デイダラに成り代わったようですが生きていける気がしません。   作:龍田

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アカデミー

全てはここから始まった。

 

「天使ちゃん、アカデミーに行ってみない?」

「は?」

 

・・・

 

…この世界での学校は、基本、忍者アカデミーと呼ばれている。

アカデミーは六年まであり、四年間義務教育を受け、あとの二年は忍術などに関してを徹底的に行う。

術の授業は非常に楽しそうではあるが、今の私は一年生だ。そんな授業は滅多にない。

あるのは、前世で言う小学生問題ばかりで、つまらないの一言につきる。こんなんならお母さんと一緒に粘土遊びした方がいい。

しかも、前世のお陰で問題の解き方を教わらなくても分かっちゃってるので、授業の時寝ていてもテストではいつも満点で学年トップという、まさに「俺、頭EEEEEEE!!!」的な事になっているのだ。

 

そして今はドロマ先生による数学のお勉強。

実にめんどくさいでござる。

 

「センセー、授業がつまらなすぎるんで粘土で遊んでいいですか?…うん」

「駄目だ」

「あ、アタイもする!」

「おい黒ツチ、お前まで遊ぶな」

 

今日も黒ツチと組んで楽しく授業妨害。

このドロマ先生はとってもいい先生だ。

一見、眼鏡をかけて表情をあまり崩さずいつも真面目そうな顔をしているが、実は意外とノリがいい先生なのである。

 

この前だって、授業の間にある休み時間に黒ツチと赤ツチを連れてダンソンをしていたら、先生が普通にその行動について笑ってツッコんでくれた。いい先生や。

 

「あーもう、デイダラ!罰として黒板に書いてある問題全部解け!」

「働きたくないでござる。…うん」

「いいからやれ」

 

強制的に前に出されチョークを持たされる。

え、なに?これを全部解けと?

はんっ…かけ算とか、簡単過ぎて涙が出るぜ。

前世はけっこう有名な高校行ってたんだからね!女子高生嘗めんな。

 

全20問の答えを次々と書いていく。それと同時に、先生の顔もだんだんと驚きの顔に変わっていった。

 

「…はい、ドロマ先生。これでいいっすか?…うん」

「…ぜ、全問正解だ」

 

その瞬間、クラスにどっと歓声がわいた。

 

「スゲー!」

「さすが学年トップ」

「結婚してくれ!」

 

おい誰だ最後の。

ふぁ~…と、あくびをしながら自分の席に座る。

すると、隣の席の黒ツチが勢いよく質問してきた。

 

「な、なぁデイ姉!あの問題どうやって解いたんだ!?」

「んあ?そうだなぁ…かけ算はだいたい暗記しとけばなんとかなる、うん。例えば九の段だったら、九一が九、九二 十八、九三 二十七…」

「あ、ごめん分かんない」

 

あっさり断念された。

でも黒ツチ、これ覚えておけばいつか役に立つよ?いつか。

さて、しっかり働いたから寝てもいいよな。

粘土を片付けて、はいおやすみ。

 

「それでは、授業を再開する。…って、デイダラ!寝るな!」

「ドロマ先生ー。黒ツチも寝てるだに」

「…もういいや」

 

勝った。

 

・・・

 

「まったく…デイダラには困ったもんじゃぜ…」

 

はぁ…と、もう何度目か分からない溜め息をつく。

いったいあの時の可愛さは何処へ行ったのか、デイダラはまれに見る問題児と化していた。

しかし、問題児と言っても勉強の方ではない。デイダラは学問においては成績優秀、毎回テストで満点をとり学年トップを取っていて、その成績は天才の部類に入る。

 

問題なのは授業態度だ。

今日だって、報告書に書いてある事が本当だとすれば、授業中に何処からか粘土を取り出して遊んでいたとか。授業が終わってからその粘土を没収したようだが、その形はまさに、ドロマ先生いわく芸術だったらしい。

…もしかしたらそっち関係でも天才かもしれんな。

 

って、こんなこと考えている場合じゃない。報告書には、ワシの孫娘である黒ツチもデイダラと一緒に色々やっているそうじゃないか!

これはさすがに見過ごせん。

この後すぐに黒ツチを呼び出さねば、じゃぜ!

 

「おーい、黒ツチ!ちょっと来い!」

 




黒ツチは犠牲になったのだ。

暇だったのでまた投稿。
アカデミーの義務教育設定とかは完全に作者の妄想です。
オオノキ様視点を入れてみたんですが…変だったらすみません。

ドロマ先生もオリキャラです。

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