忘却の忘れ傘 ~a lonely quicksilver 作:エノコノトラバサミ
前半はストーリーに関しての簡単なまとめです。「序章読むのメンドッ!」って言う方はこちらを見ていただけたら大体分かると思います。もし展開がちょっぴり違う所があっても、眼を瞑って頂ければと思います。
ちょっぴりじゃなかったら教えて下さい、直します。
後半はキャラ、能力紹介です。能力と言っても聖真くんのみですが。
あんまり面白い事は書いておりませんが、登場人物を頭の中で整理する際に軽く眼を通して頂ければ嬉しいです。私もたまにそんな感じで見返します。
【一話から九話までのあらすじ】
幼い頃に不慮の事故で父親を亡くし、母子家庭で育った大学二年の青年、加能聖真。マンションから通学する傍ら、一人アルバイトに勤しむ生活を送っていたが、自分の人生の意味を疑問を持っていた。そんな時、バイトの帰りにうっかり轢いた不思議な傘を、彼は家に持って帰る。
傘を持ち帰ってからおよそ三ヶ月。その間、聖真は謎の幽霊の気配を感じる様になっていた。そしてクリスマスイブの日、聖真は買い物の途中、突然雪女に襲われる。
必死に逃げ自宅へ避難するが、雪女が追い掛けて来るのを感じ怖れ戦く。だが、謎の気配の声により突破口を発見、何とか雪女を撃退する。そして、雪女の霊力を僅かながら吸収した聖真は、謎の幽霊がはっきりと見える様になった。
それが聖真が記憶をほとんど無くした幽体少女、小傘と初めての出会いとなった。
次の日、二人は初めての生活に戸惑いながらも、互いに惹かれる何かを感じた。だがその夜、怪異であるメリーさんに襲われる。背後から襲われた所を庇った小傘が刺され、怒り狂った聖真はメリーさんからナイフを奪い彼女を引き裂いた。
だが、幽体に近い小傘は無事だった。聖真はどんな事があっても二人で生き延びると心に誓う。
それから約一週間後、聖真は夢の中で猿夢の怪異に襲われる。脱出出来ない事を知り諦めかけたその時、聖真は小傘の姿を見る。彼女を守る為に必死に抵抗しようとした聖真に、突如謎の力が生まれる。ナイフを持ち、瞬間移動の力を得た聖真は、夢の中の猿達を殺し、夢から脱出した。
それから三日後、聖真の家に戦意の無い妖怪座敷わらしが現れる。更には聖真の唯一の肉親である母親、聖子が家に訪れた。久方ぶりに充実した時間を送っていた聖真に、無情にも絶望が襲いかかる。
聖真の母親聖子は、怪異の八尺様に見入られていた。それにいち早く気が付いた聖真はナイフを手に取り、三人を守る為に八尺様を迎え撃つ。
だが、聖真は負けた。
彼が気が付いた時には、既に座敷わらしと母親が殺されていた。
生きる事を諦め、殺されかけたその時、聖真は助けたのは小傘だった。
格上相手にも関わらず果敢に立ち回り、最後には勝利をもぎ取った小傘。だがしかし、聖真は母親を失ったショックで現実逃避を起こし、自宅から去る。
さ迷っていた森の中で謎の少女に誘われた聖真は、とある洋館へ辿り着く。何年も昔に建てられ朽ちていたその館の中には、
彼女の力でナイフの意思の中へと入った聖真は、このナイフがメリーさんの新たな憑依先となっていた事、自身が半ば憑喪神と化している事、そして聖真自身が【力ある道具に更なる力を与える】力を持っている事を知らされる。メリーの説得で帰る決断をした聖真は、メリーの力を発揮して家へと戻った。
だが、家には一枚の手紙しか無かった。
そこには、小傘からの別れの言葉が書き連ねてあった。
それから一ヶ月、聖真は旅立とうとしていた。カナから情報を得た聖真は、メリーを置いて遠く離れた山へと出掛ける。日が暮れるまで歩き回り、ついに見付けた結界の裂け目、幻想郷への入り口に、加能聖真は飛び込んだ。
【ここまでのキャラ紹介】
◎
一人暮らしの大学二年生。鋭い目付きで、自分の見た目に関心が無い為、普段からボサボサな頭にジャージ姿。そのため、よく不良に間違えられたり怒っている様に見られる。
自分の存在する理由、意義について疑問を持っていたが、ある日小傘に出会った事でそれを見つけ出した。同時に、自分達に襲い掛かる苦難に立ち向かう決意を固める。
○彼の能力について
『力ある道具に更なる力を与える』という能力を持つ。
生まれつき感受性が高かった聖真が雪女とメリーの力を僅かに奪った事、そして憑喪神の小傘と長く共に居た事から自然と生まれた力。
主な効果としては今の所、
・意思を持つ道具と通話できる
・道具と半ば融合する事ができる
・道具の意思に干渉する
の三つ。
現時点ではメリーの宿ったナイフにしか意味を成さない。その上、それなりに心が通じ合ってないと二つ目の融合は不可能なので、あまり強力な能力とは言えない。
◎
幻想郷から何故か現代に迷い混んでいた憑喪神。現代の影響で妖怪というよりも幽霊に近い。記憶がはっきりしておらず、前居た幻想郷の事も曖昧にしか覚えていない。だが体はそれなりに覚えている様で、スペルカードも一応使える。
とても素直で、食べる事が大好き。聖真の危機とならば身を挺して庇う程、彼女も彼の事を特別に想っている。
だが何故か突如、幻想郷の記憶を思い出し、友達を救うために一人幻想郷へと帰ってしまう。
◎メリー
元は怪異として聖真へ襲い掛かったが、反撃され人形の体を失い、僅かに残った力がナイフに移り変わる。そのまま成り行きで聖真と半ば融合し、彼の道具として新たな命を進みだした。
人形に憑いていた頃は人間への怨みから我を失いボロボロの姿でいたが、聖真に所有されてからは霊体ながらも可愛らしい少女として彼の前に現れている。
幻想郷に行く決意をした聖真に帰る場所をと、一人現代で待っている。
◎カナ・アナベラル
かつて幻想郷に訪れた事もあったクイックシルバーの少女。クイックシルバーとは女性版のポルターガイストであるが、カナは同時に古びた館の自縛霊でもある。ちょっぴりイタズラ好きだが、根は真面目。
現実逃避した聖真を偶然森で見付けた事をきっかけに、彼にメリーの存在と想い、そして自らの力を知らせるきっかけを作った。更に、彼を幻想郷に導いたのも彼女であり、聖真が立ち直れた理由として欠かせない存在。
◎加能
聖真の母親。不慮の事故で無くなった夫、真に代わり聖真を育ててきた。ちょっと抜けてる部分もあるが、常に元気で面倒見もいい。母子家庭で大変にも関わらず自分を育ててくれた彼女に聖真はとても感謝している。
聖真の家に訪れる途中に本来若者しか見入らない筈の八尺様に見入られ、その晩八尺様により殺害される。彼女の死は、聖真の心を深く傷付けた。
◎加能
聖真の父親。聖真の名前は、聖子の聖と彼の名前を合わせて付けられている。
働きものでとても良い父親だったのだが、不慮の事故で聖真が幼くしてこの世を去っている。なので、聖真には彼の思い出が何もない。
◎雪女
クリスマスイブの日、聖真を襲った雪女。妖怪がほとんど信じられなくなり力を失いかけていた時、聖真から僅かに力を感じそれを奪おうとするも反撃され消滅した。
因みに一応死んだ事にはなるが、妖怪の存在が世間で騒がれる様になれば、何もなかったかの様にいずれ蘇る。
◎猿夢
人の夢の中に入り込み襲う、数匹の猿の様な怪異。夢の中を走る電車という独自の世界に相手を引きずり込む為、力無き者に対しては相当な驚異となる。本来ならトラウマを植える程度の被害で押さえるが、時には相手を殺害する事も。
聖真の力を感じ、それを奪う為に彼を殺そうとした。だが、間一髪の所でメリーと半ば融合した聖真により反撃され、逆に皆殺しにされてしまった。
◎座敷わらし
とても小さな女の子の妖怪。彼女が誰かの家に居る間はその家を裕福にすると言われている。
聖真の力を感じ接近するが、目的は空腹を満たす為だった。そのまま聖真の家で聖子と共に四人で過ごしていたが、八尺様に巻き沿いで殺害される。不憫。
だが、実際は雪女と同じで、そのうち蘇る。
◎八尺様
白いワンピースを着た、非常に背の高い女の怪異。
朝、自らの姿を見た者に見入り、夜になるとその者を殺しに行く非常に危険な怪異。神様と謳われる地域もあり、怪異の中でもその力は群を抜いている。ボボボボ、とも、ポポポポ、とも聞こえる妙な笑い方をする。
聖子や座敷わらしを殺害し、聖真をも殺害寸前まで追い詰めるが、勇気を振り絞った小傘による策略により首元を貫かれ消滅する。
一章が終わり次第、いずれ一章分の紹介も書く予定です。