遊戯王ARC-Ⅴの世界に廃人がログインしました   作:紫苑菊

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前回投稿したデッキレシピですが、利用規約に引っかかるらしいので、活動報告の方に移しました。

申し訳ございません。


第4話

 side YUZU

 

 遊矢の様子が可笑しい。いや、態度がおかしかったのは自分もなんだけれど。

 

 それでも、今の遊矢はなんだか自信を失っているような気さえした。いや、もしかしたら自分自身すら見失っているのかも。兄さんはアイデンティティが奪われたショックだと言っていたから、多分あれが原因なんだろう。

 

 あの青年、赤馬零児が使ったペンデュラム召喚。融合、シンクロ、エクシーズを1ターンで行い、更に最後に行った召喚方法。

 

 今までそれを使えるのは遊矢だけだった。遊矢はその事を嬉しく思っていたし、何より、自分のお父さん、榊遊勝や私の兄、菊兄さんに追いつくことが出来るという目標が見えてきたところだった。

 

 だけれどもその、自分だけが使えるという遊矢のアイデンティティ、いや、自信そのものが壊れてしまった。

 

 私は正直想定していなかったけれども、お父さんや菊兄さんは想定内だったみたい。それでも、今回の生産化ははや過ぎだとは言っていたが。

 

 でも正直今の遊矢は見ていられない。昔に、榊遊勝がいなくなった時に戻ってしまったようで。

 

 今の遊矢はゴーグルをかけて、皆の目を見ようとしない。そんな遊矢にお父さんが叱責を飛ばしている。だけれども遊矢の顔色は優れない。

 

 そんな中、お父さんが叫んだ。

 

「遊矢、今すぐ俺と、デュエルしろ!!お前のそのすぐ後ろ向きになる性格、俺の熱血指導で叩き直してやる!!」

 

 何を考えてそんなことを言ったのだろう?負けたのは私だ、兄さんや遊矢が勝って、この塾は守られた。権現坂も引き分けにまで持ち込んでくれた。素良なら、もっとうまくやっただろう。

 

「ちょっと、何言ってるのお父さん?!今回負けたのは私でしょ?!」

 

 だけれど、権現坂がそれを止めた。

 

「口出し無用。塾長にも考えがあるのだろう。」

 

「それは・・・。」

 

 だけれど、お父さんは遊矢を無理やりにアクションフィールドに連れ出そうとする。その瞬間、それを見ていた、今まで静かに事の成り行きを見ていた兄さんがこう切り出した。

 

「待ってください、父さん。」

 

「なんだ!悪いが今はあとにし「そのデュエル、俺がやります。」なに?!」

 

「「「え?」」」

 

 アユちゃん達も驚いている。兄さんまで何を考えているの?!止めてよ!!遊矢は悪くないじゃない!!

 

「父さんの考えは分かっています。それに、確かにその役回りは榊遊勝の弟子であり、友人だった父さんの方が向いているのかもしれません。でも、やらせてくれませんか?仮にも遊矢の兄貴分として、遊矢君へのデュエリストの先輩として。」

 

「・・・分かった。」

 

 父さん?

 

「権現坂君、一緒にアクションフィールドの準備をしよう。」

 

「分かりました。」

 

「あ、アユちゃん達、遅くなるかもしれないから先に帰ってくれても「「「イヤ!!」」・・・分かった、後で送りに行くよ。親御さんに連絡してくる。すまないが権現坂君、1人で準備をお願いすることになるが・・・。」

 

「分かりました、この権現坂、確かに頼まれました。」

 

「頼んだよ。」

 

「はい。」

 

「ごめんね、権ちゃん。」

 

「いえ、構いません。それよりもう中学生ですからその呼び名は・・・。」

 

「え~。権ちゃんは権ちゃんだよ。」

 

「分かりました・・・。」

 

 ちょちょちょ、ちょっと待って、皆本気?!そうだ、とりあえず遊矢のお母さんに連絡を・・・。

 

「ちょっと待ってよ、菊兄さん!俺まだやるなんて一言も・・・。」

 

「悪いけど、拒否権はないよ。俺も遊矢君のその性格は直すべきだと思っているしね。」

 

「だけど・・・。」

 

 でも、次の兄さんの言葉は、遊矢をその気にさせるには十分だった。

 

「逃げるのか?世間で言われている榊遊勝みたいに。」

 

「父さんは逃げてなんかいない!!」

 

「なら、息子のお前が逃げるんじゃない!そんなんでプロに、皆を笑顔にするデュエルなんて出来るわけないだろ!!」

 

 その言葉は、あたりに響いた。いや、きっと遊矢にも響いたのだろう。黙ってしまった。

 

「始めて、権ちゃん。」

「は、はい。アクションフィールド、セット。」

 

 アクションフィールド スタンバイ

 

 たったそれだけの機械音声、いつもなら歓声で掻き消えるその声が、あたりに響く。

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリストが。」

 

「モンスターと共に地をはり宙を舞い。」

 

「フィールド内を駆け巡る。」

 

「見よ、これがデュエルの最終進化系。」

 

「アクショーン。」

 

「「デュエル!!」」

 

 先行は遊矢。

 

「俺のターン、俺は・・・!」

 

 どうしたのだろう、手が止まっている。

 

「EM ディスカバー・ヒッポを召喚。カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 EM ディスカバー・ヒッポ(アニメ効果)

 

 効果モンスター

 

 星3/地属性/獣族/攻 800/守 800

 

 このカードはアドバンス召喚する際に2体分のリリースとして扱う。

 

 YUYA

  手札5→3

 

 手札にペンデュラムカードが来なかったのだろうか?最近の遊矢にしては随分と消極的だ。いや、あれではまるで。

 

「俺のターン、ドロー。」

 

 KIKU

  5→6

 

 榊遊勝がいなくなった時の遊矢に戻ったみたいだ。それを兄さんも感じていたのだろう。あの人は、私や遊矢、権現坂の試合があれば、その映像をどこからともなく集めて全部見ていたような人だった。遊矢のお父さんがいなくなってからは、私と一緒に遊矢を外に連れ出して、元気づけようとしていた。私たちのことを、いつも気にしているようだった。気付かない筈がない。

 

「遊矢君、ペンデュラム召喚を赤馬零児に使われてどう思った?」

 

「え・・・?」

 

 遊矢が、ハトが豆鉄砲を食らったような顔になりながらも答える。

 

「・・・正直、吃驚した。それから、なんだか裏切られたような気分になった。」

 

「ペンデュラムがお前だけのものではなくなったから。」

 

 遊矢がうなずく。

 

「なら聞こう。あの榊遊勝のデュエルが誰にも真似されなかったと思うか?」

 

「それは・・・。」

 

 遊矢が返答に困る。

 

「そうじゃないよな?皆が皆を楽しませれる、今のアクションデュエルは、あの榊遊勝から始まった。当然、真似される。面白いものや凄いものは、そうやって伝染していく。」

 

 遊矢だけじゃない。皆聞き入っていた。

 

「でも、皆真似して終わりじゃない。アレンジして、やがてそれは自分のものになっていく。だから、遊矢君。」

 

 そう言って、兄さんは大きく息を吸い込んでこう言った。

 

「真似されたぐらいでそんなにうなだれてたら、何もできない。君だけの何かは、ペンデュラムなんかじゃない。それに榊遊勝はペンデュラムなんかなくたって、皆を笑顔にできたじゃないか。いつか皆がペンデュラムを使えるような時代が来たとき、お前が皆を引っ張って、笑顔のデュエルを作り出せ!」

 

 その言葉を聞いて、遊矢の顔に笑顔が戻った。その雰囲気は、最近の、私たちの知っている元気な遊矢で。

 

「いい顔になったじゃないか。じゃあ、デュエルを再開しようか。まず、俺は強欲で謙虚な壺を発動。出たカードは魂の転生、スキルドレイン、サイクロン。俺は魂の転生を手札に加える。俺はクリフォート・アーカイブを通常召喚。本来、このカードはレベル6でだが、レベル4、攻撃力1800のモンスターとして妥協召喚できる。更に機殻の生贄を発動。このカードの効果で、アーカイブの攻撃力は300ポイントアップし戦闘では破壊されない。」

 

 強欲で謙虚な壺

 

 通常魔法

 

「強欲で謙虚な壺」は1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。(1):自分のデッキの上からカードを3枚めくり、その中から1枚を選んで手札に加え、その後残りのカードをデッキに戻す。

 

 クリフォート・アーカイブ

 

 ペンデュラム・効果モンスター

 

 星6/地属性/機械族/攻2400/守1000

 

【Pスケール:青1/赤1】

(1):自分は「クリフォート」モンスターしか特殊召喚できない。この効果は無効化されない。(2):自分フィールドの「クリフォート」モンスターの攻撃力は300アップする。

【モンスター効果】

(1):このカードはリリースなしで召喚できる。(2):特殊召喚またはリリースなしで召喚したこのカードのレベルは4になり、元々の攻撃力は1800になる。(3):通常召喚したこのカードは、このカードのレベルよりも元々のレベルまたはランクが低いモンスターが発動した効果を受けない。(4):このカードがリリースされた場合、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

 

 機殻の生贄

 

 装備魔法

 

「クリフォート」モンスターのみに装備可能。(1):装備モンスターの攻撃力は300アップし、戦闘では破壊されない。(2):「クリフォート」モンスターをアドバンス召喚する場合、装備モンスターは2体分のリリースにできる。(3):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「クリフォート」モンスター1体を手札に加える。

 

 KIKU

  手札6→4 

 

「バトルだ。EM ディスカバーヒッポに攻撃。」

 

「アクション魔法回避!!」

 

「残念、避けられた。だけどその調子その調子。カードを1枚伏せてターンエンド。」

 

 KIKU

  手札4→3

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 YUYA

  手札3→4

 

 遊矢に元気が戻ってきた。

 

「レディースアンドジェントルマン!!これより、本家本元、榊遊勝直伝の、エンタメデュエルのお時間です!!」

 

「来た、ペンデュラム召喚!!」

 

「やっちゃってーーー!!」

 

「いけーーー、遊矢兄ちゃん!!」

 

 みんなが楽しんでいる。頑張れ、遊矢。

 

「そうだ、菊の言うとおりだ。頑張りな、遊矢!」

 

 いつの間にか、遊矢のお母さんも来ている。いつから来ていたんだろう?

 

「私は、スケール1の星読みの魔術師と、スケール8の時読みの魔術師でペンデュラムスケールをセッティング!!」

 

 星読みの魔術師(アニメ効果)

 

 ペンデュラム・効果モンスター

 

 星5/闇属性/魔法使い族/攻1200/守2400

 

【Pスケール:青1/赤1】

(1):自分のPモンスターが戦闘を行う時、相手の発動した魔法カードの発動を無効にし、そのカードを元の位置に戻す。このターン、そのカードは発動できない。

【モンスター効果】

(1):1ターンに1度、自分フィールドのPモンスターが相手の効果で自分フィールドを離れた時に発動できる。その同名モンスターを手札、エクストラデッキ、デッキ、墓地から特殊召喚する。

 

 時読みの魔術師(アニメ効果)

 

 ペンデュラム・効果モンスター

 

 星3/闇属性/魔法使い族/攻1200/守 600

 

【Pスケール:青8/赤8】

自分フィールドにモンスターが存在しない場合にこのカードを発動できる。(1):自分のPモンスターが戦闘を行う場合、相手が発動した罠カードの発動を無効にし、そのカードを元の位置に戻す。このターン、そのカードは発動できない。

【モンスター効果】

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、1ターンに1度、自分のPゾーンのカードは相手の効果では破壊されない。

 

「これでレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能!!」

 

「揺れろ、魂のペンデュラム、天空に描け光のアーク!!」

 

「ペンデュラム召喚、現れろ、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!! EM ハンマーマンモ!!」

 

 オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン(アニメ効果)

 

 ペンデュラム・効果モンスター

 

 星7/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

 

【Pスケール:青4/赤4】

「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」の(1)(2)のP効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。(1):自分のPモンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージを0にできる。(2):自分エンドフェイズに発動できる。このカードを破壊し、デッキから攻撃力1500以下のPモンスター1体を手札に加える。

【モンスター効果】

(1):このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行う場合、このカードが相手に与える戦闘ダメージは倍になる。

 

 EM ハンマーマンモ

 

 効果モンスター

 

星6/地属性/獣族/攻2600/守1800

 

(1):自分フィールドに「EM」カードが2枚以上存在する場合、このカードはリリースなしで召喚できる。(2):自分フィールドに他の「EM」カードが存在しない場合、このカードは攻撃できない。(3):このカードの攻撃宣言時に発動できる。相手フィールドの魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。

 

 YUYA

  手札4→0

 

「バトルだ!!ハンマーマンモで攻撃宣言時、相手フィールドの魔法、罠カードを全て手札に戻す!!」

 

「罠発動、魂の転身。効果でアーカイブをリリースし、2枚ドロー。そして墓地に行った機殻の生贄の効果でクリフォート・ツールを手札に加える。」

 

 魂の転身 

 

 通常罠

 

「魂の転身」は1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。(1):自分フィールドに特殊召喚されたモンスターが存在しない場合、自分フィールドの通常召喚された表側表示のレベル4モンスター1体をリリースして発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。

 

 KIKU

  3→6

 

「だけどこれで菊兄さんのフィールドはがら空き!!」

 

 私も、つい嬉しくなって叫んでしまう。

 

「いっけー、遊矢兄ちゃん!!」

 

 アユちゃんが叫ぶ。

 

「いけ!EM ハンマーマンモ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!ダイレクトアタックだ!!」

 

 この攻撃が通れば遊矢の勝ち!!ついに遊矢があの人に勝っちゃうの?!

 

 攻撃の余波で兄さんの姿が見えなくなる。どうなったのだろう?皆見入っている。

 

 そしてついに、砂煙の中から兄さんの姿が見えた。

 

「俺は、アクション魔法、回避を発動させてもらった。これによりハンマーマンモの攻撃は不発に終わり、ダメージはオッドアイズのみ。惜しかったな、遊矢。」

 

 KIKU 4000→1500

 

「く、くそ・・・。ヒッポを守備にしてターンエンド。」

 

「俺のターン、ドロー。」

 

 KIKU

  手札6→7

 

「遊矢君、強くなったな。」

 

「え?」

 

「以前の君なら、俺にアクション魔法を発動させることなく負けていた。俺がそこまでアクション魔法を信頼していないのもあるが、それでも、今まで俺は君に対してアクション魔法を発動させることはなかった。だけど今回、俺はこれを使った。使わなければ負けていたかも知れない。」

 

 遊矢が真剣な顔で聞いている。

 

「強くなったな、遊矢。」

 

 あの人が初めて、遊矢を君付けなしで呼んだ。あの人は気付いてはいないかもしれないが、君付けしないで呼ぶ人はほとんどいない。あの人に認められた、その言葉を聞いた瞬間、遊矢が少し泣きそうになっているのに私は気付いた。

 

「だけど、まだ君に負けるわけにはいかない。俺はクリフォート・ツールをペンデュラムスケールにセッティング。」

 

 クリフォート・ツール

 

 ペンデュラム・通常モンスター

 

 星5/地属性/機械族/攻1000/守2800

 

【Pスケール:青9/赤9】

(1):自分は「クリフォート」モンスターしか特殊召喚できない。この効果は無効化されない。(2):1ターンに1度、800LPを払って発動できる。デッキから「クリフォート・ツール」以外の「クリフォート」カード1枚を手札に加える。

【モンスター情報】

システムをレプリカモードで起動する準備をしています...

C:¥sophia¥sefiroth.exe

実行中にエラーが発生しました。次の不明な発行元からのプログラムを実行しようとしています。C:¥tierra¥qliphoth.exe の実行を許可しますか?

<Y/N>...[Y]システムを自律モードで起動します。

 

 ・・・。え?

 

「「「ペンデュラムモンスター?!」」」

 

「ど、どうして兄さんがペンデュラムモンスターを?!」

 

「後で答えてやる。だが今はデュエルの時間だ。俺はクリフォート・ツールのペンデュラム効果を起動!ライフを800支払い、クリフォートカード1枚を手札に加える。俺が加えるのはクリフォート・アセンブラ。そしてアセンブラもペンデュラムスケールにセッティング!」

 

 クリフォート・アセンブラ

 

 ペンデュラム・通常モンスター

 

 星5/地属性/機械族/攻2400/守1000

 

【Pスケール:青1/赤1】

(1):自分は「クリフォート」モンスターしか特殊召喚できない。この効果は無効化されない。(2):自分がアドバンス召喚に成功したターンのエンドフェイズに発動できる。このターン自分がアドバンス召喚のためにリリースした「クリフォート」モンスターの数だけ、自分はデッキからドローする。

【モンスター情報】

qliphoth.exe の 0x1i-666 でハンドルされていない例外を確認。

場所 0x00-000 に書き込み中にアクセス違反が発生しました。

このエラーを無視し、続行しますか? <Y/N>...[ ]

===CARNAGE===

たッgなnトiのoモdる知rヲu悪o善yりナnにoウよyノrりgトnひaノれsワiれワdはo人Gヨ見

イdなoレo知lもfカるeキr生iにf久永gベn食iてrッb取もoラtか木tノn命aベw伸ヲd手nはa彼

 

 KIKU 1500→700

  手札7→6

 

 表示されたスケールは1と9。

 

「これでレベル2から8のモンスターが同時に召喚可能。」

 

「プログラムsophia起動!!揺れろ、クリファのペンデュラム!!現れろ、邪悪なる機械達よ!!」

 

「ペンデュラム召喚!!手札より、クリフォート・アーカイブ!クリフォート・ゲノム!エクストラデッキより、クリフォート・アーカイブ!但し、特殊召喚されたこいつらは攻撃力1800にレベル4となる。」

 

 KIKU 

手札6→4

 

 現れたのは先ほど倒したモンスターとそれに類似したモンスター。でも、そんなモンスターを並べても遊矢のオッドアイズやハンマーマンモには届かない!

 

「遊矢、ペンデュラム召喚を俺も使えると知ってショックか?」

 

 遊矢が首を横に振った。

 

「いや、もうそんなことないよ。むしろワクワクしてきた!」

 

「そうか。だが、勝負は、プロの世界は非情だぞ?おれはこいつ等3体をリリース。」

 

 ええ?!リリースしなくてもペンデュラム召喚のときに召喚すればいいんじゃ・・?

 

「こいつは通常召喚しかできなくてね。だが、強いぞ?いでよ、アポクリフォート・キラー!!」

 

 アポクリフォート・キラー

 

 効果モンスター

 

 星10/地属性/機械族/攻3000/守2600

 

このカードは特殊召喚できず、自分フィールドの「クリフォート」モンスター3体をリリースした場合のみ通常召喚できる。(1):通常召喚したこのカードは魔法・罠カードの効果を受けず、このカードのレベルよりも元々のレベルまたはランクが低いモンスターが発動した効果も受けない。(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、特殊召喚されたモンスターの攻撃力・守備力は500ダウンする。(3):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。相手は自身の手札・フィールドのモンスター1体を墓地へ送らなければならない。

 

 現れたのは攻撃力3000のモンスター。伝説の青眼の白龍と同じ攻撃力。

 

「リリースされたアーカイブ2体とゲノムの効果を発動。ゲノムの効果で時読みの魔術師を破壊、アーカイブの効果でオッドアイズと、ハンマーマンモはもう一度出てこられたら困るな、ディスカバー・ヒッポにしておこうか、そいつらを選択し、手札に戻す。」

 

 クリフォート・ゲノム

 

 ペンデュラム・効果モンスター

 

 星6/地属性/機械族/攻2400/守1000

 

【Pスケール:青9/赤9】

(1):自分は「クリフォート」モンスターしか特殊召喚できない。この効果は無効化されない。(2):相手フィールドのモンスターの攻撃力は300ダウンする。

【モンスター効果】

(1):このカードはリリースなしで召喚できる。(2):特殊召喚またはリリースなしで召喚したこのカードのレベルは4になり、元々の攻撃力は1800になる。(3):通常召喚したこのカードは、このカードのレベルよりも元々のレベルまたはランクが低いモンスターが発動した効果を受けない。(4):このカードがリリースされた場合、フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。

 

「え」

 

 YUYA

  手札0→2

 

 遊矢がすっとぼけた様な顔になり、同時にオッドアイズとヒッポ、時読みの魔術師の姿が消える。そこで遊矢がハッとする。

 

「時読みの魔術師は破壊されたとき、エクストラデッキに行く。」

 

「なら次はアポクリフォート・キラーの効果発動。相手は自身のフィールド、手札からモンスターを1体墓地に送る!」

 

「俺はディスカバー・ヒッポを選択し墓地へ・・・。」

 

 YUYA

  手札2→1

 

「バトルだ、ハンマーマンモに攻撃!!」

 

 ハンマーマンモは兄さんのモンスターのレーザー光線によって倒される。

 あ、フトシ君達男の子やお父さんは目を光らせている。か、かっこいいのかな?あれ。遊矢も若干興味深そうだし。

 

「男の子はドラゴンやロボット、レーザービームなんかには興味が尽きないんだよ、柚子。」

 

 兄に考えを見透かされてた。じゃあ、誰よりも目を輝かせている遊矢のお母さんは何なんだろう?まさかおとk・・・。

 

 ギロリッ!!

 

 睨まれた、怖い。失礼だったし考えるのやめよう。

 

「ははは、カードを1枚伏せてエンドフェイズ。アセンブラの効果でこのターンアドバンス召喚に使用したクリフォートの数だけドローする。3枚ドロー。」

 

 KIKU

  手札4→3→6

 

 ぶっ壊れだった、あのペンデュラムモンスター。

 

「一応、デメリットはあるよ?このカード達がペンデュラムゾーンにいる限りクリフォート以外は特殊召喚できないっていう。」

 

 それはほとんどデメリットになっていないと思う。今までクリフォートと名の付いたモンスターしか出ていないし。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 遊矢の、このドローでゲームの勝敗が決まる。

 

「俺は、シャッフル・リボーンを発動!効果でハンマーマンモを特殊召喚し、デッキから1枚ドロー!ドローしたのはハーピィの羽根箒!発動して魔法と罠を全て破壊!」

 

 YUYA

  手札2→1

 

 兄さんのペンデュラムカードと伏せカードが破壊された。伏せカードはミラーフォース。

 

「破壊されたペンデュラムモンスターはエクストラデッキに行く。だが、アポクリフォート・キラーの効果でハンマーマンモの攻撃力は500下がっている。攻撃しても倒せないぞ?」

 

  シャッフル・リボーン 

 

  通常魔法(アニメオリカ)

 

自分フィールドにモンスターが存在しない場合、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを特殊召喚する。 さらに、自分フィールドのカード1枚をデッキに戻し、自分はデッキから1枚ドローする。このカードの効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、このターン終了時にこのカードの効果でドローしたカードと共にゲームから除外される。

 

「バトルだ、アポクリフォート・キラーにハンマーマンモで攻撃。この瞬間、アクション魔法、ハイダイブ!」

 

 ハイダイブ

 

 アクション魔法

 

フィールドのモンスター1体を対象として発動出来る。 そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1000アップする。

 

「これにより、ハンマーマンモの攻撃力は3100だ。」

 

「これなら!!」

 

「あのモンスターを倒せる!!」

 

 アユちゃん達の声援もあって遊矢のやる気は十分。

 

「いけ、ハンマーマンモ!」

 

 KIKU

  700→600

 

「メイン2、オッドアイズをペンデュラムゾーンにセッティング。そしてエンド時に効果発動!!効果によりデッキからEM ペンデュラムマジシャンを手札に加える。更にハンマーマンモはシャッフル・リボーンの効果で除外される。ターンエンド。」

 

「俺のターン、ドロー。俺は・・・。クリフォート・ゲノムを妥協召喚。機殻の生贄を発動し、バトルフェイズ、ゲノムで攻撃。」

 

 KIKU

  手札6→7→5

 

「アクション魔法ゼロ・ペナルティ!」

 

 ゼロ・ペナルティ

 

 アクション魔法

 

(1):相手フィールドのモンスター1体を対象として発動出来る。その相手モンスターの攻撃力を0にする。

 

「ダメージは通らないか。カードを2枚伏せてターンエンド。」

 

 KIKU

  手札5→3

 

「俺のターン、ドロー!!」

 

 その瞬間、遊矢が笑った。

 

「来た!俺は手札抹殺を発動!!互いに手札を全て捨て、その枚数分ドロー!!」

 

「チッ、出し惜しみせず伏せておけば良かったか。手札3枚を捨てる。3枚ドロー。」

 

「俺は1枚捨ててドロー!そして金満な壺を発動!!墓地のペンデュラムマジシャン、エクストラデッキの時読み、オッドアイズをデッキに戻し2枚ドロー!!・・・このカードは!!」

 

 金満な壺

 

 通常魔法

 

「金満な壺」は1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はP召喚以外の特殊召喚ができない。(1):自分のエクストラデッキの表側表示のPモンスター及び自分の墓地のPモンスターを合計3体選び、デッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから2枚ドローする

 

 どうしたんだろう?

 

「俺は今引いた時読みでペンデュラムスケールをセッティング!!」

 

「これで、レベル2から7のモンスターが再度召喚可能!!揺れろ、魂のペンデュラム!!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!!」

 

 YUYA

  手札2→0

 

 凄い!!戻したカードを2枚とももう1度引くなんて!!

 

 ・・・兄さんは若干引いている気がする。まあ、あの引きは・・・。

 

「バトルだ、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!「バトルフェイズに入る前にこのカードを発動させてもらう。」なに!!」

 

「俺は速攻魔法、リミッター解除を発動させてもらう。時読みの効果はバトルフェイズのみだからな、無効に出来ない。効果でゲノムの攻撃力は倍になり4200となった。オッドアイズでは突破できないぜ?」

 

 リミッター解除

 

 速攻魔法

 

このカードの発動時に自分フィールド上に表側表示で存在する全ての機械族モンスターは、ターン終了時まで攻撃力が倍になる。このターンのエンドフェイズ時、この効果を受けたモンスターを全て破壊する。

 

「く・・・、ターンエンd「エンド宣言時に発動、神秘の中華鍋」

 

 そのカードはライフ回復の・・・!

 

「これにより、4200のライフを回復し、墓地に行った機殻の生贄の効果でデッキからクリフォート・ツールを手札に。」

 

 KIKU 600→4800

  手札3→4

 

「そして、俺のターン、ドロー。さあ、次は俺の番だな。プロのデュエルを見せてやる。」

 

 兄さんがそう宣言した後、もう1度ペンデュラムスケールが張られる。それの片方は先ほど加えたペンデュラムモンスター、クリフォート・ツール。そしてもう片方は・・・。

 

「EM トランポリンクス?!」

 

 遊矢が叫ぶ。

 

「そうだ、あの時もらったカードだ。ある日いきなりこのカードがデッキと共にペンデュラムカードになってね。あとで確認したら他にもいくつか俺の持っているカードはペンデュラムカードになっていた。」

 

 それってもしかしてあの時に・・・。

 

 KIKU

  手札4→5→3

 

「さあ、行こうか。まずはツールのペンデュラム効果でデッキから・・・、そうだな、クリフォート・シェルを手札に加える。

 そして、ペンデュラム召喚、揺れろ、クリファのペンデュラム!!ペンデュラム召喚!!

 エクストラデッキから、クリフォート・アセンブラ、ツール、ゲノム2体を特殊召喚!!」

 

 KIKU 4800→4000

  手札3→4

 

 現れたのは、さっき破壊されたペンデュラムゾーンにあったモンスターと、生贄にされたとき魔法罠を破壊するモンスター2体。

 

「そして、EM トランポリンクスの効果を発動!!効果により、ペンデュラムゾーンのツールを手札に戻す。そして、俺はツールとアセンブラでエクシーズ召喚!!今こそ降臨せよ、機械の龍!!サイバー・ドラゴン・ノヴァ!!」

 

 EM トランポリンクス

 

 ペンデュラム・効果モンスター

 

 星2/地属性/獣族/攻 300/守 300

 

【Pスケール:青4/赤4】

「EMトランポリンクス」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。(1):自分がP召喚に成功した時、自分または相手のPゾーンのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。

【モンスター効果】

(1):このカードが召喚に成功した時、自分または相手のPゾーンのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。

 

 サイバー・ドラゴン・ノヴァ

 

 エクシーズ・効果モンスター

 

 ランク5/光属性/機械族/攻2100/守1600

 

 機械族レベル5モンスター×2

 

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。自分の墓地の「サイバー・ドラゴン」1体を選択して特殊召喚する。また、1ターンに1度、自分の手札・フィールド上の「サイバー・ドラゴン」1体を除外して発動できる。このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで、2100ポイントアップする。この効果は相手ターンでも発動できる。このカードが相手の効果によって墓地へ送られた場合、機械族の融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚できる。

 

 KIKU

  手札4→5

 

 え、どうして?!

 

「どうしてクリフォートモンスター以外のモンスターが召喚出来るんだ?」 

 

 フトシ君が私も疑問に思ったことを口に出す。

 

「よく見て、あの人はトランポリンクスの効果でツールを手札に戻したでしょ?」

 

「あ、ほんとだ!!」

 

 アユちゃんが私も疑問に思ったことの正解を口にする。小学生に負けた・・・。

 

「更に俺はノヴァをエクシーズチェンジ!!機械の龍よ、今こそその真の姿を現せ!!制圧せよ、サイバー・ドラゴン・インフィニティ!!」

 

 サイバー・ドラゴン・インフィニティ

 

 エクシーズ・効果モンスター

 

 ランク6/光属性/機械族/攻2100/守1600

 

 機械族・光属性レベル6モンスター×3

 

「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」は1ターンに1度、自分フィールドの「サイバー・ドラゴン・ノヴァ」の上に重ねてX召喚する事もできる。(1):このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×200アップする。(2):1ターンに1度、フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。(3):1ターンに1度、カードの効果が発動した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。その発動を無効にし破壊する。

 

 エクシーズチェンジ。LDSの志島北斗も使っていた召喚法!

 

「更に俺はゲノム2体を生贄に、クリフォート・シェルをアドバンス召喚!!ゲノムの効果で星読み、時読みの両方を破壊する!!」

 

 KIKU

  手札5→4

 

「破壊された星読み、時読みはエクストラデッキに行く。」

 

「更に更に!!インフィニティの効果発動!!1ターンに1度、フィールド上の攻撃表示のモンスターを自身のオーバーレイユニットに変える!!俺はオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを選択!!」

 

「アクション魔法透明を発動!!」

 

「無駄だ!!インフィニティのさらなる効果!!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、相手の魔法、罠、効果モンスターの効果を無効にする!!」

 

「何!!」

 

「透明は不発!!よってオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンはインフィニティのエクシーズ素材となる!」

 

 サイバー・ドラゴン・インフィニティにオッドアイズが吸われていく。

 

「オッドアイズ!!」

 

「バトルだ!!クリフォート・シェルでダイレクトアタック!!」

 

「アクション魔法回避!!」

 

 これでこのターンは・・・、と思ったところに兄さんは言った。無慈悲に。

「残念だがシェルは2回攻撃が出来る!いけ、クリフォート・シェル!!サイバードラゴン・インフィニティ!!」

 

 クリフォート・シェル

 

 ペンデュラム・効果モンスター

 

星8/地属性/機械族/攻2800/守1000

 

【Pスケール:青9/赤9】

(1):自分は「クリフォート」モンスターしか特殊召喚できない。

この効果は無効化されない。

(2):相手フィールドのモンスターの攻撃力は300ダウンする。

【モンスター効果】

(1):このカードはリリースなしで召喚できる。(2):特殊召喚またはリリースなしで召喚したこのカードのレベルは4になり、元々の攻撃力は1800になる。(3):通常召喚したこのカードは、このカードのレベルよりも元々のレベルまたはランクが低いモンスターが発動した効果を受けない。(4):「クリフォート」モンスターをリリースして表側表示でアドバンス召喚に成功した場合、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃でき、守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

 現実は非情である・・。

 

「うわぁぁぁ!!」

 

 YUYA 4000→0

 

 ライフが0になり、遊矢の負けが表示される。

 

 でも、私には、遊矢の顔が、どことなく嬉しそうに感じた。

 

「目が覚めたかい?」

 

 遊矢のお母さんが聞いた。

 

「ああ、もっと頑張らなくちゃな。」

 

 遊矢が答えた。

 

「頑張りな、あんたならできるさ。私と、榊遊勝の自慢の息子なんだから。」

 

「そして、俺の弟分なんだ、君なら絶対出来るさ。」

 

「熱血だーーー!遊矢ーーー!!」

 

「この漢、権現坂も期待しているぞ!!」

 

 みんなが口々に応援してくる。

 

「頑張ろうね、遊矢。」

「ああ、絶対に父さんや菊兄さんみたいに、強くなってやる。」

 

 

 

「ところで・・・。」

 

「え?」

 

「君なら、本当の義兄弟になっても構わないからね?」

 

「?」

 

 ちょ、ちょっと。

 

「何言ってるの兄さん?!」

 

 思わずハリセンで兄さんの後頭部を叩く。ゴキュという音が聞こえたが多分大丈夫だろう。

 

「? 菊兄さんが言ったのはどういう意味なんだ?柚子。」

 

「ゆ、遊矢は気にしないで!!いい?!」

 

「わ、分かったからハリセンを振り回すな!!あと、菊兄さん大丈夫か?」

 

 知らない。自業自得だ。たとえ気絶しようが構うものか。

 

 ほんとにこの人は、爆弾を少しずつ投下していくのはやめてほしい・・・。

 

 それさえなければ完璧なのに・・・。

 




「ン熱血指導だ!!」
という空耳が聞こえた。本気で熱血デッキにしようか悩んだ。

まあ、結果は
「うれしいよ遊矢クゥン!!相性のいいデッキ相手にここまでダメージを喰らうとは・・・!」(喰種風)
と、月山風になりました。中の人つながりで。

いつか主人公にトレビアン!!って言わせたい。

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