魔石買取専門店の鑑定店主に、[なにやら探られてるっぽい感じがする…事件。]が発覚した、翌日…。今日も早朝からの行動に出ている、フレン。
いつも通りに、早朝から営業してくれている、ありがた~い弁当屋さんで、お弁当と飲み物を二食分それぞれ購入。
目的地である職場(地下洞窟)の入り口で、同僚(常駐スタッフ)に軽く挨拶。そして、職場内(地下洞窟内部)へと歩き出す。
今日の予定も、先日同様に配属部署(隠し部屋)に行く。大変(魔石獸討伐)ではあるが、やりがい(経験値と魔石の獲得)のある仕事だ…。
朝イチ出勤から、昼時も近づく時間帯で、ようやく隠し部屋に到着し、回復アイテムなどの事前準備を整え、転移魔法陣の上に乗り、せまい隠し部屋から、ボーナス・ステージの会場となる20メートル四方の広間に移動する。
「んじゃ、今日も頑張りましょう!」
四方の壁際の地面から魔石獸が湧いて出る。ボーナス・ステージの開始だ…。
(中略)
事務的な感じで、先日同様に魔石獸を蜂の巣にした、フレン。合計50体の魔石獸を倒し、1つレベルが上がって、14から15になり、5つの魔石を獲得した。
広間の転移魔法陣に乗り、隠し部屋に移動したフレンは、ここで、ふと疑問を口にする。
「……この段階で再挑戦とか出来ねぇかなぁ?」
すでに、ボーナス・ステージはクリアして、目的は達成しているのだが…。
レベルアップの恩恵により、戦闘面において魔法技能が向上してることもあって、戦闘時間の短縮化に成功。戦闘行為、そのものが効率化している。
魔石獸視点で、フレンの戦闘を観察するなら、以下のような感じになると考えられる。
※ 前方正面から、吹き荒(すさ)ぶ突風…。行動が制限され前進不可能。次の瞬間には、見えない弾丸で蜂の巣状態。文字通り、手も脚も出ませんでした…。 by 魔石獸
…っという訳で、言ってしまえば、早く終わりすぎなのだ…。おそらく、まだ昼前の時間帯…。このまま帰っては、勿体無いし、なんだか怪しまれそうだ…。
別の通路で魔石獸を探すことも可能だが、目の前に最高の狩り場があるのだ…。再挑戦が出来るなら、わざわざ出歩く必要はない。
そんな思考をしていたフレンは、早々に決断する。
「物は試しだ…。よろしくお願いします!」
そう言って、再び、隠し部屋の転移魔法陣に乗る。にぶく輝く魔法陣が徐々に光を膨らませる。
…そして、先程、魔石獸と戦闘をしていた広間に転移した。
じっと待つ、フレン。心の中で念じる。…っ来い!っと。
……そして。
「来たぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~」
再挑戦は可能だった。これは、“最高の大発見”だとフレンは思った。
この場所へ訪れたら、経験値も魔石も取り放題の入れ食い状態だ。フレンは〔狂喜乱舞〕する。ここは、夢の〔ボーナス・ステージ〕なのだ!。…っと。
四方の壁際の地面から、続々と湧き出て、這い出る魔石獸。それを見て、笑いが止まらないフレン。
「あははははは、いいね~、いいね~。流石だよ!、〔ボーナス・ステージ〕。さぁて、蜂の巣タイムを始め…ま……えっ?………」
フレンの思考が停止する。
今まさに、狂喜乱舞、夢の蜂の巣タイムが始まる。そんな状況だったハズなのだが、予想外な出来事に直面した。
「う、うそやん…。なぁ、なんで、そんなイジワルするん?」
四方から魔石獸が向かって来る…。ここまでは、いい…。問題は、そいつらに、ちゃっかり混ざってる見馴れないヤツラ。
「でけーよ…。つーか、なんなんよ!!。ボケェ~」
通常の魔石獸に混じって向かって来るのは、新種と思われる魔石獸。その体長は通常の魔石獸の倍以上。目算でも5メートルはあるだろう。
とはいっても、ヤらなきゃヤられるのは 、世の常。文句を言いながらも、状況を冷静に把握していく、フレン。…行動を開始する。
(とりあえず、正面以外を足止めだ…。多分、新種には効かないだろうけど…)
フレンは、正面以外の左右と背後の方向に、通常の魔石獸が前進できない、永続的な突風を展開し、ぶつける…。
フレンの予想は当たる。やはり、新種の魔石獸には足止めの効果はみられない…。通常の魔石獸を押しのけて、ヤツラは前進をしてくる。
フレンは現状を把握すると、すぐさま作戦変更。正面の魔石獸にも足止めの突風をぶつける。
この時点で、動いてるヤツラを観測し、瞬時に対策を練る。
(各方向に1体ずつ、計4体の新種……。新種に足止めは効かないが、脚が遅いのは変わらない…。それならば!……)
フレンは正面に向かって走り出す。前方には新種の魔石獸が1体。その後方には足止めしているとはいえ、10体以上の通常の魔石獸がいるのだが。かまわず、走る。
向かって来るフレンに対して新種の魔石獸が行動に出る。腕を大きく振り上げ、凪ぎ払う構えをとる。その腕の先端には鋭利な爪が見えている。力を込めて振るえば、人間の肉体など簡単に引き裂くことが出来るだろう。
フレンは、走りながら腰の鞘から小剣を抜き、目の前に迫った、巨体で新種の魔石獸と対峙する。
先に動いたのは新種の魔石獸。その巨体から力強く振り払われる豪腕…。鋭利な爪がフレンに迫る。
フレンは、自身の頭部を目掛けて襲いくる凶爪に、タイミングを合わせ、腰を落として、ギリギリにかわす。
頭上を通過する凶爪は冷や汗ものだが、フレンの脳裏では道が出来た…。っと感じとれた。
新種の魔石獸が、次の攻撃に移る前に反撃に出る…。
しゃがみこんでいたフレンは、足腰をバネのように利用し、一気に巨体の懐(ふところ)まで跳ねて、踏み込む。
右手に持った小剣は、すでに準備完了…。
瞬間的に目一杯まで魔力を込めた、自身最高の一撃を、その巨体のドテっ腹に、下から上へ、ななめに突き出す…。
触媒の小剣に魔力を込めた一撃。その突き出された攻撃は、新種の魔石獸に突き刺さる。
その瞬間、突き刺さった小剣から魔力があふれ魔法が発動した。その魔法で、新種の魔石獸の巨体ごと、後方へと、一気に吹っ飛ばした…。
勢いよく吹っ飛ぶ新種の魔石獸の先には、絶賛足止め中の、通常の魔石獸…。
ニヤリと笑うフレン…。このあとに起きるのは、盛大なクラッシュだ…。
勢いそのままに、魔石獸が魔石獸に突っ込み、派手に魔石獸が散らばる。
(まるで、ボーリングのようだな…)
ストラ~イク!、っと叫びたくなるのを我慢し、作戦成功を喜んだが、まだ気を抜けない状況が続けている。
1方向の1集団を、まとめて壁際まで追い込み、フレンも大きく移動したため、フレンに迫っていた、他の3方向の魔石獸と距離をとることに成功した。
フレンは攻勢に出る…。起き上がってくるまで待つ気など毛頭ない。両手の手のひらをクラッシュした魔石獸の集団に向けると、改良型の突風の弾丸を撃ち出す。
体勢を崩し、起き上がれていない魔石獸の集団を、蜂の巣にしていく。
倒れても、起き上がろうとする通常の魔石獸達だが、足止めの突風がそれを阻む。起き上がろうとしても、正面からの突風に押されて、尻餅を突いているのだ。
好機とみたフレン。新種の魔石獸を標的に変えて、突風の弾丸を撃ちまくる。
最初の一撃が効果的だったようだ…。ドテっ腹に風穴をあけて 、吹っ飛ばされた挙げ句、追い討ちの蜂の巣状態…。
10発ほどの改良型・突風の弾丸を喰らって、遂に新種の魔石獸を霧散、消滅させた。
「よし、やっと1体…」
新種の魔石獸を1体撃破したが、まだ、それだけだ…。
フレンは左右と背後を確認する…。まだ、ヤツラとの距離はあると判断して、正面でくすぶっている、通常の魔石獸を殲滅させることに決めた。
正面の魔石獸どもの足止めを解除しないまま、蜂の巣を作りあげる。
改良型にしたことで、貫通力をプラスし、レベルアップの恩恵で、威力と連射数が増しているのだ。今のフレンには、もはや、手こずる相手ではないようだ。
頭部を中心に、狙って撃ちまくる。1体、また1体と消滅させていく。10体以上はいたはずだが、残り4体になったところで、蜂の巣状態を一時中断する。
フレンから見て、右側から向かって来ていた、新種の魔石獸が、すぐそこまで迫っていたのだ。
フレンは標的を迫り来る、新種の魔石獸に定め、小剣を握りしめる。
「この突風の中でも動く、迷惑な、お前を吹っ飛ばす!」
私情が絡んだ、前口上を述べて、一気に接近する。左手で突風の弾丸を、頭部に当てて牽制すると、右手に持つ魔力を込めた小剣を、巨体のドテっ腹目掛けて、全力で突き出す。
突き刺した瞬間に魔法が発動し、一気に後方へ吹っ飛ばしたが、その先には何もいなかったので、クラッシュはしてない。距離を離しただけである。
だが、フレンはそれで十分だった。ヒット&アウェイ…。一撃離脱に近いような、この状況を作れるなら勝機があるからだ。
吹っ飛ばしたヤツに追い討ちは掛けない。次に向かって来ているヤツがいるからだ。
「次は、お前だな…?」
新たな標的を見据えて、意気込む…。やることは変わらない。風魔法で牽制しつつ、接近して最大威力の一撃を喰らわし、一気に吹っ飛ばす…。
迫る新種の魔石獸…。3体目と対峙。慣れ始めたのか…。スムーズに戦闘をこなす。頭部に牽制をし、一気に踏み込み、風穴をあけて後方に吹っ飛ばす。流れは完全にフレンにきていた。
最後に4体目の新種の魔石獸を見据えて、標的とする。ヤツの後方には通常の魔石獸が、集団でたむろっている。
「クククッ…」
ワルい顔になったフレン…。思い付いた作戦を実行に移す。
距離が少しあったため、走って近づく、タイミングを計って牽制し、踏み込み、突き刺し、吹っ飛ばす。
フレンによって、後方へ吹っ飛ばされた4体目の新種の魔石獸は、通常の魔石獸を巻き込んで、盛大にクラッシュ。
「ははははは、最初のヤツと一緒だな!。ストライクだ、これで終わりじゃねぇぞ!」
フレンは、この集団を殲滅させることを決める。他の3方向とは十分に距離をとれていたからだ。
まずは、新種の魔石獸をターゲットにして、頭部を中心に弾丸を撃ちまくる。容赦なく撃ちまくる。貫通した流れ弾が当たっていたのか、通常の魔石獸が霧散、消滅した。気を良くしたフレンは一気に畳み掛ける。この状況は、フレンの独壇場だ…。
そして、3方向から距離を詰められることなく、新種の魔石獸を含む、1つの集団を殲滅した。
「ふぅ、あと半分ちょっとか…、回復アイテムを取りに行かなきゃな…」
ホッと一息のフレン。懸念事項は魔力切れのガス欠だが、回復アイテムで解決できる。……のだが、その回復アイテムはリュックの中、そして、そのリュックは、この広間の中央にある転移魔法陣のすぐ脇にポツンと置いてある。
さすがにリュックを背負ったまま、この戦闘は無理だと思い、置いてきたのだが、回復アイテムぐらいは持って来るのだったと、激しく後悔している、フレン。
フレンは広間の中央に向かって走り出す、ルート上に新種の魔石獸が2体居るが、牽制の弾丸を浴びさせ、怯ませたら、距離をあけて素通りする。
無理して戦う必要はない。単純に移動速度はフレンの方が圧倒的に速いのだ。
難なく、広間の中央にたどり着くと、リュックの中から竹筒(たけづつ)のような、水筒(すいとう)を取り出し、魔力回復に優れた薬草を粉末状にして小さな収納袋におさめた回復アイテムも取り出す。
薬草の粉末を水筒の中に入れて、中身の水によく溶かす。僅かに変色したのを確認すると、一気に飲み干す。
すると、身体が軽くなるのを感じとる。魔力が回復したことを頭と身体が理解する。
もう1本ある水筒と、もう1つある魔力回復アイテムを再び混ぜ合わせると、それを懐(ふところ)に仕舞う。
「では、第2ラウンドといきましょうか…」
すでに半分近くの魔石獸を消滅させた。危険に感じるのは、2体の新種の魔石獸だけだ。
フレンは落ち着いて、足止めの突風を再度調整し、現状を確認する。
フレンから見て、左右の壁際に通常の魔石獸の集団。絶賛足止め中…。正面、やや中央よりに、2体の新種の魔石獸。フレンに向かって進行中…。そのずっと後方に4体の通常の魔石獸。こちらも、足止め中…。
「やはり、ここはまとめて潰そう!」
そう言って正面に走り出すフレン。接近し、相手の攻撃範囲に入る直前で方向転換、回り込むように移動して、2体の新種の魔石獸が前後にかさなるように立ち回る。
さらに微調整…。突風の弾丸を単発で撃ち、注意をそらし、食い付かせ、近付いては離れるを繰り返す。
戦闘中にも関わらず、フレンのニヤニヤが止まらない…。狙ってやってるとはいえ、単純すぎる魔石獸に笑いが込み上げてくる。
今の状況はフレンの正面に、2体の新種の魔石獸が前後に、ぴったりと、かさなるようにフレンと戦闘中…。その2体の後方に、足止め中の通常の魔石獸集団…。
ニヤニヤが止まらないフレン…。
狙いとタイミングが一致した次の瞬間、ヒット&アウェイを繰り返していたフレンが、牽制の弾丸で注意をそらすと、正面にいる新種の魔石獸1体に、一気に懐(ふところ)まで踏み込み、魔力を込めた小剣を突き刺した。
突き刺した小剣から魔力があふれ、魔法が発動する。その魔法効果により、弾かれるように後方へ吹っ飛ぶ、すぐ後ろに、ぴったりくっついていた、もう1体の新種の魔石獸もろとも…。2体まとめて、吹っ飛ぶ…。
ヤツラの悲劇は終わらない。フレンは終わらせない…。一気に後方へ吹っ飛ぶ、2体の新種の魔石獸。その先には、フレンの突風魔法で足止め中の、通常の魔石獸集団…。
そして、激しすぎる極大のクラッシュ!!!。
「ククククク、あーはっはっはっは!!…。ボーリングの次はビリヤードかっつーの!あははははー。ヒィ、ヒィ、おっと、笑いすぎだな…、真面目にいこう、ククッ…」
笑いをこらえて追い討ちを掛けるフレン。倒れ込んだ魔石獸の集団に突風の弾丸を撃ちまくる…。
「魔力も少し回復してるからな、どんどんいくぜ!!」
遠慮なしで撃ち込まれる弾丸に、次々とヒットし、蜂の巣状態を作りあげる。
フレンに最大威力の攻撃魔法を喰らった、新種の魔石獸2体も、もはや虫の息だった。
手も脚も出ずに、霧散し、消滅していく魔石獸…。そして…。殲滅を確認した…。
「ふぅ~~、念のために魔力回復しておこう…」
持ち込んだ回復アイテムを使用して、体勢を整える。残りは、いつもの魔石獸たち…。負ける要素は何ひとつない。
まずは、無傷でたむろっている集団の足止めを解除し、蜂の巣にしていく。そして、しぶとく、たむろっていた4体にトドメを喰らわす…。
「よっしゃ~、終わった~!!」
完全勝利したフレン。最初こそビビったが、そんなに時間も掛からず圧倒した。
「新種のデカさは意外だったが、それ以外は、いつものヤツラとほとんど変わらんな…」
それだけ言うと、戦利品の回収に歩き出す。今回の戦闘…、フレンの中では、それほど危険を感じない。その程度の印象だった…。
「え~と、魔石獸は何体を倒したのか数えてなかったから、わからん。そして、魔石は5つ獲得して、レベルは17にアップだな…」
再挑戦の結果も、まずまずの内容だ。フレンは納得で受け入れる。
「よし、忘れ物は……ないな、帰ろう!」
フレンは転移魔法陣で隠し部屋へ移動すると、さっさと通過 に戻り、地下洞窟を進む。食べ損ねていた昼食を食べながら……。
地上に出るため、地下洞窟を歩くフレンは、先程のボーナス・ステージについて地上に戻ってから、ゆっくり考えようと、そう思った…。
いつも通りに、夕方の時間帯に地上へ戻って来た、フレン。そのまま、キナ臭い、魔石買取専門店に直行する…。
本心としては、行きたくない。だが、ここで行かなければ、逆に怪しまれる…。っと思っている。面倒だと感じながらも、都合のいい、適当な会話で腹の探り合いを乗り切るつもりなのだ…。
そして専門店に到着…。思考を冷静にして、店に入る。
「いらっしゃいませ…」
「どーもです、今日は“2つ”です。買い取りお願いします」
「はい、では鑑定します、少々、お待ち下さい…」
フレンの目の前で鑑定を始める、鑑定店主…。いつも通りである。
「お待たせしました、2つとも下位でしたので、1万4000ガルになります。こちらです、お確かめ下さい…」
そう言って、カウンター上で、お金をフレンの前に置く、鑑定店主。
「はい、1万4000。確かに「今日は、あまり良くなかったみたいですね…」
報酬を受け取ったら、すぐに出ていくプランを実行しようとしたが、強引に会話の流れに持っていった鑑定店主…。
「(……)はい、今日は獲物が少なかったですね。まぁ、昨日までが順調過ぎた!、っということでしょう、仕方ないですね!!」
「おや、そうでしたか…。しかし、魔石2つと言っても、魔石獸を倒すのは、大変でしょう、1人では…」
「(……)ヤツラは脚が遅いですからね!、上手く戦えば、結構イケますよ!!。地上の魔物に比べれば弱いですから!!!」
「なるほど、それはそうですね…」
「(……)では、これで。お疲れ様です」
「はい、また、お越しください…」
会話を終了させ店を出て、歩き出すフレン。その顔は若干、渋っている。
(う~ぁ、面倒くせ~。ありゃ、まだなんか疑ってるなぁ…)
フレンは話した会話内容を思い出す…。
(やはり、毎日のように3つ以上の魔石を持ち帰ってんのが、怪しまれてんな…、しかし、さっきの会話で、それが偶然であることを匂わせておいた…。あとは、単独行動について…、これは仕方ない、時間が解決してくれるだろう…)
ここで思考を中断する。今後については宿に戻ってから考えることにして、今日、使った回復アイテムを補充するため、道具屋へ向かう。
道具屋に立ち寄り、魔力回復アイテムを4つほど購入した。
(この4つで1万2000ガル、今日の報酬と、ほとんど変わらんな…)
訳あって、換金できないフレン。宝の持ちぐられには、ならないようにと思い、そのうち、良いことあるさ!っと切り替えた。
買い物を済ませたフレンは、夕食をとるため食堂に向かう。昨日、一昨日、と連日で夕食をご馳走になっていたので、食堂が恋しくなっていたようだ。この世界に来てから、結構、通ってる食堂だ。何気に愛着がある。
たっぷりと食堂の味を堪能し、宿に戻ったフレン。風呂で癒され、部屋に戻ったら、本日の反省会である。
(さて、それじゃ、いってみよう~)
反省会スタート…。
(まずは、地下洞窟でのことだな…)
隠し部屋は、素晴らしいの一言だな!。経験値と魔石の一挙両得は、ホントに素晴らしい。再挑戦が可能であることも、新たに確認できた。内容が少し変更されていたが…。再挑戦した場合、ここ数日で体験した、ボーナス・ステージとは違いがあった。新種の魔石獸の登場だ。いままでの魔石獸よりデカくなり足止めが効かない相手だった。だが、それだけだ。確かに、単純な力や耐久力なんかは、通常の魔石獸より高いんだろうが、脚が遅いなら、驚異にはならない。そういうことで明日以降も継続で…。
(次は、キナ臭い鑑定店主さんかな…)
なにやら、探られているのは間違いない。原因は、おそらく、連日で魔石を持ち帰ったこと。5つ以内なら問題ないと思っていたが、そうでもないみたいだ。パーティー組んでる訳でもないし、妙に感じたんだろう。だが、今日の会話で偶然と立ち回りを匂わせておいた。明日からの買い取りは“2つ”だけにしよう。それで、しばらく様子見だな…。
(あとは…、ディアナか…)
こっちはサッパリわからん…。またイベントに巻き込まれるのか…。今度どんな展開になるんだか。今日は接触しなかったし。今はそれでいい。ただでさえ、毎日、毎日、問題が発生してんだ。これ以上は精神的にもたない…。
反省会終了…。
「こんなもんか…」
「目立たず地味に暮らしていくのが、こんなに難しいとは思わなかったよ…」
「明日もガンバろ…」
(おやすみ~)