カミカゼエクスプローラー 無のメティス   作:簾木健

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ちょっと短いですけど……

気長にのんびりこちらは投稿していきたいますのでよろしくお願いします。

簾木 健


デート

makoto side――――

 

「あれどういうこと?」

 

「さぁ・・・・」

 

週末、琴羽と一緒に買い物にいき少し休憩のために『ヴィルフランシュ』に来たのだが……

 

「あれ、慶司と姫川だよな?」

 

「うん。そうだよね。見間違えじゃないよね」

 

何故か向かい合って座っている慶司と姫川を見かけた。あの二人なにしてるんだ?

 

「琴羽。今日姫川は……」

 

「なんか委員長の仕事だって朝から学園に行ってたはずだよ?」

 

「じゃあなんで二人ここにいるんだ?しかも姫川も慶司も私服だし」

 

澄之江学園では休日でも学校に入るには制服でないといけないのだ。校則やルールを破らない姫川がそれを破るとは思えない。

 

「しかも手を取り合ってなにしてるんだ?」

 

「さぁ……」

 

姫川が慶司の手を掴み笑顔でなにか言っている。ただすぐに赤くなり手を離す。

 

「あれもう付き合ってるだろ?」

 

「うーん…風花はそんなこと言ってなかったからそれはないと思うんだけど……」

 

「……姫川ってあんなに距離近かったっけ?」

 

「それも慶司にだけだと思うよ」

 

「まぁあっちはあっちだしな」

 

おれはスッと琴羽の横に移動した。

 

「真……風花たちから見えない?」

 

「大丈夫見えないよ」

 

「本当かな」

 

琴羽はそう言って苦笑いを浮かべている。でも拒否はしてこないし大丈夫だろう。しかもちゃっかり腕をからめてきてるし………胸当たってるんだけど………まあ役得だからいいか。

 

「そういえば真」

 

「うん?」

 

「この間の落書き犯って捕まったの?」

 

「いや、まだだね。しかもこの頃新しい落書きが見つかってないんだ」

 

「てことは前進は無しってことね……」

 

「どうした?気になるのか?」

 

「だってそれってすごい熱量で書かれてたんだよね?」

 

「そうだな。あんなことできるは祐天寺くらいだと思ってたんだけどな……」

 

「てことは美汐ちゃんくらいの力を持ってる《メティスパサー》がいるってことでしょ?それって危なくない?」

 

「まぁ危ないな」

 

「だから気になるの」

 

ぷうっと頬を膨らます琴羽。かわいい。付き合い始めてから改めて思ったが琴羽はとても表情が豊かだ。確かにクラスなどでも表情は豊かだったのだが、それとはまた異なる。クラスではある程度琴羽も仮面を被って生活をしている。でも付き合い始めてからおれと二人きりの時はその仮面を外して付き合ってくれている。そんな琴羽がおれはかわいくてたまらないのだ。こんなふうにかわいい表情をされてしまうとついつい頭を撫でたくなってしまう。

 

「撫でたら解決すると思ってるでしょ?」

 

「違う。撫でなくなったんだよ……琴羽」

 

「……なに?」

 

照れくさいのか、でも嬉しいのか複雑な表情をしてこっちを見ている。そんな琴羽がかわいくて仕方ない。

 

「心配さないようにするよ。でも、もしかしたら心配させるかもしれない。そうしたら……」

 

おれはなるべく優しい表情で琴羽を見る。

 

「一生かけて償うよ」

 

「………バカ」

 

こんなまんざらでもなさそうな琴羽がかわいいくない訳がないよな……

 

「真に琴羽……なにしてるんだよ?」

 

ビクッ!おれと琴羽が驚く。ピタッとくっついている見つめ合っているおれたち。かなり甘い雰囲気だったのだがその声でそんな雰囲気は一瞬で霧散してしまう。声をかけてきたのはもちろんおれたちがさっきまで観察していた二人……というか慶司。姫川は慶司の後ろで苦笑いを浮かべている。というか姫川そんな顔するなら最初から慶司を止めてくれよ。

 

「慶司……さすがだな」

 

「?どういうことだよ?」

 

おれはそんな慶司にハァとため息をつく。横の琴羽も苦笑いだ。

 

「二人時はそんな感じなんだな」

 

慶司がそんなことを言う。おれはちょっとした悪戯心がうずく。

 

「そうだよ。羨ましいか?」

 

「なっ!?」

 

横の琴羽が一番驚いてるが今は気にしない。

 

「そういえばさっき慶司と姫川もギュッと手を強く繋いでたけど……付き合い始めたのか?」

 

「「えっ!?」」

 

今度は慶司と姫川がポンっと赤くなる。ああ……なんとなくわかった。この二人の今の関係性。

 

「いや……付き合ってはないんだけど……」

 

「そ、そ、そ、そうだよ。じ、じ、神野君なに言ってるの」

 

「そっか。まぁ今はそれでいいか。で?これからの予定は?」

 

「えっと特には……」

 

「うん。決めてなかったけど」

 

「おれたちはもうちょっとここでゆっくりしていくよ」

 

「そうなのか?じゃあ姫川行こうか」

 

「うん。琴羽ちゃんまたあとでね」

 

「う、うん。あとでね風花」

 

挨拶を交わし二人が『ヴィルフランシュ』から出ていく。

 

「真よかったの?」

 

「なにがだ?」

 

「慶司たち先に帰っちゃったけど?」

 

「いいんだよ」

 

おれはスッと琴羽の肩に手をまわして琴羽を引き寄せる。

 

「もうちょっと二人っきりでデートしよう」

 

「!!うん!!!」

 

この琴羽の笑顔に勝てるものなんてないだろうな。




いかがだってでしょうか?

今回は甘めに出来た思っています笑

ただ話進んでないな……今後しっかり進めていけるように頑張っていきたいです!!

今回も感想、評価、批評募集していますので、よろしければお願いします。

ではまた次回会いましょう。

簾木 健

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