今回は3人称も出します。
3人称の場合はsideより視点の方が良いかな・・・と思ったのでそれに合わせて準sideも準視点に変えました。
※今回は全て敵の本拠地内の出来事です。
~3人称視点~
準は3発の銃撃を受けて吹き飛び、後ろの葵に抱きかかえて貰うような形で衝突した。
意識が飛びそうになる中、準は拳銃を撃ち子供の銃を弾き飛ばす。
準は遠のく意識の中、葵の叫び声を聞いた。
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~準視点~
僕は激痛と共に意識を取り戻した。
どうやら意識を失ったのは一瞬だった様だ。
葵さんはどうやら最悪の事態を思い浮かべていたようだが、最近新調した
プレートキャリア(防弾チョッキ)の最新版(魔改造済み)のお蔭で何とか助かった。
撃たれる直前に全力で後ろに跳んだ為発砲によって勢い良く吹き飛んだようになってしまったが、そのお蔭で3発の着弾点が大幅にずれ、それぞれが近くに着弾してその影響で防弾チョッキが脆くなって貫通、と言う事態にはならずに済んだ。
尤も、防弾チョッキの下半分は吹き飛んで無くなっているが。
防弾チョッキのお蔭で弾こそは貫通しなかったが、3発の銃弾の衝撃によって体中が痛い。ただそんな弱音を吐いても何も解決しないので、このまま作戦は継続、作戦通り邦人を救出する事になった。
「あっ・・・・・・」
しかし、立ち上がった瞬間にガタッと言う音と共に防弾チョッキが下にズレてしまった。
どうやら3発のうちの1発は留め具の所に当たってしまったようだ。
折角自分用に作ってくれた物なのに少し寂しい気もするが、仕方ない。
僕の命を守ってくれたのだから、感謝である。
と言う事で、
これから防弾チョッキ無しで行く事になった。
さて、今まで自分の事しか語ってこなかった僕だが、僕を撃った子供は果たしてどうなったのか。
「離せ!離せよッ!!!」
御覧の有様である。
子供の上、僕の銃弾によって武装は解除されている為、一応生きている。
「おい、お前!!お前、反則だろッ!!何で・・・・
何で3発も当てて死なないんだよ!!!」
いや・・・それはこの防弾チョッキを作った製作者さんに言って下さい(汗)
「もう大丈夫?」
「はい。ぶつかってしまって済みませんでした。」
優しい葵さんが僕の事を気遣ってくれた。
「おい皆!このガキが車両のある場所を吐いた!皆でそこを奇襲、その後はその車両で邦人が居ると思われる場所まで突っ込む事にしよう!」
因みにこの子供本部から車両のある場所まで連絡を伝える任務を課せられていたらしい。
「此処から4キロの場所らしい。さぁ、マラソンの再開だ!」
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「良し、此処だ。」
今、僕たちは車両のある場所のすぐ近くにある茂みの中に居る。
それにしても、1、2、3、4、5、6・・・・・ざっと10人位は居る。
此処に奇襲して、その事で敵の本部にバレないだろうか・・・?
「あの、これでバレたらどうするんですか?」
「大丈夫だ。これでバレたら、車両で近くまで行く→隠密が、車両で邦人の場所まで突っ込む→強襲になるだけだ。」
それって作戦と言えるのだろうか・・・?
まぁ、良いや。
ついでだが、あの子供は近くの木に縛り付けている。
「合図で攻撃開始だ。丁度先程から正規軍たちの攻撃が始まったからそこまで目立たない筈だ。敵も混乱し始めるだろうから、其処を一気に突く。良し行くぞ!!」
「了解!」
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~3人称視点~
先輩隊員の合図により、準達は一斉に茂みから飛び出す。
そしてすぐさま二手に分かれ、走り出す。
米特殊部隊員は途中から別行動で、此方が車両を奪取してから拾いに行く事になっている。
準達11人は4人、7人に分かれて4人が陽動、7人で車両奪取をすることになった。
準は7人の先頭を走っている。
(今度こそ曲がり角に注意しなきゃ・・)
準は走りながら、陽動の4人の方に向かっている敵を1発で撃ち抜く。
そして、車両がある1つ前の建物。
物凄いデジャブ感を覚えた準は、
(曲がり角ってぶつかる相手の性別次第で建つフラグが変わるんだよなぁ・・・)
今回は残念なことに(?)死亡フラグの方なので、
曲がり角から飛び出してきた敵兵士を見るや否やスライディングする。
そして、その勢いで発砲をした。
そのお蔭で敵弾は頭上を通り過ぎ、此方の弾は敵に命中した。
「今のうちに行って下さい!」
準は車を運転できないので、車の奪取は大人に頼む。
「良し準君、乗って!!」
準は葵の居る車に飛び乗る。
「クソッ敵の反撃が激しい!!」
一方で4人の方は苦戦しているようだった。
「車を手に入れたらしい!急いでそこに向かうぞ!!」
大柄な隊員が他の隊員に呼びかける。
「・・・・・」
しかし1人の隊員が何を思ったか、反対方向に向かってしまった。
「お、おい!」
その隊員の前方には、
木に縛り付けられたままの子供だった。
「おい、何してる!!」
「このままじゃこの子は流れ弾で死にます!一緒に連れて行きましょう!」
「そんなこt「あの時みたいに見殺しにするんですか!!あの時みたいに生きているとは限らないんですよ!」・・・」
2人共基地襲撃の時に準達と一緒に任務をしていた。
あの時、2人は死んで居たかも知れないという時で唯一準が他の皆に反論した事が2人の心に少しの変化を与えていた。
「あぁぁぁあああ!もう、どうなっても知らないからな!」
あの時と同じ台詞を言い、木に縛り付けた男の子を助けに向かった。
結局、4人+1人も何とか無事に飛び乗れたようだ。
車両は軍用ハンヴィー2両に大型軍用トラック1両だった。
「よし、飛ばすぞ!!」
米特殊部隊員も含め全員乗ったので、迅速にその場を離れ、一直線に邦人の居ると思われる場所まで勢いよく走っていく。
軍用トラックの中には先程の子供が縛られた状態で居る。邦人救出後はこのトラックに邦人達を乗せ脱出する計画だ。
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物凄いスピードで一直線に進む3台の車両。
その運転席に小さな村の様な物が見えて来た。
「着いたぞ。恐らくあそこに邦人達が居る。車は此処に待機させておくから、救出後はすぐに此処まで撤退するぞ!」
運転している隊員がそう言うと、一気にブレーキを掛ける。
当然中に居た隊員、特に軽く小さく、全く警戒のしていなかった準は前方に吹き飛ばされる・・・ことは無く葵にギリギリ掴んで貰い、何とか飛ばずに済んだ。
「済みません、毎回毎回。」
「良いよ。私たちはどれだけ荒い運転するか前もって体験してるから、未だに体験して無い準君は吹き飛ぶかな~って思って前もって掴む準備してたから。」
「そ、そうですか・・・。」
早くしないと置いてくぞと言う先輩の軽い脅しに慌てて降りる準。
「此処からはなるべく敵に見つからない様にしろ。」
その言葉に全員がサプレッサーを装着する。
「では行くぞ。」
小さな村の様な場所の入り口には、数名の敵兵が見張りを行っていた。
「あぁ~暇だね~。俺たちは戦闘に行かなくても良いのかい?
今正規軍たちに襲撃されてるんだろ?」
「あぁ、だがここには大事な〝お客様〟が居るんだ。
ここを離れる訳にも行かないsッ・・・・・・」
突然言葉を切った仲間に見張りは仲間を見る。
その仲間の額には、
小さな穴が開いていた。
「っ!??ぅ・・・・・・」
仲間がゆっくりと倒れていくのを見ながら、自分も視界が黒く染まっていくのを感じた。
「ナイスショット、準君♪」
「そんな事言っている場合ですか」
狙撃を葵に褒められるが、準は一切無視する。
「見張りは排除しました。行きますよ」
準達は村の中に入る。
「この辺一帯の建物を1つずつクリアして行くぞ」
建物は沢山ある為、3人チームを7つ作る事にした。
「良し、では行こう」
村の中には敵兵が居る為、敵の発砲音も気を付けないといけない。
準と葵とダニエルの3人は、最初の建物に辿り着いた。
「3,2,1,GO!」
準を先頭にして建物に突入する。
其処には敵が2名居たが難なくクリア。
そして2つ目の建物。
まさに突入しようとしたその時、
中から敵が出て来た。
何とか排除できたものの、
ダダダダダダダダダッ!!!!
敵の持って居た銃の銃声により、周りに気付かれてしまった。
「クソッ!仕様がない、強襲に変更だ!」
ダニエルはそう言うとサプレッサーを外し、勢いよく次の建物に突入する。
そうして他にも2~3軒の家を見た後、
少しボロボロに壊れた家に突入する事になった。
「3・
2・
1・
・・・GO!!!」
「準が扉を蹴破る。其処には2名の敵兵と—————―———
————————3人の一般人らしき人達が居た。
ダンッ!ダダンッ!!
直ぐに頭に撃ちこみ、敵を無力化する。
部屋の隅に居た3人は、出撃前に写真で見た顔と同じだった。
そして————————————
「自衛隊です。
———————皆さんの救出に来ました。」
やっと救出まで来ました。最後の台詞と発砲は準です。
今回サプレッサーの時は一切発砲音は書いていません。
発砲音は勘違いされないよう、サプレッサー無しの時だけしか発砲音を書いていません。(サプレッサー無しの時でも発砲音は殆ど書いていませんが。)
以前みたいにサプレッサー有りの隊員と無しの隊員がゴチャゴチャになって居ないので(サプレッサー無しの隊員の発砲音に対して)サプレッサーを
付けているのに音が出ている、なんて感想は来ない筈・・・・