最後は尺が余ったのでネタみたいにやってやりましたよ。
満開による代償で失った腕と足が戻り、旧勇者三人はある場所に訪れた。
「3人でここに来るのは初めてだな」
アタシはいつもの様に笑顔でいう。
「そうね、私は忘れていたから来れなかった」
須美は暗い顔をしながら言う。
「しょうがないよわっしー」
「そうそう、暁人絶対に来なくても良いとか言いそうだけどね」
「出雲君、自分の事は疎かにするものね」
ようやく須美は笑った。
ここに来る前に大赦で暁人の最後の映像を見せてもらった。
いや、端末が修理が終わって中に入っていた遺言だった。
アタシ達はその映像を瞬きすることなく見た。
瞳に焼き付けたその姿を雄姿を記憶に刻む。
『終わった』
体中から血を流しながらフラフラした足つきのまま壁の向こうを睨んでいる。
『血を流しすぎた意識が遠のいていく』
斧を背もたれにしながら地べたに座る。
『死にたくないな』
その呟きを聞いた園子は驚いていた。
『謝ら、ないと』
だんだんと声は弱々しくなっていく。
『誰?』
暁人はそんな呟きをした。
『いいよ、契約してやるよ』
その言葉と共に暁人は力なく終えた。
「これが最後の言葉だ」
大赦の人はそう言って1枚の紙を渡した。
「ここに彼の眠る墓がある、行くかは君たちが決めてくれ」
その翌日、アタシ達は暁人の眠るお墓に来た。
「それにしても暁人はなにを契約したんだろ」
その言葉に須美は答える。
「神樹様なのかしら?」
「いや、暁人に限ってそれはないでしょ」
そんな事を言いあいながら着いたお墓は数年放置されて汚れていた。
「まぁ、想像付いてたけどこれは酷いな」
「えぇ、掃除しましょ」
「う~ん、いずさん一人で寂しいよね」
アタシ達はお墓を掃除する。
暁人が託してくれたバトンは確かに受け止めたから暁人も頑張りなよ。
アタシは空を見上げながら呟く。
「あぁ、僕も頑張るよ」
「えっ」
そんな声が聞こえて後ろを振り向いても誰も居なかった。
「銀、サボらないで」
「みのさん」
二人の声を聞いてアタシはお墓の掃除に戻る。
「僕も呼ばれたから行くよ」
そんな声を聞いてアタシは嬉しかった。
暁人は存在している。
アタシ達はその事を覚えている。
「誰だ、僕を呼んだ未熟なマスターはクラスはアヴェンジャー『出雲暁人』」
神樹館の制服を身に纏った少年は召喚陣から出てきた。
「僕の復讐の為に協力するんだな」
「えっ、子供」
召喚陣から出てきた少年にオレンジの髪の女はそう言った。
「見てくれで判断するのは命取りになるぞ」
そう言って少年は微笑むのだった。
出雲暁人がアヴェンジャーの件での補足
天の神がバーテックスを送り込むそれを阻む勇者
暁人は世界が嫌い、神が嫌い
銀の為なら全部を敵に回す覚悟がある
神に抗い死んだのでアヴェンジャーが妥当かと思いました
最初はバーサーカーでも良かったんですけどね……
では、次は乃木園子で会いましょう。