勝手ながら似た内容のリクエストがありましたので、そちらと設定をすり合わせております。
また、時間の都合上、リクエスト内容そのままではありません。ご了承ください。
今回は完全にパラレルというか本編とは全く関連がありません。
一言: 一周年です。
※“EXTRA FILEについて”に閲覧時の注意事項があります。
先にそちらをご覧ください
江戸川コナンと灰原哀。
宿敵とも言うべき組織を壊滅する事に成功した二人。
これは、決して人には語られることのない数奇な運命を共にした二人の新たな生活の物語である。
「いやー、博士の家に皆で集まるなんていつ以来でしょうか?」
「えーっと、二人がアメリカに行くちょっと前だから……大体、四年前くらい?」
帝丹高校の男子制服に身を包んだ少年の言葉に、同じく帝丹高校の制服―こちらは女子―を来た少女が返答する。
そんな彼らの様子を気にせず、お茶請けとして出されたケーキを掻き込むように食べていた少年が口を開く。
「確か、そんくらいだぜ。っつーか、その間一度も帰ってこねーってのは、少し酷いんじゃねーか?
――コナン、灰原?
」
少年――元太――が問いかけた先に並んで座っていたのは、彼ら少年探偵団の面々とは久しぶりの再会を果たした江戸川コナンと灰原哀の二人であった。
彼らが再会したのは、時間にしてほんの一時間ほど前のこと。帝丹高校の入学式を終えた三人を校門で迎えたのが、コナンと哀だったのである。
記憶にある姿よりも、大分成長していたが間違いなくコナンと哀の二人であると確信した三人は、人目もはばからず彼らに飛びつき再会を喜んだのであった。
その後、阿笠邸に場所を移し今に至るのである。
「わりぃわりぃ。こっちも色々忙しくてな。でも、メールはちゃんと出してたろ?」
「それも私が言わなかったら出さなかったんじゃない? ま、私だけ帰国しても良かったんだけど、この人すぐに事件に巻き込まれるから、私も放って置けなくて」
「あ? オレのせいだってのか? なら、一人で帰国すれば良かったじゃねーか」
「それが出来れば苦労しないわよ」
罰の悪そうに言い訳するコナンに、しれっとコナンのせいにする哀。そんな二人の変わらないやり取りに、三人の顔に笑顔が浮かぶ。
「もー、哀ちゃんもコナンくんも久しぶりに会ったんだから、喧嘩しないの!」
「そうですよ。それで、お二人は何故帰国されたのですか? メールではあちらの学校に通うと……」
「そういや、そうだな。オメーら、何しに帰ってきたんだ? 帝丹に転入って訳じゃねーんだろ?」
光彦と元太の問いかけに、コナンと哀は顔を見合わせると少し言いにくそうである。それを察した歩美が二人より先に口を開く。
「お休みだから帰国したんだね? いつ向こうに戻るの?」
「あ、いや、向こうには戻らねーんだ」
コナンの否定の言葉に、喜びの感情を見せる三人だったが、それなら何故コナンたちが言いにくそうにしているのかが分からない。そこで、光彦が提案する。
「少々話し難いようですね。では、こうしましょう。ボクたちが質問しますので、お二人はそれに答えてください。勿論、答えたくないことは答えなくても構いません。いいですか?」
「ああ。それで構わねぇ」
「では、早速。向こうに戻らないということは、お二人は日本に永住すると考えていいので?」
「永住するかはともかく、今すぐ向こうってことはねぇーな。こいつ
「そうね。少なくとも五年はこっちに居たいわね」
その哀とコナンの言葉に、安心する三人。ようやく再会出来たというのに、すぐに別れるという事態ではないことにホッとしたようである。
「それは良かったです。それで、灰原さんはここに住むとして、コナンくんはまた毛利探偵事務所ですか?」
「いや、隣り。一応親戚だし。まぁ、掃除とか必要だろうから、数日はこっちだけどな」
「まぁ、毛利探偵事務所は蘭さんも既に家を出てますし、夫婦水入らずの所にお邪魔するのは気が引けますよね。親戚の家で一人暮らしの方が気楽ですよね」
わかりますと、納得する光彦。毛利探偵事務所が毛利弁護士事務所と名を変え、二年ちょっと。今やかの場所は、米花町で知らぬ者はいない痴話喧嘩夫婦の居住区なのだから。
次に質問をしたのは、元太。彼はケーキを平らげ、まだまだ物足りないという顔で問いかける。
「で、オメーらこれからどうすんだ? 帝丹に転入するのか? それとも、別の高校?」
「ああ、オレたち高校は行かねーんだ。探偵始めようと思ってさ。ま、それ一本って訳じゃねーけどな」
「ま、そういう事ね。この人も私も、向こうで大学卒業したし」
哀の言葉に驚く三人。それと同時に、色々忙しかったというのはこのせいだったのかとも納得していた。小学校時代から、ずば抜けた頭脳を持つ二人だったので納得しやすかったのも要因であろう。
「へー、探偵始めるんだ。じゃ、私たち少年探偵団も手伝うよ! ね?」
「……まぁ、簡単な依頼のときだけな?」
歩美の言葉にやっぱりとため息を吐くコナンと哀。簡単な依頼の時に限り、手伝うことを許可するのであった。
そのコナンたちの反応に、光彦がなるほどと納得の表情になる。
「何やら言いにくそうにしていたのは、このことだったようですね。確かに、ボクたちはコナンくんたちと違い、一介の高校生に過ぎません。実情はどうあれ依頼人からすれば、ただの高校生の集団が遊びでやっているようにしか見えませんからね。そうなると、小口の依頼ならともかく、大口の依頼などは他に依頼するでしょうし」
「いや、別にそこは気にしてねーんだけど」
光彦の推理を否定するコナン。普通なら、光彦の言うように遊びでやっていると思われれば、企業や資産家などの大口の依頼はされない可能性は高い。探偵のみで生活していくつもりなら、死活問題である。しかし、コナンと哀の場合は別である。彼らは、探偵業の他にここ数年で得たパテントという別収入があるのだから。
「では、何をそこまで言いにくそうにしているのですか?」
「まさか、オメーら今更、実は付き合ってますとか言い出すんじゃねーだろうな。そんなこと、とっくに気づいてるっつーの」
「それはないよ、元太くん。堂々とお揃いの指輪してるくらいなんだから、それくらいさらっと言えるよ」
だよね? と聞いていくる歩美に、哀は俯き、コナンは宙に視線をさまよわせる。
「え~と、惜しいかな?」
「え!? 惜しいの!?」
コナンの言葉に驚愕する歩美。光彦はコナンたちが言いだそうとしていることに見当がついたのか、頬をヒクつかせている。元太は、光彦の分のケーキを狙っていた。
「ま、まさかとは思いますが……」
「え、ちょ、そういう事!?」
光彦が思わず向けた視線の先。その先に何があるかを確認した歩美も、見当がついたのか声を大にする。
彼らの視線が向かう先。その視線を向けられた哀は、その場所にゆっくりと両手をあてると、頬を染め恥ずかしそうに、そして、嬉しそうに告げるのであった。
「ええ。彼との子供よ」
本日一番の驚愕の声が、阿笠邸に響き渡った瞬間であった。
さて、如何でしたでしょうか。リクは妊娠発覚とその後の騒動とのことでしたが、結局、騒動はカット。力尽きました。その内、騒動編を書くかも。
まぁ、それはともかく一周年です。これもひとえに皆様のご愛顧? のおかげです。
本編はよ という言葉が聞こえてきそうですが、本編はもうしばらくお時間をください。
話のほとんど。
これらは拙作内の設定です。
活動報告にてリクエスト受付中。まだまだ募集中です。気軽にどうぞ。