名探偵コナン~選ばれた二人の物語~   作:雪夏

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少年探偵団メインの話。
もちろんあの2人も出張りますが


File05 日常 少年探偵団編 その1

 

帝丹小学校1年B組は賑やかな声で溢れていた。午前の授業が終わり今は給食の時間。

それぞれ机を寄せ合って班を形成している。

少年探偵団の仲間たちは江戸川コナンと灰原哀が同じ班、その他の子供たちが同じ班となっている。

 

 

 

「ねぇ」

 

 

 

「あんだよ、歩美?俺は食べるのに忙しいんだ」

 

 

 

「元太君喋るときは食べてからにするか、口の中が見えないようちゃんと隠してくださいよ。それがマナーってものですよ。」

 

 

 

「オメーは俺の母ちゃんかっての。それでなんだ歩美。」

 

 

 

「灰原さんが転校してきてから、えーっと……1ヶ月くらいだっけ?まだそれぐらいなんだよねぇ」

 

 

 

「競技場の事件に古城での事件といろいろありましたからねぇ。もっと前のことに感じますよねぇ」

 

 

 

「……」

 

 

 

「……元太君。食べてからっていうのは、口の中のものを食べ終わるまでって意味で全部食べ終わるまで喋るなって意味じゃないですよ?」

 

 

 

「そんくらい分かってるよ」

 

 

 

「ならなんでそんなに急いで食べているんですか」

 

 

 

「そりゃ、あまりのプリンをもらうためにきまってんだろ。……先生、食べおわったからプリンもらってもいいかぁ!!」

 

 

 

「全く元太君は……。ところで歩美ちゃんなんでそんな事を聞いてきたんですか」

 

 

 

「あのね、コナンくんも転校してきてからそんなに時間ってたってないじゃない?」

 

 

 

「そうですねぇ。彼が転校してきたのが4月で灰原さんが5月。今が6月に入ったばかりですから……」

 

 

 

「で、歩美はそれがどうしたってんだ?」

 

 

 

「あっ、元太くんプリンもらえたんだ、よかったね。別になにかってわけじゃないんだけど。ほら、私たちは幼稚園も一緒でずっと仲よしじゃない?で、コナンくんとは4月に転校してきてすぐ仲よくなって、それから博士とも仲よくなって」

 

 

 

「まぁ周辺の幼稚園の生徒は大体この帝丹に入学しますからね。コナン君は入学してすぐでしたからほとんど他の人と変わらない付き合いですし、博士も子供が好きなようですから。それに仲良くなるのはいいことでは?」

 

 

 

「そうじゃなくて、仲よくなったのに灰原さんが転校してくること教えてくれなかったのってなんでろうって」

 

 

 

「ごちそうさまでしたっと。博士ってつまんねーことたくらむからな。おどろかせたかっただけじゃねーの?」

 

 

 

「僕も、御馳走様でした。博士も妙に子供っぽいとこありますからね。そんな理由なんじゃないんですか?」

 

 

 

「そう……だよね。コナンくんも灰原さんのこと知らなかったみたいだし」

 

 

 

「そういえばコナン君って博士の親戚なんですよね、灰原さんもそうだって聞きましたけど今まで会ったこと無かったんですかね。」

 

 

 

「灰原さんは前からコナンくんのこといろいろ知ってたと思うんだ。博士か誰かに聞いたりしてさ。コナンくんも親戚に女の子がいるってくらいは聞いてたかもしれないけど」

 

 

 

「なんで灰原がコナンのこと知ってたなんて思うんだ?歩美」

 

 

 

「だってお城の事件の時に灰原さんコナンくんのことすごく分かってたんだよ?普通あってすぐの人なんかそんなにわからないよ。だから聞いてたのかなって」

 

 

 

「確かに。転校してきた時も元太君を無視してコナン君の隣に座りましたし。元太君より聞いて知っているコナン君の近くが良かったのかもしれませんね」

 

 

 

「灰原がそんなこと気にするようなヤツかぁ?」

 

 

 

「もぉ、元太くんひどいよ。灰原さんだって転校してきて不安だったんだよ。元太くんなんかよりコナンくんの隣がいいに決まってるじゃない」

 

 

 

「……そうか」

 

 

 

元太が歩美の発言に落ち込んでいるとき、以前から哀がコナンを知っていたという真実に子供たちが辿りついているなんて想像していない2人はというと……

 

 

 

「あの子たちは給食時間でも騒がしいのね」

 

 

 

「そうだな。周りもそれなりだが一番騒がしいんじゃねか?アイツら」

 

 

 

「ホントよく話題が尽きないわね。私なんかアナタと話すことなんてほとんどないって言うのに」

 

 

 

「ハハハ……」

 

 

 

「それよりこのサラダ、レーズンが入ってるみたいだけど」

 

 

 

「げっ、マジかよ。‥‥‥あのー灰原さん?お願いが‥‥‥」

 

 

 

「……バッグ」

 

 

 

「もう少しやすくなりません?」

 

 

 

「……ポーチ」

 

 

 

「キーケースは?」

 

 

 

「フサエブランドの新作ね。‥‥‥ほら、サラダ貸しなさい」

 

 

 

「はぁ、新作っていくらだよ……」

 

 

 

「はい、お皿返すわ。今から貯金すれば大丈夫よ。欲しいのは秋の新作だから。夏はデザインが少し……ね」

 

 

 

「……ありがとうございます」

 

 

 

(((この2人って仲いいよね……)))

 

 

 

小学生らしいやり取りを一部交えながら、給食を食べ進めるのだった。

 

 

 

「は~い、みんな食べ終わったかな?じゃ係の子、挨拶をお願いね。」

 

 

 

「ごちそうさまでした」 「「「「「ごちそうさまでした」」」」」

 

 

 

「給食当番の子は先生と一緒に食器を給食室に返しに行きましょうね。他の皆はお昼休みよ。怪我しないように気をつけてね」

 

 

 

「「「「「は~い」」」」」

 

 

 

小林先生の言葉をきっかけにおしゃべりに興じる子、教室から飛び出し先生に怒られる子と様々。その中で歩美たちにコナンが灰原を従え近づきながら話しかける。

 

 

「お~い、オメェら。ボール持って先行ってくれ。じゃ食器返しにいくか、灰原」

 

 

 

「ええ。あなた本当にサッカー好きね」

 

 

 

「別にいいだろ、好きなんだから」

 

 

 

「うちでサッカーの試合見てたときなんてガキ丸出しだったし?」

 

 

 

「だから。あれはな……」

 

 

 

2人で食器の入ったカゴを言い合いながら運んでいく。

そんな2人を残された3人は姿が見えなくなるまで見送る。

 

 

 

「仲いいよね」

 

 

 

「そうですね、とても会って1ヶ月には見えませんよ。僕たちはあそこまで仲良くないですよ」

 

 

 

「そんなのこれから仲良くなればいいだけだろ?それより早く校庭に行こうぜ」

 

 

 

「そうだね、元太くんの言うとおりだよ。これから仲良くなればいいんだよね」

 

 

 

「そうですね。たまには元太君もいいこというじゃないですか」

 

 

 

「お~い。何してんだ、早くいくぞ」

 

 

 

「待ってよ、元太くん」

 

 

 

「2人とも待ってくださいよ~」

 

 

 

子供たちは校庭に向かい駆け出していく。

 

 

 

「廊下は走らない!!」

 

 

 

「「「ごめんなさ~い」」」

 

 

 

小林先生に怒られて……

 




私的少年探偵団のイメージは

歩美:無自覚にキツイ言葉を吐く。無邪気に毒を吐く。一番可愛らしい子供。
光彦:天才。語彙力、知識ともにお前も幼児化してるだろって感じ。一番大人びている子供。
元太:愛すべき馬鹿。たまにすごくいいことを言ったり、本質をつく。一番子供らしい子供。

こんな感じです。

次は放課後の一幕となる予定です。

ご意見・ご感想お待ちしております。

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