デイダラに成り代わったようですが生きていける気がしません。 作:龍田
この世界に転生してから早四年。
私は新しいお父さんとお母さんの目を盗んで、少しずつチャクラの練り方や、術の基礎中の基礎と言われる分身の術をマスターしながらすくすくと成長していた。
分身の他にも、ナルトが使っていた影分身の術にも挑戦はしてみたが、やっぱりチャクラが足りないのか、半透明でぐにゃぐにゃしている私が出てきたのでやめた。
これはもう少し大きくなってから使おう。
そして、デイダラの術と言えばあの喝!だが、そんな芸術とか私興味ないですしおすし。他をあたってくだされ。
…とか思っていた時期が私にもありました。
私は一瞬の美か永遠の美かと言われたら、迷わず永遠の美を選んでいたのだが、やはり元々の体の持ち主がそれを許さなかった。
ジョジョ風に言うと、その血の運命だろう。
お陰様で私は花火とかの爆発大好き少女になっちゃったぜ。テヘペロ。
手のひらの口だが、あれは二歳くらいになってから突然表れた。
突然変異というものだろう。
あれ、おかしいなー。原作では禁術使って出てきたような…。
その口を見て、お父さんとお母さんはとても驚いていたが「それでも私達の可愛い娘だ」と、頭を優しく撫でてくれた。
次の日には口を隠すための手袋を買ってきてくれたし。
実に優しい両親である。
…その両親なのだが、イワキさんは上忍らしい。
なんでも、爆遁使いだとか。なるほど、原因はあなたでしたか。
絶対許早苗。
ユリさんは優秀な医療忍者だそうだ。
よかった、この人職業的にも見た目的にもまともそうだ。
とか思っていたのが三年前。
この人も色んな意味でヤバイ人だった。
私は土影様に「デイダラ」と名前を付けてもらったのに、今でも、私の天使~…などと訳がわからない事を言ってくるのだ。
この天使呼びはホントにやめてほしいものである。
…まぁ、そんな濃い両親ですが、こんな私を愛してくれているということは変わりないので、この二人は大好きです。家族愛的な意味で。
「天使ちゃん、公園にでも行きましょうか」
「いくいく!…うん」
そう言い、渡された革手袋を着け公園へ忍者ダッシュ(未完成)で向かった。
…忘れていたが、口癖もいつの間にかついていた。
・・・
公園、それは全ての子供にとって戦場である。
砂場は砂まみれ地獄が待っている。
ブランコは順番待ち地獄が待っている。
滑り台は人詰まり地獄が待っている。
なら、一番安全な場所は何処か?
…HIROBAである。
「ボールを相手のゴールにシュゥゥーーー!!」
「だにィ!?」
「超、エキサイティン!」
「赤ツチ!大丈夫かー!?ちょっとデイ姉、やり過ぎ!」
「さーせん…うん」
現在、三人でサッカーをしている。
赤ツチと黒ツチは、友達がいなくてぼっちだった私に唯一話しかけてくれた勇気ある者達だ。
そんな二人と出会ってもう一年…。
二人は、私が年上と分かってから「デイ姉」と呼ぶようになった。
今まで通りデイダラでよかったのに…。
「うわ、ヤベ。赤ツチ足怪我しちゃった系?うん」
「デイ姉の蹴りが強すぎるんだにぃ…」
「おいデイ姉、どうすんだよ!」
あいかわらず口が悪いこって。
ということで、こういう時はお母さんを呼びましょう。
せーのっ
「お母さーん!ヘルーープ!!」
「はいはい、治してほしいのね?」
「うん。赤ツチが怪我しちゃったんだ」
ベンチに座っていたお母さん、ユリさんに精一杯のSOSを送る。
さすがは医療忍者。赤ツチの怪我がみるみる内に治っていく。これで元気いっぱい赤ツチマンだ。
「ありがとうございますだに!」
「ありがとな!デイ姉のお母さん」
「いーえ、怪我には気を付けて遊ぶのよ?」
「「「はーい!」」」
そうして、またベンチに戻っていくお母さん。マジ感謝。
「よっしゃ!赤ツチの怪我も治ったし、サッカーの続きしようぜ」
「エターナルブリザード打ってやるから覚悟しとけよ。うん」
「勘弁してほしいだに…」
これが、私の日常です。
デイちゃんの軽い説明と日常を書いてみました。
エターナルブリザードは某サッカーアニメの必殺技です。
ゴッドハンド!