テストが終わった次の時間、急遽転入生が来る、という話になった。
当然ながらざわつくクラスの児童達。
まだそんな年頃では無いと思いきや、早くも女子は男子を、男子は女子を期待する...
まぁ、そんな人達はまだ少数で、残りはただの好奇心と思いたいが...。
「それでは、転入生を紹介します。」
その言葉と共に準は教室へと入る。
「今日からこの学校に転入する、十六夜準です。皆さんどうか宜しくお願いします。」
銀髪の転校生に、クラス(主に女子が)がより一層ざわめく。
「では、準君は一番奥の空いてる席になります。皆さんこれから仲良くしてあげてね」
準は静かに、しかし靴(霊夢の物)に気付かれない様に机へと向かう。
(例のあの女子の左後ろか....果たしてあの子は一体誰なんだ?)
突然の転校初日は、もう既に数年前に通過した部分の授業を聞かずにクラスメイトの名前を覚える事に時間を費やした。
(...それにしても、休み時間となると流石に扉の外が騒がしくなるか...)
何せ転入生、しかも銀髪の上に突然来たとなると、流石に情報が拡散すると同時に廊下が野次馬で騒がしくなるのは予想できた。
...それにしても、些か準の予想以上ではあったが。
「えっと、十六夜準君だよね?宜しく。」
隣の席の女子が話しかけてくる。
ボブカットで若干茶色掛かった黒髪のその子は明るく微笑む。
「あ、あぁ。確か
突然声を掛けられて少し動揺したが、なんとか授業中真剣に受けているフリをしながら覚えた名前を引っ張り出してくる。
その後も話を続けようとするが、遠目に霊夢が此方へと向かって来るのを確認した準は話を切り上げる。
「ゴメンね、ちょっと用事あるからまた後で」
「は~い」
席を立った準は、霊夢が身体を反転させて教室から出て行くのをさりげなく追う。
「...教室内でこっちまで直接は来なかったって事は聞かれちゃダメな話かい?」
霊夢の横を歩きながら小さな声で話す。
教室を出た時は野次馬から好奇の目線の集中砲火を浴びたが、ある程度歩き続けるとその視線もやがて減った。
「一応今後の貴方との関係について。」
「そりゃ確かに教室じゃ無理だな」
霊夢は前を向いたまま淡々と告げる。
「私と貴方は今まで数回あった事のある顔見知りって事で。ただ流石に家が一緒なのがバレたくないから貴方は早朝早くに家を出て、遅くに帰って来て。友達と一緒に帰って良いけど適当な所で別れて」
「へいへい。だけどそこまでする必要あるか?」
準は単純な疑問を霊夢にぶつける。
「この年頃のガキ共は色々と煩いからね...」
「それなら同じ年齢の貴女はどうなんですかねぇ...」
「アンタが言うな」
「...同感」
...以上、自称小学生二人の会話でした。
連続更新二作目突破ァッ!!
良いお年を、そして今年も私ゆっくり分隊長と我々83projectを宜しくお願い致します!