忘却の忘れ傘 ~a lonely quicksilver   作:エノコノトラバサミ

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四話 猿夢の中で

 ──夢だ。また、俺は夢を見ている。

 前にもあった。自分が夢を見ていると自覚している夢を。あれは、確か小傘の夢だった。

 けれど、この夢は違う。妙に現実的だ。恐らく、俺は地下鉄のホームにいる。薄暗く、俺の他には誰一人いない。生暖かい空気が、俺の頬を叩く。

 正直、不気味だった。良い予感はしない。夢から覚めようと思ったのだが、方法が分からない。少なくとも、覚めろと念じるだけでは目は覚めない様だ。

 そして何より、体の自由が効かない。自分の夢の筈なのに、手足は何一つ動かない。動かせるのは精々、顔ぐらいだ。

 嫌な予感がする。

 

 左から一筋の光が差してきた。同時に、ガタンゴトンと車輪の回る音が聞こえてくる。

 電車だ。それは、俺の目の前で止まった。空気の抜ける音と同時に、扉が開く。

 電車の中には、数人の男女がいた。どれも顔色が悪く、まるで生気が抜けたかの様に虚ろな目で座っている。やはり気味が悪い。

 電車に乗る気なんて、全く無かった。

 

「地獄行きの電車、間もなく出発します。閉まるドアにご注意下さい」

 

 ──地獄行きの、電車?

 確かにそう言っていた。一体どういう事なのか理解し難いが、とりあえず乗らないに越した事はない、そう考えていたのに。

 足が、勝手に動く。一歩ずつ、一歩ずつ、俺の足が電車の中へと向かっていく。俺の意思に反して、俺の体は電車の中へと吸い込まれていく。

 電車の扉が閉まった頃、俺は座席に座っていた。

 

 揺れ動く電車の中で、俺は状況を整理していた。

 まず、ここは夢の中だ。証拠は無いが、俺の感覚が告げている。目覚める方法は分からない。そして、自分の夢の筈なのに、体の自由が効かない。

 次にこの場所。地下鉄らしいが、こんな場所は俺の記憶の中には無い。夢で作られた割には、妙に現実的だ。

 そしてこの電車。横並びに座席が付けられ、まばらに人が座っている。その中には、俺も含まれている。座席に座っている者は皆、顔色が悪く、生気の無い目をしている。

 状況は整理出来たが、結論は分からない。この現象を俺は知らない。結局、事の起こりを見守るしか無い。

 

 ふと、電車のガラス越しの景色が紫色に光る。電車内の雰囲気がより一層不気味になる。

 本当に、何が起きているんだ。俺の不安は一層大きくなる。

 そして、その不安は見事に的中する事になる。

 

「次は~活けづくり~活けづくり~」

 

 唐突に流れるアナウンス。俺はその言葉の意味を理解するのに、時間がかかった。

 活けづくりと聞いて想像するのは、魚の刺身の盛り付け。だが、こんな状況で魚の刺身が出てくる訳がない。

 ──まさか。そう考えていた時、耳をつんざく様な悲鳴が聞こえた。

 

 俺は、その声が聞こえた方向に目を向ける。先程まで死んだように座っていた男が、その体を鉈の様な物で切り裂かれている。

 ボロきれの様な布で全身を隠している、大きさ一メートル近くの四人の小人。そいつらが、男の体をバラバラに切り裂いている。血が飛び散って、生臭い鉄の臭いが辺りに充満する。鼻を刺激するその臭いは、まるでここは夢ではなく、現実だと告げているかの様で。

 これ以上分解される男を見る事は出来なかった。

 そして、男の悲鳴が聞こえなくなった。それからしばらくすると、肉の裂かれる音も聞こえなくなった。

 

「次は~抉り出し~抉り出し~」

 

 またもやアナウンスが流れる。小人達が持っていた鉈は姿を変え、刃の付いたスプーンの様な凶器になった。

 そのまま、今度は隣の女の元へ寄っていく。

 

 小人達が女の目玉を抉る。甲高い悲鳴が電車に響く。それをお構い無しに、小人達は女の体を抉っていく。

 気分が悪くなるが、吐く事も気を失う事も出来ない。この夢が覚める事をひたすらに祈る。俺にはそれしか出来ないからだ。

 

 そして、音が鳴り止んだ。

 

「次は~挽肉~挽肉~」

 

 小人達の道具が、今度は挽肉にする機械に形を変える。そして、彼等は俺のすぐ傍まで近付いてくる。

 ──そうだ、次は俺だった。目を背けていたが、小人達は順番に殺している。次は俺、俺が殺される。逃げる事も、助けを乞う事も出来ない。心の中でただずっと『夢よ覚めろ』と祈るだけ。

 

 とうとう機械音が俺の目の前まで来た時、意識は途切れた。

 

 

 

 

 

「──真さん! 起きてください、聖真さん!」

「……ん、ふぁぁ……おはよう」

 

 小傘の大声で目が覚める。昨日は年越しそばを食べ、十二時まで起きていたのに朝が早いやつだ。あ、睡眠要らないんだった。

 小傘がはしゃぐのも仕方がない。何せ、今日は元旦。個人的にはクリスマスよりは意味も意義もある日本の一大イベントだ。人々は初詣やら初売りやらで賑わっている。俺も、正月は嫌いじゃない。遅めの冬休みに入り、しばらくは正月を満喫出来そうだ。

 

「聖真さん! あけましておめでとうございまぁす!」

 

 正座して深くお辞儀をする小傘。今日はやけにテンションが高い。

 

「どうしたんだ?」

「どうしたって、新年ですよ!? お餅におせちにお雑煮ですよ! あ、後はお年玉!!」

「昨日年越しそば食べただろ……」

「そばとお餅は違います!」

 

 ごもっともだが、なんか違う。

 

「分かった、分かったから、今日買ってくるから」

 

 小傘をいなして、朝食の準備をする。

 あれから約一週間は平和な日々が続いた。妖怪やらにも遭遇していない。ずっとこんな風に平和に暮らせるといいんだけれど、多分無理だろう。いつか、また襲われる。

 行き当たりばったりに抵抗していては、いつかやられる。そう思ってはいるものの、対策の仕様が無い。考えても何も思い付かないのだ。

 後回しに出来る様な事じゃないのに、忘れようとする俺がいる。事実、忘れた方が幸せだから。

 

 朝食を食べながら、テレビを眺める。元旦だけあってスペシャル番組が多く、後数日は家にいても退屈せずに済みそうだ。

 

「聖真さん!」

 

 小傘が俺を呼ぶ。

 

「折角聖真さんもお休みですし、どこか行きませんか?」

「どこかって……どこ行きたいんだ?」

「どこでも良いんです! どこかに行きたいんです!」

 

 確かに、このまま家でただ時間を過ごすよりは、どこかに行った方がいいな。

 

「それじゃ……初詣でも行くか?」

「行きます!」

 

 俺は出掛ける準備を済ませた後、紫色の傘を持ち、家を出た。

 

 

 

 

 

 家からしばらく歩いた後、バスで数駅乗り継いで、俺と小傘は近くの神社へ向かった。決して立派な神社ではないが、とりあえずおみくじやお守りは売っているからそれなりに楽しめるだろう。

 

 いくらあまり立派な神社ではないと言っても、やはり元旦だけあって、いざ到着すると中々の人混みが出来ていた。

 見渡すと、年配の人よりも家族連れや若い奴等が目立つ。皆、楽しそうにしている。

 そんな神社を、俺と小傘は手を繋ぎながら歩き始めた。

 

 ふと、一昨年の事を思い出した。母親と二人で行った初詣。こことは違う神社で、何となく引いたおみくじ。恋愛運が抜群に高い中吉だったけれど、恋人が出来るどころか、そのチャンスすら訪れなかった。

 なんか、虚しくなる。

 

「──お、聖真じゃん」

「おっすおっす」

 

 ふと背後から声を掛けられる。振り向くと、そこには俺の知っている顔が三人。大学の同級生で、仲良し三人組とクラスで呟かれている野郎の集まりだ。

 

「お前も初詣? 誰と来たの?」

 

 その内の一人に質問される。

 

「一人だけど」

 

 小傘と繋いだ手を離して、俺はとぼける。

 

「ふーん、そんな事よりもさ、なんでそんな変な傘なんて持ってんだ? もしかして、今日雨でも降るのか?」

「あぁこれ? 日傘だよ日傘」

「お前、こんな寒い季節に日傘なんて持つのか……」

 

 あくまでもとぼけ続ける。正直に話したところで、おかしな奴だと思われるのは当たり前。いや、既に思われてるか。

 

「どうせ一人なら、俺等と回ろうぜ!」

「いや、いいよ。この後色々と用事があるからさ」

「なんだ……ま、いいか。じゃあな」

 

 挨拶を交わした後、その内の一人が小傘の足を蹴飛ばしながら、三人と別れた。

 胸に溜まっていた息を深く吐き出す。

 

「……やっぱり、見えてないんだな」

 

 いや、見えてないどころか、他の人々は小傘に触ることさえ出来ない。彼女に関わる事が出来るのは、本当に俺だけ。

 その事実を、改めて実感させられる。

 

「聖真さん、今の人達は友達ですか?」

「ん、まあな」

 

 その事を気にも止めない様子で、小傘は俺に話し掛ける。

 それでいいのかと、ふと俺の中で想いが過る。

 

「あ、聖真さん! おみくじ、おみくじ引きましょう!」

 

 小傘が俺の手を引く。ちょうど俺も興味があったので、小傘と二人でおみくじ売り場へ向かった。

 一応結構な人数が並んでいたが、すぐに俺達の番が来た。小傘がおみくじを引くと不味いので、俺が二つおみくじを引く。

 

 おみくじを開く。末吉と書いてあった。中身も微妙だ。ちょっと損した気分になった。

 

「聖真さん、見てください! 大吉ですよ大吉!」

 

 俺におみくじを突き付けてくる小傘。確かに大吉と書いてある。

 

「お、良かったじゃん。何か良いことがあるかもな」

「ふふ~ん」

 

 上機嫌でおみくじをしまう小傘。ふと、小傘がおみくじを持った事で回りの視線が気になったが、誰一人気にしていない。どうやら、おみくじも見えなくなったらしい。一安心だ。

 

 おみくじの後は、お祈り。俺達は神社の本堂へ向かう。やはりここにも結構な人混みが出来ていた。

 少々人混みに呑まれながらも、何とか賽銭箱の前まで辿り着く。すり抜けてあっと言う間に前に出た小傘が羨ましい。

 二人で十円を手に持ち、それを賽銭箱に投げる。

 手を叩き、俺と小傘は祈った。

 

 ──俺の願いは、彼女とずっと一緒にいること。

 

 祈りを終えた後は、速やかにその場から離れる。もう、神社での目的は果たした。後は買い物でもして帰るだけ。

 

「聖真さんは、何をお祈りしました?」

 

 小傘が俺に話し掛ける。

 

「給料がもっと良くなります様に」

「な、何ですかそれ……」

「そういうお前は何で祈ったんだよ?」

「わ、私は……聖真さんの料理の腕がもっと良くなります様にって」

「あっそ。そんなに不満ならもう作らん」

「う、嘘です! 嘘ですよぉ!!」

 

 小傘の必死な顔を見て、思わず吹き出してしまった。それを見て、小傘が不機嫌そうに頬を膨らませる。

 本当、面白い奴だ。

 

 

 

 

 

 小傘の要求通りお雑煮に必要な材料を一通り買い、帰宅する。時刻は昼過ぎ。帰ってすぐ、俺は調理を始めた。

 そして出来上がったお雑煮を頬張りながら、テレビを眺める。そのまま何もせず、刻々と時が過ぎていった。

 

 気が付けば太陽は空から姿を消し、短い時計の針は七時を指している。

 俺はテレビを見るのを止め、夕飯の準備をする。元旦なのに、やる事は少ししか変わらない。まあ、忙しく過ごすよりは良いだろうけれど。

 

 結局、食べる事とテレビを見る事しかしないまま、夜が更けていく。夢中になって見ていたテレビが終わると同時に、寝る準備を始める。

 電気を消し、いよいよ寝ようとする。そこで俺は妙な違和感を感じた。

 ──何かを、大切な何かを、忘れている気がする。

 

「……なあ、小傘」

 

 姿を消した小傘に、話し掛ける。

 

「はい?」

「俺さ、何か忘れてる気がするんだ」

「……それがどうかしました?」

「……いや、いい」

 

 本当に、何か忘れてる気がするんだ。

 俺は立ち上がり、台所に向かう。下の収納を開き、ある物を取り出した。

 

 それは、あの時メリーさんから奪ったナイフ。意外にも、刃先を収納できる比較的新しいナイフだった。彼女の残骸は既に捨てたが、このナイフだけはとっておいたのだ。

 

 何を忘れているのかは分からないが、俺の直感が注意しろと告げていた。警戒するに越した事はない。

 折り畳んだナイフをポケットにしまい、俺は床についた。

 

「──ありがとう、小傘」

「え、聖真さん、今なんて言いました? 聖真さ──」

 

 俺の意識は、深いまどろみに落ちた。

 

 

 

 

「──出発します」

 

 ガタンと音を立て、電車が動きだした。そして、俺の中にあった妙な違和感は途端に消失し、全て思い出した。

 

 ──そうだ、俺、殺されるんだった。

 

 既に隣の女性の姿は消えている。まだ小人の姿は見えないが、どうせすぐに現れて、俺の体をグチャグチャに潰しに来るだろう。

 

「次は~挽肉~挽肉~、もう逃げられませんよ~」

 

 アナウンスが流れると同時に、電車の端の扉から四人の小人が現れる。俺の体を挽肉にする機械を、その手に携えながら。

 恐怖心が無いと言えば嘘になるが、昨日感じていた程、俺は怖れてはいなかった。その感覚に、自分自身が疑問に思うほど。

 そして、それはすぐに分かった。

 

 俺は、生きるの諦めている。

 

 この状況から逃げ出す方法なんてありはしない。体は動かないし、助けがくる筈もない。奇跡なんて起きる訳がない。

 俺は、死ぬんだ。

 

 小傘は、俺以外の人と関われなくていいのか?

 

 今日想ったあの事。今考えれば、俺はこうなる事が分かってていたのかもしれない。

 俺がいなくなったら、小傘はどうなるんだろうな。

 

 ごめんよ。

 絶対に生き残ってるって、誓ったのに。

 結局、俺には小傘を守る力どころか、自分を守る力すら無いんだ。

 

 母さん、恩返し出来なくて、ごめん。

 今まで俺の事を育ててくれて、本当にありがとう。

 

 今まで以上に安らかな気持ちで、俺は目を閉じた。

 

 

 

 ──空気の抜ける音が、俺の耳に入る。

 それは紛れもなく、扉の開くあの音。走っていた筈の電車はいつの間にか止まっていた。俺は目を開け、扉へと視野を移す。

 

 途端、血の気が引いた。

 

「……小傘」

 

 虚ろな目をして電車に乗り込む彼女は、俺の後ろへと座る。そのまま扉は閉まり、電車は再び動き出す。それと同時に、小人達が俺へと迫ってくる。

 

 何で、何で小傘がここにいるんだ?

 幽霊の筈の彼女が、どうして俺の夢の中にいるんだ?

 いや、小傘が来たという事は、ここは本当に俺の夢なのか?

 

 幾つかの疑問が浮かぶ。だが、その疑問の答えなど、今はどうでもよかった。

 俺の中にある大切な事実は一つだけ。

 

 ──俺の次に殺されるのは、小傘だという事。

 

 あの安らかな気持ちなんて、とうに消え去っていた。

 先程までの俺が、馬鹿みたいだ。俺が死んだら小傘も死ぬ。俺は死ねない。絶対に死ねない。

 

 徐々に迫る小人達。大きくなる機械音。迫る死へのタイムリミット。

 戦うんだ、この小人達を相手に。抵抗してやる。幸いにも、俺は武器を持っているんだ。

 

 身動き出来ない筈の右腕に、全力で力を込める。まるでコンクリートで固められた様な感覚の腕を、必死に動かす。

 僅かながらに動く右腕。ズボンのポケットからナイフを取りだし、あの小人に突き付けるには遅すぎる。もっと、早く、早く動かさなければ。

 機械が、目の前に迫ってくる。これでは間に合わない。だが、俺が諦めたその時、俺だけではなく、小傘まで死ぬんだ。

 絶対にやらせない。最後まで諦めてたまるか──

 

 

 

 

 

 聖真がナイフを握ると同時に、機械が何かを潰した。

 

 

 

 

 

 ──俺は聖真だ。

 

 小人達の背後から、声が聞こえた。それと同時に、小人の一人が地に伏せる。その背中にはナイフの刺し傷。小人達が持っていた機械は、座席を潰していた。

 今、何よりも禍々しい気配を放っていたのは、聖真自身だった。彼はたった一瞬で座席から姿を消し、小人の背後に回っていた。

 小人の一人が機械を持って襲いかかる。機械が聖真に当たろうとしたその時、またもやその姿が消えた。

 そして、小人は機械を手放し、倒れる。

 

 ──俺は聖真だ。

 

 それは、まさしく瞬間移動。普通の人間である聖真がたった一瞬で姿を消し、別の場所へ現れたのだ。

 いや、彼は今、普通ではない。

 

 残った小人二人が、機械を放り投げ逃げ出す。だが、二人が電車の端の扉へ辿り着く直前、目の前に聖真が現れる。

 この二人が逃げ出す事はもう、出来ない。

 

 ──俺が聖真だ。

 

 ぽっかりと穴の空いた聖真の左目が、微かに光る。

 四人の小人が息絶えたと同時に、夢の世界は崩れ去った。

 

 

 

 

 

 目覚めると同時に、布団から飛び上がった。

 激しい動悸、吹き出る汗、落ち着かない呼吸。俺が夢の中でどんな目にあったのか、明確に覚えていた。

 謎の小人達に殺されかけ、ポケットのナイフを手に取った瞬間、俺の中に黒く澱んだ力が満ちてきた。自分でもよく分からないあの力。小人に対しての殺意だけが、俺の頭を支配していた。

 

 ポケットの中を確かめてみる。ナイフは刃を折り畳んだまま、中に入っていた。俺はそのナイフを、地面に叩きつけた。

 本当はすぐにでも叩き折りたい。だが、このナイフが俺達を助けてくれたのは事実だ。

 

「小傘!」

 

 俺が呼び掛けると、小傘はすぐに姿を現した。

 

「おはようございます聖真さん。あまり顔色がよくないみたいですが、どうかしましたか?」

「……覚えて、ないのか?」

「はい?」

「……何でもない」

 

 どうして小傘が俺の夢の中へ入ってきたのか、答えは分からないままだった。俺の事を助けようとしてくれたのかもしれないし、俺の中にいた何かが小傘を巻き添えにしたのかもしれない。

 

 クリスマスイブのあの日、俺の回りの世界は一変した。そして、今度は俺自身が変わろうとしている。そんな予感がした。




 今回出てきた怪異は『猿夢』という話を私なりにアレンジした物です。
 興味のある方、調べてみてはいかが?

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