書きたいキャラも書いたので本当に終わりかな。
僕は走り自分の教室に入っていった。
「良かった、まだ教室に居た」
僕はそう言って彼女に近づく。
「私に何の用」
「今から星を見に行こう」
そう言うと彼女にゴミを見ているかのような目で見られた。
「まだ夕方よ、高嶋君」
「僕だってそれは知ってるよ! 着くころには星が出る前だから」
「私をどこに誘拐する気なの?」
「何で星を見に行こうが誘拐なんだよ、行くのは土佐山だ」
その名前を聞いて彼女は一層軽蔑した目で僕を見てくる。
「もしかして高嶋君はそう言ったスポットが好きなのかしら」
「この時期にしか見れない景色があるんだ」
「知っているでしょ高嶋君もあそこで何かが出るって話」
「女の幽霊だっけ」
「違うは私が出るのよ」
幽霊騒ぎはお前か!
「毎晩行ってたのかよ」
「嘘だけど、間違ってはいないわ」
「嘘なのかよ」
そんなやり取りをしながら彼女を自転車の後ろに座ってもらい目的の場所に向かう。
「ねぇ、高嶋君」
「どうした」
「おしりが痛いんだけど」
僕は絶賛背中が痛いです。
背中を抓らないでもらいます。
「高嶋君は彼女いないでしょ」
「なんでそんな事知ってるんだよ」
「だって童貞臭いもの」
なに、僕を虐めて楽しいですか。
「だったら郡も彼氏いないだろ」
「えぇ、居ないわよ……でも好きな人は居るわ」
その言葉に僕は驚愕した。
「でも、彼女と結ばれることはできないのだけど」
それを聞いて自転車から落ちかけた。
「同性かよ」
「悪いかしら?」
「悪くはないけど、その気持ちは伝えないのか?」
「伝えようにも伝えられないわ、彼女はもう死んでいるのだから」
なんだか聞いたらいけないことを聞いてしまったような気がする。
「高嶋君が気に病むことはないは彼女は300年前になくなっているのだから」
「西暦時代の偉人か何かか?」
「そうね、名前は覚えてないけれど素敵な人よ」
「ところで高嶋君は好きな人は居ないのかしら?」
僕への攻撃が始まった。
「僕には居ないよそんな一途に思える人なんて」
自転車を漕ぐちからを緩める。
「僕は誰かを想うだけで十分だ」
そう言っている間に山の近くまで来てしまった。
「ここからは歩きね」
郡は自転車から降りて自分の先を歩いていく。
その歩調は道を知っているように歩いていく。
「本当に来たことがあるんだな」
「今日が初めてよ」
「その割には僕の先を歩いてないか」
「高嶋君が行きたい場所はたぶんこの先でしょ」
その言葉はあっている。
「それはそうなんだけどな」
すると前の方からアロハシャツを来た男性が降りてきた。
「おや、こんな時間に若いカップルがどうしたんだい」
絡まれるとは思はなかったが男性はニヤついている。
「カップルじゃないわ、貴方こそここで何をしているの」
「僕は花を置きに来たのさ」
その男は懐かしむような表情をしている。
「ここには大切なものを置いているからね」
そう言って僕たちの横を通り過ぎる際に男は僕に呟く。
「彼女を大切にしなよ」
僕にしか聞こえない声でそんな事を言われた。
そのまま山道を進み目的の場所に着いた。
「ここでしょ、高嶋君が来たかった場所」
そこには赤の彼岸花が咲き誇っている。
「その通りです」
一面赤で覆われている場所に一部だけ白が混ざっている。
「本当に花を置いていったのね」
花束が置かれている場所は花が咲いていない。
ここだけ寂しく何もない。
「白の彼岸花って初めて見るな」
「そうなの、私は白も好きよ」
そう言って郡は空を見る。
「月が綺麗ですね」
僕は自然にそう呟いた。
「死んでもいいわ」
そんな事を隣で言われたら驚く。
「何をそんなに驚いているの高嶋君」
蔑んだ目で言われた。
「意味が分からなくて」
「ビックリだわ、意味も分からず告白したの」
僕が告白?
告白したの。
「Iloveyouを昔の人は月が綺麗ですねと言っていたのよ」
この日、僕は人生で初めての告白をしたことになる。
「ならさっきの返事はなに!」
「あら、意味を知らない人には教えないわよ」
でも、その日の月は本当に綺麗だった。
「おや、今日は珍しいお客さんだね」
呟いた彼の前には学生服を着た少女が居た。
「毎年、花を置きに来るなんて貴方も暇なの」
その言葉を聞いて男は笑う。
「まさか300年越しにそんな事を言われるとは思わなかったよ」
「なにか他の言葉がよかった」
「いや、また会えてうれしいよ」
「それで貴方は何時までここに居るの」
まさかの言葉に男は言おうとした言葉が出なかったが静かに落ち着いて言葉にする。
「僕はもう少しここに居ようかな」
「貴方が来たところで私には会えないけど」
「その時は交渉人の力を使って会いに行くよ」
彼は火を着けていない煙草を加える。
「次は貴方が私に会いに来て」
「約束しよう、どれだけかかろうが君の元に行こう」
男は叶うはずのない約束をまたしてしまった。
彼の前には少女の姿はなくなっていた。
「僕は君を想っているだけでいいのさ」
火のついていない煙草を見つめながらそう言って立ち上がる。
「さて、僕の仕事をやり遂げに行こうか」
では皆様、いつかまた会いましょう。