デイダラに成り代わったようですが生きていける気がしません。 作:龍田
転生、憑依、成り代わり。
そんなものは夢物語に過ぎない。
だってそうだろう。この世界は現在、科学技術が発達している。転生、憑依、成り代わり、そんな非科学的な事を信じるものなどほとんどいなかった。勿論、私も信じてなどいなかった。
…ついさっきまでは。
私は何時ものように朝起きて、何時ものように学校に行って部活に行って、何時ものように家に帰って、何時ものように就寝したのだ。
なのに、何故…
「産まれましたよ!元気な女の子です!」
「あぁ…私の可愛い天使…」
赤子になっているんだ?
訳がわからないよ。あの白い塊もこの状況を見たら可愛い顔してそう呟くだろう。今の私のように。目の前には金髪青目の綺麗な女性。横を見れば、少し性格が頑固そうな糸目(?)の男性。その後ろに看護婦らしき人が数人いる。ここは病院だろうか?本当に訳がわからない。
「おぉ…!産まれたか!」
「土影様!」
しばらく頭の整理をしていると、扉の向こうから白髪の小さい“浮いている”お爺さんが入ってきた。魔法使いか何かでしょうか。そのお爺さんは、何やら男性とお話をしているが、浮いているという事に驚きすぎて話がまったく入ってこなかった。
だってこんなことあり得ない。非科学的すぎる。はっ!まさかワイヤーで吊っているとか…などと色々思ったが、そんなもの一つも無かった。解せぬ。
話が終わったのか、そのお爺さんは私に近づいてきて、何故か持ち上げられた。顔はどことなくNARUTOに出てくる土影のオオノキ様に似ている。……ん?浮いている、土影様、オオノキ様に似ている…。あれ?この人もしかして本物の土影様?
おいおい待ってくれ。もし仮にここがNARUTOの世界だとしよう。生きていける気がしないです。はい。チャクラとかどうするの、術とかどうするの、卑劣様とかどうするの。
「…して、イワキよ…。本当にワシがこの子に名前を付けていいのか?」
「はい。この子私達よりも土影様に名前を付けてもらった方が喜ぶでしょう。な、ユリ」
「えぇ」
先程まで私のことを「天使」と呼んでいた人はユリというらしい。男性はイワキ。…こういう事はあまり信じたく無かったが…転生なのか?もしそうだとしたら、このユリさんが私のお母さんで、イワキさんがお父さん…なのだろうか。地味に美男美女なのがちょっとムカつく。
「そうじゃな…。そうだ、お前の名前は『デイダラ』じゃぜ!」
ニカッといい笑顔でそう言われる。なん…だと…?私はあの爆発君になったとでも言うのか神よ。ペインさんでも誰でもいいから答えておくれ。
分かってはいたが、答えが帰ってくる事は無かった。
どうでしたでしょうか。
作者は初心者なので文字数もろくに稼げない(´;ω;`)ブワッ
イワキさんとユリさんはオリキャラです。