デイダラに成り代わったようですが生きていける気がしません。   作:龍田

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一瞬の美

ピピピッピピピッ

「う…うーん…」

ピピピッピピピピピピ

「…るせぇ!」

 

ガッと目覚まし時計に殆ど八つ当たりのチョップをかます。現在朝の六時半、あの時から一時間ちょいしか眠れていない。

ガリさんはあの後、勝手に家に押し入り、勝手にお父さんの部屋のベッドに倒れこみ、そのまま就寝した。よっぽど疲れていたのだろうが、何もかも勝手にしないでほしい。あと、外にいたんだから服についている砂くらいは落としてほしかった。

 

「はぁ…」

 

今更そんなこと考えても仕方がない。思い体を無理矢理起こしてパジャマから私服に着替える。オレンジのボーダー柄の服に、ベージュの短パン。何事も動きやすいのが一番いい。たまに黒ツチから「スカートもはいてみろ」と言われたりするが、あまり気が進まない。というかスカートを持っていない。今度お母さんに買ってきてもらうか。

洗面所へ行き、顔を洗って歯磨きをしてからリビングに移動する。今日はガリさんがいるので二人分の朝食を用意しなければいけない。確か卵が大量にあったはずだ。目玉焼きと食パンにしよう。

 

数分後、意外に上手く作れた。久し振りに目玉焼きを作ったが、形も崩れていないしある意味芸術と言えるだろう。いやー私って天才。焼けた食パンの上にレタスを乗せ、またその上に先程作った目玉焼きを乗せる。これで朝食は完成だ。机にそれを並べ、コップには冷蔵庫のお陰でキンキンに冷えた牛乳をそそぐ。あとはガリさんを呼んでくるだけだ。

 

「ガリさん。朝ご飯出来ましたよ。起きてください!…うん」

 

ガリさんが寝ている部屋に移動しながらそう呼びかける…が、返事は返ってこない。まだ寝ているのか?早く起こさないとパンが冷めてしまう。

 

「ガリさん?ガリガリさーん!」

 

ちょっとしたいたずら心で名前を変えてみる。

…あ、なんかあの有名なガーリガリ君アイスに似てるな。

 

ガチャ

「へ?」

 

突然ドアが開く。驚いて少し反応が遅れてしまったが、目の前にはガリガリ…げふんげふん、ガリさんが目の前に立っていた。だが、まだ眠いのかフラフラしている。

 

「…あれ、デイダラじゃないか。もしかして起こしに来てくれたのかい?」

「う、うん」

「そうか…ありがとな」

 

わしゃわしゃと頭を撫でられる。嬉しかったが、そのせいで髪が跳ねまくってしまった。さっき綺麗にしたばっかりなのに…後でまたクシでとかなければ。

 

「ガリさん、もうご飯出来てますから早く食べちゃいましょ。…うん」

「おお!凄いなデイダラは。まだ小さいのに」

「一言余計です」

 

とにかく自分のお腹も空いたので、ガリさんの手を引っ張って急いで移動した。

 

・・・

 

ご飯を食べてる途中、ガリさんが私がもっている血継限界の事について色々話してくれた。どうやら私にも爆遁が使えるようで、お父さんからその使い方を教えてやってほしいと頼まれたらしい。マジすか。

 

「ガリさん、その爆遁ってどういう風に使うんですか?…うん」

「ん?そうだな…。説明するより見た方が早いか。今何か壊していい物はあるかい?」

「…粘土ならありますけど」

 

いつも持ち歩いている粘土を渡す。ガリさんはありがとうと言ってから粘土を受け取った。爆遁と言うだけあって、けっこう危ないらしいのでご飯を台所へ片付ける。

 

「デイダラ、よく見ておきな」

 

ガリさんが手をぐーにして粘土に触れる。その瞬間、粘土が内側から勢いよく爆発した。粘土の破片が部屋に散らばる。

 

「どうだ?爆遁は拳で触れたものを内側から爆発させる事が出来るんだ」

「…」

「あれ…デイダラ?」

「…芸術だ」

 

やっぱり芸術は爆発だ。儚く散りゆく一瞬の美!手にある口を使って芸術を造り出すのもいいが、まさか血継限界でも芸術を極めれるなんて…!

 

「ガリさん!も、もう一回やって!!うん!」

「え!?いや、これからデイダラもこれ出来るようになると思うから自分で…」

「もう一回、もう一回」

「手拍子入れながら言うの止めようか」

 

その後も、暫くこのやり取りが続いたのであった。

 




デイちゃんの芸術論がやっと書けました。そしてガリさんの喋り方とか性格が分からない。
つ、次くらいから修業開始します!…多分。

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