とりあえず今回お楽しみください!!
簾木 健
makoto side――――
「海に行きましょう」
「はっ!?」
祐天寺の発現におれは素っ頓狂な声を上げる。
「なによ神野。嫌なの?」
「いや・・・・今日は確かに暑いがさすがに海の水は冷たいぞ」
今日は特になにもなく部室で部活のメンバーでのんびりしていたのだが・・・・そういえば一人新しいメンバーが入ることになった。それは・・・・・
「神野先輩!!行きましょうよ!!!!」
「まなみ・・・お前もか」
それは慶司の妹である速瀬まなみだ。昨日おれと琴羽がデートしている間に姫川とまなみが闘ったらしく、その時ついにメティスネームを得た。その名は《ペネトレイター》。しかしその時にオーバーコンセントレーションを起こした。でも、慶司のおかげで大事には至らずに済んだと報告を受けたんだが・・・影響はないみたいだな。
「神野くん、私も行きたいなぁ」
「姫川もかよ・・・・」
おれは頭を抱える。そんなおれに対して景浦が苦笑いを浮かべる。今日は菜緒さんがアポイントメントがあるということで部活には来てないのだ。
「いいじゃない。今日はもう依頼者も来そうにないし、そうしましょう!さぁ行くわよ!!」
「「おお!!!」」
「すみません。神野さん」
「いや、景浦が謝ることじゃないだろ・・・・はぁ」
おれと慶司を除く全員が立ち上がり出ていく。やはりおれには止めるのは無理みたいだ。おれもため息をつき椅子から立ち上がる。
「真、いいじゃないか。たまにはこういうのも」
「・・・・まぁな」
慶司のフォローにおれは頷く。
「そういえばさ・・・」
「うん?どうかしたか?」
慶司が少しを顔のトーンを落とす。なんか聞かれたくないなのか?
「真のテンプレートって『ゼロ』だけなのか?」
「テンプレート?」
おれが聞き返すと慶司が頷く。テンプレートというのはメティスを使う際に使い方に応じてイメージを固めるためにその技に名前を付けといてすぐに使えるようにすることだ。
「昨日まなみを止めた時に『アイギス』で引っかけるイメージをして『ゴルゴネイオン』っていうのを使ったんだけど・・・・ほかにもあるのかなって」
「なるほどな・・・・・まぁ慶司のメティスなら仕方ないか・・・・・・おれのテンプレートは『ゼロ』だけだな。ただ主にな」
「主に?どういうこと?」
おれはうーんと頭を掻く。
「おれのメティスは出力を調整して使えるんだ。その一つで一番使い勝手が良いものとして『ゼロ』と名付けたんだ。だから実際はもうちょい色々と使える」
「そうなのか?」
「ああ。でもな色々と問題があるからな・・・・・・」
おれはハァっとため息をついた。そのため息に慶司は不思議そうに首を傾げた。
その後は海に行き沙織先輩も巻き込んんで色々とあった。その後部屋に戻って風呂に入った後、菜緒さんから電話が来た。
「・・・・真」
急な連絡。しかもそれは衝撃の事実を告げた。
「どうかしたんですか?」
「実はな・・・・ちょっとヤバいものを見つけてな」
「なんですか?やばいものって・・・「マテリアルD」・・・!!!!!」
今なんと言った。
「菜緒さん・・・・今なんて」
「マテリアルDだ。真」
マテリアルD。おれと菜緒さんが今みたいな関係性になった原因であり、根幹だ。なぜならその薬はおれの能力を基礎とし作られた薬なのだから。
「使われているみたいだ・・・・・」
おれは菜緒さんの発言に絶句する。
「なんでいまさら・・・・・」
「わからん・・・・どこから流出したのか・・・・・」
「誰が使っているんですか?」
おれがそうゆっくりと聞く。その声に殺気が混じっているがそんなことはもう気に出来ない。
「・・・・まだわからない。ただ・・・・・」
「・・・・・関係があるんですね」
おれの言葉に菜緒さんはなにも言わない。それは肯定をしめしているのはおれにも感じ取れた。
「・・・・ちょっとこっちでも調べてみます・・・・・いや・・・・なにか持ってくるんですよね?」
「・・・・・ああ」
「わかりました。おれも今回の件には全力で取り組みます」
「・・・・・真。あのな・・・・・」
菜緒さんはその後を言うことは出来ない。でもその後の言葉は理解できた。
「わかりました」
はぁとおれはため息をつく。
「ちょっと気にかけるくらいにしときます。でも、もし・・・・・・」
おれはその先をはっきりと告げた。
「それを使っていたやつがわかったらおれ・・・・・殴りますよ」
それに菜緒さんはプッと吹き出し笑いながら言った。
「ああ。構わない。そうしてくれ。私のためにもな」
「真どうかした?」
次の日の朝。おれは琴羽と一緒に学院に向かっていた。すると隣から顔を覗き込んできた琴羽がそうおれに尋ねてきた。
「どうかって・・・・なんで?」
「いや、なんかいつもと少し雰囲気が違う気がして・・・・・なんかあった?」
おれは少し驚いてしまう。ただ琴羽にはもう隠し事は出来ないなと少し嬉し恥ずかしい気持ちになる。
「・・・・・ちょっとな」
「そっか」
琴羽は少し複雑そうに笑う。
「それはあたしには話せること?」
「えっ・・・・」
琴羽の言葉にまたドキッとさせられる。
「真ってまだあたしに隠してることたくさんあるでしょ?」
「・・・・」
おれは琴羽のほうを向いて固まってしまう。その無言は完全に図星だった。そんなおれに琴羽が優しく笑いかける。
「真が色々頑張ってるの知ってるから・・・・・でも話せることは話してね。あたしは真の彼女なんだから・・・・」
「・・・・・っ!!!」
ちょっと顔を赤くして恥ずかしそうに笑う琴羽。そんな琴羽がかわいくてしょうがなくなる。
「・・・・ありがとう」
そう言っておれは琴羽の手を握る。
「今度話すよ。実際ちょっとヤバいかもしれないんだ。琴羽にも危険があるかもしれないから」
「うん。わかった」
ギュッと琴羽が手を握り返す。その手を引いておれは走りだす。
「うわっ!!」
「さっ急ぐよ!」
「もう・・・・・うん!!」
おれたちはは通学路を駆けた。
nao side―――――
「・・・・・・・」
部室。昨日真に連絡こそしたが私はまだ信じられなかった。
「なぜ、あれが・・・・」
私は下唇を噛み悪態をつく。
「しかも・・・・これは・・・・・」
そう言って取り出す資料は今まで急に退学した生徒のリスト。
「これとも関係があるのか・・・・いや・・・・もしかしたら・・・・・」
最悪の可能性が頭に浮かぶ。しかしそうなると・・・・
「CSCか・・・・・真が薫子から聞いた話も合わせると・・・・・黒瀧が黒だな」
今度は別の資料を取る。そこにはその黒瀧のデータ。
「・・・・まだ確証がない。しかもここまでバレてないことも考えると尻尾を掴むのもかなり困難か・・・・」
ふぅっと息を吐き出す。
「これはかなりデカい山になる・・・・・ただ今は情報だな」
独り事を呟き持ってきたノートパソコンに向かう。
「もうちょっとあらってみるか」
???side――――――
「いかかですか?」
「うん。かなりいい感じだ。彼のほうもだんだんと落ち着いてきたようだし」
「はい。ただ・・・・」
「彼女か・・・・」
「はい・・・・たびたび抜け出しているようで・・・・しかも段々と力も強くなっているようで」
「そうか・・・・ハァ・・・まぁまだなにも問題が起きている訳ではないようだ。なにか手を考えることにしよう」
「はい」
「では、よろしく頼むよ」
「おまかせください」
本当に遅くなってすみませんでした。
そして短くてすみません。
もう一つの方はすらすらと書けたためそっちを書いてしまってまして・・・・
あと色々と今後のことを考えて原作を全ルートやってましたww
それで実は大まかにはラストまで見通しを立てました。
今回からは原作で言う個別ルートに完全に入りましたし、これからは琴羽とイチャイチャすることも書きながら、ラストに向けてしっかりと書いていこうと思っていますのでこれからもよろしくお願いします。
ではまた次回会いましょう!
簾木 健