使わないだけ良心的じゃないか。」

 

「ダメだこいつ、早く何とかしないと・・・。」

 

 ほんと失敬な。先行1キルは数えたほどしかしたことないんだぞ。あの環境当時はほんと酷かったらしいが。エクゾはビートダウンかギリ活路が許される。活路はあれだ、意外とレッドアイズで止まるんだよな、あのランク7エクシーズで。止められたら絶望だが。

 

「そういやあ、さぁ。」

 

「はい?」

 

「時間、大丈夫なのかい?」

 

「あ・・・。」

 

 そう言って顔面蒼白になる凪流。ま、分からなくもない。香澄を怒らせるととんでもないことになるからなぁ。1度大牙が遅れてきたとき、速攻で金的されてあいつ沈んだからね。

 

「やっぱり送っていくよ。今日はバイクで来たから、後ろに乗れば今からでも間に合うだろう?」

 

「お願いします!!」

 

「うわ!」

 

 あんまり食い気味に頼み込むのでびっくりして変な声が出た。そこまで怖いのか、香澄。

 

「わかった、急ごう。場所は?」

 

「LDS校舎近くのショップです。」

 

「オーケー。急ごう。待ち合わせまで何分?」

 

「10分切りました。」

 

「まずいでしょ!!なんでそこまでゆっくりしたの?!こっから向こうまで15分はかかるよ?!」

 

「あなたがいたのにびっくりして時間を忘れたんですよ!!次からは帰国するとき私たちにも連絡をください!!」

 

「すいませんでした!!許してください!!」

 

 そんなやり取りのうちにガレージにつく。大急ぎでヘルメットを渡し、凪流とバイクにまたがる。

 

「急ぐぞ!!舌かむなよ!!」

 

「いや、どれだけ急ぐ気・・・きゃあ!!」

 

 可愛い悲鳴が聞こえたが無視。とりあえず、道交法違反にならない程度に飛ばす。自分ひとりだけだと結構日常茶飯事なのだが、流石に凪流は初めてだったのかずっと叫んでいる。

 

「スピードあげるぞ?本当に舌かむなよ?」

 

「・・・!?・・・・!!・・・・・・・・・・・・!!くぁwせdrftgyふじこlp!!」

 

 もはや声も出ないらしい。だけれどこれで。

 

「良かったな!!これで遅刻しなくて済むぞ!!いま信号で止まっているがもうすぐ着く!!」

 

「いっそ殺してください!!!!」

 

「HAHAHA。急ぐように言ったのは凪流じゃないか!!」

 

「・・・!!・・・・・・!!くぁwせdrftgyふじこlp!!」

 

 なにか言いたそうだったが、右グリップを回した瞬間に聞こえなくなった。

 

 

 

 まあ、当然ながら着いた瞬間、凪流に殴られた。グーで。

 

「殺す気ですか貴方は!!」

 

「着いたからいいじゃないか!」

 

「限度ってものがあるでしょう!!免停なりますよ?!」

 

「大丈夫!!信号は守ってるから!!」

 

「制限速度は?!」

 

 どんどんシャウトしていく凪流。若干涙目。そんなに怖かったのか。悪いことした。

「ま、とりあえず約束の5分前にはついたじゃないか。」

 

「10分も短縮したのですか・・・。」

 

「君の師匠に不可能はない!」

 

「デュエル関係だけにしろその無駄なスペック!!」

 

「何言ってんの?ちゃんとデュエル関係じゃないか?」

 

「どこが?!」

 

「秘密(はあと)」

 

「死ね。コンクリ詰めにされるかサメに喰われろ。」

 

「ほんと酷い。師匠だよ?一応。」

 

 そう言った瞬間鼻で笑われた。どんどん遠慮が無くなってきたなぁ。こんな姿、彼女のファンクラブに見られたら幻滅されかねん。いや、大丈夫か。あいつらは罵ってほしい目的でファンクラブ結成されたんだったな。凪流は知らないけれど。

 

 因みにLDS兄姉たちにはそれぞれ学校内外問わずファンクラブがある。動機はどれも不純だったが。香澄はお姉さま的な人達が集まり、大牙にいたってはホモと腐女子がわんさかいたので絶対にあいつには知らせないと凪流と香澄と俺とで固い誓いが交わされた。香澄がその後しばらくは妙にあいつに優しくなったのを覚えている。強く生きろ、大牙。あとケツに気をつけろ。

 

 さらに言うなら俺にもファンクラブがあるらしいが、3人とも頑なに教えてくれなかった。1度だけ大牙が教えてくれそうだったのだが香澄に邪魔された。なぜかは分からん。俺も怖くなったので聞くのをやめた。大牙みたいにホモだらけだったら死ぬ、俺のメンタルが。

 

「それで、あれじゃない?香澄。」

 

「あ、ほんとですね。おーい、香澄ー!」

 

 呼んだ瞬間、向こうも気付いたのか手を振り返す。どうやら先に集合場所に来ていたようで、カードを物色していた。

 

「こんばんは、凪流。それに久しぶりね、菊。連絡の1本もよこさないとはいい度胸じゃない。」

 

「すいませんでした。」

 

 会って開口一番に開いた言葉が久しぶり、とかただいま、よりも謝罪の言葉が先になるとは・・・。

 

「あなたが帰ってきたのを知ったのが様子のおかしい妹からだった時は本気で殴ろうか悩んだわ。」

 

「勘弁してもらえませんか?」

 

 さっきからこの話題ばかり。横の凪流の目線もあるから胃が痛い。

 

「まあ、妹がそっちの塾に迷惑をかけたみたいだからお相子にしておきましょ。今回はね。」

 

「ああ、君の妹もいたね。覚えてるよ。いろんな意味で印象的だった。」

 

 あの随分とマニア受けしそうな格好。脚フェチの元の世界のクラスメイトなら歓喜してそうだったなぁ。俺にはそんな趣味ないけど。

 

 そして向こうから走ってくる音が聞こえる。時刻は4時1分。ギリ遅刻だな。

 

「わりい、遅れた!」

 

「天誅!!」

 

「グハァ!!」

 

 死んだ。これ以上ないくらい華麗に死んだ。一瞬の出来事だった。声が聞こえた瞬間、刹那的なタイミングで香澄の拳が大牙の鳩尾を正確に捉えた。一瞬だけその拳の軌道が見えたのだが、神がかっていたパンチだった。香澄は男女平等にその拳をふるうので、遅刻しかけた凪流が青い顔で見ている。因みに俺も1度だけ食らったが、胃液とかその他もろもろ全て吐き出しそうな感覚に襲われた。あれはやばい。でも、後で確認したら青あざ一つ出来ていなかったので加減しているんだろう。加減してあれか。

 

 因みに言うなら彼女が遅刻したことは1度もない。時間に厳しい性格なのだ。

 

「ナンマンダブナンマンダブ。」

と俺。

 

「ご冥福を祈ります、大牙。」

と凪流。

 

「奪衣婆に挨拶して来い。」

と香澄。奪衣婆って。三途の川まで行ってるじゃないか。

 

「し、死んでねえ・・・。」

 

 あ、良かった。生きてた。何発も食らってるせいか回復が早い。

 

「大丈夫ですか?大牙(バカ)?」

 

「大丈夫じゃない。食らったのは鳩尾なのになぜか肩や足も痛い。あとナチュラルにバカって言うな。」

 

「毎回毎回遅刻して香澄の制裁を食らうあなたにこれ以上の言葉はありませんね。」

「そういう凪流こそ今日は遅刻しかけてたがな。」

 

「ほう?詳しく。」

 

「それは言わないでください菊!!香澄も!!間に合ったんだからいいじゃありませんか!!」

 

「人のこといえねえじゃねえ・・・グフゥ!!」

 

 凪流にさらに追い打ちのように踏まれる大牙。蹲ってたのがついにうつ伏せに倒れる。

 

「って、菊じゃねえか!!目の死んだ弟から聞いたぞ!!お前、帰ったんなら連絡しろよ!!」

 

「それについてはホントすまん。って、なんでお前らの兄弟姉妹は全員目がしんでたりグロッキーになってんだよ!!」

 

 その瞬間、「え?」とでも言いそうな視線が3つ飛んできた。

 

「いや、魔法罠封じたうえで、モンスター効果無効の連続攻撃持ちのモンスターを2体並べられて何もできずに終わったらそりゃあそうなるわ。」

 

「聞いただけでもヤバそうなモンスターですね、シューティング・クェーサー・ドラゴン。エクストリオは聞いたことがありますが、そっちのモンスターは初めて聞きました。」

 

「素材の数だけ攻撃、モンスター、魔法、罠の無効。他にもあるの?効果。」

 

「あるよ?クェーサーが場を離れるとエクストラデッキからシューティング・スター・ドラゴンが出てくる。因みにそいつの打点は3300の連続攻撃可能、破壊効果無効にエンド時まで除外するだけで相手の攻撃を無効にする効果。ま、正規召喚でない限り場に戻る効果は使えないけどね。」

 

「「「うわぁ」」」

 

 またまた声を揃える3人組。仲いいな。

 

「そんなえぐいモンスターもいるのか・・・。」

 

「その代り、やはり召喚条件がネックですね。」

 

「出たら絶望だけどね。」

 

 そりゃあ、最強のシンクロモンスターの1体だからね。やはり重たすぎるが。原作効果に至ってはチューナーも素材の数でカウントするから最大5回攻撃で、ZONEのモンスターを殲滅したからなぁ・・・。

 

 あと、集いし願いは個人的にOCG化してほしかった。ザボルグとかで悪い事しかしなさそうだが。

 

「あ、そうだ。」

 

「「「ん?」」」

 

 大牙がなにか思いついたようだ。

 

「菊さぁ、今から時間あるのか?」

 

「あるよ?7時には晩飯だから帰らなければいけないけど。」

 

「なら、今から俺とデュエルしろ!」

 

 お、ラッキー。消化不良だったんだよねぇ。

 

「OK!受けて立つ!!」

 

 その瞬間、「はぁ」とため息が2つ聞こえた。

 

「全く、こいつらは・・・。いい加減デュエルから離れなさいって感じね。今日だってホントは菊のアメリカ大会のベスト4入りのプレゼントを買う予定だったのに・・・。」

 

「まあ、大牙と菊ですから・・・。プレゼントはまた買いに行きましょう?どうせ、彼が来ている時点でサプライズにはならなかったんですから。」

 

「そうね、そうしましょ。明日の試合終わりにでも集まって買いに行きましょうか。それよりも・・・。」

 

「はい?」

 

「どうしてあなた、彼のバイクの後ろに乗って来ていたの?今日はサプライズプレゼント買うために集まったのに意味ないじゃない。」

 

「あ・・・。」

 

「忘れてたわね、貴方。」

 

「すみません・・・。」

 

 向こうでは何か話しているようだが、こっちにはもう聞こえていない。

 

「いっくぜー!菊」

 

「おう!!来い!!」

 

「「デュエル!!」」

 

 今回は俺の先行。

 

「俺のターン、まずは手札からヘカテリスを捨てて効果発動!!デッキからヴァルハラを手札に加える。更におろかな埋葬を発動し、デッキから堕天使スペルビアを墓地に送る。そしてヴァルハラを発動!!ヴァルハラの効果で手札から堕天使アスモディウスを特殊召喚!アスモディウスの効果発動!!デッキから天使族モンスター、アテナを墓地に送る。カードを1枚伏せてターンエンド!!」

 ヘカテリス

 

 効果モンスター

 

星4/光属性/天使族/攻1500/守1100

 

自分メインフェイズにこのカードを手札から墓地へ捨てて発動できる。デッキから「神の居城-ヴァルハラ」1枚を手札に加える。

 

 神の居城-ヴァルハラ

 

 永続魔法

 

1ターンに1度、自分メインフェイズにこの効果を発動できる。手札から天使族モンスター1体を特殊召喚する。この効果は自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動と処理ができる。

 

 堕天使アスモディウス

 

 効果モンスター

 

星8/闇属性/天使族/攻3000/守2500

 

このカードはデッキ・墓地からの特殊召喚はできない。1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。デッキから天使族モンスター1体を墓地へ送る。自分フィールドのこのカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動する。自分フィールドに「アスモトークン」(天使族・闇・星5・攻1800/守1300)1体と、「ディウストークン」(天使族・闇・星3・攻/守1200)1体を特殊召喚する。「アスモトークン」は効果では破壊されない。「ディウストークン」は戦闘では破壊されない。

 

 

 KIKU

  手札5→1

 

「俺のターン、ドロー!!俺は手札からこいつを発動させてもらうぜ。」

 

「ああ、構わないよ?」

 

 

 

 

「発動!!次元の裂け目!!」

 

次元の裂け目

 

永続魔法

 

墓地へ送られるモンスターは墓地へは行かずゲームから除外される。

 

 

 え?

 

 え、ちょっと待って・・・。まさか・・・、次元剣闘獣?!墓地利用天使には相性最悪じゃねえか!!

 

「HAHAHA!!これが対お前用に作ったデッキ!!次元剣闘獣だ!!お前は墓地アド増やして戦うデッキが多いからなぁ!やっとこれでお前に勝てるぜ!!」

 

 うわぁ・・・と香澄と凪流がドン引きしている。まあ、メタはって更にあの顔は

なぁ・・・。素良さん張りの顔芸になってた。コラできそうなくらい。なんか腹立つ。

 

 

 

 さて、どうしたもんかなぁ・・・。

 




大牙「僕は次元の裂け目を発動!!」(院ゲス顔)

次元系はアカン、ほんまにアカン・・・。

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