遊戯王ARC-Ⅴの世界に廃人がログインしました   作:紫苑菊

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 前回のあらすじ。

 塾が乗っ取られそうだったので、急遽、自重もなんもしないデッキでデュエルすることになった。以上。

赤き竜のカードは自重すると言ったな、あれは嘘だ。

今回は敵側、真澄視点です。



第2話

 プロデュエリスト、柊菊。その名前はこの舞網市ではかなり有名だ。

 

 逃げたチャンピオン、榊遊勝が残した塾からでた、世界トップクラスのデュエリストだからだ。榊遊勝が逃げたといわれた後、閉鎖も考えられたあの塾を立て直すまではいかないまでも、ある程度の実績を出す塾という評判に変えたデュエリストでもある。

 

 その話は、姉である香澄姉さんからよく聞かされた。

 

 曰く、大会の優勝候補に対して、「お前のデュエルはつまらん」とか言った後に平然と1ターンキルを決めた。

 

 曰く、「あの大会のカード、お前のデッキに合いそうだな」と話が出たら、「あ、あれ欲しいの?なら取ってこようか。」と軽いノリでその大会を蹂躙しつくした。

 

 曰く、私たち3人が束でかかっても適わない。

 

 私はこの話を聞く限り、ずっと嘘だと思っていた。香澄姉さんや、大牙さん、凪流さんの腕はよく知っている。私たちは姉さん達を目標にしていたからこそ頑張ってLDSのコース1位という結果を残すことが出来た。

 

 姉さん達には数えるほどしか勝ててはいない。だから、そんな人に簡単に勝ててしまうその人の話は嘘か、それとも姉たちの過大評価だと思っていた。

 

 でも違った。彼は今の私たちと変わらない年齢でユース大会で優勝し、インダストリアル・イリュージョン社専属プロという、栄光の切符を手に入れた。

 

 彼がプロになってからの試合は何度か見たことがある。凄まじいとしか言いようのないデュエルだった。後攻、相手のフィールドをたった1枚のモンスターから一瞬で蹂躙し、その後もほぼ一方的なデュエルだった。

 

 凄い、あんなコンボも出来るんだ。凄い、こんなモンスターも使えるんだ。なんでこんなモンスターを入れてるんだろう。そんな風によく刃や北斗と話をしたものだった。

 

 そんな人とデュエルが出来るかもしれない。だけど私たちに向かって言われたのは、消化試合という言葉だけだった。

 

 ふざけるな。私たちはLDSだ。マルコ先生や姉たちが教えてくれたデュエルで、姉たちが勝てなかった人を倒してやる。そんな言葉は撤回させてやる!!

 

 そう、思っていた。

 

「俺のターン。メインフェイズ。手札から調律を発動、デッキからジャンク・シンクロンを手札に加え、シャッフル。そしてデッキの1番上のカードを墓地に落とす。」

 

 調律

 

 通常魔法

 

デッキから「シンクロン」チューナー1体を手札に加えてデッキをシャッフルする。その後、自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送る。

 

 その瞬間、彼は嗤った。遠くから見てもはっきり分かるくらい、彼はその顔を笑みに変えてこう言った。

 

 おいおい、これじゃMeの勝ちじゃないか、と。

 

 まさかの勝利宣言に驚いたが、5分後にはその意味を理解することになる。

 

「手札からジェット・シンクロンを捨ててクイック・シンクロンを特殊召喚。さらにジャンク・シンクロンを召喚。効果でジェットシンクロンを特殊召喚。更に墓地から特殊召喚に成功したので手札のドッペル・ウォリアーを特殊召喚。」

 

 クイック・シンクロン

 

 チューナー・効果モンスター

 

 星5/風属性/機械族/攻 700/守1400

 

このカードは「シンクロン」チューナーの代わりとしてS素材にできる。このカードをS素材とする場合、「シンクロン」チューナーを素材とするSモンスターのS召喚にしか使用できない。このカードは手札のモンスター1体を墓地へ送り、手札から特殊召喚できる。

 

 ジェット・シンクロン

 

 チューナー・効果モンスター

 

 星1/炎属性/機械族/攻 500/守 0

 

「ジェット・シンクロン」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。(1):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「ジャンク」モンスター1体を手札に加える。(2):このカードが墓地に存在する場合、手札を1枚墓地へ送って発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

 

 ジャンク・シンクロン

 

 チューナー・効果モンスター

 

 星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500

 

このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 ドッペル・ウォリアー

 

 効果モンスター

 

 星2/闇属性/戦士族/攻 800/守 800

 

自分の墓地のモンスターが特殊召喚に成功した時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。自分フィールドに「ドッペル・トークン」(戦士族・闇・星1・攻/守400)2体を攻撃表示で特殊召喚する。

 

KIKU

 

 手札5→1

 

「1ターンにモンスターが4体も並んだ?!」

 

 北斗が驚くが、まだ別にありえないわけでは無い。おそらく本番はここからだろう。

実際その通りだった。

 

「まだまだ行くよ?レベル2、ドッペルウォリアーに、レベル3、ジャンクシンクロンをチューニング!カモン、TG ハイパー・ライブラリアン!更にシンクロ召喚に使用したドッペルウォリアーの効果発動!ドッペルトークンを2体特殊召喚!更に、レベル1、ドッペルトークンに、レベル1、ジェットシンクロンをチューニング、希望の力、シンクロチューナー、フォーミュラシンクロン!!更に更にぃ、シンクロ召喚に成功したのでライブラリアンの効果発動、1枚ドロー!フォーミュラの効果で1枚ドロー!更に更に更にィ!!レベル1、ドッペルトークンに、レベル5、クイックシンクロンをチューニング、シンクロ召喚、ドリル・ウォリアー!ライブラリアン効果で1枚ドロー!!!」

 

 TG ハイパー・ライブラリアン

 

 シンクロ・効果モンスター

 

 星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800

 

 チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

 

このカードがフィールドに存在し、自分または相手が、このカード以外のSモンスターのS召喚に成功した場合に発動する。このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、自分はデッキから1枚ドローする。

フォーミュラ・シンクロン

 

シンクロ・チューナー・効果モンスター

 

 星2/光属性/機械族/攻 200/守1500

 

 チューナー+チューナー以外のモンスター1体

 

このカードがS召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。相手メインフェイズに発動できる。このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する。

 

 ドリル・ウォリアー

 

 シンクロ・効果モンスター

 

 星6/地属性/戦士族/攻2400/守2000

 

「ドリル・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。このカードの攻撃力を半分にし、このターンこのカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。また、1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。手札を1枚捨ててこのカードをゲームから除外する。次の自分のスタンバイフェイズ時、この効果で除外したこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する。その後、自分の墓地のモンスター1体を選んで手札に加える。

 

KIKU

 

 手札1→4

 

「そんな、1ターンで3回のシンクロ召喚?!」

 

 でも、驚くのはそれだけではない。なぜなら・・・。

 

「しかも手札が減ってない?」

 

 そう、まったく手札が減っていないのだ。

 

「まだ終わらないさ。引いた調律の効果を発動!!クイック・シンクロンを手札に加えシャッフル。そして1枚落とす。チッ、調律が落ちたか。」

 

 いや、落ちたカードに文句を言うほどに困ってないだろう。

 

「まあいい、手札のボルト・ヘッジホッグを捨ててクイック・シンクロンを特殊召喚。さらにクイック・シンクロンのレベルを4にしてレベル・スティーラーを特殊召喚!レベル1、レベル・スティーラーに、レベル4、クイック・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!ジェット・ウォリアー!ライブラリアンで1枚ドロー!」

 

ジェット・ウォリアー

 

シンクロ・効果モンスター

 

星5/炎属性/戦士族/攻2100/守1200

 

「ジェット・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

 

「ジェット・ウォリアー」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。 (1):このカードがS召喚に成功した場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。(2):このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル2以下のモンスター1体をリリースして発動できる。このカードを墓地から守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

 

KIKU

 

 手札4→2→3

 

「4回目だと?!」

 

「更に、ドリル・ウォリアーのレベルを5に変更し、レベル・スティーラーを特殊召喚!さあ、見せてやろう、シンクロ召喚のその先を!!レベル5、ジェットウォリアーとレベル5、ドリル・ウォリアーにレベル2、フォーミュラ・シンクロンをチューニング!!」

 

「シンクロ召喚のその先?!」

 

「シンクロモンスター同士のシンクロ召喚だと?!」

 

「集いし願いが1つになるとき、新たな絆が未来を照らす、リミットオーバーアクセルシンクロォォォーーーーー!!!!進化の光、シューティング・クェーサー・ドラゴン!!」

 

 シューティング・クェーサー・ドラゴン

 

 シンクロ・効果モンスター

 

 星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000

 

 シンクロモンスターのチューナー1体+チューナー以外のシンクロモンスター2体以上

 

このカードはシンクロ召喚でしか特殊召喚できない。このカードはこのカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。1ターンに1度、魔法・罠・効果モンスターの効果の発動を無効にし、破壊する事ができる。このカードがフィールド上から離れた時、「シューティング・スター・ドラゴン」1体をエクストラデッキから特殊召喚する事ができる。

 

 出てきたドラゴンは、なんていうか、神々しくて・・・。

 

「綺麗・・・。」

 

 そう、この言葉がふさわしい。というより、変にこの言葉以外を使うと、陳腐なものになる気がしたのだ。

 

「それはありがとう、だがまだシンクロ召喚は終わらない。ライブラリアンの効果で1枚ドローし、手札からラッシュ・ウォリアーを捨てて墓地のジェット・シンクロンを特殊召喚し、クェーサーのレベルを下げてレベル・スティーラーを特殊召喚。そして、レベル1、レベル・スティーラーに、レベル1、ジェット・シンクロンをチューニング!もう一度現れろ、フォーミュラ・シンクロン!!。効果で2枚ドロー!!更にワン・フォー・ワンを発動!!効果で手札のシンクロン・キャリアーを捨ててチューニング・サポーターを特殊召喚!!更にチューニング・サポーターをリリースし墓地のジェット・ウォリアーを特殊召喚、もう一度だ!!レベル5、TG ハイパー・ライブラリアンと、レベル5、ジェット・ウォリアーにレベル2、フォーミュラ・シンクロンをチューニング!!シンクロ召喚!!シューティング・クェーサー・ドラゴン!!」

 

 ワン・フォー・ワン

 

 通常魔法

 

手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。

 

KIKU

 

 手札3→4→3→5→3

 

「もう一体?!」

 

 そして7回目のシンクロ召喚である。

 

「それだけじゃないさ。ラッシュ・ウォリアーを除外し効果発動!クイック・シンクロンを手札に加え、手札のレベル・スティーラーを捨てて特殊召喚し墓地のボルト・ヘッジホッグとレベル・スティーラーの効果を発動。1体目のクェーサーのレベルを下げて、特殊召喚し、レベル2、ボルト・ヘッジホッグとレベル1、レベル・スティーラーにレベル5クイック・シンクロンをチューニング!!シンクロ召喚、ロードウォリアー!!さらにこいつの効果を発動し、デッキからデビル・フランケンを特殊召喚し、神秘の中華鍋を発動!!ロード・ウォリアーをリリースし攻撃力3000分のライフを得る。更に、デビル・フランケンの効果を発動しエクストラデッキからこいつを特殊召喚、来い、ナチュル・エクストリオ!!」

 

 ラッシュ・ウォリアー

 

 効果モンスター

 

 星2/風属性/戦士族/攻 300/守1200

 

「ラッシュ・ウォリアー」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。(1)自分の「ウォリアー」Sモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。その戦闘を行う自分のモンスターの攻撃力は、そのダメージ計算時のみ倍になる。(2):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の「シンクロン」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

 

 ボルト・ヘッジホッグ

 

 効果モンスター

 

 星2/地属性/機械族/攻 800/守 800

 

自分メインフェイズに発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。この効果は自分フィールドにチューナーが存在する場合に発動と処理ができる。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

 

 ロード・ウォリアー

 

 シンクロ・効果モンスター

 

 星8/光属性/戦士族/攻3000/守1500

 

「ロード・シンクロン」+チューナー以外のモンスター2体以上

 

1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。デッキからレベル2以下の戦士族・機械族モンスター1体を特殊召喚する。

 

 神秘の中華なべ

 

 速攻魔法

 

自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げる。生け贄に捧げたモンスターの攻撃力か守備力を選択し、その数値だけ自分のライフポイントを回復する。

 

 デビル・フランケン

 

 効果モンスター

 

 星2/闇属性/機械族/攻 700/守 500

 

5000LPを払って発動できる。エクストラデッキから融合モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。

 

 ナチュル・エクストリオ

 

 融合・効果モンスター

 

 星10/地属性/獣族/攻2800/守2400

 

「ナチュル・ビースト」+「ナチュル・パルキオン」

 

このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。魔法・罠カードが発動した時、自分の墓地のカード1枚を除外し、デッキの一番上のカードを墓地へ送って発動できる。このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、その発動を無効にし破壊する。

 

KIKU 4000→7000→2000

 

 手札3→4→2→1

 

「更に死者蘇生を発動し、ジャンク・シンクロンを蘇生し、シンクロ召喚、2体目のTG ハイパー・ライブラリアン。ターンエンド。」

 

KIKU

 

 手札1→0

 

フィールド

 

 ナチュル・エクストリオ

 

 シューティング・クェーサー・ドラゴン

 

 シューティング・クェーサー・ドラゴン

 

 TG ハイパー・ライブラリアン

 

 私たちははぽかんとしている他になかった。

 

 9回のシンクロ召喚。それに加えての融合召喚。攻撃力4000のモンスターが2体。おまけに刃の十八番のシンクロは出来ればドローさせたくないので使えない。

 

 茫然としていると、刃が声をかけてきた。

 

(おい、たしか1ターン目だったよな?)

 

(間違いないわよ)

 

(どうなってるんだよ、4000のモンスター2体だぞ?!)

 

(それだけじゃないわ、あの融合モンスターにも何かあるはず・・・。)

 

(おい、それはいいけど誰からいく?)

 

(とりあえず人ばしr・・北斗からだな)

 

(そうね、逝ってきなさい、人ばs・・・じゃない北斗)

 

(いま、人柱って言いかけたよな、おい!!)

 

「おーい、さっさと始めてくれ~。そんなにひそひそ喋ってないで。」

 

(さっさといきなさい人柱。)

 

(さっさとしろよ、向こうを待たせるなよ人柱。)

 

(ついに言い切りやがった!!畜生、やってやるよ!!)

 

「僕のターン。ドロー!僕はセイクリッド・グレディを召喚!効果で「この瞬間、クェーサーの効果発動!!」な、なに?!」

 

 このタイミングで効果発動?!嫌な予感が・・・。

 

「このカードは、相手のモンスター効果、魔法、罠の効果を1ターンに1度無効にすることが出来る。」

 

 ・・・はぁ?!。インチキ効果もいい加減にしなさい?!

 

 しかもそのモンスターが2体?!ふざけないでよ?!

 

 ほら、北斗の顔もひきつってるし。

 

「なら死者s「この瞬間、ナチュル・エクストリオの効果発動!」な、なに?!」

「墓地のカードを1枚除外し、デッキトップを墓地に送ることで、相手の魔法、罠の効果を無効にする。」

 

 ・・・え?

 

 イマ、ナンテイッタノ?

 

『墓地のカードを1枚除外し、デッキトップを墓地に送ることで、相手の魔法、罠の効果を無効にする。』?

 

 ふざけるな!!私のデッキ、ほぼ死滅するじゃない?!こちとら融合よ?!融合召喚よ?!

 

 いや、代償として初期ライフ以上のコストを払うことを考えたなら妥当かもしれない。

 

 だけどこれは酷くない?

 

 ほら、向こう(遊勝塾)の面々まで顔が引きつってるわよ?!

 

「ぼ、ぼくはターンエンド・・・。」

 

 まあ、北斗にやれることはもうないだろう。召喚権も使って、魔法も罠も使えない。

「俺のターン。モンスターを伏せてカードを2枚セットしターンエンド・・・。」

 

 まあ、刃もやれることはないだろう。2回もモンスター効果も使えない上、蘇生魔法も使えないのだ。

 

「私のターン、ドロー」

 

 手札は廃石融合、ラズリーにレスキューラビット、ガネットにオブシディアにジェムナイト・フュージョン。いつもなら心強い手札でも今は意味をなさない。ダメだ、どうにもできない。

 

「モンスターを伏せてカードを2枚セットし、ターンエンド。」

 

これくらいしかやれることがない。

 

 圧倒的に有利だと思っていたこのデュエル、結果は何もできずにターンが回っていった。

 

「俺のターン、貪欲な壺を発動し5枚戻して2枚ドローする。ジャンク・シンクロン、クイック・シンクロン、クイック・シンクロン、TG ハイパー・ライブラリアン、フォーミュラ・シンクロンをデッキに戻してシャッフル。2枚ドロー。あちゃー。」

 

 貪欲な壺

 

 通常魔法

 

自分の墓地のモンスター5体を対象として発動できる。そのモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから2枚ドローする。

 

 どうしたのだろう?

 

「俺は墓地のデビル・フランケンとチューニング・サポーターを除外してカオス・ソルジャー -開闢の使者- を特殊召喚!!」

 

 カオス・ソルジャー -開闢の使者-

 

 効果モンスター

 

 星8/光属性/戦士族/攻3000/守2500

 

このカードは通常召喚できない。自分の墓地の光属性と闇属性のモンスターを1体ずつゲームから除外した場合に特殊召喚できる。1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。●フィールド上のモンスター1体を選択してゲームから除外する。この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。●このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊した場合、もう1度だけ続けて攻撃できる

 

 出てきたのは伝説のカオスモンスター。こんなカードもデッキに入っているなんて・・・。

 

てか、確実に私たちを殺りに来てるわね。

 

「バトルフェイズ、開闢で刃君のセットモンスターに攻撃。さらに開闢の効果!このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊した場合、もう1度だけ続けて攻撃できる。真澄ちゃんのモンスターにも攻撃!!返す刀で敵を討て!!更に1体目のシューティング・クェーサー・ドラゴンで北斗君に攻撃!!」

 

HOKUTO 4000→0

 

 北斗のライフが一瞬で0になる。だけれどそれだけじゃなかった。

 

「シューティング・クェーサー・ドラゴンはこのカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。いけ、刃君にも攻撃!!そして、2体目のシューティング・クェーサー・ドラゴンで真澄ちゃんにも攻撃!!」

 

2回攻撃持ち?!伏せモンスターで凌ぐことも出来なかったの?!まあ、防いでも何もできなかっただろうけど・・・。

 

YAIBA 4000→0

 

MASUMI 4000→0

 

 私と刃のライフも0になり、アクションフィールドが消えていく。何も出来なかった私たちにむかって、彼は、プロデュエリストランキング2位のデュエリスト、『軍師』柊菊はこう言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

「君たちのデュエルは本来、素晴らしいものだったのだろう。コンビネーションも!戦略も!!だが、しかし、まるで全然!この俺を倒すには!程遠いんだよねぇ!!」

 

 こうして私たちは、何の結果も得られずに、負けてしまったのだった。

 




ジェムジェム「今回のデュエルで我々は、何の成果も得られませんでしたぁぁ!!私が無能なばかりにライフも削ることも出来ず、優勝塾を乗っ取ることが、できませんでしたぁぁ!!(進撃風)」

また、その他の反応

かませ人柱「僕の扱い酷くない?」
フォルトロループマン「どうしろって言うんだ・・。」
しびれ「し、しびれすぎだぜ・・・。」
赤BBA「これが軍師の実力・・・。」
柑橘系ヒロイン「に、兄さん・・・。」
不動「流石は菊さんというべきなのか・・・。えげつないというべきなのか・・・。」
マスコット「こ、怖いよぅ・・・。」
院ゲス「あ、あればかりはこの僕でも勝てそうにないね・・・。」
インテリ「す、凄い・・・。」
熱血「アメリカに行ってからかなり実力はあがっているな。熱血だー!」
主人公兼ヒロイン「か、勝てるのか・・・?」
2代目社長「試験の時あのデッキでなくてよかった・・・。」

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