名探偵コナン~選ばれた二人の物語~   作:雪夏

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ホワイトデーネタ。あっさり風味。EF15~17の続き。

一言:続々。

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先にそちらをご覧ください


EXTRA FILE18 White Day 中学生1年編

 

 

 

 

 

3月14日 ホワイトデー。

 

 その日、朝早くから帝丹中学校には多くの生徒が登校していた。彼らは、コナンと哀の二人がホワイトデーをどう過ごすのかということに注目しており、コナンたちが登校してくるのを今か今かと待っていた。

 

 何故、コナンと哀の二人が注目を集めているのかというと、遡ること約一ヶ月……バレンタインデーの翌日、コナンと哀(と歩美の策略)が帝丹中学校の生徒たちに、彼らを石像に変えるほどの衝撃を与えたからである。

 その日、コナンと哀は二人きりで仲よく登校してきたのである。今まで、日直などの男女ペアでやる仕事以外で、異性と二人きりになることはなかった二人がである。

 

 当然、その話は瞬く間に学校中に広まったのであった。

 

 しかも、異性相手には滅多に表情を変えない哀がコナンには微笑んでいたとか、それを目撃した男子生徒がその微笑みに見惚れ固まり学校に遅刻した、その微笑みを向けられるコナンを呪う為に神社へと向かっただとか、眉唾ものの話や、コナンが哀の前では子供のようであったとか、(歩美の用意した)真実を知った生徒が石と化したなどのおまけつきである。

 

 その話を聞いた、もしくは直接目撃した生徒たちの反応は様々であった。

 

 女生徒たちの反応は様々であった。早々にコナンと恋仲になることを諦め、ただの一ファンとなる者や、クールなコナンに憧れていた為、哀の前で見せる子供っぽさに幻滅しさっさと次の獲物へと切り替えた者。二人はただの幼馴染だと自分に言い聞かせる者や、素直に二人を祝福し、話のタネにして盛り上がる者。中には、積極的にコナンと哀の仲を吹聴して回る者までいた。そんな彼女たちであったが、共通の認識を持っていた。

 

 コナンと哀はお似合いの二人であり、自分たちが割ってはいることはできない……と。

 

 彼女たちは、この日以降、コナンと哀の二人を公認カップルとして扱うことになる。

 

 そして、恋人になって初めてのイベントとなるであろう本日……ホワイトデーの二人の動向に注目していたのである。

 

 一方、男子生徒の場合は、哀に好意を抱く男子生徒の約八割が哀とコナンの仲を未だに信じておらず、ホワイトデーに哀へ告白して一発逆転を狙い機会を伺っているのである。

 

 

 

 

 そのような理由から注目を集めている二人はといえば、至って普段通りであった。別に彼らの関係は変わっていないので、当然と言えば当然である。

 強いて変わったことを上げるならば、バレンタイン以後、登下校時など、何かと周囲(特に歩美を始めとした女生徒たち)が、哀とコナンを二人きりにしようとしてくることくらいである。

 

 そんなコナンと哀は、今日も二人で並んで登校していた。

 

「今日は部活サボっちまうかな」

 

「あら、サボりなんて悪い人ね」

 

「何か最近、やたらと今日の予定聞いてくんだよ。それに、何か企んでいるみてーだし」

 

 コナンは、部室でコソコソと話し合う部員たちを思い出す。彼らは、コナンに気づくと話を終え、その場を離れていったが微かに聞こえてきた言葉から、コナンは話し合いの内容が何か見当がついていた。

 

(ホワイトデーにオレだけ特別居残り特訓ね……。名目は、エースの強化ってとこか? で、本当の目的は、オレの時間を削ることで、デートさせないってとこか。まぁ、素直にハメられてやる理由はないわな)

 

 そこまで考え、コナンはやはり今日の部活はサボると決めるのであった。

 

 

 そんなコナンに、哀は今日の予定を確認する。

 

「それで、どうするの? アナタの考えていることは分かるけど……やっぱり、サボるっていうのは感心しないわ」

 

「ま、今回は特別ってことで。何せ、もう店を予約しちまってるからな」

 

「そう……なら、今回は大目に見てあげる」

 

 上から言う哀に、コナンはムッとした顔をするが、哀の顔を見るとすぐに苦笑に変わる。

 

「ったく、素直にオレと居られて嬉しいとか言えないのかねー」

 

「何か言った?」

 

「何も?」

 

「そ。で、今年は何処に連れていってくれるのかしら? 期待していいんでしょ?」

 

「当然。何せ、父さん経由で予約したからな」

 

 その言葉に、哀はコナンを見つめる。哀からすれば、期待云々はただの軽口であったのだが、コナンの自信満々な態度と言葉からそれなりに値が張る場所のようである。

 

「金のことなら心配すんなよ? 前々から父さんに小説のネタとして、事件の概要を伝えてたのは知ってんだろ? アレで一応報酬貰ってからさ。ま、店の場所が場所だから、父さんに予約してもらったけど……今回は、レストランも含めてオレからのプレゼント」

 

「そう……今日は最高の夜になりそうね。ま、アナタと一緒ならどこでもいいんだけど」

 

「最高の夜って……灰原さん、やらしい。流石に部屋はとってないって」

 

 哀の言葉に照れたコナンがからかうと、哀はコナンを強く睨むと足早に学校へと向かう。そのままある程度進むと、次第に速度を緩めていく。それはコナンが追いつくのを待っているのかのようである。

 コナンが追いつくと、哀とコナンは先程のやり取りがなかったかのように、再び並んで歩くのであった。

 

 

 

 

 

 因みに、二人は教室に到着するなり、色々と問い詰められることとなる。何故なら、二人が会話していたのは通学路の途中である。周囲には帝丹中の生徒の姿もあり、声を潜めていた訳でもない二人の会話は周囲に筒抜け。会話を聞いた生徒が、携帯で拡散したと言う訳であった。

 

 

 




ホワイトデーネタ。続くかは未定。
 最近、周囲が結婚続きで焦ります。会社の先輩に、地元の友達、弟×2。次は誰だとビクビクしてます。

 
 これらは拙作内の設定です。

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