僕は二日目に見に行くことができました初日は埼玉の方でfripSideのライブに行っていたので行く時間がありませんでした。
次回で銀ちゃん編は終了です。
この話では銀ちゃんとのイチャコラは全くないよ
バーテックスが襲来する度に生傷が絶えなくなってきた。
勇者の時には回復力があっても完全に治ることはない。
怪我をしたところを包帯やらを付けながら学校に行けば少しづつ嫌がらせはなくなった。
所詮その程度で止めるのなら最初からやらなければいい。
三回目のお役目が終わりいつものごとく春信に呼ばれる。
「今日は何の用ですか?」
今回は銀の御蔭で怪我は少なく気怠さだけが残っていた。
「次回の出撃は危険だということを頭に入れといてほしい」
「それが」
僕の返答に春信は肩を掴み勢いよく言う。
「君はまだそんなことを言うのか!」
「今度のお役目では本当に君は死ぬかもしれないんだぞ」
それでもいい。
彼女が生きているのならそれでかまわない。
「僕はかまわない銀が生きていてくれたらこの命を差し出す」
銀が僕をこの世界に生かしてくれたのだから彼女の笑顔がある今を失くさせるわけにはいかない。
「それが君の望むことなのか!」
「それで君は幸せなのか!」
「貴方にはわからない、銀以外の奴は僕なんかを必要としていない」
「世界から隔離してみている」
「親から期待されて、大赦に引き抜かれて期待され続けている貴方に僕のことなんかひとつも分からないだろうね」
「僕には銀さえいればいい」
「銀さえ無事なら死んでもいい」
「だから僕に関わるな」
「なにも知らないで語るな」
僕はそれだけを言い残して部屋を出ると乃木がいた。
「いずさん」
「なに」
僕はなにもなかったように言った。
「聞いてないよね」
僕は乃木に少しだけ顔を近づけて言う。
「別に聞いていても君やもう一人には関係ないよ」
そう言って大赦の施設を後にした。
その数日後の昼休みに僕の机の前ではしゃぐ銀がいる。
「暁人、遠足だな」
「そうだな」
銀は楽しそうに話している。
「銀、出雲、少しいい」
鷲尾さんが僕の席に近づいて紙の束を渡してきた。
「遠足のしおり?」
銀は不思議がっていたが僕は引いていた。
「えっとこれはなに?」
「これは私たちの班の遠足のしおりよ、データ版も端末の方にも送っておいたから」
なんでこんなのを作るんだ。
毎回思うがリーダー気質があるのはいいが巻き込まれるのは勘弁だ。
「出雲、銀が遅れないように連れてきてよ」
「分かっているできるだけ遅れないようにする」
銀の事を知っているからこそ誰かがストッパーにならないといけない。
「須美の言い方じゃ、アタシが絶対遅れるみたいじゃん」
「銀、お前の不幸体質は異常だよ」
「なっ、暁人までそれを言うのかよ」
「僕は銀と一緒にいるから巻き込まれてるだけだ」
僕はそう言いつつ太いしおりのページを適当にめくっていく。
「にしても詳しく書きすぎじゃないか?」
僕はページをめくりながら言う。
「暁人それで分かるのか!」
「まぁ、情報はないより多いに越したことはないからね」
「出雲は詳しいのね」
鷲尾は話に食いついてきた。
「パソコンは持ってないけれど古き良き時代の紙があるから」
そう言って本を見せる。
「西暦時代の本ね、私も何度か見たことあるけれど手に入らないから見ることが余りないわ」
「僕は大赦の管理書物とかの閲覧が僕らにはできるからそれで書物とかを貸してもらえる」
「盲点だったわ」
そう言って良き古き時代の話に盛り上がっていたら話に入れない銀が詰まらなそうに見てくる。
「銀、詰まらないからってそんな顔をするなよ」
「ち、違うし、暁人と須美は仲がいいなーと思って」
銀は顔を赤くしながら否定する。
「ふっ、図星がバレて焦ってたら余計ばれるぞ」
「なぁー! アタシはそんな小さなことで焦ってないし」
「帰りにイネスに寄るから機嫌を直せ」
「まぁ、ジェラート奢ってくれるなら考えてもいいけど」
少しだけ、願っていた願望だ。
銀と楽しく学校で会話出来たら、小説の一ページの様な風景を描けたら僕はそれだけで満足だ。
君の居る世界だから僕は今が幸せだ。
だからありがとう。